ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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今回はいつもより少し長めです。


決闘クラブ

 

 

 

 

 数日が経った。

今日はグリフィンドール対スリザリンのクィディッチの試合が開催される日だ。

 

グリフィンドールのシーカーは去年と変わらずハリーが務めており、スリザリンのシーカーは聞いていた通りにマルフォイが担当する様だ。

 

競技場へ向かおうとすると、少し上ずった声が背後から掛けられる。

 

「やぁ!セレッサ、今日は僕の初試合なんだ」

 

振り返ると、緑色のユニフォームに身を包んだマルフォイが真新しい箒を片手に立っていた。

 

「えぇ、良く似合っているわよ、今日は頑張りなさい」

 

「グリフィンドール生の君に応援して貰えるとは思わなかったよ」

 

「あら、不満なの?罵声でも浴びせた方が良かったかしら?」

 

「まぁ、その方が気が引き締まるかも…いや…そんなことないよ、君から応援されるなんて光栄さ」

 

「それはどうも、それにしても上機嫌ね、去年のハリーとは大違いね」

 

「フッ、奴と一緒にしないでくれ、僕はこの日の為に努力してきたんだ!」

 

「そぉ、いい試合を期待しているわ。頑張りなさい」

 

「あぁ!期待してくれ!」

 

声を張り上げ、スキップをしながら会場へ向かう彼の後ろを見送っていると、後ろからやって来たハーマイオニーが困惑の声を上げた。

 

「あのマルフォイがスキップしてるわ…貴女なにしたのよ?」

 

「別に。少し煽ててやっただけよ」

 

「それだけ?グリフィンドールが不利になるようなこと言ってないわよね?」

 

「さぁ?どうかしら。でも張り合いがある方が面白いんじゃないかしら?」

 

「はぁ…私にはよく分からないわ」

 

ため息を吐き、頭を左右に振るハーマイオニーと共に競技場へ向かう足を進めていった。

 

 

 観覧席に着き、しばらくすると開催のアナウンスが流れる。

 

『さぁ!これより、グリフィンドール対スリザリンの試合を開催します!選手入場です!』

 

割れんばかりの拍手の中、それぞれ寮のイメージカラーのユニフォームに身を包んだ選手が箒を片手に入場してくる。

 

スリザリンの選手の手に握られている箒は、全て統一されている。

アレがルシウスが寄贈したという箒か。

 

 

試合開始のホイッスルが鳴り響き、試合が始まり、しばらくするとおかしな出来事が起きた。

 

1つのブラッジャーがハリーを必要以上に狙い続けているのだ。

 

隣で、大声を上げているロンの話によると、ブラッジャーが1人の選手を狙い続けるという事はありえないらしい。

 

ハリーは必死に回避しているため、実害は無いものの、シーカーの仕事であるスニッチを探し、キャッチするという事ができない状況だ。

 

そんな様子を見かねたのか、ビーターのポジションであるウィーズリーの双子がブラッジャーを撃ち返し、ハリーを援護している。

しかし、ハリーを援護し続けるという事はその分で守りが手薄になるという事で、試合は圧倒的スリザリンの有利で進んでいる。

 

 

 しばらくはハリーを援護していた二人だが、状況が悪化して行くにつれ、次第に離れていき、最終的にはハリーは一人で防戦に徹しながらスニッチを探すように競技場の上を徘徊している。

 

数分が経った後、ハリーの箒が一気に速度を上げ、急旋回した。どうやらスニッチを発見したようだ。

 

その動きに合わせる様にマルフォイも速度を一気に上げ後を追うような形になった。

 

ハリーとスニッチの距離が縮まり、腕を伸ばし、スニッチをキャッチしようとしている。

 

しかし、ブラッジャーは無情にも、ハリーが伸ばしている腕に激突した。

ブラッジャーの直撃を受け、ハリーは体勢を崩してしまうが、何とか立て直し、先程とは違う方の腕を伸ばしている。

直撃を受けてしまった方は完全に折れているようで、痛々しくも、あらぬ方向へ曲がっていた。

 

スニッチが急に軌道を変え、マルフォイの方へ飛んでいく、マルフォイはこの好機を逃すはずも無く、必死に腕を伸ばす。

 

しかし、そんなマルフォイにハリーが激突し、何とかスニッチを獲得した。

 

マルフォイは何とか体勢を立て直し、空中へ飛び上がるが、ハリーはそのまま墜落し泥の上で転げまわる。

 

泥まみれのハリーがスニッチを掲げると、試合終了のホイッスルが鳴り響き、盛大な拍手が会場を包んだ。

 

試合が終了し、安堵した表情でハリーは泥の上に体を横たえる。

 

しかし、そんなハリーの顔面目掛けて、暴走したブラッジャーは飛び掛かってくる。

 

驚愕した教師陣が杖を抜こうとしているが、ブラッジャーはハリーの眼前まで迫っている。

数瞬後には、ハリーの顔面に直撃し、頭部が潰れ、周囲に脳漿が飛び散る、スプラッターな光景が広がるだろう。

 

誰もがそう覚悟し、多くの生徒は目を背けている。

 

そんな中、ウィッチタイムを発動させ、世界の流れを止める。

 

そして、悠然と右手の銃を引き抜き、ハリーの顔面目掛け1発の銃弾を放つ。

 

放たれた弾丸は空中を切り裂きながら、ハリーの顔面に迫るブラッジャーの手前まで移動した。

 

私は、ウィンクをすると同時に、ウィッチタイムを解除すると、周囲から悲鳴が鳴り響き、何かが爆ぜるような音が競技場に響いた。

 

 

目を見開き、激しく息をするハリーの周囲には、粉々に砕けたブラッジャーだった物が四散している。

 

私が放った弾丸がハリーの顔面を粉砕しようとしているブラッジャーの中心を貫き粉砕させたのだ。

 

周囲が静まり返った中、耳障りな高笑いが響いた。

 

「ハハハハッ!危ないところだったねハリー。この私がブラッジャーを破壊していなければ大変な所だったね!ハハハ」

 

奥からやって来たのは、ロックハートだ。

大声でブラッジャーを破壊したのは、自分だと言い張っている。

 

「え?先生…」

 

「おや?腕が折れているようだね。安心したまえ、この私が治してやろう」

 

ロックハートが杖を取り出すと、ハリーは露骨に嫌な顔をし、拒否しているが、そんな事はお構いなしに、ロックハートは何やら魔法をかけた。

 

 

結果的には、ハリーの骨は折れてはいなかった、何故なら…

 

 

「腕の骨が折れてないだぁ!骨がなくなっちまったじゃねぇか!」

 

ハグリッドは大声で叫ぶと、ハリーを担ぎ医務室に消えていった。

 

後に残された、ロックハートは高笑いをすると、その場からそそくさと逃げていった。

 

 

 

 次の日になると、校内でまた一人継承者による、被害者が出たという話でもちきりになっていた。

 

被害者は『コリン・クリービー』と言うらしく、マグル生まれの生徒らしい。そして今回も石に変えられた姿で発見されたという話だ。

確か、ハリーの周りをカメラを片手にチェシャ猫のようにうろついて居るのを見た記憶がある。

 

そして、今回の被害者もハリーによる犯行なのではないかという疑いを持った生徒が大勢いる様で、それを聞いたハーマイオニー達は何やら策を練っているようだ。

厄介事を起こさなければいいのだが…

 

 次の週の魔法薬の授業。

 

今回もグリフィンドールはスリザリンと合同の授業である事件が起こった。

ハリーが何を思ったのか、ゴイルが薬を作っている大鍋に花火を投げ込み、爆発させたのだ。

 

鍋に入った花火は、その瞬間に爆発し、鍋に入っていたふくれ薬が周囲に飛び散る。

 

爆音に驚いたのか、一緒に作業をしていたマルフォイが悲鳴を上げていた。

 

 

凄まじい速度で飛んでくる薬液を体を捻り何とか避ける。

しかし微量の薬液は避け切れなかったようで、胸に付着してしまった。

 

私の胸は見る見るうちに大きくなっていき、大人の状態と大差無いサイズにまで膨れ上がってしまい、幼い体に合わせた服はパツパツに張り裂けんばかりになってしまった。

 

幼い体に、豊満なバストが合さり、何とも背徳的な容姿になっている。

 

隣で薬液をもろに浴び、顔を風船のように腫らしたマルフォイが嘗め回すように私の体を、下から上へ食い入るように見てくる。

 

私は片手で胸元を隠しながら、もう片方の手でマルフォイの頬を突く。

 

「さっきからどこを見ているのかしら?」

 

「いや…別に見てなんか…」

 

「フフッ、嘘おっしゃい。さっきから胸ばっかり見て、坊やには早すぎるわよ。ママのおっぱいで我慢なさい」

 

「なっ…そんなんじゃないぞ!レディが胸元を見せているのが、見るに堪えなかっただけさ!」

 

ぷっくりと腫れた顔でそう言うと、肩に羽織っていたローブを脱ぐと、私に差し出した。

 

「これでも、使いたまえ」

 

「あら、気が利くのね」

 

膨れた顔を真っ赤に染めているマルフォイから、ローブを受け取り胸元を隠すように羽織る。

 

すると、奥から怒号を上げたスネイプが、見た事の無い程の怒りの表情で怒り散らしている。

 

「何たる事だ!この惨事を引き起こしたのは誰だ!被害を受けた者は今から『ぺしゃんこ薬』を配るから並びたまえ」

 

スネイプから『ぺしゃんこ薬』を受け取り、小瓶に入った薬液を飲み干すと、膨れ上がっていた胸が次第に子供のサイズに戻っていく。

 

元に戻った私は、伸び切ってしまった服を魔法で修復させると、借りていたローブを脱ぎ、マルフォイに手渡す。

 

「助かったわ。これは返すわね」

 

「え?…あっ…あぁ。役に立ったようだね」

 

どこか落胆した表情を浮かべながら、受け取った薬を一気に飲み干していた。

 

周囲を見回すと、薬を被った生徒に薬を配り終えた様で、ひと段落着いた様子だった。

 

犯人であるハリーの方を見ると、どこか青ざめた表情で必死に教科書に目を落としていた。

それで隠れているつもりだろうか?しかし、それに気が付かないスネイプにもいささか問題がありそうだ…

 

 

ふと教室を見回したが、どこにもハーマイオニーの姿は無かった。どこかへ行ったのだろうか?

 

そう思っていると、教室の隣の保管庫の扉が少しだけ開かれ、その奥からハーマイオニーが何食わぬ顔で戻ってきた。

 

一体何をしていたというのだろう…

 

 

 数日が経ったある日

私は半ば強制的にハーマイオニー達によって、とある教室に連行された。

 

教室に入ると多くの生徒がひしめき合っており、何かが始まるのを今か今かと待って居るようだった。

 

 

「これから何が始まるのかしら?私を連れ出したからには何かあるんでしょうね」

 

「決闘クラブよ」

 

 

「何かしら?聞いたことがないわよ、新設されたのかしら?」

 

「まぁ、そんなところよ、それに何といっても、このクラブでは…」

 

そう言いかけた時、教室の扉が開かれ、奥からロックハートとスネイプが入室してきた。

 

なるほど、ハーマイオニーの目的は、ロックハートか…

 

 

「やぁ、諸君!ごきげんよう。集まってください。私が見えていますか?よろしい!今回、ダンブルドア校長に許可をいただき、決闘クラブを開催することとなりました。自らの身に危機が迫った時、しっかりと身を守れるように皆さんを鍛え上げて見せます!まぁ、詳しい事については私の本を読んでくださいね」

 

本の宣伝が終わった後、軽く咳払いをした。

 

「さて、こちらに居るのは助手のスネイプ先生です。少し決闘についてご存知らしいので、これから、簡単な模擬演技をするので、相手役を買って出てくれました」

 

ロックハートの無謀な挑戦の宣言を聞いた後、隣に居たロンが「新手の自殺だな」と呟いていたが、まったくもってその通りだ。まぁこの際だから、ロックハートの無様な散り様を見るとしよう。

 

 

二人は壇上に上がり、互いに向き合う。

 

 

「まずは、作法に従い杖を構えます」

 

二人は互いに杖を取り出す。スネイプは眼前に杖を構え、鋭い目線でロックハートを見据える。

対するロックハートは杖を持った右手を下方に構える。

 

「3つ数えてから、最初の術を掛けます。もちろんどちらも殺意は無いのでご安心を」

 

ヘラヘラと笑いながら、周囲の生徒に説明をするロックハートに対し、スネイプは一切の隙を見せず、その視線からは殺意すら感じた。

 

この手のタイプが一番嫌いなのだろう。

 

互いに背を向け、1歩ずつ離れていく。

 

「まるで、西部劇のガンマンね」

 

ハーマイオニーがそんな事を言っている間に、ロックハートのカウントが始まる。

 

「1…2…3…」

 

2人が同時に杖を振りかざす。

 

最初に仕掛けたのはスネイプの方だった。

 

「エクスペリアームス!!」

 

渋い声が周囲に響くと同時に武装解除の魔法がスネイプの杖から放たれ、ロックハートに襲い掛かる。

 

一瞬の事に何の対処も出来ずに居る、ロックハートに魔法が直撃する。

 

吹き飛ばされたロックハートは、苦笑いをしながら、何事も無かったかのように立ち上がった。

 

「さて…皆さん分かりましたね!これが武装解除の術です。先程の打合せ通りに、私の杖は吹き飛ばされてしまいました。いやぁ、見事でしたよ」

 

スネイプを睨みつけながら、イヤイヤしく賞賛を送っていたが、睨み返されたのか、直ぐに、睨むのを止めた。

 

 

 

「模擬演技はこれでいいですね。それでは2人一組を作ってくださいね!スネイプ先生お手伝いしていただけますね」

 

そう言うと、ロックハートが勝手に組み合わせを決めていく。

結果としては、ハリーはマルフォイと組むことになった様だ。

 

私はと言うと………

 

 

「おや?レディが一人余ってしまいましたね。ではこの私、ロックハートが…」

 

胸を張りながら手を差し出す、ロックハートを遮りスネイプが歩み寄ってきた。

 

 

「吾輩が相手しよう。構わんだろ?ミス・セレッサ」

 

スネイプはそう言うと、一人、壇上に上がり私を見据える。まるで早く来いとでも言うかの様に…

 

 

 

「せっかちな男ね、早い男は嫌われるわよ」

 

「フッ、軽口を叩く余裕が有るなら早くせぬか」

 

私は、飛び上がると音もなく壇上に着地する。

 

 

「さぁ、始めましょうか、手加減してあげるわ」

 

「舐めたことを…」

 

互いに杖を構える。

そこに慌てた様子のロックハートが駆け寄ってくる。

 

 

「いいですか!あくまでも武装解除だけですよ!」

 

「分かっておる」

 

スネイプはそう言っているが、その目から感じる殺気は相当の物だった。

 

「よろしいか、では行くぞ」

 

互いに距離を取り、スネイプがカウントを始める。

 

 

「1…2…3…」

 

カウントを終えた瞬間スネイプが魔法を放ってきた。

 

「エクスペリアームス!」

 

高速で飛んでくる魔法を切り払う様に杖で受け流す。

 

「お返しよ。エクスペリアームス」

 

杖に多少の魔力を乗せ魔法を放つ。

 

放たれた魔法を、瞬時に判別したのか、スネイプは反対魔法を放ち打ち消そうとしてくる。

 

ちょうど中心で2人の魔法がぶつかり相殺される。

 

本来ならその筈だった。

 

しかし、魔力を上乗せさせた魔法は反対魔法では相殺しきれず、スネイプに襲い掛かる。

 

「クッ!プロテゴ・マキシマ!」

 

直撃する寸前に防御魔法を発動させたのか、障壁のような物にぶつかったのか、魔法が防がれる。

 

「やるではないか、少し甘く見ていたようだ」

 

「余り舐めてると痛い目見るわよ」

 

いつの間にかその場に居た全員がギャラリーと化していた様で、歓声が響いている。

 

私はそんな彼らにウィンクをして答えると、歓声がさらに大きくなる

 

「休んでいる暇などないぞ」

 

そんな私が気に食わないのか、無言で失神魔法を放ってくる。

 

放たれた魔法は一瞬で、私に襲い掛かってくる。

 

「ベヨネッタ!」

 

ギャラリーに紛れていたハリーが声を上げる。

 

その直後、失神魔法が私に直撃した。

 

 

ギャラリー達は魔法が直撃し、その場で気絶する映像が浮かんで居るのだろう。

 

 

しかし結果は違った。

 

 

魔法が直撃すると同時に、ウィッチタイムを発動させ、体を蝙蝠に変化させ、離散し、そのままスネイプの背後に回り込む。

 

「なにっ!」

 

一瞬にして姿を見失った為に戸惑っているスネイプのうなじにゆっくりと杖を押し付ける。

 

背後を取られ、杖を押し付けられたことを理解したのか、体をビクつかせた。

 

「チェックメイトね」

 

私の声を聴いて、敗北を理解したのか、手に持っていた杖を手放す。

 

床に落ちた杖は、乾いた音を立てる。その音だけがその場に響いた。

 

 

 

杖の音が止まり、しばらくするとその場が歓声に包まれた。

 

歓声の中、スネイプの杖を拾い上げそっと手渡すと、嫌そうな顔をしながら、引っ手繰るように受け取った。

 

スネイプはしばらく杖を眺めた後、口を開いた。

 

「見事だと言っておこう。先程の技はなんだ。変身術の応用か」

 

 

「さぁ?何の事かしら?」

 

「とぼけるな、蝙蝠に変化したのを吾輩はしかと、目にしたぞ」

 

「秘密よ、ミステリアスな女はお嫌いかしら?」

 

多少、笑みを振りまきながら、壇上から降りる。

 

「待て!話はまだ…」

 

「いやぁ!見事な試合でしたね!ありがとうございます。スネイプ先生、ミス・セレッサ、さて!それでは次ですよ!次!」

 

ロックハートがスネイプの前に割り込み、大声を上げる。

 

スネイプは嫌そうな顔をするが、それ以上踏み込んでくる事はしなかった。

 

 

 次に壇上に上がったのは、ハリーとマルフォイだった。

 

 

「いいですか!相手に武装解除の術を掛けるだけですよ!」

 

壇上に上がった2人にロックハートが話しかけるが、2人は話を聞く間もなく、互いに魔法を撃ち始めた。

 

互いに数発程魔法を放つ中、マルフォイが杖を振り上げる。

 

「サーペンソーティア! 蛇よ出よ!」

 

マルフォイの杖の先端から、黒い色の蛇が放たれ、壇上の上で蜷局を巻いている。

 

蛇を見た途端にハリーはその場で動かなくなってしまった。

そんなハリーを嘲笑うようにスネイプがハリーに声を掛けた。

 

「動くなポッター。吾輩が追い払ってやろう」

 

 

先程拾い上げた杖を片手に壇上へ上がろうとした時、ロックハートが遮るように一歩前へ出た。

 

「ここは私にお任せあれ!」

 

ロックハートは蛇に杖を振りかざすと、爆破音が響き、上空2m程まで飛び上がると、ポトリと同じ場所へ着地した。

 

「あぁ…えっと…」

 

ロックハートは戸惑いながら周囲を見渡しているが、跳ね飛ばされた蛇は怒り狂ったように、シャーシャーと鳴き声を上げ、近くに居た生徒に襲い掛かろうとしている。

 

スネイプが再び杖を構えようとした瞬間、ハリーの口から、蛇と同じような音が漏れ始める。まるで蛇と会話でもしているかのように…

 

スネイプを含めた周囲の人間の視線がハリーに集約する。

 

そんな事に気が付かないハリーは引き続きシャーシャーと音を立て、蛇と会話をし、気が付いた頃には、蛇も落ち着きを取り戻したのか大人しくなっていた。

 

当のハリーは、やり切ったという表情で蛇に睨まれていた生徒に微笑みかけた。

 

しかし、微笑みかけられた生徒の顔は引き攣っており、周囲を見回しても、私とハリー以外の人物は皆一様に暗い顔をしていた。

 

「何をやったんだ!ふざけるなよ」

 

先程の生徒が突然大声を上げ、ハリーを怒鳴り付けると、逃げる様にその場を離れていった。

 

重い空気が流れている中、スネイプが口を開いた。

 

「今宵はこれで終了だ。皆速やかに寮に戻るように。以上だ」

 

そう言い終えると、その場に居た生徒は我先にとその場から出ていった。

 

そんな中、ハリーはロンに、私はハーマイオニーに腕を掴まれて会場の外へと連れ出された。

 

重たい空気が流れる中、私達はグリフィンドールの談話室へと戻ると、そこでロンが口を開いた。

 

「君、パーセルマウスだったんだ!どうして言ってくれなかったんだよ?」

 

「パーセルマウス?」

 

ハリーは困惑した表情で聞き返すと、二人は真剣な顔になり、ハリーを見つめた

 

「パーセルマウスって言うのは、蛇の言葉なんだ」

 

「蛇と話せることがそんなに不思議?この学校には、僕以外にも動物と話せる人いるじゃないか」

 

「うん、でもね、蛇と話せるという事は特別なんだよ」

 

「特別ねぇ、良かったわね、もう一つビックネームが付くじゃない」

 

「へへっ、そうだね」

 

私の冗談にハリーが笑って返すが、二人の表情は曇ったままだった。

 

「ハリー…どうしてスリザリンのシンボルが蛇なのか知ってる?創設者の1人『サラザール・スリザリン』はパーセルマウスで有名だったのよ…」

 

 

ハーマイオニーの説明を受けハリーは口をあんぐりと開け驚愕している。

 

「多分、今頃学校中に噂が広まっているぜ、君の事をスリザリンの曾々々々孫だなんて噂してるかもな」

 

ロンが心配そうに言う。

 

ハリーの血縁関係は全く知らないが、可能性がゼロと言う訳ではないのだろう。

 

 




やっぱりロックハートは良いキャラしてますね。

明日も諸事情により更新できないと思います。

また、次回お願いします。
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