ハリー・ポッターとアンブラの魔女   作:サーフ

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後2~3話くらいで終わりですかね。


真実

  

 

   セレッサとジャンヌ先生が大広間を抜けた後、入り口と窓ガラスを突き破り、天使と死喰い人の混合部隊がなだれ込んで来た。

 

「さっそくお客さんだな」

 

「えぇ、そうね」

 

 ウィーズリーとグレンジャーは杖を構えて、死喰い人を睨みつけている。

 

「天使共の相手は僕がする」

 

「なら、僕達は死喰い人を」

 

「来るわ!」

 

 その瞬間、死喰い人が一斉に魔法を放った。

 

「フン!」

 

 僕はその場で飛び上がり、瓦礫の背後に隠れる2人を背に、迫り来る魔法を刀で切り伏せる。

 

「行くぞ!」

 

 魔法を放とうとする死喰い人の顔面を踏みつけ、さらに高く飛び上がると、宙を浮いている天使に向け銃を放つ。

 

「ガァ!」

 

 銃弾を受けた天使は、その場で撃ち墜とされ、床へと堕ちる。

 

 それにしてもすごい銃だ。

 威力が凄まじく、反動は少なく、小回りが利く。

 とても使いやすい。

 

「そこだ!」

 

 瓦礫から顔を覗かせたウィーズリーとグレンジャーは、周囲の死喰い人に魔法を放ち、無力化させている。

 

「負けてられないな」

 

 僕の背後に現れた天使は槍状の武器を上段から振り下ろす。

 

「無駄さ」

 

 体の軸を半分ほどずらし、振り下ろされた槍を回避する。

 

「ご苦労だ」

 

 そのまま頭部に弾丸を放つ。

 

「ギャぁ!」

 

 頭部を撃ち抜かれた天使は断末魔を上げ、その場に崩れ落ち、手にしていた武器を落とす。

 

 僕はおもむろに落とした槍を手に取る。

 

「フン、悪くないな」

 

「グギャ!!」

 

 槍を構えた天使が、僕の眼前に迫ると、槍を横に薙ぐ。

 

「うぉ!」

 

 拾い上げた天使の槍を縦にし、天使の攻撃を受け止めると、地面に突き刺した槍を軸に天使の顔面を蹴り上げ、足に装備した銃で銃撃を喰らわす。

 

「ギャ!」

 

「ふぅ…」

 

 一息つき、手に取った地面に刺さった天使の槍を引き抜くと、空中で武器を構えている天使達に向け投げ飛ばす。

 

「ギャ!」

 

「ダッ!」

 

「ンギィ!」

 

 投げ飛ばした槍は、回転しながら弧を描き、飛び交う天使達を巻き込み、総てを切り墜とす。

 

「ふぅ…」

 

 数体の天使が墜ちたのを確認し、一息入れる。そんな時…

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「この! どうなっているのよ!」

 

 ウィーズリーとグレンジャーの悲鳴が響き渡る。

 

 悲鳴の方を振り返ると、そこには気絶した死喰い人の上を堂々と這う巨大な蛇が2人が放つ魔法を弾きながら悠々とその距離を詰めている。

 

「何で効かないんだ!」

 

「分からないわよ!」

 

「あれは…ナギニか…なぜここに…」

 

 2人は魔法を乱射しているが、ナギニは気にする事も無く、大口を開け2人に襲い掛かる。

 

「うわぁ!」

 

「危ないわ! ロン!」

 

 ウィーズリーを庇う様にグレンジャーが覆いかぶさる

 

「まずい!」

 

 僕は両足に力を籠め、飛び出すと、背中に掛けた刀に手を掛ける。

 

「うおぉおぉぉおぉ!」

 

 そのまま一気に刀を抜き、ナギニを真っ二つに切り裂く。

 

「キシャァァアアアァァアァ!」

 

 ナギニは断末魔を上げながら、灰になり、その場から消える。

 

「無事か!」

 

「え…えぇ!」

 

「気を抜くな! まだ来るぞ!」

 

 周囲には、天使の増援が現れ、こちらに攻撃を仕掛けようとしている。

 

「まったく…きりがない…」

 

 僕は操られ疲れ果てた体を癒す様に、ロリポップを口に咥えると噛み砕く。

 

 あまり美味くはないが、効果は抜群だ。

 

「うおぉおぉぉおぉ!!」

 

 僕は力を籠めると、叫びながら再び天使達の群れに突っ込んだ。

 

 

 

 

 

  私達は一気に階段を駆け上がる。

 

「ここだ」

 

 長い階段を上り切り、校長室の前へと到着する。

 

 しかし、校長室の扉は何者かによって開かれたままだ。

 

「あれは…」

 

 校長室内部では、ハリーの前に立ちはだかるスネイプに向けてヴォルデモートが杖を振り下ろし緑色の閃光が炸裂している。

 

「ぬぐぅ!」

 

 ヴォルデモートが苦しそうな声を上げ、放った緑色の閃光は、スネイプの横を通り抜け、背後の壁に炸裂した。

 

「ぬがぁぁぁああああ!」

 

「ぐぅううぅうぅう!」

 

 突如としてハリーとヴォルデモートが苦しそうな呻き声を上げると、2人とも崩れ落ちた。

 

「そんな…まさか…ナギニが…」

 

「分霊箱が壊れた…」

 

 ハリーとヴォルデモートは互いに苦しそうな声を上げ、呟いている。

 

「おのれぇええええ!」

 

 ヴォルデモートは苦痛に歪む体を無理やり起こそうとするが、力が入らず、よろけている。

 

 今がチャンスだろう。

 

 私は、右手に構えた銃をスネイプに向け投げ渡した。

 

「使いなさい」

 

 スネイプは空中を回転しながら進む銃を右手で受け取ると、銃身を中折れさせ、首にかけていた口紅を左手で掴んでチェーンから引き千切り装填すると、両手で銃を構え、銃口をヴォルデモートに突き付ける。

 

「ぐぅう…」

 

 しかし、血を流しすぎたのか、腕が震え、照準が定められずにいる。

 

 そんな時、周囲が柔らかい光に包まれ、一人の女性の霊体が姿を現す。

 

「リリー…君なのか…」

 

 リリーと呼ばれたその霊体は、優しい微笑みを浮かべ、スネイプの背中に寄り添うと、自らの両手をそっとスネイプの両手に重ねる。

 

「あぁ…リリー…そうだな…」

 

 スネイプとリリーは互いに微笑みあう。

 

「おのれぇええええ! 穢れた血! 俺様の邪魔ばかりしおって!!!」

 

「消えろ…ヴォルデモート!」

 

 スネイプはゆっくりと引き金を引くと、銃口から真紅の口紅が放たれる。

 

「うおぉおぉぉおぉ!!」

 

 ヴォルデモートが咆哮を上げると、辺りかまわず、魔法を乱射し、周囲に小さな瓦礫が降り注ぐ。

 

 しかし、放たれた口紅が瓦礫の合間を縫い、ヴォルデモートの脳天に突き刺さる。

 

「おのれ…おのれぇぇえええええええ!!!!!」

 

 脳天に口紅の刺さったヴォルデモートはゆっくりとその場に仰向けに倒れ込んだ。

 

「終わったな…」

 

 スネイプが呟くと、リリーがゆっくりと頷き、その霊体がふわりと宙に浮く。

 

「リリー…もう逝くのか…」

 

 リリーは悲しそうな表情を浮かべ深く頷く。

 

「そうか…」

 

 スネイプは悲しそうな表情をしているが、そこに悲壮感はなかった。

 

 次第にリリーの体は透明になり、やがては完全に消えてなくなった。

 

「リリー…」

 

 スネイプは呟くと、その場に崩れ落ちた。

 

「スネイプ先生!!」

 

 ハリーはスネイプに駆け寄ると、その体を支える。

 

「ハリー…ようやく先生と呼んでくれたな…」

 

「先生…」

 

「その目は…リリーに…そっくりだ…」

 

 

 スネイプは優しい微笑みをハリーへと向けている。

 

「どうやら終わったようだな」

 

「その様ね」

 

 私達は校長室の中に入ると、2人がこちらに顔を向けた。

 

「ベヨネッタ! 来てくれたんだ!」

 

「えぇ、そうよ。終わったみたいね」

 

「フン…助かったぞ」

 

 スネイプはぶっきらぼうに言うと、ハリーの手を借り、立ち上がると私に銃を返した。

 

「さて…吾輩は校長を起してくる」

 

 スネイプがダンブルドアの机を漁り、予備の杖を取り出すと、軽く振る。

 

「んなっ!」

 

 すると、ダンブルドアの石化が解け、ゆっくりと体を起こした。

 

「どうやら…終わった様じゃな…」

 

 ダンブルドアは倒れているヴォルデモートを見るとゆっくりと口を開いた。

 

「えぇ。終わりましたね」

 

 ハリー達はとても和やかな笑みを浮かべている。

 

 その時、校長室の入り口で単調な拍手の音が響いた。

 

 

 

 

 「お見事というべきでしょう。終わったようですねぇ」

 

「ロプト…」

 

 そこにはロプトが大げさな拍手をしながらゆっくりと入室してきた。

 

「それにしても呆気ない物ですね。闇の帝王と言えど…所詮はこの程度ですか…」

 

 ロプトがゆっくりとヴォルデモートに近寄ると、ヴォルデモートは苦しそうな声を上げた。

 

「ロプト…何をしている…早く何とかしろッ…」

 

 どうやらまだ息があるようだ。

 

「どうして…分霊箱は破壊したはず…」

 

 ハリーは困惑した表情で呟く。

 

「助かりたいのですか? ヴォルデモート卿」

 

「手が有るのなら! 早くしろッ!」

 

 ヴォルデモートは苦しそうなかすれ声を上げながら、ロプトに命令を下している。

 

「では、私の手を取ってください。その身のすべてを私に任せるのです」

 

 ロプトはワザとらしくゆっくりとその手を差し出した。

 

「早くしないかぁ!!」

 

 ヴォルデモートは震えるその手でロプトが差し出した手を掴んだ。

 

「掴みましたね。これであなたの役目は終わりです。ご苦労様でした。トム・リドル」

 

「なにぃ!」

 

 その瞬間、2人の体がまばゆい光に包まれる。

 

 

 

 やがて、収まった光の中心には、完全復活を遂げたロプトの姿があり、その胸にはヴォルデモートの苦痛に歪んだ顔が埋め込まれている。

 

「悪趣味ね」

 

「まったくだ…気色が悪い」

 

「フフフッ…」

 

 ロプトは笑いながら、手を振ると、校長室の壁に大穴が開く。

 

「素晴らしいですね…やはり、人の憎悪の力とは凄まじい」

 

「それがアンタの目的?」

 

「えぇ、そうですよ。世界の目が無くなってしまった以上、人の憎悪を喰らい、完全なる神の力を取り戻す…それが私の目的です。まだ不完全なようですがね…」

 

 ロプトは笑いながら、聞いても居ないのに、計画の全容を話し始めた。

 

「ベヨネッタ。貴女に倒され、バルドルの体に閉じ込められた私は、遠い昔に戻されました。しかし、時が経つにつれ、バルドルの心が悪に染まり、おおよそ100年前には、私が彼の体を完全に操るようにまでなりましたよ」

 

 ロプトは大袈裟な身振り手振りで演説を続ける。

 

「完全にバルドルの体を支配した私は有る事を考えました。それはある種の保険です」

 

「保険?」

 

「そうです。いずれ貴女方に倒される未来があるのならば、私の力の一部を別の場所に移そうと考えました。そして、たどり着いたのがこの魔法界です。そして私はほんの少しの力を切り離し、この世界に隠しました。そして私の力の媒体となる人物を探しました」

 

「それが…ヴォルデモートという事じゃな…」

 

 ダンブルドアがロプトを睨みながら口を開く。

 

「その通り! 私は幼い頃のトム・リドルに目を付けました。彼には類稀なる魔法の才能が有りましたからね。私のほんの少しの悪意を植え付けてやっただけで、とても立派な媒体になりましたよ」

 

「まさか…悪の道にそれたのも!」

 

「この私のお・か・げ・です。彼は実に良い活躍をしてくれました。闇の帝王となり、人々の恐怖、悪意、憎悪、嫌悪など、負の感情を一身にその身に蓄えてくれました」

 

「何という事…」

 

「しかし…いくら負の感情を集めても、私の完全なる復活には至らないと言うのは、最初から分かっていました……それは何故か! 理由は簡単です。いくら恐怖や憎悪を集めた所で、人々の心にはまだ『希望』が残されていたからです。ですから私は、その『希望』を完全に打ち砕く事にしたのですよ」

 

 ロプトはゆっくりとハリーを指差した。

 

「そこで、必要となったのが、ハリー・ポッター…貴方ですよ」

 

「僕が?」

 

「そう。貴方が闇の帝王を1度滅ぼす事により、人々の希望を一身に受ける。しかし闇の帝王が復活した事により、人々の負の感情は反発的にさらに強い物になる。そしてハリー・ポッターが死を迎える時。完全に人々の『希望』が崩れる。その時の負のエネルギーは凄まじい物でしょうねぇ。その為に、学生時代のトム・リドルに分霊箱の存在を教え、作るように仕向けました。そして、君の存在を予言させたのですよ」

 

 ロプトは笑いながらハリーを眺めている。

 

 その時、かすかに声が響き渡る。

 

『お…のれ…ロプ…ト』

 

「おやおや…まだ息が有るのですか? 分霊箱は総て破壊されたはずですが…しぶといですねぇ」

 

 ロプトは目を細め、胸元のヴォルデモートを睨み付ける。

 

「あぁ…そういう事ですか…これは予想外です」

 

 ロプトは笑いながら手を上げると、ハリーの体が吸い寄せられる。

 

「まさか君が分霊箱になっていようとは…」

 

 ロプトは力を籠めると、ハリーの体から何やら禍々しい物を取り出す。

 

「邪魔ですねぇ…」

 

 手に持った禍々しい物をロプトが握りつぶすと、ヴォルデモートの呻き声が響き渡る。

 

『ぐぅう!』

 

「これで完全に消滅しましたね。お疲れ様です。トム・リドル」

 

 ロプトはハリーの体をソファーへと投げ飛ばすと、胸元のヴォルデモートの顔に手を置く。

 

「ふん!」

 

 力を籠めてヴォルデモートの顔を押しこむと、ロプトの体内に完全に吸収される。

 

「さて…これで分霊箱は完全に破壊されましたね。貴方達の処刑は後日、大々的に行いましょう。その方が楽しいでしょう!!」

 

 ロプトはソファーで気を失い、横たわるハリーを見据えながら呟いている。

 

 私とジャンヌは拳を振り上げると、ウィケットウィーブを発動させロプトに殴りかかる。

 

「ぐほぉ!」

 

 2人のストレートを喰らったロプトは吹き飛ばされ、壁に激突し、倒れ込む。

 

「呆気ないな」

 

「本当ね。つまらないわ」

 

「フフフッ」

 

 倒れ込んたロプトは笑いながら体中に禍々しいオーラを吸収しながら立ち上がる。

 

「人々の負の感情がある限り、私を倒す事など出来ませんよ」

 

 笑っているロプトの傷はみるみるうちに回復し、無傷の状態となった。

 

「奴め…不死身か!」

 

 ロプトを睨み付けているダンブルドアは苦しそうに呟く。

 

「不死身…そうですね。まさにその言葉がぴったりでしょう!!」

 

 ロプトは笑いながらゆっくりと宙を浮く。

 

「さて…厄介なアンブラの魔女のお二人にはそろそろご退場願いましょう」

 

 ロプトは先程開けた大穴から飛び出ると、私達を手招きしている。

 

「ここでは狭いですからね。こちらまでおいでなさい」

 

「奴め…舐めた真似を」

 

「まったく、くだらない喧嘩を売るわね」

 

 私達はロプトを追う様に大穴から飛び出す。




スネイプがなんで口紅を装填できたかって?

カッコいいからって理由がほとんどですが、職業柄マグルの武器に関しても若干の知識はあるんじゃないかと考えました。



マルフォイにナギニを倒させたいな→でも、グリフィンドールの剣はスリザリン生じゃ使えないな…→ならいっその事、グリフィンドールの剣をぶっ壊そう!

という事で、秘密の部屋でグリフィンドールの剣をぶっ壊して、修羅刃にその役目を任せました…

すまんな、ネビル……
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