序章
日も落ち周囲が闇に包まれ始めた頃、あるスラム街の一軒のバーが明かりを灯した。
バーの名は「The Gates of Hell」
怪しげな外見とその名前のお陰でこの店にやってくる人間の数は極少数である。
店内ではサングラスをかけた巨漢の男がバーカウンターでシェイカーを振り、見た目とは裏腹に美しくあり艶やかなピンク色のカクテルを小振りなグラスに注ぎ
目の前の黒髪でショートヘアの妖艶な女性に酒を提供している。
酒を出された女性が小振りなグラスを手に取り慣れた動作で一口飲み深いため息をついた。
「最近暇すぎて退屈だわ、何か刺激的なことはないかしら…」
宙を眺めながら独り言のように呟く。
「お前さんが退屈するってことは、この世の中が平和だってことだ、少なくとも人間たちにとってはな」
さも当然のことのように男がグラスを拭きながら答える
「確かに平和だな、最近じゃ上の連中も下の連中もとても大人しいようだしな」
店の奥から凛々しい声が聞こえ、その声の主がゆっくりとカウンターへ歩み寄ってくる。
「ジャンヌ、あなたも来たのね」
「あぁ、今来たところだ」
ジャンヌと呼ばれたその女性はカウンターにつくとその女性の横に腰掛ける。
「いつものでいいか?」
「あぁ」
そんなやり取りの後バーカウンターの男は慣れた手つきでカクテルを作り、小振りなグラスに注ぎジャンヌに酒を渡す。
渡された酒は隣の女性の酒と対照的に透明なシャンパンのような色をしていた。
「ところでセレッサ、エンツォのやつを知らないか?」
セレッサと呼ばれた女性は酒を一口飲みつまらなそうに
「さぁ?何やら、いい儲け話を仕入れたと言ったっきり姿を見てはいないわ」
そう答えるとグラスに残っていた酒を一気に飲み干す。
「もし、大金でも手に入ったらアイツのツケを全額請求してやるんだがな」
「それがいいな、ところでロダン、アイツのツケってどれくらいなんだ?」
バーカウンターの男、ロダンが苦虫を噛み潰したような顔をした。
「聞かない方がいいぜ。アイツぐらいだ、悪魔にここまでツケを作るような男は」
ため息をついて拭いていたグラスを棚に戻した。
「The Gates of Hell」の店主であるロダンは、金さえ払えばどんな無法者にも銃を売るという裏の仕事をやっている。
しかし彼はそれでだけではなく魔具と呼ばれる悪魔の道具を製造していて、その筋では魔界のガンスミスと呼ばれている。
悪魔が経営している店で優雅に酒を楽しんでいる二人の女性。
彼女たちも悪魔なのかというとそうではない。
約500年前
この世はアンブラの魔女とルーメンの賢者によって平和が保たれていた。
アンブラの魔女とは魔界と月を操り陰でこの世の秩序を守っており、ルーメンの賢者は天界と太陽の力を操り表立って世界を統治していた。
双方は【世界の観測者たる力を得る】とされる秘宝、【世界の目】をそれぞれが所有しており、互いに不可侵のおきてを設けることによって世界の安定は保たれていた。
しかしあることをきっかけにその均衡は破られ紛争が勃発してしまい、その結果魔女狩りが行われ双方の一族は歴史から姿を消してしまった。
そんな歴史の中アンブラの魔女には生き残りがいたのだ、それがその二人である。
セレッサと呼ばれていた黒髪でショートヘアの女性、彼女はまたの名をベヨネッタと呼ばれ彼女も主にそっちの名前を使っており、セレッサと呼ぶのは隣に居るジャンヌだけである。
そんな二人がもう一杯のカクテルに手を付けようとしていた時、店の扉が開かれ、店内にドアベルの音が響いた。
店内にいた3人が入口の方に顔を向けると、そこには上機嫌に鼻歌を歌いながら小躍りをしている男がいた。
その男は黒い服を着て宝石や貴金属を大量につけたいかにも成金というような風貌であり、ニヤニヤとした顔をして二人の元へ歩み寄っていった。
「よぉ!どうしたんだ、辛気臭い顔をして」
「そんな顔はしてないわ、それよりエンツォ、あなたこそ上機嫌じゃない?」
「そうかぁ?わかるかぁ」
そういいながら椅子に勢いよく腰を掛けると、ロダンの方を見て流れるような動作で注文をした。
「とりあえずいつものだ、後つまみで、フィッシュアンドチップスだ」
「わかった、少し待ってろ」
そういってロダンは店の裏へと姿を消していった。
「で?何があったのかしら?」
ベヨネッタがいつの間にか取り出したロリポップをなめながら顔を向けた
「この前、仕事でイギリスの方へ行ったんだがな、その時にな、これを手に入れたんだ」
そういうと鞄から布でできた袋状のものを取りだし、金属同士が擦れるような音を立てながらテーブルに置く。
「あら?中身は何かしら?」
ベヨネッタが興味深そうに言うと、エンツォは顔をにやけさせ袋に手を突っ込んで中身を取り出す
「これがその中身だ」
自慢げに言う彼の手には黄金に輝く金貨が1枚あった
「どうだぁ、ざっと数えて100枚以上はある、これだけあればツケを払いきってもまだ豪遊できるぜ」
ニタニタと笑いながら硬貨が入った袋を叩きジャラジャラと音を立てている
「ほぉ、いいものを持ってるなエンツォ」
両手にビールとフィッシュアンドチップスをもったロダンがテーブルへと歩いてくる
「おぉ、ロダンどうだよこれ、これだけあれば店のツケなんてすぐに払えるぜ」
そういってさっきまで持っていた金貨を親指でロダンの方へと弾く。
弾かれたコインは一直線にロダンの方へ飛んでいきロダンは片手でコインを受け取る
「まぁ、これだけあるんだ、お前らのツケも一緒に払ってやろうかぁ」
カカカと笑いながらエンツォは二人に話しかける
二人はそんなエンツォを鼻で笑いながら酒を飲み続ける
「私はお前と違ってツケなど作らんからな」
「私だってそうよ、でも払ってくれるっていうならこれからはお願いしようかしら?」
「おぉ、良いぜどんどん飲めや」
そういってグラスの中の酒を一気に飲み干し空になったグラスをテーブルへと叩きつける
「ハハハ、おいロダン、どうしたんだよさっきからずっと硬貨なんか見てよぉ、安心していいぞ、調べてみたら全部純金だ」
「おい、エンツォ…これは、どこで手に入れたんだ?」
ロダンがにらみつける様にエンツォの方を見る。
「これか?イギリスのバーで会った奴と賭けをしてな、そこでの戦利品さ」
大勝ちしたのを思い出したのか、大笑いしながら酒とフィッシュアンドチップスを貪り続けている。
「いやぁ、世の中何があるかわからねぇな、ところでどれだけあればツケは返せそうだ?20枚位か?」
「あぁ…残念だがこれっぽちじゃ全然足りないぜ」
「なにぃ!」
ロダンの言葉に驚愕したのかエンツォは口に運びかけていたフィッシュアンドチップスを溢しながら椅子から立ち上がる。
「おいおい、笑えない冗談だぜまったく。どう見積もったって純金の金貨が100枚以上だぜ、換金したらいくらになると思っているんだ!」
息を荒げてロダンを睨みながら残りのフィッシュアンドチップスを胃の中に収める。
「あぁ、これが普通の硬貨なら半分もありゃ十分だろうがな、残念ながらコイツはガリオン金貨だ」
「ガリオンだぁ?聞いたことないぜそんなものは!」
不貞腐れるようにして椅子に座りなおしたエンツォは手で顔を押さえ天を仰いでいる。
「まぁあの量だと精々2割程度が限度か」
「2割ぃぃ、そんな、嘘だろおい…くそっだれが!第一何なんだよそのガリオンってのは?」
「そうね、私も聞いたことないわ」
エンツォのピエロのような姿を黙って見ていた二人が声を上げた。
「こいつは少々特殊でな…魔法界という所で使われている通貨だ」
「魔法界だぁ?そんなの聞いたことないぜ」
「確かに私も聞いたことないわね」
「私は知っているぞ、噂程度にならな」
ジャンヌが立ち上がり袋の中から1枚のガリオン硬貨を手に取り指で転がすように遊ぶ。
「へぇ、それって一体どんなところなのかしら?」
「詳しくは知らんが、我等アンブラの魔女とは違う魔法を使う連中で構成された世界らしい」
「そんなところがあるのね」
「それだけじゃないぜ」
いつの間にかロダンが古そうな本を持ち出してテーブルに置くとページをめくり始めた。
「確かこの辺に…あった、これだ」
開かれたページには多少の挿絵と文章が書かれていた。
「魔法界っていうのはジャンヌが説明した通りの存在だが少し特殊なんだ」
そういうと、ページのある一部分を指さした。
「この世界が三位一体、人間の住む人間界、悪魔の住む魔界、天使の住む天界の三つで構成されているのは知っているな」
「えぇ、そして、私たちがいつも仕事をしているのがその狭間の世界のプルガトリオでしょ」
「あぁ、そうだ、だが魔法界はそんなプルガトリオの中のある一部で3つの世界の影響を等しく受け均衡を保っている場所にあるんが…」
「そんな場所聞いたことないわね」
「まぁ、詳しく説明するとややこしいが、簡単に言えば世界の狭間の歪みのようなものだ。だがこの世界が特殊なのにはもう一つ理由がある」
「理由?それはいったい何かしら?」
「なに、大したことじゃないが、魔法界という世界だけは別の時間が流れているんだ」
「別の時間?」
「そうだ」
ロダンはポケットから見慣れない銀色の懐中時計を取り出すとふたを開け時間を確認する
「今の時代とかなりかけ離れていてな、おそらく向こうの世界は1990年代といったところか」
「1990年代だと?俺がまだこの世界に入る前くらいじゃないか!」
「それで?その世界が特殊なのはわかったけど、それとこの硬貨の価値にどう影響が?」
「そうだぜ!純金は純金だ!違いはないはずだぜ!」
すっかり気の抜けていたエンツォは急に生気を取り戻したようにロダンに詰め寄る
「気の毒だがそうはいかないんだ」
「なんでだ!」
「歪みのような世界から持ち出されたものだからその存在自体が不安定なんだ、生物や魂なんかだと問題はないのだが、物体となるとバランスを失って、終いにはただのガラクタになっちまうのさ」
ロダンは諭すように言いポケットから葉巻を取り出し親指に灯した炎で火を着けた
「それによく見てみてみな、少しだけ変質し始めてるぜ。」
エンツォは急いで袋を開けて中身をテーブルの上にひっくり返すとジャラジャラと音を立てて硬貨がテーブルを埋め尽くす。
だがその硬貨には先程までのような輝きはなくところどころ錆のようなものが浮いている。
「嘘だろ!おい!何とかならないのかよ」
「諦めるんだな」
そういうとロダンはテーブルの上の硬貨を袋に仕舞持ち上げた
「じゃあ、全部いただくぜ、残りのツケも耳をそろえて払ってもらうからな」
「あぁ、わかったよ!くそ!」
エンツォは空になったコップを手に取り中身がないことを確認すると肩を落とすようにうなだれる
「まったく、ついてないぜ…そういえば、ベヨネッタ」
肩を落としたまま顔だけを上げてエンツォが声をかける
「向こうでお前さん達…【アンブラの魔女】を探している奴が居たぜ」
突然の事に私たちは固まってしまった。
アンブラの魔女は最早殆どの人に忘れ去られてしまった存在であり。私達が唯一の生き残りなのだから。
「どこの誰が探していたのかしら?」
「イギリスで賭けをしたって話したよな、その相手はかなりの大男だったんだが、そいつが金がないって言ったら後ろにいた爺が立て替えてくれてな、そん時俺が情報屋だって言ったらアンブラの魔女を知らないか?って聞かれたんだ。」
「その老人ってのは何者だ?」
ジャンヌが立て続けに質問をぶつける?
「さぁ?そんなのは知らないが、大男には校長って呼ばれてたな。」
「校長?もしかしてホグワーツとか言ってなかったか?」
ロダンは腕を組みながら手を使わずに葉巻を吸い続けている。
「あぁ!確かそんなこと言っていた。」
「となると、その男はダンブルドアかもしれないな」
「ダンブルドア?誰だそいつは?」
「そいつは、ホグワーツと呼ばれている魔法学校のトップだな」
別の本のページを開いたジャンヌが口を開く
「しかし、なぜそのような男が我等についての情報を?それにどこまで話したんだ?」
「大したことは話しちゃいないぜ、知っているというだけだ。」
「そうねぇ…本人に直接聞いてみようかしら」
「それがいいな。エンツォ、奴と連絡はとれるか?」
首を横に振りながら肩をすくめた。
「奴の連絡先なんか聞いちゃいないぜ、でも名刺は置いて行ったから向こうから何らかのコンタクトはある筈さ。」
「それってホント?」
「あぁ、アイツには俺の連絡先は教えてあるからな、近いうち手紙でも寄こすって言っていたぜ」
「それなら好都合ね」
「だが、奴が何の目的で探しているのかわからない限り、不用意に聞くのは得策とはいえんな」
「そうねぇ、なら正々堂々とホグワーツに乗り込んで聞き出すしかなさそうね、ちょうどいい暇潰しにはなりそうだし。」
「それはやめておいた方がいいぜ」
壁にもたれかかっているロダンが吸い終わったのか葉巻を手で握りつぶしながら言った。
「あの世界も一応プルガトリオの領域だ、姿を消すこともできんし、正面からドンパチやらかせば死人が出てもおかしくない」
「あら、残念ね…じゃあどうにかして潜入できないかしら?」
「ホグワーツってのは学校だろ?だったら教員として乗り込みゃいい!ここに現役の教師もいるしな」
その場にいた者の目線がジャンヌに集中するがジャンヌはあしらう様に
「本職の方をおろそかには出来ん」というと酒をあおった
「じゃあ、ベヨネッタは?」
「私は教えるのはあまり好きじゃないの」
「そうかよ…なら教員がだめなら生徒はどうだ?」
「あのなエンツォ、仮にも学校だぞ、子供ならいいかもしれないが、ここにいる奴らじゃ無理だ」
ロダンはため息を吐きながら呆れたようにエンツォを見ていた。
「ようは子供の姿になればいいってことでしょ?簡単じゃない」
そういってベヨネッタが足を動かし地面に魔方陣を出現させると、一瞬で魔法陣が光を放ちベヨネッタの姿がどんどんと幼くなっていく。
しばらくするとそこには全体的に幼くなって入るものの、その妖艶さや美貌が幼さにより引き立てられた魔性の少女が立っていた。
「こんな感じかしら」
「こりゃすげぇや、俺の子供たちと同じぐらいの年じゃねぇか!」
「ふん、相変わらず何をしでかすかわからんな」
「ビューティフル」
三者三様に感想を言い終えたところでもう一度ベヨネッタが足踏みをすると一瞬で元の姿に戻った。
「これで、新しい生徒が入りたいとでもいえば問題ないんじゃないかしら?」
「確かにこれなら大丈夫そうだろう、だが何があるかわからんぞ、用心するに越したことはない」
「あら、ジャンヌったら心配性ね」
「確かに気を付けるに越したことはないぜ、俺は後でその姿でも扱えそうな武器を考えておくぜ」
「なら俺は連絡が来たらさっそくお前のことを手紙に書いてみるぜ」
「なら私はさしずめ保護者といったところか」
「あら?あなたが保護者なの?よろしく頼むわね、マミー」
「母親より、姉という方が好ましいな」
全員が席を立ちあがると各々店から出ていき、ホグワーツに入学する準備に取り掛かるのであった。
ひっそりとした夜の街を一人の老人が歩いている、名前はアルバス・ダンブルドア。
ホグワーツの校長であり、酔いつぶれる友人を迎えに行く一人の老人である。
ハグリッドがダイアゴン横丁の飲み屋で毎晩の様に飲み明かして居ると聞いてやってきたようだが、そこには面白い光景が広がっていた。
「くそぅ!また俺の負けじゃねぇか!」
「フフフ、あんた運がないね、そろそろやばいんじゃないの?」
ハグリッドは見知らぬ男とギャンブルに興じているようだった。
状況を見るにあまり好ましい状況とは言えなかった。
「こうなりゃヤケだ!俺の持ち金全部だ!」
「こいつは面白いぜ!なら受けて立つぜ!」
そういってハグリッドはポケットの中の金を全部テーブルに叩きつけた。
「くそぉ…なんでだよぉ」
「本当にお前さん運がないなぁ」
結果は明らかだった、テーブルに突っ伏している大男、片や大笑いな恰幅のいい男。
それが今回の勝負の結果だった。
「さて、じゃあ払ってもらおうかな?」
「わかったよったく…あれ?」
「おい、どうしたんだよ」
「ない!金がない!」
「お前ふざけるなよ!金がないで済むわけないだろ!」
ハグリッドは涙声になり恰幅のいい男は怒鳴り声をあげる。
「やれやれ、お前さん、なんという様じゃ…」
「校長…こりゃ、お恥ずかしい限りです」
「ん?あんた誰だい?」
恰幅のいい男は詰まらなそうに言う。
(恰好を見るにどうやら、マグルのようじゃな、どういうわけか知らんが迷い込んでしまったようじゃの)
「ワシはこやつの上司のようなもんじゃ、すまんが今回はこれで勘弁してくれんかのぉ?」
そういってダンブルドアは男に袋を渡した。
袋を受け取った男はすぐに中身を確認して懐へしまった。
「まぁ、アンタがそうまで言うならしょうがねぇや、今回はこれで勘弁してやる」
「感謝するぞ、ところでお主はなぜこのような場所におるんじゃ?」
「あー、飲み歩いていたらそこの大男にぶつかってな、その時そいつが1杯付き合えって言うからついてきただけさ」
「なるほど。ハグリッド、後でちゃんと送ってやるのだぞ」
「わかりましただ」
「すまないことをしたな」
「いいってことよ、俺も商売柄こういうことには慣れっこさ」
「ほぅ、何をやっているのかね?見たところ金回りは良さそうじゃの」
「まぁな、俺がやってるのは情報屋さ」
「情報屋…」
(もしかしたら、【アレ】について知っているかもしれんな…)
「のぉ、お主に聞きたいことがあるんじゃが」
「いいぜ、その代わりしっかりと金はもらうがな」
「わかっておる、お主 【アンブラの魔女】について何か知らぬか?」
「アンブラの魔女?」
(やはり、マグルではわからぬか、ワシも耄碌したもんじゃ)
そう思うとダンブルドアは自嘲気味に笑った。
「お前さん、どうしてそんなに魔女について知りたいんだ?」
「なに、ただの戯言じゃ。忘れてくれんかのぉ」
「アンブラの魔女だろ…知ってるぜ」
思わぬ発言にダンブルドアは声を荒げる。
「それは本当か?どこで聞いたんじゃ!」
「まぁ、落ち着けって、俺だって慈善事業でやっているんじゃない。それに個人情報だからな、迂闊にはしゃべれないな」
「そうじゃの…何とか会う事は出来んか?」
「魔女たちに詳しい奴と連絡を取ってやってもいい…これ以上は情報屋としての依頼になるがいいか?」
「頼んだぞ。」
「それじゃあ俺はそろそろ帰るぜ、連絡ならここへ寄こしな」
そう言うとその男は懐から名刺を取り出しテーブルに置いて行った。
「あぁ、ハグリッド。送ってあげなさい」
「わかりましただ」
そういって恰幅のいい男とハグリッドは入り口を抜けていった。
しばらくすると、飲み屋にハグリッドが戻ってきた
「校長、アイツは無事に送りました」
「御苦労じゃったのぉ…アイツは何か言っておったか?」
「またこっちに来るから、そん時ここでまた会おうって約束しました」
「そうか、それはよかった。ワシも個人的に奴には話が有るからのう…」
「校長がですか?」
「さようじゃ、さてそろそろ帰るとするかの」
「はい」
こうして二人は暖炉の中に入ると炎にまみれて消えていった。
今後もよろしくお願いします。