ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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今回は、ホグワーツ内部での戦闘です。




ホグワーツ防衛戦

   状況はまさに最悪だった。

 

 ベヨネッタ達が、キンシップ撃墜の為、ホグワーツを離れたと同時に、天使と死喰い人の混成部隊が再結集、及び進軍を開始し、難なく正門を突破すると、正面玄関を抜け、エントランスを制圧した。

 

 正面玄関が破られた時点で、ダンブルドアの命令で、ハリーとダンブルドアは共に校長室に退避し、残りのメンバーで大広間の防衛を行っていたが、ホグワーツ側に残された戦力では、死喰い人には何とか対抗できるが、天使に対抗する術はなく、あっという間に大広間まで制圧されてしまった。

 

「これで全員か?」

 

 死喰い人の一人が、人質となったDAのメンバーを縛り上げながら呟く。

 

「貴様等! 何が目的だ!」

 

 縛り上げられたムーディが死喰い人に怒声を吐きかける。

 

「ダンブルドアの抹殺、そして闇の帝王がこの世界を支配するのだ。まぁ…貴様等に邪魔されて、多くの同胞が散っていたが…総ては闇の帝王の為…」

 

 死喰い人は自分に酔っているように、台詞を紡ぐ。

 

「貴様等をこの場で処刑しても良かったのだが、どうせなら大々的に大衆の前で処刑せよとのご命令だ。穢れた血も長生きできてよかったなぁ」

 

 そう言うと、死喰い人は大声で笑って居るが、その目は決して笑ってはいなかった。

 

「はぁ…ところで、裏切り者はどこにいる?」

 

「裏切り者?」

 

 死喰い人の質問にロンが繰り返すように答える。

 

「あぁ、我等を裏切り、闇の帝王を裏切った一族…マルフォイ家の連中だ。どうせホグワーツで匿っているのだろ?」

 

「アイツか、アイツなら正面玄関が破られたときにいち早く逃げたぞ」

 

 ロンが笑いながら答えると、死喰い人が再び大笑いを上げる。

 

「フッ…なるほどなぁ。裏切り者の……臆病者らしい行動だ! やはりな!」

 

 クツクツと一通り笑った死喰い人はゆっくりと杖を取り出すと、ロンに突き付ける。

 

「さて…殺すなとは言われているが、痛め付けるなとは言われていないのでな」

 

 加虐心に満ちた目で、ロンを見下している。

 

「では行くぞ、クルー――」

 

 死喰い人が杖を振り上げたその時、破裂音が周囲に響き、振り上げた杖を破壊させた。

 

 

「ぐわぁ!」

 

「誰だ!」

 

 その場に居た数名の死喰い人が杖を取り出し、2階の音のした方に目線をやるとそこには、ステンドグラスから差し込む光を浴びた一人の人間のシルエットが浮かび上がっていた。

 

「くそぉ!」

 

 その場に居た死喰い人が杖を振り上げるが、魔法が放たれるよりも前に、シルエットの人物が手にした武器で杖が破壊される。

 

「何者だ!」

 

 その瞬間、シルエットの人物が2階から飛び上がり、死喰い人の前に両足と左手の三点で着地し、右手に構えた銃を突き付ける。

 

「貴様は!」

 

「誰が臆病者だと?」

 

 死喰い人にハンドガンを突き付けたドラコが、鋭い視線で睨み付ける。

 

「杖が無いお前達に何が出来る? 今なら見逃してやる。大人しく退け」

 

 ドラコが鋭い言葉を死喰い人に投げかける。

 

「くそぉ…」

 

 ハンドガンを突き付けられた死喰い人はゆっくりと立ち上がると、その場に居た他のメンバーを連れ、何処かへと逃げだした。

 

「マルフォイ! お前、どこに行ってたんだ!」

 

「あぁ、ちょっと忘れ物を取りにな。それより無事かウィーズリー?」

 

 ドラコは膝の痛みを振り払う様に、何度か膝をさすりながら立ち上がる。

 

「あ…あぁ大丈夫だ」

 

「そうか、今縄を解いてやる」

 

 ドラコが杖を軽く振ると、ロンの縛り上げていた縄が自然に解ける。

 

 その時、ガラスが割れるけたたましい音を大広間に響かせながら、天使達が現れた。

 

「あれは!」

 

「まったく、ゆっくりしてもいられんな」

 

 ドラコは片手に構えたハンドガンにマガジンを挿入すると、銃身をスライドさせる。

 

「ウィーズリー、他の連中の縄を解いたら、安全な所へ避難していろ」

 

「なんだと! 僕に命令する気か!」

 

「フン! 今は言い争っている場合ではないだろ? わかったな?」

 

「あぁ、分かっているさ!」

 

 ロンは杖を取り出すと、他のメンバーの縄を解き始めた。

 

「さて…練習の成果を見せる時が来たな」

 

 ドラコは小箱から、小さな人形の様な物を取り出すと、腰に装着し、紫色のロリポップを口に含んだ。

 

 すると、ドラコの体から魔力があふれ出す。

 

 

「さぁ! かかってこい!」

 

 ドラコの挑発に乗る様に、天使達が一斉に武器を構えた。

 

 

 

 「ギャアア!!」

 

 数体の天使が、上空から一斉にドラコに向かって襲い掛かる。

 

「うぉ!」

 

 ドラコが両手で1丁のハンドガンを構えると、何かに操られるかのように、体を仰け反らせ、天使の攻撃を回避すると、頭部に銃口を押し付け、脳幹に2発、射撃する。

 

 息絶えた天使の死体を蹴り上げると、別の天使に直撃させ、動きを止めさせ、天使の脳天目掛け2発の弾丸を放つ。

 

「ギャッ!」

 

 ハンドガンから放たれた2発の銃弾は見事に天使の脳天を捉え、その活動を停止させた。

 

「ふぅ…」

 

「すげぇな…まるでベヨネッタみたいな動きだ…」

 

 一息付いているドラコの背後から、ロンが躊躇いがちに声を掛ける。

 

「あぁ、ジャンヌ先生に鍛えられたからな。まぁ…コイツのおかげだ」

 

 ドラコはそう言うと、腰に付いている、人形の様な物を手に取る。

 それは、『永遠なるマリオネット』と呼ばれる魔導具だ。

 

 永遠なるマリオネット

 その無慈悲な戦い方から「ブラディ・マリー」の異名で恐れられた魔女マリーが作った腰飾り。戦うことを得意としたマリーの技は、まるで流れる川のように淀みなく繰り出されたと言われ、この魔導器を身に着けるものは彼女に操られるかの如く、その熟練した技術を用いて戦うことが出来るという。

 

 

「へぇ…すげぇな…」

 

「それより、縄は解き終わったのか?」

 

「あぁ、怪我人も退避済みさ」

 

「そうか…なら――」

 

 その時、再びガラスを突き破り、天使が入って来た。

 

「まったく…きりが無いな」

 

 ドラコはその場で、ハンドガンを構えると、宙を飛んでいる天使を撃ち落としていく。

 

 しかし、2体程撃ち墜としたところで、弾切れを起こした。

 

「くそっ! これだからチープな玩具は嫌いだ!」

 

 ドラコは悪態を付きながら、銃身を掴むと、銃床で天使の頭部を殴打し、吹き飛ばす。

 

 その衝撃で、ハンドガンが完全に崩壊する。

 

「くそぉ!」

 

 攻撃手段を失い、天使と対峙するドラコは悪態を付いている。

 

「グギャアア!」

 

 天使が咆哮を上げると、武器を手にドラコに襲い掛かる。

 

 

 その時、大広間の扉が勢い良く開かれ、両手に鞄を持ったクラッブとゴイルが現れた。

 

 

「お前達!」

 

 グラップとゴイルが同じ動作で、鞄に手を突っ込むと中からハンドガンを取り出し、ドラコに向け投げる。

 

「おっと!」

 

 天使の攻撃を回避したドラコは空中に飛び上がり、回転しながら近付いて来る2丁のハンドガンを左右の手で受け取ると、そのまま接近してくる天使に向け発砲する。

 

「グギャアア!」

 

 両手のハンドガンから放たれた銃弾によって迫り来る天使はその場で崩れ落ちる。

 

「はっ!」

 

 宙へ飛び上がったドラコは、空中で武器を構えている天使に、突っ込むと、両手に構えたハンドガンを乱射し始める。

 

 しかし、両手に持っていたハンドガンも弾切れになり、虚しい音を上げている。

 

「追加だ!」

 

 ドラコが声を上げると、クラッブとゴイルは鞄からハンドガンを取り出すと、ドラコに投げる。

 

 投げられたハンドガンの前に、天使が立ちはだかり、妨害をしようとしている。

 

「退け!」

 

 ドラコは飛んでいるハンドガンの目の前で右足を振り上げ、踵に装着し右足のハンドガンを発射する。

 

「邪魔だぁ!」

 

 その場で反転し、飛んできたハンドガンを左足に装備する。

 

「落ちろ!」

 

 そのまま左足のハンドガンで天使を撃ち墜とす。

 

「まったく…他愛もない」

 

 着地したドラコは、周囲を見回すと、破られたガラスから何十という天使が侵入してくる。

 

「数が多いな…」

 

 溜息を吐いたドラコは、その場で振り向くと、クラッブとゴイルが鞄を持ち上げている。

 

「フッ…どうやらまだ玩具はあるようだな…良いだろう」

 

 ドラコは、両手の銃を構えると、数十の天使と向かい合う。

 

「パーティータイムだ!」

 

 ドラコは、その場から飛び上がると、天使の群れの中心に突っ込む。

 

「ギャ!」

 

 天使達は、手に持った槍状の武器をドラコに向け振り下ろす。

 

「甘いぞ!」

 

 ドラコは、絶妙に体を逸らせ、天使の攻撃を回避すると、天使の持っている武器に掴まり、左右の天使に銃撃を浴びせる。

 

 左右の天使が息絶えると同時に、手にしていたハンドガンの銃弾が尽きる。

 

 

「次だ!」

 

 ドラコが声を上げると、クラッブとゴイルが同じ動きで鞄からハンドガンを取り出すと、同時にドラコに向けて投げ放つ。

 

 ドラコは足に装備したハンドガンの弾丸を全て吐き出し、周囲の天使を迎撃しつつ、飛んできたハンドガンを受け取ると、そのまま天使の頭上に乗り、銃弾を放つ。

 

「次!」

 

 クラッブとゴイルは再び、ドラコの声に呼応するように、ハンドガンを投げる。

 

「次だ!」

 

 ハンドガンを受け取ったドラコは、大広間の中心に陣取ると、両手をクロスさせ左右の天使を迎撃する。

 

「次!」

 

 ハンドガンを取り換えると、今度は、前と左右の天使を迎撃し、足に装備したハンドガンで後方の天使を撃ち落とす。

 

「次ぃ!!」

 

 数分間、天使達を迎撃し続けた結果、用意していたハンドガンを全て使い果たしてしまった。

 

「はぁ…はぁ…まったく…きりが無いな…」

 

 片膝を地面に付け、肩で息をしているドラコは、依然として宙に浮いている天使を睨みつけている。

 

 そんなドラコの後ろに、杖を構えたロンとハーマイオニーが近寄る。

 

「おい! 大丈夫か?」

 

「フッ…ウィーズリーか、退避しなかったのか?」

 

「貴方一人を置いて、逃げたりはしないわ」

 

「そうか。君らしいなグレンジャー」

 

 ドラコは、震える足に力を入れ、ゆっくりと立ち上がると、ロリポップを咥え、銃弾を吐き尽くしたハンドガンを投げ捨て、杖を構える。

 

「まだ戦えるの?」

 

「当然だ」

 

「あら? そう? 心強いわね」

 

「フッ…さぁ! 来い!」

 

 天使達が、咆哮を上げると、武器を手に襲い掛かる。

 

「フン!」

 

 ドラコは杖を勢い良く振ると、近場にあった瓦礫を持ち上げ、天使にぶつける。

 

「ンギャ!」

 

 瓦礫に押しつぶされた天使は苦しい声を上げる。

 

「奴等には魔法は効果が無いが、物理的な衝撃には弱いらしい…この方法なら無力化できる!」

 

「そう言う事なら!」

 

 ロンが杖を振ると、ドラコと同じように瓦礫を持ち上げ、天使に投げつける。

 

「ジャァ!」

 

 しかし、天使は眼前に迫った瓦礫を武器で薙ぎ払うと、砂埃の向こうで無傷の状態で悠然と飛翔している。

 

「おいおい…マジかよ…」

 

 ロンが呆れたような表情を浮かべると、その後ろからハーマイオニーが飛び出す。

 

「邪魔よ! ロン!」

 

 ハーマイオニーが勢い良く杖を振るうと、天井に釣られていたシャンデリアの飛べ金がはじけ飛ぶ。

 

「ンガ?」

 

 シャンデリアの真下に居た天使達が天を仰ぐと、留め金の外れたシャンデリアは重力に従う様に、床へと吸い込まれる。

 

「「「ンガァアァァ!!」」」

 

 落下したシャンデリアに巻き込まれ、下に居た天使達が下敷きになる。

 

「ド派手だねぇ…」

 

「やるな! グレンジャー!」

 

「当然よ!」

 

 テンションの上がった3人は魔法を巧に使い、数体の天使を迎撃していく。

 

「ハァ…ハァ…ハァ…」

 

「フゥ…フゥ…」

 

「まだ…来るのね…」

 

 数分間、必死に迫り来る天使達を迎撃していた3人だが、流石に疲労の色が見え始める。

 

 互いに背中合わせになった3人は杖を構えながら、肩で息をしている。

 

「まったく…いい加減にしてくれ…」

 

「疲れたなら、逃げてもいいんだぞ」

 

「誰が逃げるか…」

 

「それなら気合を入れろ!」

 

「わかってる! ったくもぉ!」

 

 ロンは疲れ気味に悪態を付くが、天使体は御構い無しに杖を構え、突撃してくる。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 ロンが悲鳴を上げた、その時、聞き慣れた銃声が周囲を包んだ。

 




マルフォイを強化しすぎましたかね?

まぁ、この作品ではマルフォイ贔屓がありますからね。

これくらいがいいでしょう。


何気に3人で共闘してますが、いがみ合っている仲が共闘するのって熱いじゃないですか。
理由はそれで充分です。
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