はい、本当に待たせすぎですね。申し訳ない。
アズカバン編はかなり大人しかったので、今回はかなり暴れようとした結果…
相当やりすぎたなって思いながら、もう書いてしまったものは仕方ないという気持ちで投稿しています。
試合が始まるまでは平和なので、束の間の平和をお楽しみください。
それでは炎のゴブレット編スタートです。
パーティードレス
エンツォからの仕事を終わらせ、私はバーへと向かった。
扉を開け中へ入ると、すでに出来上がっているエンツォと、興味深そうに日刊予言者新聞に目を落としているジャンヌ、そして相変わらずバーカウンターの奥でグラスを磨いているロダン。いつもの風景が広がっている。
私の存在に気が付いたのか、ジャンヌが面白い物を見つけた時と同じ表情で、私に新聞の一面を見せてきた。
「セレッサか、これを見てみろ、どうやらまた事件が起きたようだぞ」
「え?」
ジャンヌから新聞を受け取り、目を落とすとそこには、一面総てを飾る程の見出しが出ている。
『クィディッチワールドカップ会場に闇の印が現れる!!屋敷しもべの悪ふざけか?それとも…』
「なにこれ?」
「さぁな、だが大事になっている様だな。闇の帝王もそろそろ復活するんじゃないか?」
「冗談じゃないわ、あんなブサイクが復活するなんて考えたら…」
「フッ、その時は魔法界も大騒ぎだな」
ジャンヌは冗談っぽい口調で話すと、再び新聞に目を落とした。
それにしても、この事件、恐らく屋敷しもべの悪戯なんて可愛らしいモノではないだろう。
ピーター・ペティグリュー護送中の襲撃事件の件もある。
どうやら、死喰い人が本格的に動き出しているのかもしれない。
「ふぅ…」
まぁ、どちらにせよ、退屈凌ぎにはなるだろう。
そう考えながら、バーカウンターの一席に腰かける。
「お前さんに手紙だ」
ロダンから手紙を受け取り、差出人を確認した。
「あら、ロンからだわ」
2通ある手紙の内1通はホグワーツからの連絡、そしてもう1通がロンからの手紙だった。
手紙の内容は、クィディッチワールドカップに来ないかという事だった。
エンツォからの仕事を請け負っている間にその期限は過ぎてしまったようだ。
仕方ない、後で手紙を送っておこう。
ホグワーツからの手紙はいつも通り今学期に必要になる教科書のリストだった。
その中に、なぜかパーティードレスの項目があった。
パーティードレスか、どれを持っていこうか少し迷ってしまうな…。
すると、ロダンがカクテルを私に差し出した。
その時、店の扉が開かれ1人の男が入って来た。
帽子をかぶり、レザーのジャケットを羽織り、首にはマフラーを巻いている。
「よぉ、開いてるようだな」
その男は、私の隣に座ると、ロダンに何やらプレゼント箱を渡している。
「ほぉ、これは…」
「この前行った日本の酒だ。『魔王』なんて名前だぜ」
酒を受け取ったロダンは満足そうに店の奥へと消えていった。
「アンタも相変わらずね、ルカ」
「このルカ様はビジネスにおいて抜かりはないのさ」
ルカは自慢げにそう言うと、手帳を取り出した。
「聞いたぜ…ベヨネッタ、お前今、魔法界なんて面白そうな所で学生をやっているそうじゃないか」
「そうなのよ。退屈しないで済むわよ」
「フッ、そうかい、それにしてもお前が学生とは想像も付かないぜ」
ルカはそう言うと、メモ帳に何かを書き込み始めた。
「俺は今度、その魔法界に行ってみようと思っているんだ。どうやって行けばいいか教えてくれないか?」
「さぁね。ロダンにでも聞いてみたらどうかしら?」
「はぁ…そう言うと思ったぜ」
ルカは詰まらなそうにため息を吐き、マフラーを巻き直している。
私はそんなルカを尻目に、店の扉を開け外へと出た。
私は例年通りにホグワーツ特急に乗り込んだ。
去年は途中でディメンターの襲撃を受けたが…まぁ今回は大丈夫だろう。
外は大雨となっており、多くの生徒が列車内に駆け込んでいる。皆雨に濡れるのは嫌なのだろう。
そんな事を考えていると、コンパートメントの扉が開かれ、ハリー達が入って来た。
「やぁ、ベヨネッタ。久しぶりだね」
「そうね、席空いているわよ」
「ありがとう。座らせてもらうよ」
ハリーは荷物置き場に荷物を置き対面に腰かけた。
ハーマイオニーも同様に荷物を置き、私の横に腰かけた。
ロンは、入り口付近に荷物を置くと、ハリーの横に座った。
「ベヨネッタ、クィディッチワールドカップに来られなくて残念だったね。まさか予定が入っているとは思わなかったよ」
ロンは少し自慢げにそう言うと、話を続けた。
「やっぱり、プロのクィディッチは凄いね!迫力が違うよ!もうなんて言うの…分からないけど凄いよ!」
「そうだね!あれは凄かったなぁ…」
ハリーとロンは、クィディッチワールドカップの事を思い出したのか、嬉しそうな表情をしている。
「僕生まれて初めてだよ!あんなにすごい試合を見たのは…」
「それは、君の人生において最初で最後だろうな、ウィーズリー」
ロンの自慢話を遮る様に、ドラコがコンパートメントの扉を開き入って来た。
「何の用だよ…お前を呼んだ覚えはないぞ、さっさと出ていけよ」
ハリーは冷たい声でドラコを追い返そうとする。
「お前たちに用なんて無いさ…やぁセレッサ、君は今回のクィディッチワールドカップは見に来たかい?」
「用事があって行けなかったわ」
「そうだったのか、それは残念だ。素晴らしい試合だったよ、それに試合後の催しもあったしな」
ドラコが皮肉そうに言うと、3人の表情は険しいものへと変わった。
「催しだと…お前!あれが催しだというのか!」
ハリーが立ち上がり、怒声を上げながら、ドラコに詰め寄るが、両脇に控えている、クラッブとゴイルに抑え付けられる。
「なかなか趣向が凝らされていたじゃないか、マグルが数名亡くなったらしいがな」
「貴様!」
ハリーはドラコを睨み付けるが、抑え付けられている為、何も出来ないようだ。
「クィディッチワールドカップでの事よね、屋敷しもべの悪戯じゃなかったのかしら?」
「あぁ、セレッサ。世間ではそんな報道をされている様だね。でも実際は違うんだ。死喰い人が会場を襲撃したのさ」
ドラコは何処か誇らしそうに、胸を張っている。
「もうじき、闇の帝王が復活されるだろうな、そうすれば………」
ドラコは、床に抑え付けられているハリーに近寄り、髪を掴み顔を覗き込んだ。
「お前の名声も地に落ちるだろうな、ポッター!」
ドラコはそのまま、ハリーを突き放すと、入り口に置いてあるロンの荷物に目を向けた。
「おやおやおや、これは?」
ドラコは荷物に手を突っ込み、1着のドレスを引っ張り出した。
「やめろ!マルフォイ!」
「これ見ろよ!ウィーズリー、こんなお古を本当に着るつもりか?言っておくが、これが流行ったのは1世紀以上前だろう」
私からすれば1世紀半程前だろう。
確かにあまりいいドレスローブとは言えない物だった。
と言うか、あれは女性ものじゃないのか…。
「僕はこの時の為に、一流の仕立て屋にドレスを作らせたよ」
自慢げに語るドラコは、手に持っていたロンのドレスローブを投げ返すと、こちらを流し目で見てきた。
「あぁセレッサ、君はどんなドレスを持って来たんだい?もしあれなら僕が一流の品を用意しよう」
「お気遣いどうも、でも問題無いわ、ドレスが多すぎてどれにするか迷っちゃうくらいよ」
「フッ、君なら何を着ても似合うだろうな。楽しみだよ」
「そうね、それにしても、ドレスを用意させるなんて、今年はダンスパーティーでもやるのかしら?」
「おや?聞いてないのかい?今年は特別な催しがあるんだ。ウィーズリー、貴様も父親から聞いて居るんじゃないか?」
「何のことだよ?」
「まさか…聞いてないのかい?」
ドラコは、呆れた様に溜息を吐き、首を左右に振っている。
「父親も兄上も魔法省に務めていると言うのに、まるで知らないのか?驚いたね。父上なんか真っ先に僕に教えてくれたのに…ファッジ大臣から聞いたんだ。まあ父上はいつも魔法省の高官と付き合っているしな。多分君の父親は、下っ端だから知らないのかもしれないな…そうだ、おそらく君の父親の前では重要事項は話さないのだろう。恨むなら自分の父親の役職を恨むんだな」
ドラコは、馬鹿にしたような口調でロンに話しかける。その様子はとても楽しそうだった。
「だからなんの事だよ!」
「フッ、まぁいいさ、後でダンブルドアから説明があるはずさ。それまで楽しみにしているんだな」
ドラコは高笑いをし、その場から離れていった。
「くそっ!」
ロンは力任せにコンパートメントの扉を閉めたので、ガラスが割れてしまった。
ハーマイオニーは呆れた様に、杖を振り扉を元に戻した。
ロンは城に入るまで終始不機嫌だった。
しかし、入学式も終わり、歓迎パーティーが始まると、目の前の料理に舌鼓を打ち、機嫌も直ったようだ。まったく、現金なものだ。
しばらくすると、ダンブルドアがいつもの様に挨拶を始めた。
「さて、皆久しいのぉ。皆よく食べ、よく飲んだことじゃろう」
私もデザートを食べ終えたところだ。
多くの生徒も食事を堪能しきったのか、皆ダンブルドアの言葉に耳を傾けている。
「さて、ここでいくつか皆に知らせておきたいことがある。校庭にある森はいつもの様に立ち入りは禁止じゃ、ホグズミード村へも3年生になるまでは禁止じゃ」
いつもと変わらない事を説明した後、ワザとらしく咳払いをし、再び声を上げた。
「その、この事を皆に説明するのは非常に忍びないのだが…皆驚かずに聞いて欲しい」
少し大げさでは無いだろうか、ここまでハードルを上げるにはそれなりの理由があるのだろう。
「今年の寮対抗クィディッチの試合は中止じゃ」
ダンブルドアの発言に、多くの生徒が不満の声を上げ、会場は混乱の渦に飲み込まれた。
中には、絶望しきった顔で空を眺めているものまでいる。
もちろんその中にハリーも含まれている。
そんな中、ダンブルドアは意味深な含み笑いをし、この状況を眺めている。
相変わらず悪趣味な男だ。
「まぁ、皆が不満に思う気持ちも痛い程分かる。じゃがそれには理由があるのじゃ!」
ダンブルドアは大声を上げ、周囲の生徒もその声に聞き入った。
「なぜならば、今年このホグワーツで…」
ダンブルドアがそこまで言いかけると、大広間の扉が勢い良く開かた。
その音に皆一様に驚き、振り向くと、そこには1人の男が立っていた。
顔は傷だらけで片方の目が飛び出ている、あれは義眼だろう。
その男は、周囲の生徒の視線をものともせず、左足を引きずりながらダンブルドアの方へ歩み寄って行く。左足も義足なのだろうか。
「久しぶりだな!」
「おぉ…アラスター、来てくれたのか」
その男は、ダンブルドアに近付くと、手を差し出し、2人は固い握手を交わした。
「おぉ、そうじゃ、まずは闇の魔術に対する防衛術の新しい先生を紹介しよう」
ダンブルドアは、先程座った男を見ながら、紹介を始めた。
「アラスター・ムーディ先生じゃ」
その紹介に、数名の生徒が拍手を送ったが、その拍手もすぐに終わった。
ダンブルドアは再び咳払いをし、会話を始めた。
「先程言いかけた事じゃが、ここ数ヵ月間、このホグワーツでは心躍るイベントが行われるのじゃ。このイベントはここ100年以上行われていなかった特別な事じゃ…それは三大魔法学校対抗試合!『トライ・ウィザード・トーナメント』を開催するのじゃ!!」
「「御冗談でしょう!」」
「なんだって!」
「嘘だろ!」
ウィーズリー家の双子が声を上げ、その他にも、様々な声が響き渡る。
皆驚きと、歓喜を孕んだ悲鳴だ。
その光景にダンブルドアは愉悦の表情を浮かべ酔いしれている。
「三大魔法学校対抗試合?何の事よ?」
「あぁ、ベヨネッタ、君は知らないんだね。これはとても栄誉な大会だよ!」
ロンは興奮交じりに説明すると、椅子の上に立ち、歓喜の声を上げている。
その後、ダンブルドアが三大魔法学校対抗試合について説明を始めた。
ホグワーツ魔法魔術学校、ダームストラング専門学校、ボーバトン魔法アカデミーの生徒たちが技を競う魔法試合である。それぞれの学校からひとりずつ代表が選ばれるという話だ。
「立候補するぞ!」
1人の生徒が声を上げるがそれをダンブルドアが制した。
「すべての生徒がこの大会に熱意を持ってくれているのは大変嬉しく思う。じゃが3校の校長と魔法省はこの大会に年齢制限を設けることで合意した。ある一定以上の年齢…すなわち17歳以上の生徒だけが参加する事が許される」
ダンブルドアは残念そうにそう説明しつつ、私の方を睨みつけている。
どうやら、私には参加するなと言いたいようだ。面白い…そこまでされるとむしろ参加したくなる。
「そりゃないぞ!」
「俺達は4月で17歳なんだぜ?なんで参加できないんだよ」
ウィーズリー家の双子は残念そうに肩を落としている。
私はそんな彼らをよそに、談話室へと戻った。
まだこの辺は平和ですね。
ダンブルドアとしてはベヨネッタには参加して欲しくは無いようです。
今回から少し書き方を変えたのですが、こっちの方が良いんですかね?
良く分からないです。