ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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3話目です。
ここからベヨネッタが本格的に魔法界とコンタクトします。

とはいえ、本領発揮するのはまだ先の話ですが。


ダイアゴン横丁で

ダンブルドア達と顔を合わせてから数日が経ち今週末を迎えた。

私はエンツォから言われた場所に子供の姿で向かっていくと、こっちの世界では見かけない奇抜なファッション…魔法使いだと思われる風貌の女性が一人たたずんでいた。

 

「あなたが、ミス・セレッサですね。私はミネルバ・マクゴナガル、今回の買い物に付き添わせてもらいます」

 

「えぇ、エスコート任せたわ。」

 

「ではいきますよ、ついてきなさい」

 

マクゴナガルがそういうと踵を返し、しばらく無言で歩いていく。

 

「ところで今日はどこへ行くのかしら?」

 

「ダイアゴン横丁です、そこであなたに必要な学用品などを買いますよ。これがそのリストです」

 

「どうせならブティックがよかったわ」

 

「ブティックにはそこに書いてあるものは売っていませんよ」

 

ジョークに真顔でまじめな回答をされ少し調子が狂ってしまう。

 

お堅い人なのだと考えながら、先程受け取ったリストに軽く目を通す。

 

「ところで、資金は持ってきているのですか。もって来ていないようなら奨学金の一部として貸し出すことも可能ですよ」

 

「問題ないわ、これだけあれば足りるはずよ」

 

そう言って私は数十枚の金貨が入った袋を取り出した

 

「それだけあれば問題ないようですね。帰りに洋服を見に行っても足りるはずですよ」

 

これは驚いた。案外ジョークが言えるのかもしれない。

 

「………冗談ですよ…さぁ着きましたよ」

 

やっぱりジョークは苦手なようだ。

 

マクゴナガルがそういうと壁の前で立ち止まり、壁の数か所を杖で叩くと壁がひとりでに動き出し、アーチ状のゲートへと変貌した。

 

「ここから先がダイアゴン横丁です。はぐれない様についてきなさい」

 

そういうマクゴナガルの後を私は慣れない体を走らせ後についていく。

 

 

「それではまず初めに、杖を買いましょう。いいですか、魔法を使う上で杖というのは非常に重要なので覚えておきなさい。ダイアゴン横丁で杖を買うならオリバンダーの店がいいでしょう」

 

そこには一軒の古ぼけた店が建っており、店内に入ると少しほこりやカビのような臭いが漂い、細長い小箱が店内に所狭しと並べられていた。

マクゴナガルがカウンターに取り付けられたベルを鳴らすと奥から店の店主らしき人物がとぼとぼと歩いてきた。

 

「おや、これはこれは、マクゴナガル先生。本日はどういったご用件で?」

 

「この子の杖を選んでいただきたいのです」

 

「かしこまりました、それではまず杖とはどういったものなのかについて説明いたしましょう」

 

店主がそう言って店の奥から数本の杖を持ってやってきた。

 

「私は別の買い物があるので少し席を外しますね、終るころには戻ってきますよ。」

 

店の外へと出ていったマクゴナガルを見送った後、再び店主が嬉々として話を始める。

 

「まず杖の素材には様々なものを使用します。その素材によって杖の力は異なっていきます。それによって使用者一人一人にあった杖というのができるわけです」

 

「そう…」

 

「そして力が強いものほど杖の芯に使わております、そして…」

 

「御高説のところ悪いのだけど、まだ続くのかしら?」

 

「おっと、これは失礼しました、それではまずこちらをお試しください。楓にドラゴンの髭、28㎝」

 

杖を受け取り軽く振るう。

しかし、何も起きる気配もなくただの棒切れをつかんでいるような感覚だった。

 

「これじゃないようね」

 

「そのようですね、ではこちらを、柏の木に吸血鬼の髪30㎝、闇の魔術に最適」

 

「ふぅん…」

 

杖を受け取り軽く振る

 

【ガシャン!】

 

大きな物音を立ててあたりの物が散らばってしまう。

 

多少の力は感じるがこれといった決め手はない。

 

「残念ね、次」

 

「そのようですね…少々お待ちを」

 

店主が店の奥へ行って何やらブツブツと呟きながら棚をあさっている。

 

2分ほど経った後に1本の杖を持って店主がやってくる。

 

「こちらを…創業以来、誰も適合しなかった一品です。世界樹に妖精の羽。18㎝、小振りながらその力は未知数…」

 

「そう…」

 

杖を受け取った瞬間それなりの力を感じる、今までの物よりはいくらかマシなものなのかもしれない。

 

そう思い軽く振ってみる、すると杖の先が光ったかと思うと一瞬で燃え尽きてしまった。

 

「こんな玩具じゃ物足りないわね」

 

「そんな…まさか、これ以上の合う杖など…」

 

店主がよろめきながら、地面にしりもちをつき、ハンカチで汗をぬぐい始めた。

 

「別の店を当らせてもらおうかしら?」

 

「待ってください!このオリバンダー創業以来1度も杖を見つけられなかったことなどありません!この名に懸けても必ず見つけて見せます!」

 

店主としてのプライドなのか、必死の形相をし懐から一本の杖を取り出し。フラフラと立ち上がる。

その時何者かが扉を開けて入店してきた。

 

「いらっしゃいませ、申し訳ありませんがしばらく…なんだ、ロダン、お前さんか」

 

「よぉ、どうしたんだオリバンダー、顔色が悪いぜ」

 

軽く手を挙げながらロダンが軽口を叩いている。

 

「放っておいてくれよ、今はお前さんの相手をしている暇はないんだ」

 

「よぉ、ベヨネッタ、お前さんここで杖を買おうとしているのか?」

 

「えぇ、ここがいいって紹介されたの」

 

「お嬢さん、この男と知り合いで?」

 

「こいつとは、ちょっと縁があってな、どうだい、お望みの物は見つかったか?」

 

「どうやら、私が満足できる玩具は置いてないみたいだわ。」

 

「いいえ!必ず!必ずあなたに合う杖がこの店にあります!!」

 

店主は大声をあげながらロダンと私を凝視している。

思った以上に商売熱心だ。

 

 

「ところでロダン、今日はどういった要件だ?」

 

「なぁに、いつものようにこいつを買い取ってもらいたいのさ」

 

ロダンは懐から1つの小箱を取り出し店主に手渡した。

蓋を開けて杖を手に取った瞬間、店主の顔は苦痛に歪み持っていた杖を床の上に放り投げた。

見た目は碧を主体にしてところどころ金色の装飾が施されたおり長さは36㎝位だろう。

 

「なんだこの杖は!触っただけで魂を吸い取られるような感覚がしたぞ…素材は何だ?」

 

「企業秘密さ」

 

「大方ろくでもないものだろうな。お前が持ち込むものは力が強すぎて使い物にならないから、殆どが観賞用行きだ。」

 

「あら、面白そうじゃない」

 

そういって床に転がっている杖を拾い上げる、それと同時に心地よい力が全身に流れ込んでくる。

 

「いけません!死んでしまいます!」

 

「そうでもないみたいだぜ」

 

「え?」

 

確かに強力な力を感じた、おそらく悪魔の…それもかなり上級な者を封じ込めて作っているのだろう。

しばらくすると力が体に馴染みきってきたので、軽く杖を振る。

その瞬間店の中が一瞬にして光に包まれた。

光の中で一瞬のうちに、私の髪に宿っている魔力が凝縮され巨大な拳が形成された。

なるほど、ウィケッドウィーブが使えるようになっているようだ。さすがはロダンといったところ。

そして杖を前に突き出すと轟音と振動が響きゆっくりと光が収縮していく。

光が収まって店内を見渡すと店の半分が何者かによって殴り飛ばされたかのように消し飛んでいた。

 

「あぁああああああ!私の店がぁ!」

 

大穴を見て店主が現実を受け入れない様に手で目を覆い天を仰いでい面に突っ伏している。

 

「いいわね、これは。気に入ったわ、パーフェクトだわロダン」

 

「俺の作ったかわいい子だ、大切に扱ってくれよ」

 

「大切に使わせてもらうわ、ところでこれ代金はいくらかしら?」

 

「さぁな、店主にでも聞いてみたらいい」

 

「そうね、こちらの杖はおいくらかしら?」

 

店主が顔を上げないまま、震えた声で呟くように答えた

 

「杖の…代金は…」

 

それっきり何も答えることなくただ虚空を眺めていた

 

「そう、それじゃあ失礼するわね」

 

私は持っていた1ガリオンを親指ではじき店主の方へと投げながらロダンと共に店を後にした。

 

 

 

 

私は先程手に入れた杖を指先で遊びながら店の外に出る。

外では数人がこちらを見てくるだけで人だかりなどは出来ていなかった。

おそらくあの店では爆発などは日常的に起こるのだろう。

 

「気に入ったようだな」

 

「えぇ、とても手に馴染むわ」

 

「特別に上等な奴を使っているからな、それとそいつにはちょっとした特典がついているんだ」

 

「特典?」

 

「あぁ、そいつを手に持った状態なら何時でも俺の店に来れるようにしてある、試しに店の中を想像してみろ」

 

目を閉じ、店の雰囲気を思い浮かべる。

ふと耳元に聞き覚えのあるBGMが聞こえてきて、目を開くとそこは、「The Gates of Hell」の店内だった。

そしてロダンはいつものようにバーカウンターの向こうでグラスを拭いていた。

 

「ふぅん、なかなか気が利くじゃない。これはどこでも使えるのかしら?」

 

「あぁ、もちろんだ、どんな場所からだってここに来れるし、ここからなら行った事のある場所ならどこへだって行けるぜ」

 

「便利な物ね、ところでバーを経由しないとダメなのかしら?」

 

「フッ…そっちの方がゲームっぽいだろ?」

 

「なら、裏技くらい欲しいものね…まぁいいわ」

 

ロダンの発言を軽く流した。

 

「まぁ、魔力の流れが関係しているんだが詳しく話すと長くなるぜ」

 

「遠慮しとくわ、理解しなくとも使えればいいのよ」

 

「確かにそうだな。一応言っておくが時間の流れは戻らないからその点は注意してくれ」

 

「ご忠告どうも」

 

「それと、コイツは選別だ、取っておきな」

 

バーカウンターにいたロダンは紺色のポーチを投げてよこしてきた。

 

「これは何かしら?」

 

「こいつには少し工夫してあってな、コイツの1つで様々な物を持ち運べる優れものさ」

 

「へぇ、それは便利ね、いっぱい洋服を持っていけそうね」

 

「容量に上限はないから、気にせずにどんどん使ってくれ」

 

「助かるわ。それじゃあ、またあとでね」

 

目を閉じて、再びオリバンダーの店の前をイメージする。

 

 

 

 

「ミス・セレッサ、何をしているのですか?」

 

目を開くと目の前にはマクゴナガルがこちらに向かって歩み寄ってくる。

いいタイミングだったようだ。

 

「いえ、別に何も…杖も選び終わったのでこうして待っていただけよ」

 

「それなら結構です。これは必要になる教科書と学用品です。残りは服だけですね、服ならマダム・マルキンの店でそろいますよ」

 

「気が利くのね、助かるわ」

 

「これも仕事のうちです。さて、目の前にある店がそうです。服の採寸だけなので一人でも問題ありませんね」

 

「それくらい、子供でもできるわ」

 

「子供が何を言っているのですか、まぁ貴女なら問題ないでしょう…私は外で待っているので行ってきなさい」

 

 

 

店の扉を開いて店内に入ると何やら言い争いをする少年達の声が店内に響いてくる。

だが、あまりその少年達に興味が湧かなかったので近くにいた店員を呼びつけ、服の採寸を頼むと何やら魔法を使いすぐに採寸を終わらせた。

 

「数分でできると思いますので少々お待ちください」

 

 

店員がそういうとお店の奥に消えていった。

中々この世界の魔法も便利なものだと考えながら、いったいどんな服が来るのか考えていた。

あまりにもひどいセンスの服が来るようなら、少し手を加えようかとも考えているその時、店内で言い争いをしていた金髪の方の少年が私の方を見るといきなり話しかけてきた。

 

「おや、君も今年ホグワーツに入学するのかい?僕の名前はドラコ・マルフォイだ。よろしく」

 

「よろしくね坊や、ベヨネッタかセレッサ、好きな方でいいわよ。」

 

「いきなり坊やとは失礼じゃないか、それになぜ名前が2つあるんだい?」

 

マルフォイは少し不機嫌そうに、こちらを睨みながらも握手を求めるように手を差し出してくる。

 

「いろいろと複雑なのよ、察してくれると助かるわ」

 

握手を返しながら答えると少し考えるような顔をした後「分かった」と一言答えた。

 

「セレッサ、こんな事を聞くのは失礼かもしれないけど君は純血かい?」

 

「純血?どういう意味かしら?」

 

「両親が魔法使いかどうかって事さ、もしかしてマグル出身?」

 

なるほど、どうやらこの少年は血筋を大切にする主義なのだろう。

 

確かに私の両親はルーメンの賢者とアンブラの魔女、お互いに不可侵のおきてを破った間に生まれた不浄の子供だ…

 

「………」

 

「どうしたんだい?」

 

「ちょっと両親のことを思い出していたわ…」

 

マルフォイは何かを感じ取ったようでわかりやすく狼狽え始めた。

 

「すまない、答えにくいような事を聞いたみたいだ」

 

「別にいいのよ、さっきの質問だけど私の両親は共に力があったわ」

 

「そうか、でもなんでそんな君がマグルの世界に?」

 

500年前に封印され、目を覚ましたら両方の一族が滅んでいたとは流石に言えないのでエンツォの考えた設定を少し利用することにする。

 

「私は隠し子だったのよ、だからマグルの世界で育てられたのよ」

 

「そう…だったのか、すまない」

 

「別にいいのよ、気にしないで」

 

どうやら私の言葉を信じ切ったようで、その後も何度か謝罪の言葉をかけてきた、意外と紳士的なところもあるようだ。

 

しばらくすると服が完成したのか、服の入った紙袋を手に持ったマクゴナガルが持ってきた。

とりあえず服の代金を取り出して店員に渡して店を出ようと扉に手をかけると…

 

「ミス・セレッサ、次会う時が楽しみだ」

 

「えぇ、それじゃあ失礼するわね」

 

「それじゃあ、行きますよ」

 

店の扉に手をかけ後ろを振り返ると、奥の方に眼鏡をかけたみすぼらしい姿の少年がこちらを睨んでいた。マルフォイの方はこちらに手を振ってきていたので私も軽く返した。

 

マクゴナガルの後に続き私が店を出てしばらく歩き、ダイアゴン横丁のゲートの前までやってきた。

 

「必要なものは以上です、当日のチケットは追って送りますのでそのつもりで。何か質問はありますか?」

 

「いいえ、特にはないわ」

 

「そうですか、それでは私はこれで。次はホグワーツ出会いましょう」

 

そういうと目の前から姿を消してどこかへ行ってしまった。

 

残された私は荷物をポーチの中にしまい、杖を手に取り目を閉じた。

 

再び目を開けるとそこは「The Gates of Hell」の中だった。




いかがでしたでしょうか?

ベヨネッタが敬語を使う姿が想像できなかったので敬語は使っていません。
恐らくこの先も使う事は無いでしょう

次回はとうとうホグワーツに侵入します。

次回もよろしくお願いします。
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