どうなるでしょうね。
それと、また風邪を引きました。
季節の変わり目はいつもこれです。
数日後。
今日は、ジャンヌの授業を初めて受ける日だ。
それはつまり、今年最初の闇の魔術に対する防衛術の授業の時間がやって来た。
「今年はどんな事やるのかな?」
「さぁ? でも今までの先生よりは期待できるんじゃない? 少なくとも僕はそう思うよ」
「まぁね、それにしてもあの人、ベヨネッタのお姉さんなんだろ?」
「まぁ、そうね」
隣に居たロンが、急に口を開いた。
「それにしても…姉妹なのに…先生の方は少し…その…胸のボリュームが――」
「貴様、何か言ったか」
ハリー達がそんな会話をしていると、急に現れたジャンヌがロンの後頭部に銃を突き付ける。
「いえ! 何も言ってません!」
「そうか、あまり余計な事を言うものではないぞ。でないと鼻の穴が1つ増えることになる」
「はっ! はいぃい!」
ジャンヌが銃を納めると、ロンは腰を抜かしたのか、その場に崩れ落ちた。
「さて…全員、机を後ろに集めて、椅子に座れ」
ジャンヌの指示に従い、生徒達は机を教室の奥に置き、椅子を並べて座り始めた。
その間に、ジャンヌは机の上にプロジェクターとノートパソコンを用意すると、それらを接続し、黒板に巨大なスクリーンを貼り始めた。
「あれはなんだろう?」
「さぁ?」
「あれ見たことあるわ。マグルの道具で…確か…ノートパソコンって言ったかしら? でもあんな薄い形の初めて見たわ」
「もう1つの方は?」
「あれは…ちょっとわからないわ…映画でも見るのかしら?」
ハーマイオニーは興味深そうにそれらの器具をマジマジと見ている。
この時代には存在しない物だから興味が湧くのも当然だろう。
「そうなのかい? でもマグルの機械とかは魔法界じゃ使えない筈だけど」
「そうなのよね…きっと何か細工がしてあるんだと思うわ」
「僕のパパが知ったら驚くと思うよ」
恐らく、ロダンあたりが改造したのだろう。
「さて…全員準備は出来たな」
ジャンヌはそう言うと、杖を一振りし、教室に暗幕を展開し、部屋の中を暗くする。
「全員、注目だ」
「うぉ!」
ロンが間の抜けた声を上げると同時に、プロジェクター電源が入り、スクリーンに映像が投影される。
「うぉおおお! すげぇ!」
「なんだこれは!」
「どうなっているのよ…」
スクリーンに映像が投影されただけで、生徒がざわめきだした。
「見ろよこれ! 影絵が出来るぞ!」
ロンが手で犬の影を作り、遊び始めた。
「静かにしろ! まったく騒がしい連中だ」
ジャンヌが怒声を上げると、教室内が静まり返る。
「さて…私の授業だが、主に戦闘の術を教えよう」
「防衛術じゃないのですか?」
ハーマイオニーがいつも通り、当然の権利の様に手を真っ直ぐ上げると、ジャンヌに問いただした。
「やられてからでは、何事とも遅いからな。先手必勝だ」
ジャンヌがノートパソコンを操作すると、スクリーンに投影される映像に変化が生じる。
「これから映し出す映像は、主に戦闘での動き方だ」
スクリーンには、3ⅮのCGが戦闘している様が映し出されている。
「まぁ、見て覚えろと言うのもあれだろうから、詳しく学びたい者は今宵、開催する決闘クラブに参加するように」
「決闘クラブ? ロックハート様以来じゃないか」
「チッ!」
ロンが小馬鹿にするように口遊むと、ハーマイオニーが恐ろしい形相で睨みつけ、舌打ちをしている。
「じょ…冗談だって…そんな怖い顔するなよ」
ロンが地雷を踏んでしまったせいか、ハーマイオニーの機嫌はしばらく治る事は無いだろう。
それにしても『決闘クラブ』とは、ジャンヌもいろいろと考えたものだ。
「では、授業を続けるぞ」
ジャンヌがそう言うと、生徒達がスクリーンに釘付けとなり、様々な戦闘シーンが映し出されるが、そのすべては実に防衛戦向きだ。
こちらからは攻め込まず、いかに相手の戦力を削るかに重点が置かれている。
だが、それを理解している生徒は果たしているのだろうか?
しかし、皆楽しそうな表情を浮かべている。
初めて見る映像が心を掴んだのだろう。
その後の授業は順調に進んでいった。
その日の夜。今日はちょうど満月の様だ。
そんな中、ジャンヌ主催の決闘クラブが開催された。
顧問は、ジャンヌとスネイプという事だ。
好奇心と冷やかす為に私が、会場の扉を開くと、そこには大勢の生徒で溢れかえっていた。
「さて、この場に居る全員が志願者という事で良いな」
ジャンヌの声が響き、それに呼応するように、生徒が頷いている。
「それでは始めようか。まずはデモンストレーションだ」
ジャンヌがそう言うと、スネイプが杖を片手に、壇上に上がろうとするが。
「貴様では力不足だ」
「ぬうぅ…」
スネイプはジャンヌににはっきりと言い捨てられると、苦虫を嚙み潰したような悔しい表情を浮かべている。
「さて…今宵の組手の相手だが…」
ニヤついた表情のジャンヌが懐からナイフを取り出し、右手に構えた。
「フン」
右手をものすごい速度で振り、私にナイフを投げつけてきた。
「危ないじゃない」
飛んできたナイフを難なく人差し指と中指の2本で挟み受け止めると、手の平で遊ばせる。
「久しぶりに組み手をやろうではないか。なぁ、セレッサ」
ジャンヌが良い笑顔で、私を壇上へと誘う。
私はその場で飛び上がると、壇上に着地し、ジャンヌと対峙する。
「良いじゃない。少し退屈していたところだったのよ。さぁ遊びましょう」
私達は、両手両足に銃を装備し、向かい合う。
「行くぞ!!」
私達はほぼ同時に飛び上がると、両手の銃を互いに向け乱射しあう。
私が放った弾丸は、空中でジャンヌが放った弾丸とぶつかり、その場で砕け散る。
「ハァ!」
「フン!」
私は着地と同時に飛び掛かり、銃身でジャンヌに殴りかかる。
「甘いぞ!」
しかし、銃身での打撃は左手で受け止められ、そのまま、ジャンヌが右手の銃を乱射する。
「危ないわ」
後方に飛び退くと顔面すれすれを弾丸が飛び交う。
私達はそのまま、互い銃撃と打撃の攻防が続く。
「あれ…どうなっているんだ…」
「さ…さぁ? 速すぎて良く分からないよ」
同時に上空に飛び上がると、互いに型を決めながら、顔面に突き付けられた銃身をずらして、銃弾の直撃を避ける。
「うぬぅ…あれは世に聞くガン=カタだ!」
「知っているのか! セドリック!」
「ガン=カタとは、統計学的に有利な位置に立ち回りながら射撃・打突を駆使し絶え間の無い攻撃を繰り出す。習得すれば攻撃能力は120%UP、たとえ向上がその半分以下だとしても敵にとっては脅威となると言われている!」
「ガン=カタ…何と恐ろしい技よ…」
ギャラリーの方では何やら盛り上がっている様だ。
「フン!」
「ハァ!」
互いにウィケットウィーブを発動させ、拳と拳がぶつかり合う。
その衝撃で、部屋の内部に亀裂が入る。
「やるな!」
「そっちこそ!」
そのまま、突きのラッシュ比べが始まる。
「うわぁ!」
「何とかしろよ!」
「
スネイプが周囲に防御魔法を張ったようだ。これで更に派手に動けると言う物だ。
「「はぁぁぁ!」」
互いのストレートがぶつかり合い、周囲に衝撃波が走り、反発しあう様に、体が吹き飛ぶ。
「さぁ! まだまだだ!」
壁に着地したジャンヌは、ウィッチウォークを使い、壁に垂直に立っている。
「行くわよ!」
そのまま飛び上がり、天井に着地すると、ジャンヌに飛び掛かる。
「あれ…どうなっているんだ…」
「僕達…あれをやらなきゃダメなのかな…」
「あんなの…重力無視してるわ」
「吾輩にも…さっぱりわからん…」
ジャンヌの直上に飛び上がると、そのまま踵落としを決める。
「甘いぞ!」
私は、攻撃が直撃する寸前に、体を蝙蝠に変え、その場から退避する。
踵落としが当たった壁はヒビが入る。
「きりが無いわね」
「そうだな、時間も時間だ。そろそろ決着と行くか」
互いに、髪の魔力を開放し、召喚用のゲートを作成する。
「やばいぞ!」
ハリー達の叫び声が響く。
その時、部屋の扉が勢い良く開かれ、マクゴナガルがヒステリックな声を上げた。
「貴女達!! 何をやっているのですか!!」
私達はマクゴナガルを一瞥した後、壇上に着地した。
「まったく…興が削がれたな」
「そうね。少し熱くなりすぎたかしら?」
「そうかもな。この後どうする?」
「そうね、1杯やりたいわ」
「そうか、なら行くぞ」
「いいじゃない」
私達は扉の前へと、歩いていく。
「待ちなさい! 説明を!」
「誰か適当に頼むわ」
マクゴナガルの悲鳴を背後に受けながら、私達はその場を後にした。
そんな私達の後姿を、ドラコが眺めていた。
私が新任教師としてホグワーツで宛がわれた部屋で明日の授業で使うプリントの作成に取り掛かる。
「ふぅ…しかし…総て手書きとは…技術が遅れているにも程がある」
私は、鞄からノートパソコンを取り出す。
やはりこちらの方が楽だ。
一部の魔法使いは、魔法によって文字を書き、転写する様だが、こちらの方がはるかに速いだろう。
書類の制作も終わり、後はプリントアウトするだけとなった。
その時、部屋の扉を叩く音が響いた。
「ん? 誰だ?」
「ドラコ・マルフォイです、ジャンヌ先生。少し良いですか?」
確かスリザリンの生徒だったか。
「空いているぞ。入れ」
「失礼します」
扉の向こうから、自信なさげな表情の少年が入室してきた。
「何の用だ?」
「あの…先生はセレッサと同じ技を使っているようでしたが…」
「あぁ、そうだぞ」
「その…そこでお願いがあります」
「なんだ? 言ってみろ」
自信なさそうに、マルフォイがゆっくりと口を開いた。
「僕に戦い方を教えてください!」
「なんだと?」
「僕は…今までセレッサに助けて貰ってばかりでした…だから自分の身ぐらい自分で守れるようになりたいんだ!」
「そうか…」
私は、マルフォイを見据え、少し考える。
簡単なアンブラの術を教えてやれない事も無いだろうが、一朝一夕であの動きが出来るとも思えん。
「そうだな」
多少魔力はあるようだ、後は体力さえ付ければ、『アレ』が使えるかもしれない。
「分かった、鍛えてやろう」
「本当ですか!」
「あぁ、ただかなり厳しいぞ」
「はい!」
「ならまた日程が決まったら連絡しよう」
「ありがとうございます!」
マルフォイは嬉しそうな顔で、退室していった。
「セレッサも相変わらず、面倒な男に好かれる奴だ」
私は少し溜息を吐くと、鞄からプリンターを取り出し、印刷を開始した。
マルフォイ強化フラグが立ちました。
どこまで強くなるかは、後半で明らかになります。