ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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今回は少し残酷な描写があるかもしれません。


ハロウィーンの夜

月日が経ち10月末になり、ハロウィーンの時期がやってきた。

 

いくら学校の食事とはいえ、ハロウィーンの時期には、パンプキンパイや、パンプキンスープ等のかぼちゃ料理が多く出るようになった。

 

 

 

ここ最近ハリー達とハーマイオニーは少し疎遠になっているようだ。

特にロンとハーマイオニーの仲はあまりよくないように見えた。

 

 今日の授業は多くの生徒が待っていた、浮遊魔法の授業だ。

授業が始まるとフリットウィックと呼ばれるドワーフのような見た目の教員がやってきて二人一組で授業を受けるように指示を出した。

 

私はハーマイオニーと組むと思っていたが予想は外れてハリーと組むことになり、ハーマイオニーはロンと組む事になっていた。

 

「ベヨネッタ、よろしくね」

 

「えぇ、よろしく」

 

ハリーは愛想よく話しかけてきた。

どうやら、ハリーとハーマイオニーは私に対して敵意は持っていないようだが、ロンは私がマルフォイと時々話しているのが気に入らないようで、時々敵意を向けてくることがある。

 

「さぁ、皆さん始めますよ、ビュ~ン、ヒョイで呪文を言うのですよ」

 

「やってみるよ。ウィンガーディアムレヴィオーサ」

 

ハリーがそう言って羽に向かって杖を振るが、ピクリとも動かない。

 

「動かないわね」

 

「まだ1回目だからさ、君もやってみたらどうだ?」

 

杖を取り出すとハリーが私の杖を興味深く見ていた。

 

「なんだか、不思議な杖だね、蒼い色の杖なんて初めて見たよ」

 

「ありがとう、特注品なのよ」

 

杖を握り直し軽く振る

 

「ウィンガーディアム・レヴィオーサ」

 

すると羽は軽々と宙に浮き天井まで届いて行った。

 

「流石だね」

 

「どうも、次はあなたの番よ」

 

ゆっくりと羽を机の上に戻しハリーに渡す。

その後、ハーマイオニー達の方に目を向ける。

 

「呪文が間違っているわ、ウィンガーディアム・レヴィオーサ。貴方が言っているのはウィンガーディアム・レビオサー。ちゃんと発音しなきゃダメよ」

 

「御高説どうも!そこまで言うなら君がやってみろよ!」

 

二人は口論をしているようでハーマイオニーが杖を振ると羽はゆっくりと宙に浮いて行った。

 

「ね、こうやるのよ」

ドヤ顔のハーマイオニーがロンに向かってそんなことを言っている。

 

「やったぞ!浮いたよ!」

 

ハリーは50㎝ほど宙に浮いた羽を指さして喜んでいた

 

「やったじゃない」

 

その後ほとんどの生徒が羽を浮かせることが出来たあたりで授業は終了した。

 

 授業が終わるとロンが嫌そうな顔をしながらハリーの元にやってきて先程のハーマイオニーの事で愚痴を言っていた。

 

「見てたかい?アイツの自慢げな表情…あんなんだから友達ができないんだよ!誰だってアイツには我慢できないっていうんだ。全く、悪魔のようなヤツさ」

 

ロンがそんなことを言うと彼らを押し飛ばしてハーマイオニーが走ってどこかへ行ってしまった。

 

「ロン、流石に言いすぎだよ…謝ったほうがいいんじゃないかな…」

 

「あんな奴のことなんか知るかよ!ほっとこうぜ」

そう言うとロンは急いで教室を後にしハリーもそれに続いた。

 

 次の授業の時間になったがハーマイオニーの姿は見えなかった。

おそらく先程の言葉が相当ショックだったのだろう。

 

結局その後の授業にも表れず、夕食の時間になっても帰ってくることはなかった。

他の生徒に聞いたところトイレに籠り泣いているとのことだ。

 

「世話が焼けるわね」

 

私は夕食の席を立ちあがり、ハーマイオニーを探しにトイレへ向かって歩いて行った。

 

その時、私はまだ知らなかった、招かれざる客が城に侵入していたことを。

 

 

 

 しばらく人気のない廊下を探し回り、地下のトイレの個室からハーマイオニーの泣き声が聞こえてきた。

 

「あら、こんなところで何をしているのかしら?」

 

「え?ベヨネッタ、何で貴女がこんなところに…」

 

「それは私のセリフよ。パーティーに遅れるわよ」

 

「ほっといてよ!」

 

「もしかして、さっきの言葉を気にしているのかしら?気にするだけ無駄よ」

 

「でも…悪魔みたいな奴だって…」

 

 

扉越しにハーマイオニーは息を整えてからゆっくりと語りだした。

 

「だって!いつも…私は良かれと思って…でも…」

 

「一々彼の悪口を気にしていては身が持たないと思うわ、それに悪魔は案外、友好的よ。ほら、そろそろ泣き止んで出てきたらどうかしら?私は泣き虫とゴキブリが一番嫌いなのよ」

 

「フフッ…このままじゃ私もゴキブリと一緒になっちゃうわね…」

 

「そうよ、それが嫌なら早く出てきなさい」

 

扉の鍵が開きゆっくりと開かれ中から目が赤く腫れたハーマイオニーが出てきた

 

「確かにそうね、なんだかバカバカしくなっちゃったわ」

 

「そうね、そろそろ戻りましょう、まだパーティーは終わってないはずよ」

 

振り返ろうとすると扉の方からとてつもない異臭を感じた。

ハーマイオニーは恐ろしいものを見た時のような表情をして固まっていた。

振り返ると、そこには5メートル程の醜悪な巨人…トロールと呼ばれる生物が酷く歪な棍棒を片手に立っていた。

 

ハーマイオニーは悲鳴を上げながら私に抱き着いてくる。

 

私は杖を手に取り魔力を込めハーマイオニーの上で軽く振る。

すると足元に魔法陣が形成されドーム状の結界を形成する。

 

「ここから動いちゃダメよ、良いわね」

 

「え?ベヨネッタ!あなた一体何を…」

 

トロールの前にゆっくりと歩いて行き、奴を見据える。

 

「ここは女子トイレよ、中に入ってくるなんて悪い子ね、そんなことを考えるオツムもないのかしら?」

 

「あぁああああうああ!」

 

私の挑発に喰いついたようで私に向けて棍棒を振り下ろす。

 

「ベヨネッタ!!」

 

悲鳴交じりに私の名前を呼ぶ。おそらく彼女はこのまま、私の体に棍棒が当たり肉塊と化すのを想像したのだろう。

 

 振り下ろされた棍棒が私の眼前に迫ってくる。

私は当たる直前、紙一重のタイミングでバク転の要領で棍棒を回避する。

その瞬間、世界の流れがゆっくりとなり私は歩きながら、トロールの後ろに回り込む。

その後、ウィッチタイムが解除され、トロールは振るった棍棒にあるべき肉を潰した手応えを感じず、混乱した素振りで周囲を見渡す。

 

「こっちよ、マヌケ」

 

トロールは声のする方へと無理やり棍棒を振るう。

今度もそれを難なく回避し、再び奴の後方へ移動する。

 

「悪い子ね、キツメのお仕置きが必要かしら」

 

杖に魔力を込めると髪を媒体にした巨大な拳…私が契約したマダムバタフライの両手が空中に現れた。

 

「うあがあああがああ!」

 

トロールは再び私を睨み棍棒を全力で振り下ろす。

 

「 吹っ飛べ! 」

 

右手で殴り掛かるように力を込めて振るうとマダムの拳も同じ動きでしてカウンター気味にトロールのボディをとらえる。

ボディに直撃を受けトイレの扉をぶち壊しながらトロールが廊下へ吹き飛ぶ。

 

「あらぁ歯応えがないわね、もっと楽しませてもらえないかしら」

 

ボロボロになって逃げようと廊下を這っているトロールを見据え、私はゆっくりと歩み寄る。

 

廊下の奥から、驚いたような表情を浮かべた2人が走ってやって来た。

 

「ベヨネッタ!どうして君がここに!どうしてトイレに閉じ込めたそいつが吹き飛んできたんだよ!」

 

「私達が入っているところにバケモノを閉じ込めるなんて、あなた案外腹黒いのね」

 

「いや…僕はそんなつもりじゃ…」

 

「別にいいわよ、それよりお仕置きの続きをしなくちゃ」

 

逃げるトロールの頭を右足で思い切り踏みつける。それと同時にマダムの右足がトロールの背中を踏みつける

 

「さぁ!お仕置きの時間よ」

 

私がそう言うと、トロールの両端に魔物の手のようなオブジェが現れトロールを両方から挟んだ。

呻き声を上げ必死に抜け出そうとするが、そうさせる訳もなく。

私は手元にあるハンドルに手をかけると、力を籠め回し始める。

すると、両方の手が次第に万力の様に力強く潰し始めた。

 

トロールは手の中で必死に抵抗しているが万力の力は凄まじく押し返す事など不可能だった。

 

私は渾身の力を籠め、ハンドルを思い切り回す。

 

すると、一気に力が加わり、挟まれていたトロールは一瞬にして潰され、周囲にはトロールだったものが散乱した。

 

しばらくすると万力はキレイに消え去り、後にはトロールの無残な姿を残すのみとなった。

 

「あら、やりすぎたかしら?」

 

「流石にやりすぎだと思おうよ…」

 

ロンやハーマイオニーは目を背けるように怯えていたがハリーだけは普通に答えた。

多少は耐性があるのかもしれない。

 

「とりあえずこれで大丈夫だね、ハーマイオニーも無事?」

 

「えぇ、大丈夫よ。ところで何でハリー達がここにいるの?」

 

「君の姿が見えないから、ロンと一緒に探しに来たんだ、そしたらトロールがいて、それで何とかトイレに閉じ込めたんだよ」

 

「そうだったのね、ごめんなさい、私…ハリーやロン、それにベヨネッタにまで迷惑をかけて…」

 

「ううん…迷惑をかけたのは僕達だよ、ごめん、そしてベヨネッタ、君には助けられてばかりだね、ありがとう。それにしてもさっきのは凄かったね、あれはいったい何だい?」

 

「そうね、私も気になっていたわ、私たちの知らない魔法かしら?」

 

「ちょっと特別な魔法なのよ、あまり人には知られたくないから黙っていてもらえるかしら?」

 

「そうなのかい?まぁ君がそこまで言うなら黙っておいてやるよ。逆らったら僕までこうなりそうだ」

 

さっきまで震えていたロンが腕を組みながら答えた。しかしその足は未だに震えていた。

 

 

 少しするとマクゴナガルやスネイプがドアを開けて入ってきた。

 

「一体…これは、どういうことですか…」

 

扉を開けたらトロールの死体がバラバラに散乱していたのだから絶句するのも当たり前か。

 

「別に、トイレに入ってきた悪い子がいたからお仕置きをしただけよ」

 

「お仕置きってレベルじゃなかったけどね」

 

ハリーがそう言うとハーマイオニーが「そうね」と笑いながら答えた。

 

「それだけじゃどういうことなのか状況が分かりません!詳しく説明しなさい!」

 

「その…先生!みんな私を助けるためにやってきてくれたんです」

 

「どういうことですか?」

 

「私がトロールを倒そうと…本を読んだので、できると思ったんです!もしも、3人が来てくれなければきっとダメでした。ハリー達がトロールをトイレに閉じ込めて、ベヨネッタが…その…爆発魔法で倒しました!」

 

マクゴナガルが何やら怪しんだような目線を向ける。

いくら何でも、爆発魔法でトロールを爆殺するのは難しいはずだ。ここにきて少しやりすぎてしまったと少し反省した。

 

「…わかりました、今回はその話を信じましょう…だとしてもとても愚かなことです…一人につき5点減点です、まだパーティーは終わっていないのですぐに行きなさい」

 

三人は点を引かれたことがショックなようでとぼとぼと大広間へ向かって歩いて行った。

私も後を追いかけようとすると呼び止められる。

 

「ミス・セレッサ、トロールの討伐は本来、大人の魔法使いでも苦戦する行為です。それを討伐したので30点です。今回のことは校長に報告しますからね…もう帰ってよろしいですよ」

 

談話室に戻ると3人は仲直りしたようで楽しげに談笑していた。

どうやら、今回の一件がいい材料になったようだ。

 

戻っていた私に気が付いたのか、私を輪に入れたわい無い会話をしながらハロウィーンの夜は過ぎていった。

 

 

 

 

 ミネルバの報告を聞いて耳を疑ったが話していた当人も信じられないということだ。

新入生のセレッサがトロールを爆殺させたというのだ。

それだけでも信じられない話だが、セブルスによるトロールの検死報告には、爆殺魔法による、内部からの破壊ではなくあくまでも外部からの衝撃よる損傷…圧死だという話だ…

 

どう考えても説明がつかない…しかし、現にトロールはバラバラに砕け散っているのだ。

 

「これは…一体どういうことじゃ…」

 

もはや何をどう考えればいいのかが分からなくなっていた。

しかし事の中心である少女…セレッサがすべてに関わっているということだ…

 

もしも、それだけの力のある人物が闇に落ちるようなことがあったら…

そう考えるだけで背筋が凍り付いてしまう、何とか彼女を闇に落とさないためにも…今後も注意深く観察する必要がある様だ…

 

 




お仕置き方法は、ギロチンか万力で迷いました。
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