ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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今回は、グリンゴッツに押し入ります。

魔法界でも上位に入る安全性ですが、どうなることやら…


ちなみに、グリンゴッツに押し入るメンバーにジャンヌは居ません。


グリンゴッツ強襲

 

   数日後、ダンブルドアから特別休暇を与えられた私達は、グリンゴッツの前に集結していた。

 

 

 周囲を見渡してみるが、人の数は疎らだ。

 

 やはり、ヴォルデモートが復活して以来、外出を楽しむ余裕も無いのだろうか。

 

 

「やぁ、ベヨネッタ」

 

 そんな時、背後からやって来たハリーが声を掛けてきた。

 その手には、覆面レスラーが良くかぶっている様なマスクが握られていた。

 

 

「ところで…ジャンヌ先生は?」

 

「まだなのよ。もう少しで来ると思うわ」

 

 ジャンヌが遅刻とは珍しい、案外時間には正確なタイプだと思っていたが…

 

「そうだね…ところで…その恰好は?」

 

「これ? 素敵でしょ。昔を思い出すわ」

 

 今日の私は、今までのホグワーツの制服では無く、アンブラの魔女の正装を着込み、口元を隠している。

 

 所々に光る、金細工がアクセントだ。

 

「まぁ、顔がバレるのはあれだけど…隠しすぎじゃない?」

 

「これくらいした方が良いのよ、ところで…アンタは何を持って来たのよ?」

 

「僕かい? 僕はこれさ」

 

 そう言うと、ハリーは手に持っているマスクをヒラヒラとはためかせた。

 

 何処にでもある様な外見で、黒を主体としているが、黄色いラインが入っているので案外目立ちそうだが…

 

「ありきたりね…まぁ良いんじゃないかしら?」

 

「シンプルなのが良いのさ」

 

 ハリーが自慢げに覆面を被ると、なぜかニンジャの様なポーズを取っている。

 

 最近のイギリスではニンジャが流行っているのだろうか?

 

 それにしても、銀行の前で、マスクを被りニンジャポーズを取っているハリーは何とも滑稽だ。

 

 数少ない通行人が、視界の端に捕らえた瞬間に目線を逸らしている。

 

「あまり派手な事をするものじゃ無いぞ、ハリー」

 

 背後から銀のマスクを付けた人物が歩いて来た。

 

「え? 誰?」

 

「やぁ2人とも、準備はできている様だね」

 

「えー…もしかして、シリウス?」

 

「そうだ。似合っているだろ? 死喰い人のマスクさ」

 

 シリウスは嬉しそうな声を上げ、マスクを外した。

 

 しかし、なんともシュールな光景だろう。

 

 覆面レスラーに死喰い人のコンビが銀行の前で和気あいあいに会話しているのだから。

 ここだけ見れば、とても平和な光景だろう。

 

「ところで、もう一人はまだか?」

 

「そうなんだよ」

 

 ハリーが溜息を吐いた瞬間、私達の前に、白い戦闘装束を着込み、額に『J』の文字が入った白い仮面を被った人物が着地した。

 

「貴方は…まさか!」

 

 白い仮面の人物はゆっくりと立ち上がると、腰に手を当て、ドヤ顔を決めている。

 

「アンタ…何やっているのよ…ジャンヌ」

 

「ジャンヌ? 誰だそれは?」

 

 白い仮面の人物は髪を掻き上げる動作をすると、背後でカラフルな爆炎が上がる。

 

「私の名は、キューティー・Jだ!」

 

「えぇ…」

 

 ハリーは戸惑いの表情を浮かべ、私は苦笑いを浮かべている。

 

 そんな中…

 

「キューティー・J…一体誰なんだ…」

 

 シリウスは不思議そうに呟いた。

 

「さ…さぁ行こうか!」

 

 ハリーは事態を収拾させるべく、覆面を被りグリンゴッツの扉を開けた。

 

 

  扉を開け、中へと入ると、いつも通り、小鬼達がせわしなく働いている。

 

「本日は、どのようなご用件で?」

 

 グリンゴッツの中に入った瞬間から、感じていたが、小鬼を始めとした、全員が騒ぎ始めた。

 

「単刀直入に聞く。『ベラトリックス家の金庫』はどこだ?」

 

 シリウスは小鬼相手に、仮面越しで問いかけるが、小鬼は依然として、厳しい声を上げた。

 

「ベラトリックス様とは、どのようなご関係で?」

 

「そんな事はどうでもいいだろう。早く答えろ」

 

「お答えする事はできません、先日同様の事を聞いて来た人物が居ましたが、丁重にお断りいたしました」

 

「まぁいい…大方の予想は付く、地下金庫だろ」

 

「………だとしても、お連れするつもりはありません」

 

 小鬼はしっかりと答え、周囲の人々が騒ぎ出した。

 

「まぁいい。場所さえ分かれは、何の問題も無い」

 

 キューティー・Jはそう答えると、どこに仕舞って居たのか、巨大なハンマーを取り出した。

 

 確か、『野牛』と言ったか、あまりにもダサい名前なので、私は使わなかった品だ。

 

「アンタ、まだそんなの使っていたのね」

 

「フン、私はお前と違って、名前が変でも性能が良ければ使うからな」

 

 キューティー・Jはその場で、力を溜めると、帯電した野牛を床に叩きつけた。

 

「うぉ!」

 

 その瞬間、地面に大穴が空き、私達の体は重力に従い、地下へと降りていった。

 

 

 

「うわぁ!」

 

「ごふっ!」

 

 私達は華麗に着地したが、ハリーとシリウスは倒れ込むように着地した。

 

「いてぇ…ここはどこだ…」

 

 ハリー達は周囲を見回している。

 

 それにしても、薄暗い洞窟の様な場所だ。

 

「こっちだ!」

 

 シリウスが声を上げると、そこには古風なトロッコがレールの上に置かれていた。

 

「これに乗れば、地下金庫に行けるはずだ」

 

「そうなんだ。シリウス運転できる?」

 

「…まぁ…出来るはずだ……多分な」

 

「えぇ…」

 

「いいから行くわよ」

 

 私達は、トロッコに乗り込むと、シリウスが運転を開始した。

 

 

 しばらく、薄暗い洞窟内を高速のトロッコで移動していると、シリウスが焦り始めた。

 

「まずいな…」

 

「どうしたの?」

 

「おかしいんだ…操縦が効かない!」

 

「えぇ!」

 

 その時、目の前に巨大な滝が現れた。

 

「あれは…盗人落としの滝だ!」

 

「何よそれ?」

 

「あらゆる隠蔽魔法を洗い流す滝だ! あれは不味いぞ!」

 

「そう…なら飛ぶわよ」

 

「飛ぶって?」

 

「行くぞ!」

 

 私はハリーの首元を、キューティー・Jはシリウスの首元を掴むと、トロッコから飛び上がる。

 

「「うぉおおおお!」」

 

 私はその場でクロウウィズインを発動させ、体をカラスに変る。キューティー・Jはふくろうに変化している。

 

 そのまま、(あしゆび)で服を掴むと、目的地へと滑空した。

 

 

 

 

  その後しばらくの間、空の旅を楽しんだ後、私達は目的の地下金庫の入り口に到着し、姿を人へと戻した。

 

「ここが…」

 

 シリウスが一歩踏み出そうとした瞬間、奥から呻き声が響いた。

 

「何かいる!」

 

 

 ハリーが声を上げ、全員がその方に目を向けると、そこには、武器と防具を身に纏ったトロールの集団が呻き声を上げながら、こちらに近付いてきている。

 

その動きは、統率が執れており、恐らく何者かによって調教されているのだろう。

 

「まずい! どうするの!」

 

 ハリーとシリウスは杖を構え、必死に考えを巡らせている。

 

「まぁいいわ。あまり上品な相手じゃないけど」

 

「我々が相手をしてやろう」

 

 私達はトロールの群れに突っ込むと、とろい攻撃を難なく避け、ウィケットウィーブを駆使し、トロールを駆逐していく。

 

「あれは…」

 

「もはや…一方的ではないか…」

 

「甘いわよ!」

 

 マダムのストレートを食らわせ、トロールが勢い良く吹き飛ぶ。

 

「まだまだだな!」

 

 キューティー・Jはその場で飛び上がると、トロールをオーバヘッドキックで蹴り返し、トロッコのレールを破壊した。

 

「これで、追っては来ないだろう」

 

 一息入れようとすると、先程よりも凄まじい呻き声が響き渡る。

 

「なんだ?」

 

 そこには、息絶えた仲間(トロール)の死体を踏み潰しながら、こちらに一歩ずつ近寄ってくる巨大なトロールの姿があった。

 

「なんだ! あの大きさ!」

 

「規格外ってレベルじゃないぞ!」

 

 ざっと見積もっても、25m程の大きさだろうか。

 

「まったく…デカけりゃいいとでも考えているのか…」

 

 キューティー・Jはイラつきながら、嫌そうに呟いている。

 

「でも、大きい方が良い事もあるのよ、いろいろとね」

 

 私は、胸を強調するように、背中を逸らせると、隣から舌打ちが聞こえる。

 

「まぁいい…さっさと片付けるぞ」

 

「OK!」

 

 私達は、同時に飛び上がると、同時に飛び蹴りを喰らわせる。

 

「グラァあぁああ!」

 

 直撃を喰らったトロールは吹き飛ばされ、壁にめり込んでいる。

 

「なんだ。随分と呆気ないな」

 

「本当ね。これじゃあ暇潰しにもならないわ」

 

「グラァ!」

 

 瓦礫の中から、トロールが立ち上がると、周囲にある瓦礫を手当たり次第に投げ始めた。

 

「まったく、品が無い奴だ」

 

 私達は、迫り来る瓦礫をマダムの拳で打ち返すと、トロールに一気に詰め寄り、4つの拳で、ラッシュを掛ける。

 

「無駄だ!」

 

「オラァ!」

 

 突きのラッシュを一身に受け、トロールがぼろ雑巾の様に、その場に倒れ込んだ。

 

「さて、仕上げと行くか」

 

「決めるわよ!」

 

 私達は、同時に髪の魔力を開放し、召喚用のゲートを開く。

 

 そこには、白色のゴモラと、黒色のラボラスが姿を現した。

 

 ラボラス

 運悪く地獄に迷い込んでしまった愛玩犬が、たぐいまれなる生存本能で魔界の厳しい環境を生き延び大きくたくましい姿に変化を遂げた。

狩りの本能も研ぎ澄まされ、殺戮の達人と言われるほどにまでなっており、鋭い犬歯が特徴で、噛みついた敵がどんな相手でも、絶命するまで逃さないという。

 

 ラボラスとゴモラに狙われたトロールがその場から逃げ出そうとするが、ゴモラがその足に噛付き、ラボラスが上半身に喰らいついた。

 

 そのまま2匹は、上半身と下半身を半分ずつに千切ると、胃袋に納めた。

 

「なんか、こんなシーンを映画で見た気がするよ…確か…わんわ――」

 

「ハリー…それ以上はいけない…」

 

 静まり返ったその場に、2人の呟きだけが木霊した。

 




キューティー・J…

一体何者なんだ!
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