ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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腰が痛い…



セストラル

   次の日の朝、ハリー達のテンションはとても高い物だった。

 

 どうやら、ハグリッドが戻って来たという話を聞いたらしく。この後直ぐにでも会いに行くと言って居る。

 

「ベヨネッタ! 早く!」

 

 私が談話室で本を読んでいると、ハーマイオニーが駆け寄って来た。

 

「わかったわよ。少し待ちなさい」

 

 私は、身だしなみを整えた後、ハリー達と共にハグリッドの小屋へと移動した。

 

 

 私達が小屋に付くと。傷だらけのハグリッドが調子悪そうにしながら、椅子に腰かけていた。

 

 その姿を見た途端、ハーマイオニーが悲鳴を上げた。

 

「ハグリッド! その傷どうしたのよ!」

 

「いやぁ何でもねぇんだ。それより茶でも飲むか? いやぁ…しばらく留守にしてたからな…どこに何があったか忘れちまったぁ」

 

 

 ハグリッドは体を引きずるように立ち上がると、お茶の準備を始めた。

 

 

「なんでも無いはずないぞ! どうしたんだその傷? 誰かに襲われたんだろ?」

 

 ロンがハグリッドに追求するが、それは適当に流された。

 

 その後、紅茶が入ったのか、ハグリッドが人数分のティーカップを用意した時、小屋の外から、ザクザクと雪を踏みしめる様な足音が聞こえてきた。

 

 私が窓から外の様子を窺うと、そこには歩きにくそうに雪を踏みしめているアンブリッジの姿があった。

 

「招かれざる客ね」

 

「え? 誰?」

 

「あれよ」

 

 私が窓に指を差すと、ハリー達が窓の外にを覗き込んでいる。

 

「アンブリッジじゃん!」

 

「どうする…」

 

「とりあえず、隠れなきゃ!」

 

3人はき身を寄せ合いながら、窮屈そうに透明マントの中に隠れた。

 

「お前さんは隠れんで良いのか?」

 

 ハグリッドは3人分のカップを棚に戻しながら、聞いて来た。

 

「あんなのから隠れるなんて不愉快よ」

 

 私は椅子に座り込むと、ハグリッドの淹れた紅茶に口を付けた。

 

 やはりかなり渋みが出てしまっている。そう思い多少顔をしかめてしまった。

 

 

 すると、ドンドンと乱暴に小屋のドアがノックされる。

 

「そんなに乱暴に叩かんでも、わかっちょる」

 

 ハグリッドは嫌そうな顔で扉を開けると、そこには、嫌そうな顔をしたアンブリッジが顔を見上げていた。

 

「えーっと…貴方がハグリッドね」

 

 アンブリッジは嫌味に満ちた甲高い声でゆっくりとはハグリッドに話しかけている。

 

「そうですだ」

 

 ハグリッドが返事をする前に、ズカズカと大股で小屋の中へと入って来た。

 

「おや? ミス・セレッサではないですか。何をしているのですか?」

 

 アンブリッジはニヤニヤと笑いながら、鼻に付く声を出している。

 

「アンタには関係ないでしょ」

 

「許可の無い出歩きですね…まぁ良いでしょう。後で減点ですね」

 

「それより何の御用ですだ? えー…」

 

「私はドローレス・アンブリッジです」

 

 アンブリッジは食い気味に答えると、ハグリッドは数回頷いた。

 

「えー、ドローレス・アンブリッジ……確か魔法省の人だったと思うが…そんな人が一体何の御用で?」

 

「今は、ホグワーツ高等尋問官です」

 

「高等尋問官? そりゃ何ですかい?」

 

 ハグリッドは意味不明な役職を聞き、顔をしかめている。

 

「私としては何故、貴方が今まで居なかったのかが気になりますけどね」

 

 アンブリッジは再び嫌味ったらしく言い放つ。

 

「あー…そりゃぁ…あれです。健康上の理由で休んでいたんで」

 

「健康上の?」

 

「えぇ、こんな傷を負ってしまいましてね…最近やっと、動けるようになるまでに回復したんで、戻って来た訳です」

 

 ハグリッドはそう言うと、袖を捲り、傷口をアンブリッジに見せている。

 

「なるほど…そうですか」

 

 アンブリッジは私を一瞥した後、小屋の扉に手を掛けた。

 

「貴方が遅れて来た事は、大臣に報告させていただきます」

 

「わかった」

 

「それと、高等尋問官として残念ながら私は同僚の先生方を査察するという義務があるということを認識していただきましょう。ですから、近いうちにまた貴方にお会いすることになると申し上げておきます」

 

「お前さんが、俺達を視察?」

 

「えぇ、その通りです。魔法省としては教師として不適切な者には退職していただくつもりですので、お覚悟を。では失礼しますよ」

 

 張り付いた様な笑みを浮かべたアンブリッジはゆっくりと扉を開けると、外へと出ていった。

 

 アンブリッジが去ってからしばらくすると、隠れていたハリー達が姿を現した。

 

「査察? あんな奴が?」

 

 ハグリッドは驚いた表情で疑問を投げかけている。

 

「そうなんだよ。もう殆どの先生が受けているんだ」

 

「なんてこった」

 

 ハグリッドは頭を抱えて、溜息をついている。

 

 

「しょうがないさ。ところでハグリッドはどんな授業を教えてくれるの?」

 

 ハリーは期待に満ちた表情で聞くと、ハグリッドは嬉しそうな表情でその言葉に答えた。

 

「今年はふくろう試験もあるからな、かなり特別な連中を連れてきてやったぜ」

 

「それって…どんなふうに特別なの?」

 

 ハーマイオニーが恐る恐る聞くが、ハグリッドはただ一言、嬉しそうに「秘密だ」と答えた。

 

 

「ねぇハグリッド。アンブリッジは危険な生物を連れてきたら、きっとそれを理由に、事態を悪化させるはずよ」

 

「危険? 馬鹿言うでねぇぞハーマイオニー。お前さん達に危険なもんなんぞ連れて来たりはせん」

 

「今年は怪我人が出なければいいわね」

 

 私が肩を竦めてそう言うとハグリッドは苦笑いをしながら頭を掻いている。

 

 

  数日後、日刊予言者新聞の一面を見た多くの生徒が驚愕していた。

 

 そこには、『アズカバンからの集団脱獄』の文字が書かれていた。

 

「ここまでくれば、僕達やダンブルドアが嘘を言って居ないって事が分かるはずなんだけどな…」

 

「今の大臣は、この状況を信じたくないんだろう」

 

 ハリーは深刻そうに言うと、ロンは大臣を小ばかにしたかのように笑っていた。

 

「でもおかしいわよ、普通ここまで大事になれば気が付くはずよ」

 

「奴らの仲間が入り込んでいるのかもね」

 

「え?」

 

 私がそう言うと、3人は驚いた表情でこちらを見た。

 

 ルカの話では魔法省の役人の何名かはイザヴェルグループと繋がりがあったらしい。

 

 かつてイザヴェルグループのCEOを務めていたのは、私の父親の体を乗っ取ったロプトだった…

 奴がかなり前からこちらの世界と関りを持っていたと考えれば、魔法省の役人が死喰い人と関りを持っていてもおかしくは無いだろう。

 

 私は飲み終えたティーカップをソーサーの上に置き、一息ついた。

 

 このままでは、死喰い人が天使と共闘し魔法界を乗っ取る可能性まである。

 死喰い人や魔法界などはどうでもいいが、天使の好きにさせる訳にはいかない。

 

 そう思って居ると、ハリーがおもむろに立ち上がった。

 

「やっぱり僕達は間違ってなかったんだ! こうなったらもっと頑張って身を守れるようにしなきゃ!」

 

「そうだぜ!」

 

 ハリーの宣言にハーマイオニーとロンも大きく頷いている。

 

 

「でも…そうなると、やっぱりアンブリッジが邪魔だね…どうにかならないかな?」

 

 ハリーは首をかしげながら、考えを巡らせている。

 

「そうだな…毒でも盛るか」

 

 ロンはいつもと違い、落ち着いた口調で物騒な事を言って居る。

 

 まぁ、それだけ皆あの女が嫌なのだろう。

 

 

 数日後、今学期に入って初めてのハグリッドの授業が行われた。

 

 

 今回も授業はスリザリンと合同な様で、スリザリンとグリフィンドールは別々のグループに別れながら、不穏な空気の中、森の奥へと進んでいった。

 

 いい加減、ダンブルドアはスリザリンとグリフィンドールの合同授業を変えた方が良いのでは?

 

 そんな時、ドラコが私の隣にやって来た。

 

「やぁ、セレッサ。こんな所まで連れて来るなんて、あの男は何を考えているんだか…」

 

 ドラコはハグリッドの方を見ると首を横に振りながら溜息を吐いている。

 

「さぁ! 到着だ!」

 

「着いたみたいよ」

 

「そのようだね。で? どこに居るっていうんだ?」

 

 ドラコは周囲を見渡している。

 

 ハグリッドは森の木陰を指差しながら自慢げに胸を張っている。

 

「あそこに居るのが、セストラルだ。きっと魔法界でアイツ等を飼いならせているのは俺だけだろうな」

 

 ハグリッドが指差す先には、ドラゴンのような顔と首で、翼のある大きな馬のような胴体を持っている生物が、ハグリッドが投げた肉を食べている。

 

「ハグリッドが何を指差しているんだ?」

 

 ロンを始めとした多くの生徒には、セストラルは見えていないようだ。

 

「よーし。こいつらが見える奴は居るか?」

 

 ハグリッドがそう言うと、スリザリンから数名と、ネビルが手を上げている。

 

「よし、そんじゃ知っとる者はいるか? どうして見える者と見えない者がおるのか」

 

 ハグリッドの質問に対して、ハーマイオニーはいつもと同じように真っ直ぐに手を上げる。

 

「よし。答えてみろ」

 

 ハグリッドが微笑みかけると、ハーマイオニーが答え始めた。

 

「セストラルを見ることができるのは……死を見たことがある者だけです」

 

「その通りだ。グリフィンドールに10点やろう。さて…セストラルっちゅうのはだなぁ」

 

「エッヘン。エヘン」

 

 ハグリッドが説明を始めようとしたとき。耳障りな咳払いが周囲に響き渡った。

 

 

「今朝、貴方の小屋に送ったメモに目は通していただけましたか? それ以前にも字は読めるのですか?」

 

 アンブリッジは眉をひそめながら、嫌味ったらしく言う。

 

「あぁ、わかっちょる。だからこうして今日はセストラルの授業をやっている」

 

「え? なんですって?」

 

 アンブリッジはワザとらしくハグリッドを小ばかにするようにゆっくりとした大声を上げている。

 

「セストラルだ!」

 

 ハグリッドも負けじと大声を上げている。

 

「原始的な……身振りによるコミュニケーション……言葉は…不要か…」

 

 アンブリッジはブツブツと呟きながら何かを書き込んでいる。

 

「はぁ…まぁいい。どこまでやった?」

 

 ハグリッドは生徒達の方に振り返りながら呟いた。

 

「記憶力が低い…と…」

 

 アンブリッジは再び何かを呟きながら書き込んでいる。

 

「お邪魔しましたね。では授業を普段通り続けてください。私は歩いて見て回ります」

 

 アンブリッジはそう言うと、その場を後にした。

 

 その背中をハーマイオニー達は、憎悪に満ちた瞳で睨みつけていた。

 

 

 




この世界では、セドリックは生きているので、ハリーはセストラルが見えません。

子供の時、両親の死を見ているから、見れるはずだという意見もありますが、その場合、1年生の頃から見えて無いとおかしいですからね。

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