ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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よくよく考えると、口からナメクジってえげつないですね。


新シーカー

 

ロックハートの授業が終わり、談話室のソファに足を組みながら腰を掛けて休んでいると、入り口の扉が開かれ、奥からハリー達がやって来た。

 

「やぁ、ベヨネッタ。さっきのピクシーだけど、どうやらロックハート先生が片付けてくれるらしいよ。それにしてもさっきのはやっぱり凄かったよ。どうやったのアレ?何か使っているように見えたけど」

 

先程からハリーは目を輝かせ、ロンとハーマイオニーは少し驚いている様子だった。

 

「この子を使ったのよ。どうかしら?」

 

私は銃に魔力を込め、認識妨害の効果を解除させハリー達にも見えるような状態にして、テーブルの上に緑色の宝石が埋め込まれている1丁だけ置いた。

 

「なんだこれは?」

 

ロンが銃に手を掛けようとした瞬間…

 

「待ってロン!触っちゃダメよ!」 

 

ハーマイオニーが叫び、ロンの手を跳ね除けた。

 

「何するんだよ!」

 

「危険なのよ!ベヨネッタ!貴女なんでこんなものを持ち込んでいるのよ!これが何だか知っているんでしょ!」

 

「扱いには慣れているわよ、それこそ手足のように扱えるわ」

 

「だからこれは何なんだよ?」

 

ロンがそう叫ぶとハーマイオニーは深いため息を吐いてから話し始めた。

 

「これはね、マグルの世界の武器で、銃という名前の物なのよ。とっても危険な物よ」

 

「なーんだ、マグルの物か、何かパパが言っていた気がするよ。確か持ち込み禁止のとかって言っていたかな、こんな物のどこが危険なのかさっぱりだ」

 

「それだけ危険なのよ、ハリー、貴方も知っているでしょ」

 

「うん、映画とかでなら見たことあるよ。でも実物は初めてだね、こんなカラフルな色しているんだ」

 

「これは私だけの特別製よ」

 

「もう!そうじゃなくて!」

 

ハーマイオニーは悔しそうに地団駄を踏んでいた。

 

「これは危険なのよ!これがあれば人間だって動物だって簡単に殺せちゃうほど危険なのよ!どうして貴女がこれを持ち込んでいるのって聞いているのよ!」

 

怒ったような剣幕で大声を上げてるハーマイオニーを2人は少し驚愕した顔で見ていた。

 

「さっきも言ったけどこの子の扱いには慣れているわ。それにダンブルドアの許可も貰っているわよ」

 

「うそ…ダンブルドア先生が許可なんか出すはずないじゃない!」

 

「本当よ、アクセサリーという事で許可を貰っているわよ」 

 

「えぇ…なんなのそれ…」

 

最早、絶句し意気消沈しているハーマイオニーはため息を吐き俯いていた。

 

「そうなんだ、でも脚にも付いているよね、脚のはどうやって使うの?」

 

ハリーが興味深く聞いて来るので、テーブルの上の銃を手に取り、回しながらポーチに仕舞うと、そのテーブルの上に組んだ足を置き、魔力を込めて銃を見える状態にする。

 

「うわぁ、踵のところに付いているんだね」

 

「す…凄いな…もっとよく…」

 

そう言いながらロンは銃以外に目線を送りながら近付いてきた。そんなロンに右足の銃口を向ける。

 

「あまりオイタが過ぎると痛い目見るわよ」

 

「う…うん…」

 

その場で動かなくなったロンに蔑んだ様な目線を送りながら、ハーマイオニーは小声で「最低…」と一言だけ呟いていた。

 

「よくわかったよ。ありがとうベヨネッタ」

 

もう満足したのかハリーがそう言うので私は脚を床に降ろし、再び足を組んだ。

 

「ロン…どこ見てるんだい…」

 

「どっ!どこも見てないよ!」

 

「もう…ほんと最低…」

 

ロンは必死に弁解しているが、2人はそれを信じる事は無かった。

 

 

 

 数日が経った頃には、私がピクシーを全滅させた事が多くの生徒に知れ渡ったのか、どこか恐怖を孕んだ視線を送ってくる生徒が多くなった。

 

私はいつもの様に、朝食を済ませ、大広間で休んでいると、声を掛けてくる一団が居た。

 

「セレッサじゃないか。話は聞いたよ、ロックハートの授業でやらかしたそうじゃないか」

 

声を掛けてきたのは、マルフォイ達だった。

その時のマルフォイの服装は緑を基調としたスリザリンカラーのクィディッチでよく見かけるユニフォームだった。

 

 

「あれでも、手加減したつもりよ。あの程度じゃお遊びにもならないわ」

 

「フッ…確かに君にとっては物足りないかもしれないね。それより見てくれよ!この箒、ニンバス2001!最新型さ!」

 

マルフォイがそう言うと、箒に書かれている『ニンバス2001』と書かれている所を愛おしそうに撫でていた。

 

「新しい玩具が手に入って良かったじゃない。これから試運転かしら?」

 

「まぁ、そんなところだよ。僕も血の滲む様な努力をしてやっと、クィディッチのシーカーに選ばれたからね!これから練習に行くんだ。良かったら君も一緒にどうだい?」

 

「良いわね、私も丁度、退屈してたところよ」

 

「そうか!じゃあ行こうか」

 

その言葉と同時に、マルフォイ達は振り向き、競技場に向かい歩き出した。

 

私はそんな彼等の背中を見ながら、ポーチから1本のロリポップを取り出し口に咥えた。

 

 

競技場では、ロンを始めとした、グリフィンドール生とマルフォイを始めとしたスリザリン生が何やら言い争いを始めていた。

 

「今日は僕達が競技場を使うはずだぞ!どうしてスリザリンが来ているんだ」

 

「今日は新シーカーの練習を兼ねて使う事になっている。それにこちらには、スネイプ先生が競技場の使用を許可したサインもある」

 

メモを差し出され、ハリー達はとても悔しそうな顔をしていた。

 

「新シーカー?誰の事だよ?」

 

グリフィンドールカラーのユニフォームに身を包んだ生徒がそう言うと、奥からマルフォイが堂々と歩いて出てきた。

 

「この僕だ」

 

「ルシウス・マルフォイの息子じゃないか…」

 

グリフィンドール生は嫌悪感丸出しで、そう呟いている。

 

スリザリンチームは全員が箒を頭上に掲げた。

 

「ルシウス氏からチーム全員に、最新型の箒を提供してくださった。このニンバス2001をな!」

 

そんなスリザリンのチームを見てグリフィンドールのチームは全員が唖然としている。

 

「これクィディッチの優勝は貰ったも同然さ。悔しかったら君達も買えばいいじゃないか?まぁ…もっとも…」

 

 

「そんな箒が無くったって、グリフィンドールは負けないわよ!こっちの選手は誰一人としてお金で選ばれたりしてないわ!」

 

お節介焼なハーマイオニーがマルフォイの言葉を遮り、大声でそう叫んだ。

 

すると、マルフォイの表情はドンドンと歪んでいき、怒りに満ちた表情に変わった。

 

「なんだと…貴様の意見なんか聞いてないんだ!この…『穢れた血』め!」

 

マルフォイが吐き捨てる様にそう言うと周囲の空気が一瞬にして凍り付いた。

 

『穢れた血』…ね、あまり聞き心地のいい言葉ではないわね。

 

「マルフォイ!貴様!よくもそんな事を!」

 

周囲の生徒が騒ぎ立て、中には殴りかかろうとしている生徒や、杖を抜いている生徒まで居た。言葉を吐かれたハーマイオニーは目に涙を浮かべていた。

 

そんな中、ロンが飛び出し、マルフォイに向け杖を抜いた。

 

「ナメクジ!くらえ!」

 

ロンがそう叫ぶと、杖が一瞬光輝いた。

 

魔法が放たれ、マルフォイに直撃する…

 

誰もがそう思ったが、結果は違った。

 

普通の杖ならば、間違いなく魔法は発動していただろう。しかしロンの杖は暴れ柳に突っ込んだ時に折れてしまったのを、無理やりくっ付けた物だったので、放たれるはずだった魔法は逆流し、ロンに襲い掛かったのだ。

 

「ロン!大丈夫かい!」

 

「ヴぉえ!」

 

ロンは口から巨大なナメクジを吐き出していた。

そんな光景に、その場に居た全員が目を背ける。

 

「どぼじよぅ」

 

ナメクジを吐きながらロンはハリーに顔を向け助けを求める。

 

「と…とりあえず、ハグリッドの所へ行こう、あそこが一番近いはずだ」

 

ナメクジを吐いているロンの肩を、ハリーとハーマイオニーが担ぐと、競技場を後にしていった。

 

「マルフォイ…貴様!覚悟しろよ!」

 

再び乱闘が始まりそうな空気の中、私はゆっくりと競技場の中へ入って行った。

すると、周囲の視線が一斉に私に集まった。

 

「セレッサ、見ていたのかい?無様なところを見せてしまったね」

 

マルフォイがそんなことを言いながら私に近付いて来る。

 

「えぇ、口からナメクジなんて悪趣味だわ」

 

「きっとウィーズリーの趣味だろうね。相変わらず悪趣味だ。それにしても、あの『穢れた血』には不愉快極まりない」

 

再び『穢れた血』と口にすると、周囲の生徒の視線が一層冷たくなった。

 

「不機嫌そうね。どうかしたのかしら?」

 

「あぁ、アイツが…僕が選手になれたのは金の力だと言ったんだ…入れたのは、僕の実力で、金の力なんて関係ないのに…君も奴らと同じ様に、金の力だと考えるかい…」

 

少し悲しそうな、それで最早、慣れていると言わんばかりの表情で私を見てくる。

 

「努力してチームに入った。私はそう思うわよ」

 

「本当かい!」

 

聞いた途端、マルフォイはとても嬉しそうな表情を浮かべた。とても分かりやすい奴だ。

 

「その程度で嘘なんて言わないわ。でもね…」

 

そう言うと、一瞬にして再び表情を変化させた。

 

そんなマルフォイの顔に、私も顔を近付ける。

 

一瞬、驚いたような表情を浮かべ、どんどんと顔が赤らんでいく。

それと同時に、マルフォイの胸倉を掴む。

 

戸惑い、涙目になっているマルフォイを尻目に、舐めていたロリポップを口から取り出すと、そのままマルフォイの口に押し込んだ。

 

「んぐぅ!」

 

状況がよく理解できていないのか、何度も瞬きを繰り返しているマルフォイに、私は囁く様に声を掛ける。

 

「女の子を泣かせるような事を言ったらダメよ。もし同じ様な事が有れば…そうね、キツイお仕置きが必要になるわね」

 

「お…お…しおき…」

 

口籠りながら恐怖と愉悦に歪んだ表情でたどたどしく答える。

 

「そうね…あぁ、こんなのはどうかしら」

 

杖を取り出すと、唇を這わせるように手に持ち。マルフォイに見せつける。

 

「ケツにぶち込むわよ!」

 

そう言うと同時に、掴んでいた手を放すと、マルフォイは腰が抜けてしまったのか、力なくその場に尻もちをついてしまった。

 

「それじゃあ、頑張りなさい。新シーカーさん」

 

一言そう言うと、周囲の目線を一斉に受けながら、私は競技場を後にした。

 

 

 




このセリフだけは使いたかったんだ…

3が発売されるという情報を聞いて楽しみでしょうがないですが、スイッチがありません…
何とかして入手しなきゃ…


明日は諸事情により、更新出来ないです。
また次回お会いしましょう
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