私は、急遽の用事という事でダンブルドアに校長室に呼び出された。
「まったく、人使いが荒いんだから」
私は呟きながら、校長室の前に到着すると、そこにはジャンヌの姿もあった。
「セレッサか」
「どうも、アンタも呼び出し?」
「そんな所だ。何の用かは知らんがな」
ジャンヌはその場で足を振り、扉を蹴り開ける。
「何事です!」
最早、マクゴナガルの名台詞と化した言葉を聞きながら、校長室へと入って行った。
「おぉ、来てくれたか、セレッサ。それにジャンヌ先生、できれば扉は丁寧に開けて欲しいものじゃな」
「建付けが悪くてな。仕方なくだ」
「そうか…」
周囲を見渡すと、部屋の中には、ハリー達と、ドラコとスネイプが集結していた。
「それで? 何の用で私達を呼び出したの?」
「不死鳥の騎士団の件についてじゃ」
「あら? ジャンヌも入団させられたの?」
「いや、初耳だ」
「協力してくれんかの?」
「いろいろと自由が利くなら構わんぞ」
「なら、交渉成立じゃな」
その時、校長室に置かれていたクローゼットが音を立て。中からシリウスとルーピンが姿を現した。
「隠れ家から、本当にここに繋がっているんだな」
「そうみたいだな」
2人はクローゼットから現れると、周囲を見回していた。
「シリウス・ブラック…死んだはずじゃ…」
「世間ではそうなっているみたいだな。それにしてもまさか、マルフォイ家の人間がここに居るとはな」
シリウスは不機嫌そうにドラコを睨みつけている。
「どうやら、彼等も不死鳥の騎士団側に付いたようだ」
ルーピンはドラコを見ながら、何度か頷いていた。
「2人とも良く来てくれた。それでは今後について話そう。ドラコよ頼むぞ」
「あ…あぁ」
ドラコは少し動揺したように、口を開いた。
「依頼されていた、分霊箱についてだが、『ヘルガ・ハッフルパフの金のカップ』で間違い無いだろう」
それを聞いて、ダンブルドアは顔色を変えた。
「そうか、それはどこじゃ…」
「グリンゴッツ銀行にあるベラトリックス家の金庫だ。闇の帝王自らがベラトリックス・レストレンジに依頼していた」
「そうか…しかし…グリンゴッツとは…また厄介な…」
ダンブルドアは溜息を吐きながら、天を仰いだ。
「どうしたものか…」
「どうにかして忍び込むとかは?」
「ロンよ、それは無理じゃ。あそこは魔法界でも1~2を争う程厳重な警備じゃ」
「じゃあ、変装したら?」
「それも無理じゃよ。そんな事でグリンゴッツが騙せるのならば皆やっておる」
「そうか…」
「ならば、私が行ってみよう」
シリウスが自信に満ちた声を上げた。
「私とベラトリックス・レストレンジは仮にも従妹だ。きっと通してくれるはずだ」
「待つのじゃ」
「いいえ! 行ってきます!」
シリウスは意気揚々とクローゼットへと消えていった。
数十分後、クローゼットからは暗い顔のシリウスが現れた。
「その顔で分かるわ」
「あぁ…ダメだったよ」
「そりゃそうじゃろう…」
ダンブルドアは呆れた様に溜息を吐いていた。
「血縁者でも、無理だと言われた…」
「まったく情けない連中だ」
先程まで口を閉じていたジャンヌが口を開いた。
「そんな物、正面から堂々と取りに行けばいいだろう」
「それもそうね。ノックしたら開けてくれるかしら?」
「開けなければ、ぶち破ればいい」
「いい案じゃない」
私達は、軽くハイタッチを決める。
「しかしの…相手はあのグリンゴッツじゃ…強盗に入るなど…」
「それ以外に手は無いのだろう?」
ジャンヌの言葉に、ダンブルドアは苦しそうに頷いた。
「ならば、私も行こう」
「シリウスが行くなら、僕も行くよ!」
シリウスとハリーがグリンゴッツ強襲に名乗りを上げた。
「ならば、『ヘルガ・ハッフルパフの金のカップ』については諸君らに頼もう…実はもう一つ分霊箱には当てが有るのじゃ」
「それは何です?」
マクゴナガルが興味深そうに声を上げた。
「『スリザリンのロケット』『ヘルガ・ハッフルパフの金のカップ』ここまで来て何か疑問に思う事は無いかの?」
「すべて…ホグワーツ創設者由来の品…」
「そうじゃ…グリフィンドールの剣は壊れている以上、残りは『ロウェナ・レイブンクローの髪飾り』だけじゃ…そもそもグリフィンドールの剣が分霊箱だったかどうかすら怪しいがのぉ…」
それを聞いた、マクゴナガルとルーピンは何度も頷いている。
「しかし…それはどこに…」
「分からぬ…じゃが、知って居る者に心当たりはある」
「それは…まさか…」
「そのまさかじゃよ…『灰色のレディ』…『ヘレナ・レイブンクロー』に聞くとする」
「しかし彼女は…」
「わかっておる…しかし、それしかあるまい」
ダンブルドアは分かり易い笑みを浮かべている。
「『ロウェナ・レイブンクローの髪飾り』はワシ等が回収しよう。諸君らは『ヘルガ・ハッフルパフの金のカップ』を頼む」
「わかったわ」
それを聞いたダンブルドアは安心したような表情を浮かべた。
校長室を後にした私達は近くの教室に集まった。
「さて…僕達は数日後、グリンゴッツに強盗に入らなきゃいけない…」
ハリーがおもむろに呟く。
「正面突破するとして…どうするんだ?」
「そうねぇ…とりあえず場所を聞いて後は押し入れば良いんじゃないかしら?」
「そうだね。最悪の場合職員を人質に取ればいいか」
「ハリー…」
ハリーの発言にシリウスは若干引きつった表情をしている。
「とにかくだ…グリンゴッツに強盗に入るとはいえ、身元がバレるのは不味いだろう」
「確かにそうね」
「身元を隠せるものを用意した方が良いかもしれない」
「ほぉ…確かに世を忍ぶ姿は必要だ」
ジャンヌは何を思ったのか意味深な笑みを浮かべている。
「ならば各自で、身元を隠せるものを用意するとしよう」
「そうね」
シリウスは言い終えると、部屋を後にした。恐らくクローゼットにでも向かうのだろう。
「さて…僕も適当に用意しなきゃ」
ハリーはそう言うと、シリウスの後を追う様に出て行った。
身元を隠せるものか…
適当に用意するとはいえ、何を持ち出すか…
少し考えなければ…
次回はグリンゴッツに強盗に入ります。
ちなみにジャンヌはグリンゴッツの強盗には参加しません。