ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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今日は更新しないといったな…

あれは嘘だ。


ポリジュース薬

 翌日、また犠牲者が出た。

とあるゴーストと、先日蛇に睨まれていた生徒が石にされたようだ。

 

しかも運の悪い事に、今回の第一発見者もハリーだったようだ。

そのせいか知らないが、ハリーは殆どの生徒からスリザリンの後継者なのではと疑われている。

ダンブルドアも疑って居るのかどうかは知らないが、先程ハリーを呼び出したという話だ。

 

 

 

今回のような事件が続いたせいか、今年のクリスマスには殆どの生徒が自宅に帰省しており、私とハリーを含めた複数の生徒しか残っていなかった。そんな中、ハーマイオニーとロンも残ったようで、何やら3人で話し合ったりしているようだった。

 

 少人数のささやかなクリスマスディナーを楽しんだ後、自室へ戻ろうと廊下を歩いていると不思議な事が起こった。

眼前に、私と瓜二つの人物がいるのだ。まるで鏡を見ているような気分だ。

 

JOYと言う天使にも同じことをされたのを思い出す。

あの時は不愉快だった…

 

私は体を軽く捻りながら、左右にステップを踏み簡単なポーズを取る。

 

目の前の私は、少し戸惑っているようにも見えたが、鈍い動きで左右にステップを踏んでいる。いや…地団駄かも知れない。

 

次は前転するように転がり、背中から着地し、両足を天井に向けその場で体を回転させ、ブレイクダンスをする。フィニッシュは雌豹のポーズを取り眼鏡を整える。その時どこからともなくシャッター音が聞こえた気がする。

 

少し涙目になっている目の前の私は、何を思ったのか、おもむろにその場で仰向けになるとブリッジをしている。その腕はプルプルと震えており、いつ倒れてもおかしくはなさそうだ。

 

流石にバカバカしく思えてきた。

私は一瞬でブリッジをしている私に駆け寄ると、右足の銃を眼前に突き付ける。

 

「えっ?」

 

間の抜けた声が広い廊下に木霊する。

 

「何のつもりか知らないけど、仮装パーティーの時期じゃないわよ」

 

「あぅ…」

 

ブリッジをしている私は、その場で背中から倒れ、涙を流している。

 

少しすると、廊下の奥からハリーとロンが少し小走りでやってきた。

 

「ベヨネッタ…えぇ…とね…」

 

「これはどういう事かしら?いい趣味じゃない」

皮肉を込め笑いかけると、二人は苦笑いで返した。

 

 

床で横になっている私…の偽物は未だに泣いており、話にならない。

 

「はぁ…」

 

 

偽物の私に、馬乗りになり、腰をくねらせながら、中指を胸元から、喉元、そして顎先へとゆっくりと撫で上げる。

 

「ヒュイ!」

 

触られたことに驚いたのか、偽物は、声にならない声を上げている。

 

「ベヨネッタ!これは…」

 

「おい待てよ!もう少し見てようぜ…」

 

「ロン…君ってやつは…」

 

後ろでは、彼らのくだらないやり取りが聞こえてくるが、そんなものは無視しよう。

 

「さぁあ?そろそろ話してくれないかしらぁ?」

 

私は、耳元に顔を近付け、草木が擦れる様な声で囁くと、偽物の体が、ビクンッ!と跳ねた。

 

少し楽しくなってきた。

 

「だんまりを決め込むつもり?」

 

左手を、彼女の頬に添えながら、右手の銃身を、ふくらはぎに軽く押し付ける。

銃身越しにその柔肌の感触を楽しむ。

 

「ヒッ!」

 

「冷たかったかしら?」

 

 

外気に晒されてたためか、銃身が冷え切っていたのだろう。

 

私の問いかけに、コクコクと首を振った

 

「ふぅん…」

 

少し惚けた様な声で囁きながら、ふくらはぎに押し付けた銃を、ゆっくりと上部へ…

膝の裏を経由し、ゆっくりと、丁寧に撫でまわすように、内腿へと侵入させる。

 

「アッ…ァア…」

 

押し付けられている事の恐怖からか…はたまた別の感情なのかはよく分からないが、その表情は、頬を紅く染めながら、涙目になっており、その口は打ち揚げられた魚の様に口をパクパクとさせている。

 

「埒が明かないわね」

 

左手を彼女の左頬に添える。

外気は十二分に寒いのだが、その頬はとても熱を帯びていた。

 

私は頬に添えている左手を首元へとなぞる様に移動させ、首を押さえた。

突然の事に、動揺を隠せないのか、目をパチパチとさせているが、そんなことは気にも留めずに、右手の銃を数発程放った。

 

発射された弾丸は顔の輪郭をなぞる様に床に着弾し、きれいな弾痕を残した。

 

「ひぃいいいい!」

 

偽物はその場で悲鳴を上げる。

 

その瞬間、髪の長さと色が変わっていき、そこには見慣れた顔の少女が恐怖に染まった顔で目を見開きながら横になっており、恐らく失禁してしまったのかスカートとタイツは濃い黒色に染まっていた。

 

「ハーマイオニーじゃない、そんな所で寝てたら風邪引くわよ」

 

私は杖を取り出し、彼女に振るうと、先程まで濡れていた服はキレイになり、顔にも生気が戻った。

 

「あっ…あの、わたし…」

 

「はぁ、詳しい話は後で聞くわ、とりあえず談話室へ行くわよ、そこの2人、廊下の掃除任せたわよ」

 

「「えぇ?」」

 

二人は声を揃え何かを言っているようだが、そんな彼等を無視し、私達は談話室へと向かって行った。

 

 

 談話室に着き、ハーマイオニーを椅子に座らせてから、紅茶を淹れる。

 

両手で紅茶を受け取ったハーマイオニーは、ゆっくりと飲み干していく。

 

しばらくすると落ち着きを取り戻したのか、口を開いた。

 

「ごめんなさい」

 

「いいわよ、ところで、何で私の姿をしていたのかしら?」

 

「ポリジュース薬を作ったの…それでマルフォイから誰が後継者なのか聞き出そうと…」

 

ポリジュース薬、確か相手の体の一部を入れて飲むと、その相手の姿になる事が出来るという薬だ。

 

話を聞くと、マルフォイとある程度話の出来る人に姿を変えようとした結果、同室の私に白羽の矢が立ったという事だ。

 

しかし、本来の姿に変身されなくてよかった。

恐らく、一応抜け毛とは言え、多少の魔力は籠められていたお陰で、子供の姿の私に変身したのかもしれない。

 

その時、掃除を終えた二人が疲れた様子で談話室の扉を開けた。

 

「ふぅ…疲れた…」

 

彼等を見た途端にハーマイオニーの顔が紅くなった。

自らの粗相の後片付けをしてもらったのだから、それも仕方ないだろう。

 

「話は大体聞いたわ。それで…誰がこのふざけた事件の犯人なのか分かったのかしら?」

 

「それが、マルフォイは知らないって言っているんだ。僕等もクラッブとゴイルに化けて聞いたから間違いないよ」

 

「無駄骨だったわけね」

 

私の一言に3人は俯き深い、ため息を吐いた。

 

 

 

 ポリジュース薬の一件から2ヵ月ほど経ったある日、私はダンブルドアから呼び出された。

断ろうとすると、暴れ柳の罰則だと言われ半ば強制的に校長室へ連れて来られた。

 

ロン達はトロフィー磨きを命じられたようだ。

 

 

校長室に入ると、椅子に座る様に言われ、腰を掛ける。

ダンブルドアが軽く杖を振ると、テーブルの上には淹れたてのティーセットが用意された。

 

「さて、それじゃあ早速じゃが、2・3聞きたいことが有るのじゃが」

 

校長用の巨大な椅子に腰かけると、私を見据える。

 

「えぇ、なるべく手短にね。私も暇じゃないのよ」

 

「では聞くが、ロックハート先生が主催した決闘クラブに参加した様じゃの」

 

「えぇ、ハーマイオニー達に無理やり連れていかれたわ」

 

「それは災難じゃったのぉ。その時お主は、スネイプ先生と対決して勝ったそうじゃな。間違いないかの?」

 

「えぇ、間違いないわよ」

 

そう言うと、ダンブルドアの視線が険しい物へと変わった。

 

「安心していいわよ、これは使っていないわ。そこまで本気で遊ぶはずないじゃない」

 

右手に銃を取り左右に振りながら、その表面を眺める。傷一つ付いてない美しいフォルムだ。

 

 

「それなら良いのじゃ、それにしても、お主もやるのぉ。スネイプ先生はこの学校でもトップクラスの使い手じゃ」

 

「確かにそうかもしれないわね。不意を突かれたわ」

 

「その様じゃの。スネイプ先生の話では魔法は確実にお主に当たったという話じゃ…しかしの、当たった途端にお主の体が蝙蝠に変身したとも言って居るのじゃが、お主が動物もどきであるという話は聞いてはおらぬのじゃが」

 

そう言いながら杖を弄っているその視線は、さらに険しい物へと変わっていった。

 

「女の子に秘密は付き物よ。それじゃダメかしら?」

 

「秘密のぉ…ワシも独自に『アンブラの魔女』について調べてみたのじゃ…ワシの知り合いに500年以上生きておる友人がいての、その友人が少し知っておったのじゃ」

 

唐突に口を開くと、ダンブルドアは眼前に杖を構えながら話を始めた。

 

「ワシの聞いた話では、『アンブラの魔女』と言うのは主に闇の世界で暗躍して居った種族と言う話じゃ。そしてその魔力は絶大で、自身の体を様々な動物に変える事もできるという話じゃ…あくまでも噂にすぎぬとは言っておったがの…」

 

どうやら、ある程度調べたというのは本当の事の様だ。

自信ありげなその表情で私を見据えてきている。

 

「のぉ、セレッサよ。お主は血を引いている可能性を持っておると聞いた。これはワシの憶測にすぎんが、お主は『アンブラの魔女』の力を多少なりとも、使う事が出来るのではないのかのぉ」

 

鼻に着くようなワザとらしい言い方に腹が立ちが、これ以上シラを切ることは難しいようだ…仕方あるまい

 

「えぇ、そうよ。よく分かったわね」

 

「ホホホ、年寄りの勘が当たっただけじゃ。して、お主は何が出来るのじゃ?」

 

「秘密よ、それに教える義理が有るのかしら?もう戻ってもいいわね」

 

流石にこちらの事を教えてやる義理も無いだろう。

 

「まぁ今回は、これで良しとしようかの、それとこの事は秘密にしておこうかのぉ…その方が良いじゃろ?」

 

ダンブルドアは恩着せがましくニタニタと笑いながら杖を構えている。この一件で弱みを握ったつもりらしい。

 

私はその場から振り返る事なく、扉を開け談話室へと戻って行った。

 

 




今回は短めでしたね。

それではまた次回。
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