ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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そろそろ、平和も終わるかな?


三校集結

 数週間後、詰め込み授業にも皆が慣れ始める。

 

 そんな中、闇の魔術に対する防衛術の授業でムーディがとてつもない事を言い出した。

 

 何と、ムーディ自身が、生徒達に服従の呪文をかけると言い始めたのだ。

 

 何処か楽しんでいる様な表情のムーディは、杖を引き抜くと、教室の中央に特別にスペースを作った。

 そんな中、ハーマイオニーは少し戸惑いながら口を開いた。

 

「先生…ですがその呪文は違法だとこの前…もし人に向けて使ったらアズカバンに…」

 

「その点については安心しろ、ダンブルドアから許可は貰っている。まぁ、どうしても受けたくないと言う者が居るならば、特別に免除してやる」

 

 ムーディに言い返されたハーマイオニーは小言を言いながらも席へと座った。

 

 その後、ムーディは生徒を1人ずつ呼び出すと服従の呪文をかけ始めた。

 

 服従の呪文をかけられた生徒は、突然踊りだしたり、走り回ったりといった奇行を行っている。

 

 そして、ムーディが呪文を終わらせ、ようやく我に返ったようだ。

 

「次は貴様だ小娘! さっさと前に出ろ!」

 

 前回、私に負けたのが癪に障ったのか、ムーディは私に杖を突き付けながら指名した。

 

 私は、スペースの中央に立つと、両手を腰につける。

 

「余裕そのものだな…だがそれは何時まで持つかな! インペリオ!」

 

 ムーディが呪文を放つと、私の体が少し暖かくなるような感覚に陥った。心地よい暖かさだ。

 

 確かに、普通の人間ならば、この暖かさと幸福感で何でも言う事を聞いてしまうだろう。だが、所詮はその程度だ。

 

 私は肩を竦めながら首を振る事で呪文が効いていない事をアピールする。

 

「くそ…インペリオ!」

 

 再び呪文が直撃するが先程と何ら変わらない。

 

「どうしたのよ? マッサージにもならないわよ」

 

 私は笑みを浮かべると、ムーディはつまらなそうに杖を仕舞い込んだ。

 

「信じられんな…呪文がここまで効かないとは…」

 

 その後、ムーディは他の生徒にも同様に呪文をかけていく。

 

 呪文にかかった生徒は、ムーディの言われるがまま踊り狂ったりしていた。

 

 

 結局、最終的に服従の呪文に対抗できたのは、私とハリーだけだった。

 

 

 

 数か月後

 今日はボーバトンとダームストラングの生徒を迎え入れるべく城の前に集合させられた。

 

 生徒をはじめ、教職員も他校の生徒がどの様にこの城まで来るのか楽しみにしている様だ。

 

 その時、ある生徒が空を指差した。

 

 その先には天を掛ける12頭の馬が巨大な馬車を引いているのが目に入った。

 

 その馬車は城の前に轟音と共に着地する。

 

 中からはハグリッドと変わらない程の身の丈の女が出てきた。

 

「これはこれは、マダム・マクシーム。ようこそホグワーツへ」

 

 ダンブルドアが手を差し出すと、巨大な女…マクシームが手を握り返し、2人は握手をした。

 

「ダンブ・ドールお元気そうで何よりー」

 

「おかげ様で問題なしですぞ」

 

「わたくーしのせいとです」

 

 

 マクシームはフランス訛りで後ろに居る自校の生徒達の紹介を始めた。

 

 巨大な馬車からは数十名の男女の学生が姿を現し、寒そうに震えていた。

 

 上着すら羽織らないとは…流石にこの時期にその薄着は厳しいだろうに。

 

「カルカロフはまだーですーか?」

 

「まだ見えてはおらぬ様じゃ、このまま外でお出迎えなさるかの? それとも城でお待ちになるかの?」

 

「なかでまちーます」

 

 マクシームが即答する。

 

「そうでーす、このウーマは…」

 

「わが校の魔法生物飼育学の担当の先生が喜んで世話をするはずじゃ」

 

 ダンブルドアの言葉を聞き、マクシームは安心したのか、震えている生徒を引き連れ城へと入って行った。

 

 しばらくすると、湖の方から水飛沫が飛び散る音が聞こえてきた。

 

 湖の方に目を向けると、水中から巨大な難破船が引き揚げられる様に浮上してきた。

 

 完全に浮上し終えると、甲板から一人の男が飛び降りてきた。

 

 その男は分厚い毛皮のマントを羽織り、まるで軍人の様な出で立ちだった。

 

「おお! ダンブルドア! 久しいな、元気だったか!」

 

「相変わらずじゃよ、カルカロフ校長」

 

 2人は先程同様、固い握手を交わした。

 

 その後カルカロフと同じようなコートに身を包んだ、ダームストラングの生徒達が甲板から飛び降り地面に着地すると、軍隊パレードの様に綺麗に整列し、隊列を組みホグワーツへと入って行った。

 

 見届けた後、私達はマクゴナガルの指示で大広間へと移動させられた。

 

 

 大広間に入ると、他校の生徒の姿は見えなかった。何処かで待機しているのだろうか?

 

 

 席に着き、少し待っていると、壇上にダンブルドアが登壇し、演説を始めた。

 

 

「諸君、本日我々は新たな友をこの城に迎え入れようと思う。彼等はこの1年間留学生として学校生活をしてもらう事になる。まだこの城に慣れておらん…故に諸君らには彼等を助けてやってほしい」

 

 いつもと違い、今回はかなり真面目な演説を行っているな。

 

「三大魔法学校対抗試合とは言え、他国の者と関わり合いを持つという事はとても貴重な経験じゃろう。この1年間は、彼等と親睦を深め、素晴らしい友情を築いてほしい」

 

 ダンブルドアの長い演説が終わると、いつもの様に拍手が響く。

 

「それでは諸君、今宵は特別に、彼等を呼び入れるとしよう」

 

 

 ダンブルドアの一声と同時に、大広間の扉が開かれ、水色のスーツを着込んだボーバトンの生徒達が、ワルツの演奏に合わせダンスを踊りながら入場してきた。

 

「どうやら、パフォーマンスを披露してくれるようじゃの。フランスの魔法学校、『ボーバトン魔法魔術アカデミー』の生徒と、フランス魔法生物学の権威である、マダム・マクシームじゃ」

 

 ダンブルドアの紹介にボーバトン校の生徒と、マクシームは手を振りながらレイブンクローの席へと座った。

 

「次はドイツの『ダームストラング専門学校』の生徒達と、校長のイゴール・カルカロフじゃ」

 

 

 生徒達の拍手が鳴り響くと同時に、先程までのワルツが転調し、今度は重圧なマーチへと変わった。

 

 開かれた扉から、ダームストラング生が軍靴の音を響かせながら、長い杖を一糸乱れぬ動作で地面を叩き隊列を組み入場してきた。

 

「く! ク! クラムか! ハリー! クラムだぜ!」

 

 派手な演出と共に炎の中から1人の青年が現れると同時に、ロンを始め、多くの生徒のテンションが最高潮を迎えた。

 

「凄い盛り上がりね、誰なのあの男?」

 

「ベヨネッタ! 君! クラムを知らないのかい! クラムは世界最高のシーカーの1人だぜ! まだ学生だったなんて…信じられないよ!」

 

「へぇ…あまり趣味じゃないわね」

 

 私の言葉に、ロンは信じられないと首を振っている。まぁ、趣味でないものは仕方がない。

 

 ロンは席を立ちあがるとクラムに必死にアピールしグリフィンドールの席に招きたい様だったが、その願いとは裏腹に、スリザリンの席へと座った。

 

「くそ! なんでスリザリンなんかに!」

 

 ロンは、分かり易く機嫌が悪くなると、悪態をついている。

 

 ダンブルドアは壇上の上で1度咳払いをすると、演説を続けた。

 

「さて…ようこそホグワーツへ、心から歓迎じゃ。本校での生活が楽しいものになってくれる事をワシは心から願っておる」

 

 ダンブルドアの演説に先程まで盛り上がっていた会場は、水を打ったように静かになり、皆演説に耳を傾けている。

 

「あまり長い演説では興が覚めるじゃろう。それでは大いに飲み、喰らい、楽しんでくだされ!」

 

 その言葉と同時に、机の上に様々な料理が並べられていく。

 

 普段の英国料理のほかに、フランス料理や、ドイツ料理まで並べられている。

 

 

 ロンは初めて見る料理に興味津々な様で、ハーマイオニーにあれこれ聞いている。

 

「ねぇねぇ! これ何? この魚がいっぱい入っているやつ!」

 

「ブイヤベースね」

 

「え? 今クシャミした?」

 

「フランス語よ、この前食べたたけど美味しかったわ」

 

 そんな微笑ましい光景を見ながら、私はブルスケッタに手を付ける事にした。

 

 

 しばらく食事を楽しんでいると、後方からフランス訛りの英語が聞こえてきた。

 

「ここが、クリフィンオールでーすか?」

 

 振り返ると、そこにはボーバトン生と思われる女子生徒が立っていた。

 

 ロンとハリーはその生徒に目を奪われているようで、ハーマイオニーは呆れた様に溜め息を吐いている。

 

「どーかしまーした?」

 

『別に、いつもの事よ。気にする必要ないわよ』

 

『あら、貴女フランス語が話せるのね』

 

「ベヨネッタ、貴女フランス語喋れるの?」

 

 女子生徒とハーマイオニーが驚いたように同時に声を上げた。

 

「字幕よ」

 

「え? ベヨネッタ…何の話?」

 

 ハーマイオニーは理解しきれないといった表情で頭を抱えている。

 

『ベヨネッタ? 銃剣? 貴女が?』

 

『最近じゃそんな風に呼ばれる事もあるわ』

 

『そうなのね、まぁ良いわ』

 

 女子生徒はそのまま、その場から離れ別の生徒の所へと歩いて行った。その後姿をロンはずっと見つめていた。

 

 

 パーティーも終わりを迎えると、ダンブルドアが再び登壇し三大魔法学校対抗試合に関する説明を始めた。

 

「時は来た。これより三大魔法学校対抗試合を始めるにあたって2、3説明をしておこうかの」

 

 そう言うと、ダンブルドアは大会を開催するにおいての協力者の紹介を行った。そして大会は『バーテミウス・クラウチ』『ルード・バグマン』と学校長の5人が審査するという話だ。

 

 

 

「さて、ここで重要な選手の選考方法じゃが…今回は公平を規すべく、ある物を使おうと思う…ミスター・フィルチ、箱をこちらへ」

 

 すると、フィルチが重厚な木箱をダンブルドアに手渡した。

 

「代表選手がどの様な競技を行うかはすでに決まっておる。課題は3つじゃ。この3つの課題により代表者は様々な観点から試される事になるじゃろう…」

 

 ダンブルドアは箱をテーブルの上に置いた。

 

「皆も知っておるじゃろうが、今回の大会で選ばれる代表者は3人、各校1人ずつじゃ。選手は課題をどの様に攻略するかを採点され、合計得点の最も高い者が優勝杯と1000ガリオンを獲得するのじゃ。そして代表選手を選ぶのは…この炎のゴブレットじゃ!」

 

 ダンブルドアの声と同時に、木箱から青白い炎が立ち上がり、中から青白い炎を身にまとったゴブレットが姿を現した。

 

 

 

「代表選手に名乗りを上げる者は、羊皮紙に名前を書きこのゴブレットの中に24時間以内に入れるのじゃ。明日の夜…ハロウィーンの夜にゴブレットが代表選手を選び出すじゃろう…じゃが、炎のゴブレットに名前を入れればそれは魔法契約となり、取り消すことはできなくなる。悪戯半分でその名を入れぬように。それとこのゴブレットは玄関ホールに設置するが、その周囲にはワシが年齢線を引く。17歳に満たない者は何者であろうとこの線を越える事は出来ん。それを理解してもらいたい」

 

 

 

 ダンブルドアはそう言うと同時に私の方を睨みつけて来る。

 

 なるほど、どう足搔いても私に参加して欲しくないようだ。

 

 ならばその期待に答えなければ……。

 

 

 パーティーはその盛大な盛り上がりが嘘であったかの様に終わりを告げ、私達は談話室へと戻っていく。

 

 グリフィンドールの談話室では、誰が代表選手になるか、どうやったら年齢線を攻略できるか、ポリジュースを使う、上級生に依頼する等の会話が飛び交っている。

 

「誰が代表になるかな?」

 

「さぁ? でも僕が17歳以上だったら立候補していたよ」

 

「ロンが? だったら僕も代表選手にエントリーするよ」

 

 ハリー達は相変わらず他愛無い会話をしている。

 

「ねぇ、ベヨネッタ。君なら優勝できるんじゃない?」

 

「きっと君なら簡単だろうな、17歳以上だったら良かったのにね」

 

 ロン達はそう言うと笑っている。

 

「簡単な事よ、ダンブルドアは私に参加して欲しくは無いみたいね」

 

「だから17歳以上にしたのかな?」

 

「ロン、いくら何でもそれは考えすぎじゃないかな?」

 

 だが恐らくそれは間違ってはいない。

 

 今頃ダンブルドアは自分の考えた妙案(愚策)に酔いしれているだろう。

 

 それでは、その愚策(妙案)を打ち砕くとしよう。

 

 




次回はついに、ベヨネッタが年齢線に挑みます。

果たして超えることはできるのでしょうか!


他国の訛りがいまいち理解できてないです。
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