ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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お ま た せ


はい
ようやく、総て書き上げました。

ここまでくれば、完走はほぼ確定です。

最終章はオリジナル要素が多くなるのでかなり大変で暴れまわっています。

それでは、お楽しみください。




∞CLIMAX
複数人のハリー・ポッター


   私は子供の姿ではあるが、いつもの様に、バーでジャンヌと共に酒を飲みくつろいでいる。

 

 私が子供の姿で居なければならないのには理由がある。それは…

 

 

「なかなか良い酒じゃな」

 

 今回は、いつもとは違い別の客が飲んでいる。

 それもかなり厄介な客が。

 ダンブルドアはグラスに入った酒でゆっくりと口を湿らすと、楽しそうに笑っている。

 

「飲むのはいいが、ちゃんと金は持って来たんだろうな」

 

「問題ないぞ。ほれ」

 

 ロダンの問いかけに対して、ダンブルドアは自慢げにテーブルの上に金貨の詰まった袋を置いた。

 

「まぁ、これだけあれば問題ないな」

 

 ロダンは袋を取ると、中身を確認した後、カウンターの下へと仕舞い込んだ。

 

「上機嫌ね。何かあったの?」

 

「なぁに、大した事ではない。生きている事を実感しておるのじゃよ」

 

 ダンブルドアは嬉しそうに、酒を飲み干すと、口を開いた。

 

「そうじゃ。数日後、ハリーの誕生日じゃ」

 

「そう。おめでとうって伝えておいて」

 

「そうしよう。じゃが一つ問題が有るのじゃ」

 

「問題?」

 

  バーカウンターに座っているダンブルドアは空いたグラスを、傍らに置くと、神妙な面持ちで答える。

 

「次の誕生日でハリーは17歳になる」

 

「そうね」

 

「実はハリーが今住んでいる家には、母親が残した護りの魔法が施されておるのじゃが。17歳になると同時にその力は失われるのじゃ」

 

「何とも、不自由だな、魔法と言う物は」

 

 聞いていたジャンヌが、詰まらなそうに呟いている。

 

「魔法なんぞ…便利な物では無いの…そこでじゃ。不死鳥の騎士団はハリーを安全な場所へ避難させる事にしたのじゃ」

 

 ダンブルドアは声を強めて、言い放っている。

 

「そこで、再び君の力を借りたい」

 

「私に護衛しろって言うの?」

 

「そうじゃ。ワシ等だけではハリーを護れる保証が無いのでな…」

 

 ダンブルドアは悲し気に呟くと、項垂れている。

 

 すると、店の奥から、聞き慣れた声が響いた。

 

「面白そうじゃねぇか」

 

「ルカ。アンタも居たのね」

 

「まぁな。それで? 決行日はいつだ?」

 

「誰じゃお主は?」

 

「俺の名は、ルカだ。真実を追い求めているジャーナリストさ」

 

「それと、お節介焼のしつこい男ね」

 

「しつこいは余計だ」

 

 ルカはジョークを受け流すと、メモ帳を取り出した。

 

「お主はマグルじゃろ。危険な事に首を突っ込むのはやめた方が良いぞ」

 

 ダンブルドアの忠告に対して、ルカはワザとらしくお辞儀をする。

 

「ご忠告痛み入るぜご老体。だがな、こう見えても俺は、かなりの修羅場を潜り抜けているんだ。心配はいらねぇ」

 

「なら良いのじゃがのぉ…」

 

「アンタもモノ好きね」

 

「魔法界の話なんざ、なかなか仕入れられるネタじゃねぇ。仲間に話したら大笑いしてたぜ。…………俺の事をな」

 

 ルカがそう言うと、ダンブルドアはゆっくりと頷いている。

 

「まぁいいわ。決行日が分かったら教えて頂戴。気が向いたら向かうわ」

 

「そうしてくれると助かる」

 

 ダンブルドアはそう言い残すと、立ち上がり扉に手を掛けた。

 

 

 

 

 

  数日後、ハリーを護送する準備が出来た様で、私は、ハリーが現在生活しているという家に呼び出された。

 

 一応ルカにも伝えてあるが、手こずっているのか、今のところ姿は見えない。

 

「ハリーよ。準備は良いな」

 

「はい。問題ありません」

 

 ハリーは、家主が居なくなった家で、ダンブルドアを始めとする、護送メンバーと向き合っている。

 

 どうやら、この家の住人は、死喰い人を恐れて引っ越したようだ。

 

 それにしても相変わらず普通を絵にかいたような家だ。

 家電も当時としては普通の品を使い、調度品も普通なものだ。 

 あまりにも詰まらない。

 

「さて…それでは始めようかの」

 

 ダンブルドアがゆっくりと作戦開始を告げた。

 

 護送メンバーは、ハリーと生活を共にしてきた、ロンとハーマイオニー。

 

 そして、ウィーズリー家の双子は店を休んでまで来たようだ。

 

 それを見守る様に、両親までいる。

 

「気合を入れろ! 油断大敵だ!」

 

 ムーディはその場に居る全員に声を掛けている。

 

 シリウスとルーピンは互いにアイコンタクトを取ると、気合を入れている。

 

「セブルスとドラコからの情報では、死喰い人は魔法省の三分の一を掌握したようじゃ。その為、『煙突飛行ネットワーク』も『ポートキー』を置く事も、それどころか『姿現し』で出入りする事すらも禁じてしもうた…それに君にはまだ『臭い』が付いておる」

 

「『臭い』? ちゃんとお風呂には入りましたよ」

 

 ハリーはそう言うと、自分の臭いを嗅ぎ始めている。

 

「その『臭い』ではないぞ。魔法省が使用して居る『未成年者の周囲で行われた魔法行為』を探知する魔法の様な物じゃ」

 

 どうやら、その『臭い』と言う物は相当厄介なようだ。

 もし、ハリーが魔法を使えば、それが魔法省に伝わり、最終的には死喰い人に伝わるという事だ。

 

「じゃが、術はある。ヴォルデモート達は今夜、我々が出発する事は知らぬ筈じゃ」

 

 どうやら、ドラコ達が偽の情報を流したようだ。

 その為、死喰い人はこちらが30日に動くと考えている様だ。

 

 

「出発したらハリーよ、君は隠れ家へ向かうのじゃ。そこにはワシ等がかけておいた保護呪文がある。ポートキーも使えるようになるはずじゃ」

 

「それは…わかりました…けど、ここにいる全員で隠れ家に行ったら目立ちませんか?」

 

「ああ、その心配はない。この場の全員が隠れ家に向かうわけではなく、今宵は複数人のハリー・ポッターが空を飛ぶのじゃ」

 

 

 そう言い、ダンブルドアは懐から泥のような物が入ったフラスコを取り出した。

 

 その薬はハリー達にとってはお馴染みとなった『ポリジュース薬』だ。髪の毛を入れる事でその人物に成りすます魔法薬だ。

 

 

「駄目だ!」

 

 

 ハリーは計画の全容を一瞬で理解した。

 

 事もあろうに、この計画はポリジュース薬で囮を用意する事でハリーを危険から遠ざけるという危険極まりない策なのだ。

 

 つまり、ここに集められたうち、半数は囮役という事だ。

 

 

「ハリーよ、これは必要な事なのじゃ。偽の情報が流れているとはいえ、ヴォルデモートが動かないとは限らない。魔法省も敵と考えて間違いない状況じゃ。この家の大体の位置も既にバレておるじゃろうし、数日中に、護りの呪文も失われる」

 

「ですが!」

 

「辛抱してくれ…ハリー」

 

 ハリーはしばらく考え込んだ後、自らの髪の毛を抜くと、ダンブルドアに差し出そうとした。

 

 その時、周囲に重低音が響き渡った。

 

 

「何の音だ!」

 

 ムーディが大声を上げ、扉を開けると、外へと出ていった。

 

「行ってみようぜ」

 

 ロンがそう言うと、双子を始め、全員が家の外へと出ていった。

 

 

「あれは…車か? だとしてもゴツイな」

 

「どういう事だ? マグル避けはしてあるはずだ!」

 

 ムーディはトップライトで迫り来る車に対して、何の躊躇いも無く、魔法を放った。

 

 あの装甲車は何処かで見覚えがある様な気がする…

 

「なにっ!」

 

 放たれた魔法は装甲車に当たったが、効果は表れず、空中に霧散した。

 

「おいおい! いきなり何しやがるんだ!」

 

 突如、車のスピーカーから声が響いた。

 

「ルカ。アンタなんでそんな物、持って来たのよ」

 

「あぁ、ベヨネッタか」

 

 ルカはそう言うと、車のハッチを開け顔を出した。

 

「護送するなら、装甲車が一番さ。ロダンに頼んでこっちへ入れてもらったんだ」

 

 ルカは、装甲車から飛び降りると、私達の前に着地した。

 

「思い出したわ。あの時の装甲車ね」

 

「ビンゴ! かなりいい乗り心地だったからな。ロダンにかなりいいヴィンテージ物のジンを貢いで――いや頼んでちょっと改造して貰ったのさ」

 

 ルカは自慢げに装甲車に寄り添っている。

 

「さて、どいつがお客さんだ」

 

「ハリーよ」

 

 私が、ハリーを指差すと、ルカはゆっくりと近付いていった。

 

「ケ゚ッ、また男のお守かよ…まぁいいや。早く乗りな」

 

「えぇ…でも…」

 

「待て!」

 

 杖を構えたムーディが大声を上げた。

 

「マグルの事なんぞ信用ならん! 我々と行動した方が安全だ!」

 

「そいつはどうかな?」

 

「なにぃ!」

 

 ルカは再び装甲車に背中を付けながら、腕を組んでいる。

 

「どんな計画かは知らないが、コイツで行った方が得策だと思うぜ。お前さんのご自慢の魔法も効果ないみたいだったしな」

 

「くっ…」

 

 ムーディは悔しそうな顔で、舌打ちをしている。

 

「私もそっちの方が良いわね。タクシー代わりにもなるし」

 

 私がそう答えると、ハリーは少し悩み始めた。

 

「乗るのは…僕だけでいいの?」

 

「あ? この車は多くても3人用なんだ。だからお客さんはお前だけだぜ」

 

 ルカの話を聞き、ハリーは少し悩んだ後、ゆっくりと頷いた。

 

「なら、僕はこの車で行くよ」

 

「ハリー!」

 

 ダンブルドアが引き留めようとするが、ハリーはすでに、装甲車に乗り込んでいる。

 

「僕はこの車で向かいます。後で隠れ家で合流しましょう。きっとその方が安全ですよ!」

 

 ハリーがそう言い終えると、装甲車がエンジンを鳴らした。

 

「私も付いて行くわ。護衛は任せなさい」

 

 私は、その場で飛び上がると、すでに前進を始めた装甲車の上部へと飛び乗った。

 

 装甲車に飛び乗った後、私は上部ハッチを開き、車内に顔を突っ込んだ。

 

「じゃあ、運転頼んだわよ、ルカ」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 私がハッチを開けて内部のルカに声を掛けると、驚いたようにハンドルを切り始めた。

 

「うぉ! いきなり開けるんじゃねぇよ!」

 

「ちゃんと運転してよ!」

 

「まったく…危ないわね。免許持ってるの?」

 

「うるせぇ! 驚かすからだろうが!」

 

「ちょっと! ちゃんと前見てよ!!」

 

 車内には2人の悲鳴が響き渡った。

 

 

 




これで、囮のハリーを使い必要はなくなりましたね。

若干無理やりかも知れませんが、最終章ですし。
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