ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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寒い日が続きますね。

そのせいか、喉が痛くなりました。
風邪には気を付けましょう。


ミルクを1杯

   入団テストの後、彼等が私に対して何かを言ってくるという事は無かった。

 

 ロンの両親も先程の状況を見て、何処か怯えながらも、納得しているようだった。

 

 結果的に、私はどうやら、非常事態が起きた時、ロプトに関する情報が入った場合は呼び出されるという事で決まったようだ。

 まぁ、暇なときにはたまに顔を出してやろう。

 

 不死鳥の騎士団の話し合いが終わった後、ハーマイオニーとロン、それとウィーズリー家の双子が姿を現した。

 

「さっきのは凄かったぜ! 最高にクールだ!」

 

 双子がそう言うと大笑いしている。恐らく窓から見ていたのだろう。

 

「それにしても君が不死鳥の騎士団の団員だなんて…信じられないよ」

 

「そうね、未成年で入るのは危険だもの…貴女は…まぁ…大丈夫そうね」

 

 ハーマイオニーは何処か不機嫌そうに呟いている。

 

「それはどうも、そう言えばハリーの姿が無いわね。アンタ達いつも一緒じゃない」

 

「そうなんだよ、まだハリーは来てないんだ…ちょっといろいろあってね」

 

「そう、面倒な事はごめんよ」

 

「まぁ、そのうち何とかなるわよ」

 

 またダンブルドアが良からぬことでも考えているのだろう。

 私は溜息を吐きながら、ハーマイオニーが用意した紅茶を口にした。

 

 渋みも無く、香り高い。上手く淹れられている。

 

  数日後、私がバーでいつもの様に時間を潰して居るとロダンが日刊予言者新聞を手渡して来た。

 

「なにかしら?」

 

 受け取った日刊予言者新聞の一面はハリーが魔法省で裁判に掛けられるという事が書かれている。

 どうやら、マグル界で魔法を使ったことが原因らしい。

 

 どうやら、未成年の魔法使いには『臭い』と言う物があるらしく、それによってハリーだと分かってしまったようだ。それにしても、『臭い』とは便利なものを思いつくものだ。 

 

「またハリーね…話題に事欠かなくて羨ましいわ」

 

「フッ、当人に取っちゃたまったもんじゃ無いだろうな…それ関連でお前に手紙が来てるぜ」

 

「厄介そうね」

 

 ロダンから渋々手紙を受け取ると、そこにはハリーをあの家から連れ出すという事が書かれており、参加して欲しいという事だ。

 それ位、不死鳥の騎士団の方でやって欲しい物だ。現に数年ほど前、ウィーズリー家によってハリーを連れ去る事が出来たのだから、同じ手を使えばいい物を…

 

「面倒な事になりそうだな」

 

 ロダンは、他人事の様ににやりと笑っている。 

 

「本当よ。こんな事なら安請け合いするんじゃ無かったわ」

 

「日頃の行いだな。まぁ、精々がんばれや」

 

 ロダンはグラスを磨く手を止める事無く、鼻で笑っている。

 

 

 仕方ない。私は杖を取り出し、私はシリウス邸を思い浮かべ移動する。

 

  ブラック邸に到着し、屋敷内に入ると、すでにメンバーは揃っており会議が行われていた。

 

「おぉ、来たか小娘」

 

 ムーディはいつも通り不機嫌そうにそう言うと、私を睨みつけている。

 

「来てあげたわよ。で? 要件は?」

 

「貴様も知っているだろうが、ハリーは今不味い状況にある、とりあえずこの屋敷で保護するという事が決まった。その為に護送を行うつもりだ」

 

「それで? 私はハリーをここに連れて来れば良いのかしら?」

 

「それが正解だ。だが1人では危険だ。騎士団のメンバーから数名を選抜し、共に護送を…」

 

「私1人で十分よ、アンタ達のお守までしてあげるつもりは無いのよ」

 

 私はムーディの説明を遮る。

 

「なんだと!」

 

 私の言葉にムーディは立ち上がり、他のメンバーも睨み付ける様な目線を送っている。

 

「貴様1人でどうするつもりだ!」

 

「普通に迎えに行くだけよ。それ以外に何かあるかしら?」

 

「言うではないか! ならやって見せろ! 後で泣き付くなよ!」

 

 ムーディは怒ったようで、私を睨みながらワザとらしく椅子に座り込んだ。

 

「じゃあ行ってくるわ。場所を教えてくれないかしら?」

 

「フン…」

 

 ムーディは怒ったようにそっぽを向いてしまった。

 

「大人げないぞ、マッドアイ」

 

 ルーピンは溜息を吐いた後、私にハリーの住所が書かれた紙を手渡した。

 

 

 

  ブラック邸を出た後、ルーピンから受け取った紙に書かれている住所を確認した。

 ここから大して遠くは無い様だ。

 

 私は庭に立て掛けられていた箒を手に取り杖を押し込み魔力を注ぎ込む。

 

「少し借りるわよ」

 

 突如として箒はビキビキと音を立て、ヒビが入る。

 そして、そのヒビからは私の魔力の色である、紫色の炎が噴出している。

 

「さて、急がないとパーティーに遅れるわ」

 

 その箒の上にボードに乗る様に両足を掛けると、猛スピードで急上昇し目的の住所を目指した。

 

 

  数分ほど箒で飛行した後、目的としていた住所の上空にやって来た。

 その時、箒が限界を迎えたのか、バキバキと音を立て、粉々に砕け散った。

 

 私は、着地体制を取り、目的の家の前に着地する。

 

「華麗に着地ね」

 

 私は顔を上げ、目の前の家に目を向ける。

 

 その家はどこにでもある様な普通の一軒家だった。

 

 数回ほどインターフォンを鳴らすと、何処か警戒したようなハリーが後ろ手に杖を構えながら顔を覗かせた。

 

「え? …ベヨネッタ…どうしてここに?」

 

「アンタを連れて来いって言われたのよ。さぁ行くわよ」

 

 私がそう言うと、ハリーは戸惑ったような声を上げた。

 

「ちょっと待ってよ! 急に来てそんな事言われても…分からないじゃないか!」

 

 いつも以上に怒りっぽいハリーは、先程から怒声を上げている。

 

「ハァ…早く準備してくれないかしら?」

 

「あぁ! わかったからちょっと待ってよ!」

 

 ハリーはそう言うと、扉を強く閉めた。

 

 

 数分後、荷物をまとめたハリーが扉を開けて外へと出てきた。

 

「さぁ行くわよ」

 

「わかったよ。でもどこへ行くってんだ?」

 

「シリウスの家よ。さっきも言ったけど連れて来いって頼まれたのよ」

 

「それ本当かい!」

 

「そうよ。このままこの家に居たいって言うなら無理にとは…」

 

「そんな訳無いじゃないか! 早く行こう! ところでどうやって行くんだ?」

 

 ハリーの言葉に私は少し考えこむ。

 

 箒は先程壊してしまった。

 徒歩で帰るにしても、多少面倒だ。

 

 ここで、私は一つの案を思いついた。

 

 私はいつもの様に杖を取り出した。

 

「移動するわよ。私の肩に掴まりなさい」

 

「え…こう?」

 

 ハリーはぎこちない様子で、私の左肩に片手を掛けた。

 

「行くわよ。目を閉じなさい」

 

「え?」

 

 ハリーの瞳がゆっくりと閉じられる。

 それを見た後、私も目を閉じ、店の中をイメージする。

 

 少しすると、聞き慣れたレコード盤特有のレトロなBGMが耳に聞こえて来る。

 

 私はゆっくりと目を開ける。

 

「もう開けて大丈夫よ」

 

「え? ここは?」

 

 ハリーは見慣れない場所に連れてこられ、混乱しているのか、周囲を見回している。

 そんな時、バーカウンターの奥からロダンの声が響いた。

 

「よぉ、ベヨネッタじゃねぇか。ほぉ…今回は面白い奴を連れて来たな」

 

 ロダンはハリーを見るなり、そう口にした。

 

「ちょっと野暮用でね、すぐ移動するわよ」

 

「なぁに、そう硬い事言うなって。一杯やって行くだろう」

 

 私はハリーを一瞥した後、バーカウンターへと歩み寄った。

 

「そうね、貰おうかしら。いつものでね」

 

「少し待ってな」

 

 そう言うと、ロダンは店の奥へと消えていった。

 

「ちょっと! ここはどこだよ? どうなってるんだ?」

 

 ハリーは私に近付くと世話しなく質問をしてくる。

 

「ここは私の行きつけの店よ」

 

 その時、ロダンがカウンターの上にカクテルを滑らせ、私の手前で止めた。

 

 私は片手でカクテルを手にすると、ゆっくりと口へと運んだ。

 

「ふぅ…アンタも飲むかしら?」

 

 私はグラスをハリーに傾ける。

 

「え? だってそれお酒だろ? 君、飲めるのかい?」

 

「そうよ、それとも別の物でも頼むかしら?」

 

「いや…僕は良いよ」

 

 ハリーがそう言うと、ロダンが口を開いた。

 

「おいおい、ここは飲み屋だぜ」

 

 呆れた様に葉巻を吸っているロダンを見て、ハリーは何処か怯えている。

 

「じゃ…じゃあ…僕も同じものを」

 

「ガキが酒なんか飲むんじゃねぇ」

 

 ロダンはそう言うと、ミルクの注がれたグラスをカウンターの上に置いた。

 

「ミルクでも飲んでな」

 

「あ…あぁ」

 

 ハリーは何処か怯えた様に、ミルクが入ったグラスを持ち、ゆっくりと飲んでいる。

 

 数分後、私がカクテルを飲み干したのを見て、ハリーは慌てた様にミルクを飲み干した。

 

「さて行きましょうか」

 

 私は再び杖を手に取ると、ハリーは先程同様に私の肩に手を置いた。

 

「ちょっと待てよ」

 

 その時、ロダンが口を開いた。

 

「まだ代金を貰ってないぜ」

 

「僕、お金なんて…」

 

 

 ロダンの迫力に押されているのか、ハリーが蚊の鳴くような声で答えた。

 

「エンツォに付けておいて、ハリーの分もね」

 

「フン、わかったぜ」

 

 ロダンの了承を得た後、私達はブラック邸へと移動した。

 

 




1度でいいから「The Gates of Hell」みたいなバーへ行ってみたいですね。


年度末にかけて多忙になるので、更新が少し乱れるかもしれません。

基本的に、更新頻度は落としたくは無いのですが、そこはご了承ください。
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