ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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今回は、アンブランアーマー大活躍です。


広がる戦火

  「危ない! セレッサ!」

 

 ジャンヌの乗っているアンブランアーマーが私の前に飛び出ると、迫り来る鞭をその両手で受けとめる。

 

「邪魔だ!」

 

 ジャンヌはアンブランアーマーの右手のマニピュレーターで鞭を掴むと、左手のバルカンを鞭に押し付け、斉射する。

 

 大量の薬莢を吐きながら、轟音が響き渡り、受け止めた鞭がバルカンによって撃ち切られる。

 

『マダァァアム! バタフラァァァアアイ!!』

 

 

 巨大な鞭を片手に持ったアルラウネが怒声を撒き散らしている。

 

「アイツは…」

 

「まだ生きていたのね。しぶといわね」

 

 

 私達は、アンブランアーマーに乗ったまま、アルラウネと向かい合う。

 

 その時、背後のウォーシップから爆音が響き渡る。

 

 爆音を響かせた、ウォーシップの火砲が輝き、周囲に火の手が上がる。

 

「セレッサ…ここは私に任せろ」

 

「え?」

 

「コイツには借りが有るからな」

 

 ジャンヌがアンブランアーマーのマニピュレーターを動かしながら、ウォーシップを見ている。

 

『マダァァアム! バタフラァァァアアイ!!!』

 

 怒声を上げたアルラウネが鞭を構え、こちらに突っ込んで来る。

 

「邪魔をするな!」

 

 

 ジャンヌの乗るアンブランアーマーが両手のバルカンを唸らせ、アルラウネに銃弾の嵐を浴びせかける。

 

『グラァあぁああ!!』

 

 

 バルカンの嵐を一身に受け、アルラウネはその動きを止め、手にした鞭を正面に構え、残りの弾丸の嵐を防ぎきる。

 

 

『グアァアァアァァ! 喰われぞこないがぁぁあ! 邪魔をするなぁぁああ!!』

 

「行け! セレッサ!」

 

「えぇ! 任せたわよ!」

 

 アルラウネの事はジャンヌに任せ、私はウォーシップを撃墜するべく、その場から飛び去った。

 

「さぁ、あの時の借りを返してやろう」

 

 

『邪魔をするなぁぁぁぁぁぁあああ!!!』

 

 ジャンヌの挑発を受け、アルラウネが怒声を上げている

 

 

 

 

  アルラウネが怒声を上げながら、その手に持つ鞭を数度、頭上で回転させ、勢いを付けた後、私目掛けて振り下ろす。

 

「遅いぞ!」

 

 私は搭乗しているアンブランアーマーをバックステップさせ、その攻撃を避け、ウィッチタイムを発動させる。

 

「吹き飛べ!!」

 

 ウィッチタイムの中アンブランアーマーの最大出力でアルラウネに突っ込み、両腕で殴り掛かると、そのままバルカンを斉射させる。

 

『アグアアァァァアアアアッァァ!』

 

 

 アンブランアーマーの両手から放たれるバルカンの掃射を食らわせ、最後に右足で蹴り上げる。

 

「灰になれ!!」

 

 アンブランアーマーの脚部のカノン砲を受け、アルラウネの体が吹き飛ばされる。

 

 

『アァァァガァアアアァ!!』

 

 周囲に魔力の籠った血を撒き散らしながら、アルラウネが地面に横たわっている。

 

「これでチェックメイトだな」

 

『おのれ…この…死にぞこないが…』

 

 私はアルラウネの戯言を流しつつ、アンブランアーマーのバルカンを突き付ける。

 

『アハハ…まだ終わりじゃない!』

 

「なんだと?」

 

 次の瞬間、私の背後の地面が盛り上がり、そこから巨大な棘が現れ、襲い掛かる。

 

「チッ!」

 

 舌打ちをした私は、その場から飛び退こうとするが、時すでに遅く、襲い掛かった棘は、アンブランアーマーの胴体を貫いた。

 

「おのれッ!」

 

 貫かれたアンブランアーマーから飛び降りると、アルラウネから離れる。

 

 その時、アルラウネの棘に突き刺された、アンブランアーマーが火花を散らしながら、爆発四散した。

 

『フハハハハハ!』

 

 高笑いをしているアルラウネの姿が、ドンドンと巨大化していき、4本の足を備えた胴体に、先端に棘の付いた、巨大なサソリの様な尾を振り回している。

 

『どうした? 喰われぞこない! 恐怖したか!』

 

「フン! 図体がデカくなったからと、いい気なものだ」

 

 私は、両手に銃を握りなおすと、アルラウネと向かい合う。

 

「掛かってこい! アンブラの魔女の力見せてやる!」

 

『舐めるなよ! 小娘が!!』

 

 巨大化したアルラウネはその四本足で飛び上がると、私に噛付こうと襲い掛かる。

 

「甘いぞ!!」

 

 その場で、手を振り被り、拳を前に突き出す。

 

 すると、それに呼応するように『マダム・ステュクス』の拳が現れ、アルラウネの胴体を殴り飛ばす。

 

 マダム・ステュクス

 冥界に流れる河『ステュクス』を治める女王。人間界に生息するある種の蛾は彼女の体から迸る(ほとばし)魔力から生まれたものと考えられ、死した罪人を地獄へいざなう役目を負うとされている。

 術者が魂と引き換えに契約を結ぶことで強大な力と知恵を貸してくれる。

 

『ガッ!』

 

 吹き飛んだ、アルラウネの腹部に亀裂が入る。

 

「そこか!」

 

 亀裂の入った腹部をマダムの手でこじ開けると、その中に銃弾を乱射する。

 

『アガァアッァァァァ!!』

 

 苦しみ喘ぐアルラウネは、その尾を振り回し、私を突き刺そうとする。

 

「チッ!」

 

 私はその場で飛び退き、尾の刺突を回避する。

 

 しかし、刺突は止まる事は無く、何度となく繰り返される。

 

 私は、それを間一髪のところで回避するが、防戦一方だ。

 

『どうした! アンブラの魔女の力とはその程度か!』

 

「アンブラを舐めるなよ!」

 

 アルラウネが尾を大きく振りかぶると、とてつもない速度で、私を突き刺そうとする。

 

 私は、その場で指を鳴らすと、髪の魔力を開放し、召喚用のゲートを開く。

 

 すると、巨大な刃が現れ、刺突しようとした棘を受け止める。

 

『なにぃ!』

 

 そこには、巨大な刃を携えた人喰い馬『ディオメーデス』が滾った様に激しく呼吸をしている。

 

 ディオメーデス

 亡国の王が飼っていた4頭の人喰い馬のうちの1頭。

 国が滅びた時、殺され地獄に落ちたが、そのうちの1頭の魂が王の名を冠した悪魔として蘇った。

 魂を狩る巨大な刃が額から生えており、この馬が駆け抜けた後には、無残に切り刻まれた死体だけが残される。

 馬の様に扱われるのを嫌うが、彼と闘い認められた者は、その背に乗る事が出来るという。

 

 

「消し飛べ!」

 

 棘を受け止めたディオメーデスが頭を高く振るうと、受け止めた棘を切り払う。

 

『アァァァガァアアアァ!!』

 

 尾が切り払われたことにより、アルラウネが苦痛の声を上げている。

 

「これで終わりだ!」

 

 ディオメーデスがその場から駆けると、額の刃でアルラウネを突き刺す。

 

『グア!』

 

 アルラウネを突き刺したディオメーデスは、そのまま頭部を様々な方向に振り、アルラウネを切り刻む。

 

『ブラァ!!』

 

 ディオメーデスが最後に雄叫びを上げながら、刃を横に一閃すると、アルラウネの体はバラバラの肉塊へと変化し、地面に落ちると、鈍い音を立てた。

 

『ヒヒィーン!!』

 

 ディオメーデスは再び雄叫びを上げると、走り出し、召喚用のゲートの向こうへと消えていった。

 

「さて、これで片付いたな」

 

 私は、ホグワーツに残した生徒の事が気にかかり、急ぎ足でホグワーツに戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  アルラウネをジャンヌに任せ、ウォーシップを撃墜するべく飛び上がった私の眼前に立ちはだかるかの様に何十体の天使が現れる。

 

「邪魔よ!」

 

 現れた天使達目掛け、両手のバルカンをアイドリング状態で稼働させながら、アンブランアーマーでムーンサルトを決めながら、両手のバルカンを乱射しつつ、両足のカノン砲をばら撒く。

 

 

「「ギャ」」

 

 アンブランアーマーを中心に放たれた暴力の嵐は、周囲に現れた、天使を薙ぎ倒し、地面に叩き墜とした。

 

 周囲の天使を一掃し、スラスターの出力を最大にし、ウォーシップの眼前に飛行する。

 

 その時、ウォーシップの全体が光を放つと、前面の巨大な顔の周囲に配置された、ミサイル発射口の隔壁が開き、大量のミサイルと、砲弾の雨が降り注ぐ。

 

「その程度」

 

 迫り来るミサイル群を避けると、ウィッチタイムを発動させ、砲弾をそのまま避け、ウォーシップの眼前に突撃する。

 

 ウォーシップを眼前に捕らえた瞬間、強力なシールドが現れ、ウォーシップの前面、艦橋部分を覆っている。

 このままでは、ウォーシップにダメージを与える事が出来ない。

 

 仕方なく、シールドの貼られていない側面に移動すると、そこには、前面のシールドへのエネルギー供給を行っている天使の顔の形をしたジェネレーターが見えてきた。なんとも悪趣味だ。

 

「あれね」

 

 天使の顔型のジェネレーターを確認した私は、スラスターから炎を撒き散らしながら、ジェネレーターへと接近する。

 

 その時、ジェネレーター周辺の防衛システムが発動したようで、砲台が起動し、天使の顔の口が開き、ジェネレーターから直接、高エネルギーの光線を放つ。

 

「ハッ!」

 

 アンブランアーマーを宙返りさせ、高エネルギーの光線を回避する。

 

「ぶっ壊れなさい!」

 

 一気にジェネレーターに近寄ると、天使の口を無理やり開かせ、中にアンブランアーマーの左腕を突っ込み、バルカンを乱射させる。

 

 突っ込まれたバルカンから弾丸が大量に吐き出され、それにより天使の顔に亀裂が入る。

 

 その瞬間、ジェネレーターが火を噴き、その動きを停止させる。

 

 しかし、その爆発に巻き込まれ、アンブランアーマーの左腕が損壊してしまった。

 

「チッ」

 

 舌打ちした私は、爆発に巻き込まれたアンブランアーマーの左腕をジェネレーターに残したまま無理やり機体から分離させる。

 

 引き剥がされた左腕部分からは小さな火花が飛び散っている。

 

 破壊したジェネレーターから、バランスが不安定になったアンブランアーマーで飛び上がると、ウォーシップの前面のシールドにヒビの様な物が入っている。どうやら、ジェネレーターの破壊は効果があるようだ。

 

 反対側にも、同じようなジェネレーターが配置されており、その周囲にも、同様に防衛システムが配置されている。

 

「まったく…面倒だわ」

 

 私の存在に気が付いたのか、ジェネレーター周囲の防衛システムが再び起動し、ミサイルを発射し始めた。

 

「同じ事ばかりで、芸が無いわね」

 

 迫り来るミサイル群を右腕1本のバルカンで迎撃しつつ、両足のカノン砲を発射し、弾幕を形成し、総て撃ち落とす。

 

「おやすみ!!」

 

 スラスターの出力を最大にし、右脚を主軸にアフターバーナーキックで天使の口元を無理やり突っ込む。

 

「これで終わりよ!」

 

 天使の口内に無理やり突っ込んだ右脚から、カノン砲が火を噴く。

 

 すると、先程同様に、ジェネレーターから炎が上がり、爆発が起こる。

 

 その時、アンブランアーマーの右脚に違和感が走る。

 

 どうやら、爆発に巻き込まれて、右脚が損傷したようだ。

 

「チッ」

 

 私は、舌打ちをしながら、右脚を切り離し、ジェネレーターから脱出する。

 

 その時、艦橋を覆うシールドが音を立てて崩壊する。

 

 私は、右脚と左腕を失った、不安定な状況のアンブランアーマーでウォーシップと対峙する。

 

 ウォーシップの正面にある天使の顔が開くと、醜い口が現れ、その奥から超高エネルギーの光線が発射される。

 

 放たれた超高エネルギーの光線を横に回避すると、ウィッチタイムを発動させ、大口を開いている顔へ接近し、残る右腕のバルカンと、左脚のカノン砲を全門開放させる。

 

「全部あげるわ!」

 

 全門開放後の、斉射により、天使の顔に大きなヒビが入る。

 

「ぶっ飛べ!」

 

 絶え間なく銃弾を吐き出し続けた銃身は限界を超え、赤く発熱し始める。しかし、そんな事で攻撃を止めるはずも無く、バルカンとカノン砲を絶やすことなく発射し、アンブランアーマーに搭載されていた残りの弾薬のすべてを吐き出させる。

 

『グオォォォォオォォオオォオ!!』

 

 アンブランアーマーの全門開放零距離一斉掃射を喰らい、ウォーシップの艦橋部に大穴が空き、そこから、先程まで超高エネルギー光線を吐き出していた口が、血を吐きながら悶えている。

 

 しかし、すでに限界を超えた腕部のバルカンと脚部のカノン砲はついにその役目を終え、火花を散らしながらパージされ、数秒後に爆発を起こした。

 

『グ…オオグッ! ガァアアアアアア!』

 

 轟沈寸前のウォーシップが絶叫しながら、最後の力を振り絞り、大口を開け、こちらを喰い尽くそうと迫り来る。

 

「良いわ、そんなに食べたいなら、喰らいなさい!!」

 

 最早、武装を失い、丸裸となったアンブランアーマーの鍵穴に魔力を込めた中指を突き刺すと、スラスターを全開にさせ、ウォーシップの口の中のへと特攻させる。

 

「消し飛べ!」

 

 ウォーシップの口に入る寸前で脱出し、機能停止したキンシップに着地する。

 

 私が軽くウィンクすると、ウォーシップの体内でアンブランアーマーの自爆シーケンスが作動し、動力炉が暴走を開始し、臨界点を突破したようで、大爆発を起こす。

 

『グアァァァアアアァァァァッア!』

 

 体内で大爆発が発生したウォーシップは、その体表の装甲に亀裂が入り、その亀裂から爆炎が漏れ出している。そろそろ止めにしよう。

 

 私は髪の魔力を開放し、召喚用のゲートの開く。

 

『TELOC VOVIM』

 

 突如として、ゲートから巨大なムカデ、『スコロペンドラ』が出現する。

 

 スコロペンドラ。

 煮えたぎる血が流れる魔界の大河「フレジェトンタ」に棲むムカデの怪物で、その体長は大きいもので10キロを超えるとも言われる。巨体に似合わず動きは俊敏で、瞬く間に獲物に巻きつき、絞め殺すと言われている。

 

 スコロペンドラは一度、咆哮を上げると、爆炎を撒き散らしている瀕死の状態のウォーシップにその巨体で巻き付き、一気に締め上げる。

 

 メキメキと音を鳴らし、ウォーシップの亀裂がさらに広がる。

 

 スコロペンドラの巨体が一度緩んだかと思うと、再び一気に締め上げ、ウォーシップを締め上げ、押しつぶす。

 

 バラバラになったウォーシップは破片を周囲に撒き散らしながら、撃沈した。

 

 スコロペンドラは満足そうに咆哮を上げると、何処かへと消えていく。

 

 

 その時、ホグワーツの方から爆発音が響き渡る。

 

 振り返るとそこには、私達が手間取っている隙に、再集結した死喰い人と天使の混成部隊が、大橋の石像部隊を突破し、正門を突き破っていた。

 

「まずいわね」

 

 私はその場から飛び上がると、一気にホグワーツへと移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 




やっぱり、搭乗機体が戦闘でボロボロになって行くのがカッコいいですよね。

新品で、無傷の機体より、片腕が無かったり、被弾跡がある機体とかの方がロマンを感じます。

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