ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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今回で炎のゴブレットは終わります。

今年も平和でしたね(すっとぼけ)


4年目が終わり

 

 バーに戻り、1杯やった後、私は自室の窓を開けた。

 

「こっちの方角ね」

 

 窓の枠に足を掛けると、力を籠め飛び上がる。

 

 会場の真上に到着すると、そのまま自由落下を始める。

 

 私が会場へ着地すると、ハリー達と、ダンブルドア達教師陣がこちらに視線を向け驚愕の表情を浮かべている。

 

 会場からは、大きな歓声が上がる。

 

「華麗に着地ね」

 

「ベヨネッタ! 無事だったんだね!」

 

「あんな程度問題じゃないわ」

 

「よかった…僕達君を置いてきちゃったから…」

 

「良いわよ、それにしても無事に戻れて良かったじゃない」

 

「そうだね…」

 

 ハリーは何処か浮かない表情で、俯いている。

 

「3人ともよく無事に戻った…詳しい話を聞きたい。皆この後、校長室へ来てくれんか?」

 

「校長! 彼女等は戻ったばかりで疲れ切っている筈です。少し休ませるべきかと…」

 

 マクゴナガルが意見を上げるが、ダンブルドアは首を横に振った。

 

「確かにそうかもしれぬ、じゃが、今だからこそ分かる事もある。さぁ」

 

 ダンブルドアが近寄り、私達を、校長室へ案内した。

 

 校長室には、ダンブルドア、マクゴナガル、シリウス、スネイプが集まっている。

 

 部屋の中心には、縄の様な物で縛られた、ムーディが床に倒れている。

 

「奴はアラスターに化けていたのじゃ。本人はすでに保護されておる」

 

 それを聞き、ハリー達は胸を撫で下ろしている。

 

「さて、ハリー、セドリック、セレッサ。話してくんか」

 

 ハリーがゆっくりと口を開き、先程の墓地での出来事を口にし始めた。

 

 ヴォルデモートが復活した事。

 

 死喰い人が結集した事。

 

 私が死の魔法をはじき返した事。

 

 ヴォルデモートと杖が繋がった事。

 

 そして、謎の男、ロプトの存在を。

 

 それを聞いたダンブルドアはフラフラと立ち上がると、校長室の中を徘徊している。

 

 

 そして、ハリーとセドリックに先程と同じような質問を繰り返している。

 

「何という事じゃ…」

 

 ダンブルドアは、ハリー達との会話が終わったのか、天を仰ぎながら、椅子に腰かけた。

 

「ハリー、セドリック…よく話してくれた。もう休むがよい。シリウス、彼等を送ってくれ」

 

 ダンブルドアの声に従い、ハリーとセドリックがシリウスに連れられて、校長室を出ていった。

 

 私も、退室しようとすると、ダンブルドアに呼び止められる。

 

「セレッサよ、お主にはまだ話がある」

 

 ダンブルドアが教師陣に目配せをすると、教師陣は少し不安そうにも退室し、部屋の中には私とダンブルドアだけとなった。

 

「さて、何の話かしら?」

 

「君は、ハリー達より後に戻って来た。その時の事を教えてくれぬか…それとハリーが話していた謎の男の事もじゃ」

 

「そうね、ヴォルデモートが襲ってきたくらいかしら」

 

「君はそれを逃れられたという事じゃな」

 

「あのブサイクにやられるなんて想像したくないわ」

 

 私が首を横に振ると、ダンブルドアは呆れる様に席に着いた。

 

「もう一つ聞きたいのじゃが…君は…死の呪文を弾き返した事じゃ…それは本当かね?」

 

「本当よ」

 

「それは…どの様にやったのじゃ…」

 

 私は、ゆっくりと腕を持ち上げ腕に付いている、マハーカーラの月を見せつける。

 

「それが…その魔導具の様な物で弾き返せるというのか」

 

「そうよ、綺麗でしょこれ。お気に入りなのよ」

 

 ダンブルドアはその鋭い瞳で、マハーカーラの月をまじまじと見つめる。

 

「その魔導具を譲ってはくれぬか?」

 

 急に何を言い出すかと思えば…

 

「お断りよ。これはお気に入りなのよ」

 

「無論タダでとは言わぬ」

 

「無理よ」

 

 私はダンブルドアの申し出をぴしゃりと断った。

 

「そうか…無理を言ったのぉ」

 

 ダンブルドアは残念そうに椅子に座り込む。

 

 だが、次の瞬間、ダンブルドアが目にもとまらぬスピードで杖を構え、魔法を放った。

 

「っ! なんのつもりかしら?」

 

 瞬時にマハーカーラの月を構え、ダンブルドアが放った魔法を弾き飛ばす。

 

 弾き飛ばされた魔法は、ダンブルドアに吸い込まれる様に直撃し、私の手元に杖が飛んできた。

 

「すまんの、じゃが気を悪くせんでくれ」

 

 ダンブルドアはワザとらしくお辞儀をし、謝罪の意を現した。

 

「どういうつもりかしら?」

 

 私は両手に銃を構え、ダンブルドアに突き付ける。

 

「奴が復活した今。ワシ達は力を付けなければならない」

 

 ダンブルドアは真直ぐな視線で私を睨み付ける。

 

「それがどうしたっていうのよ」

 

「セレッサよ、単刀直入に言う。ワシ達…不死鳥の騎士団に入ってはくれぬか?」

 

「不死鳥の騎士団?」

 

 ダンブルドアの話では、不死鳥の騎士団とは、ヴォルデモートや、死喰い人に対抗する集団という事だ。それに私をスカウトしたいらしい。

 

「なんで私がそんなのに入らなきゃいけないのかしら? 宗教の勧誘なら他を当たってくれないかしら?」

 

「そう言わず話を聞いてくれぬか? これはお主にとっても悪い話ではない筈じゃ」

 

「どういう事かしら」

 

「ふむ…ハリーの話では謎の男、ロプトと呼ばれていたようじゃの、君とその男は何やら深い因縁があるようじゃの」

 

「それがどうかしたのかしら?」

 

「互いに協力せぬか? ワシら不死鳥の騎士団は全面的にお主を支援しよう。お主はワシらにその力を貸して欲しいのじゃ」

 

「へぇ…つまり私を味方に引き入れたい。そういう事かしら」

 

 ダンブルドアは苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべ、口を開く。

 

「そうじゃ…お主を敵に回したとて…ワシが太刀打ちできるとは思えん…」

 

「そう…まぁ良いわ。強要しないって言うなら入ってあげるわ」

 

「そうか! ありがたい」

 

 ダンブルドアは嬉しそうな表情を浮かべる。

 

「ただ、いくつか条件が有るわ」

 

「良かろう。言うが良い」

 

 ダンブルドアは少し表情を整え、ペンを取り出した。

 

「集会とかが有るかも知れないけど、参加するかしないかは私の自由にさせてもらうわ。それと、今後、私が何をしようと口を出さない事」

 

「わかった…それだけかの?」

 

「最後にもう一つあるわ。アンタ達が天使達と関りを持たない事。それが条件よ」

 

「天使と関りを?」

 

「そうよ、もし1つでも条件を破るようならば…」

 

 私は銃を構え直し、ダンブルドアの額に押し付ける。

 

「分かっているわよね」

 

 私がウィンクをすると、ダンブルドアは息を呑み、数回頷いた。

 

「そう。なら交渉成立ね。精々仲良くしましょう」

 

 

 ダンブルドアは握手をしようと手を差し出すが、私はそれを無視し、校長室からゆっくりと退室した。

 

 

  校長室を後にした私は、医務室へと足を向けた。

 

 医務室の中では、治療を受けているハリーとセドリックがマクゴナガルを始めとした教師陣とスーツを着込んだ男に何やら話をしている。

 

 

「嘘を言うんじゃない! 例のあの人が復活した? そんなバカな?」

 

「ですがファッジ大臣! 本当なんです! 僕達はあの場に居て、それを目にしたんです!」

 

 ハリーとセドリックはファッジと呼ばれてた男に力強く言うが、聞く耳を持たれていないようだ。

 

「馬鹿らしい! 第一、2人の生徒の話を誰が信じると言うのか…」

 

「彼等が言う事は事実じゃぞ」

 

「っ! ダンブルドア! 貴様まで何を言う! 血迷ったか!」

 

 いつの間にやら現れたダンブルドアが私の横を通り抜け、医務室へと入って行った。

 

「血迷っては居らぬ。今セブルスに頼み、クラウチに真実薬を飲ませ、計画を聞き出そうとしておる所じゃ」

 

 

「ふざけた事を…」

 

 

 その時、スネイプが、いつもと同じような表情で医務室に現れた。

 

「セブルス…首尾はどうじゃ?」

 

「死にました」

 

「なに!」

 

「奴は予め真実薬に毒を混ぜ込んであった様で、薬を飲んですぐに死にました」

 

「なんじゃと…」

 

 ダンブルドアは怒りなのか、それとも無念さからなのか分からないが、その身を震わせている。

 

「証言者は居ない! つまり例のあの人が復活したなんてのは事実ではない!」

 

 ファッジが大声を上げ騒ぎだす。

 

「ファッジよ、ヴォルデモートは復活したのじゃ…ハリーもセドリックも…セレッサも目にしたと言っておる。それを信じるも信じないもお主次第じゃが…もし復活したのが事実ならば…困るのはお主の筈じゃ…」

 

 ダンブルドアの言葉を聞き、ファッジはかなり狼狽している。

 

「だ…だがこんな事…ありえん!」

 

「それがありえたのじゃよ…ヴォルデモートが帰って来たのじゃ…ファッジよ…今のお主に出来るのはこの事実を認め、必要な措置をする事じゃ…今ならまだ我々がこの状況を救えるかもしれぬ。まずはアズカバンを吸魂鬼から解放する事じゃ」

 

「ふざけるなよ!

 

 ファッジがダンブルドアに食い掛かった。

 

「吸魂鬼を取り除くだと! そんな事をすれば、私は大臣職から引きずり降ろされるだろうな!」

 

「じゃがの…コーネリアス。奴らに監視されているのはヴォルデモートの最も信仰的な支持者じゃ。恐らくヴォルデモートの一言で奴らと手を組むじゃろうな…そうなったらどうなっておるか…お主にだってわかるじゃろ…」

 

 ファッジは驚きのあまり、言葉が出ないでいる。

 

「次の策は…」

 

「もういい!」

 

 ファッジが大声を上げ、ダンブルドアの言葉を遮った。

 

「ダンブルドア! 貴様が私を大臣から引きずり落とし、大臣の椅子に座ろうと考えている事は分かり切っている! その手は乗らないぞ! 私は魔法省に戻らせてもらおう!」

 

 ファッジは大声を上げた後、踵を返し、医務室から出ていった。

 

 その背中を、私達は見送るしかなかった。

 

 

 

 

  三大魔法学校対抗試合が終了してから1ヶ月程が過ぎ、今年も終わりを告げた。

 

 それは即ち、ヴォルデモートが復活を遂げ1ヵ月が過ぎた事を意味する。

 

 三大魔法学校対抗試合は最終的にハリーの優勝という事で幕を閉じた。

 

 

 

 それにしても驚愕したのが、ロプト…奴が生きていたことだ。

 奴は完全に消滅したはず…だが、現にこの世界に居るという事は…何か裏がありそうだ。

 

 それに、天使の活動も活発になり始めている。

 

 そろそろ大事になるかも知れない…

 

 私は溜息を吐きながら、駅へと向かう馬車に乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皆が自宅へと帰って行く姿を見て、ワシは一人自室で胸を撫で下ろした。

 

 今年も無事とは言わぬが、大きな犠牲が無かった事を実感した。

 

 それにしても、三大魔法学校対抗試合に天使達が乱入するとは思わなかった…

 

 セレッサがあの場に居たおかげで、人的被害は無かったが…ワシ等だけであれに太刀打ちしろと言われて…果たしてそれは可能なのだろうか…

 

 恐らくだが…それは不可能だろう。

 ワシらの使う呪文は奴らには効果はあまりないという話じゃ…現に第3試合で魔法を受けた天使が何事も無かったかのように振る舞っておった。

 

 天使達と対峙する為にも、不死鳥の騎士団には彼女…セレッサの力が必要不可欠だ。

 

 だが…彼女を不死鳥の騎士団にスカウトしたのは…果たして正解だったのだろうか…

 

 少なくともヴォルデモート達に付かれるよりはマシだろう…

 

 そう考え、ワシは溜息交じりに笑いながら椅子に座り込む。

 

 そして、今年彼女が起こした物損の請求書に目を通した。

 

 第1競技の会場、ホグワーツ湖とその周辺の森…そしてクィディッチ会場。

 

 

 この3つの請求書がワシの手元にある…

 また法外な金額だ…これは…多少は魔法省に融資を頼まなければならないかもしれない…

 

「はぁ…」

 

 今度は本格的に溜息を吐き、ワシはさらに天を仰いだ。

 

 まぁ…この金額で彼女を仲間に出来たなら安い物なのかもしれない…

 

 

 そう思う事で、今回の請求書から目を逸らす事にした。

 




今回は、かなりの被害が出ましたが、死者は出ていないので、平和ですね。


それでは次回、不死鳥の騎士団編でお会いしましょう。

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