救われた男と堕ちた天使   作:チムチムブッチャー

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褒められるとやる気がでますね笑笑


10話 遊ぶ約束は話してる時が一番楽しかったりする

「いきなりですが、海に行きます」

 

テストが近くなってきたので僕が隣で勉強をしていると月乃瀬さんがガヴリールと遊びに来ていたラフィエルさんに元気に宣言した。

 

「・・・行けば?」

 

ガヴリールの冷たい反応も無視して月乃瀬さんは話を続けた。

 

「もうすぐ夏休み、下界で向かえる初めての長期休暇!海のしおりも作成済みっ!」

「月乃瀬さんいつになくテンションが高いね・・・」

「ヴィーネはイベントごとになるとこんな感じだよ」

 

まぁ月乃瀬さんが楽しそうならいいんじゃないのかな。

月乃瀬さんは海のしおりをガヴリール、ラフィエルさん、僕の順番で配っていく。っていうか僕も行っていいの?友達に遊びに誘われることが無かったので嬉しいけどさすがに男の僕が女の子たちと海で遊ぶなんて、大丈夫なのかな。

 

「面白そうですねぜひご一緒させてくださいね!」

「もちろんよ、ラフィ!」

 

ラフィエルさんと月乃瀬さんはお互いに両手を合わせながらピョンピョン飛び跳ねている。ガヴリールは行く気はないみたいで肘を机につきながらため息をこぼしている。

 

「じゃあいつ行く?休みの最初の方が良いと思うんだけど・・・」

「私水着持ってないので放課後買いに行きませんか?」

「私行かないから海とかめんどくさすぎ・・・」

 

どんどん遊びに行く話が進んでいく、だがふと僕は気づいたこのメンバーの中でいてもおかしくないはずなのに、いない悪魔の事を。

するとその悪魔はあえて聞かせているような大きな声の独り言が聞こえた。

 

「あぁ~ひまね~もうすぐ()()()だけど()()とひまね」

 

その声の主サターニャさんは取り出した真白なスケジュール帳を見ながら所々単語を強調させながら答えた。

 

「特に夏休み中なんて奇跡的に予定ないし誘うなら大チャンスかな~。暑いし冷たい水につかれる所がいいわね、たとえば・・・()()()()()

「なんだあの露骨なアピールは、ウザいを通り越して悲しくなるな」

「・・・後で誘おうと思ってたんだけど」

 

月乃瀬さんが可愛そうなサターニャさんの事も誘いに行こうとしたところをラフィエルさんに止められた。

そのラフィエルさんの表情は満面の笑みで親指を立てて見せた。そしてまるで飛び跳ねるようにサターニャさんの元に走っていく。

絶対なにかするつもりだ・・・だがサターニャさんは全く気付いておらずラフィエルさんが近づいただけで嬉しそうな顔を隠しきれなくなっている。

 

「サターニャさんっ♪」

「な、なによ・・・」

「実は私達今度海に行くんですよ~」

「へ、へぇ~それでどうかしたの?」

「それだけです♪」

 

スタスタと僕たちの元へ帰ってくる。サターニャさんといえばショックからか放心状態になっている。すると今度はガヴリールが立ち上がりスタスタと走っていく。

 

「やっぱ私も行くわ、お前の分も楽しんでくるからな」

「とどめを刺すなっ!」

 

やめて、サターニャさんのライフはゼロよ!今にも泣きそうになっている、いつもの強気なサターニャさんは影も形もない。

 

「ぼ、僕が誘いにいくよ・・・」

「ホントにごめんなさい・・・」

 

僕は自分に渡されていたしおりを持ってサターニャさんの元にやってくる、一応僕を見てはいるが泣くのを我慢するので必死になっている。

 

「月乃瀬さんはサターニャさんも誘う予定だったらしいよ・・・」

 

そういって僕が月乃瀬さん作海のしおりをサターニャさんに差し出した途端泣き顔から一瞬にして笑顔に変わったそして―――――

 

 

 

 

 

 

 

―――ガバッっと抱きしめられた。

 

「あっあの・・・サターニャひゃん!?」

 

サターニャさんのいい匂いが頭の中を駆け巡っている・・・そしてなによりサターニャさんの胸のあたりに柔らかいものが余計に頭を鈍らせていく。

やばい誰かた、助けて・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?ガヴちゃんどうしたんですか、不機嫌になって」

「・・・知らない」

 

(あらあら、面白い事になってきてますね。でもまだガヴちゃんもサターニャさんも気づいていないみたいですしまだまだ面白くなりそうです♪)

 

 

 

 

 

 

 

 

僕の心臓の音で僕の意識がなくなりそうになった瞬間声が聞こえた。

 

「サターニャ!」

「はっ!」

 

月乃瀬さんの声で我に返ったサターニャさんは今の状況に気づいたのか慌てて離れた。助かったよ月乃瀬さんありがとう。お礼を言おうと思い月乃瀬さんの方を振り向くと笑顔だが物凄く黒いオーラを放っており体が勝手に震えだす、この時初めて僕は思った。

 

あぁ本当に月乃瀬さんは悪魔なんだな。

 

「なんで君はそういう常識が全くないの?」

「そ、そういう常識ってなんですか・・・」

 

ついつい敬語で返してしまう。だが本当にどういう事なんだろう、確かに引きこもりだったせいで分からない常識もあったけど最近は身に着けてきたつもりだ。

他を見ればラフィエルさんは今にも笑いが出るのをこらえるので必死になってるし、ガヴリールに関しては目も合わせてくれない。

 

「お、おほん。し、仕方ないわねちょうど暇だったし付き合ってあげるわ感謝しなさい!」

 

サターニャさんはいつも通りに戻ったのか腰にてをあてながら言う。でもその頬は少し紅くなっていたどれだけ嬉しかったんだろう。

月乃瀬さんはため息を吐きガヴリールの席の前に座る、さきほどの黒いオーラも消えている。サターニャさん助かったよありがとう。

 

「じゃあ何か質問ある?」

「はいはい!」

 

月乃瀬さんが質問を受け付けるとさっそくサターニャさんが元気よく手を上げる。

 

「バナナはおやつに含まれますか?」

「なんだその質問・・・」

「遠足とかでよくする質問とかじゃないかな?」

「なんかバカみたいな質問だな」

 

その質問はよくマンガなどであるけどリンゴとかみかんとかじゃダメなのかな。

 

「その質問はしおりの3ページに書いています」

「書いてるんだね・・・」

「じゃあはい!」

「はいサターニャ」

「どうやったら大悪魔になれますか?」

「それ海と関係ないよサターニャさん」

 

気分が乗って来たのかサターニャさんは今度は無邪気な顔で海と全く関係ない質問をする。

 

「その質問もこのしおりを読めば解決するわ!」

「そのしおり万能かよ!」

「じゃあ僕からも質問いいかな」

 

僕は最初から気になっていたことを質問することにした。

 

「誘ってくれたのは嬉しいんだけど、なんで僕を海に誘ったの?」

「それはずばり・・・ナンパ防止のため!」

「なんぱ・・・なによそれ?」

 

月乃瀬さんが僕を誘ってくれた理由を聞いてやっと納得した、でも僕でナンパ防止できるのかな。ほら僕って頼りないし不安しかないよ。

 

「いいですかサターニャさん、海には魔物がいるらしいんです。だからその魔物が来ないように夕陽さんを連れて行くんです」

「魔物っ!ぜひ会ってみたいものね!」

「こいつ直ぐに騙されてついて行っちゃいそうだよな」

「そんなことないわよ!魔物について行くほど馬鹿じゃないわ!」

 

サターニャさんは皆を見るが僕たちは皆サターニャさんと目を合わせなかった。

 

「つ、つぎは日にちを決めましょ!」

「そ、そうだね。」

「最初の週の平日とかどうでしょう?」

「そうねじゃあ次は集合時間で・・・」

 

話は進み具体的な事も決まってひと段落した、楽しみだな砂のお城の作り方とか勉強しとかないと。

あっでもその前に期末試験があるんだった、ここ最近は授業もついて行けるようになり一安心している。

 

「あとは期末試験乗り越えるだけね」

「げぇそういえば試験あるじゃん。めんどくさいな・・・」

「試験なんて関係ないわ!私には海が待っているんだもの!」

「でもサターニャさん赤点とったらどうするの?」 

「赤点なんて気にするほど私は小っちゃくないわよ」

「ですが赤点を取ると夏休みの最初の方はすべて補修になってしまいますよね」

 

ラフィエルさんの言ったとおり赤点は夏休みの最初がつぶれてしまう、そうなったらサターニャさんが仲間外れになっちゃう。友達のためにそれだけは何とかしないと。

 

「サターニャさん、僕が勉強教えてあげようか?」

「頼むわ!明日休みだし夕陽の家にいくわ!」

 

サターニャさんがそういった瞬間再び空気が変わった気がした。

 

「あの~夕陽さん私もいえ一緒にお邪魔してもよろしいですか?」

「でもラフィエルさんに勉強教えられないと思うけど・・・」

「いえ私はおもし、大勢でした方が勉強もはかどると思いまして」

「そ、そうね私達も勉強しに行きましょうか、ねっガヴ」

「・・・うん」

 

あれ、めずらしいな。ガヴが素直なのでびっくりしてしまったが結局僕の家で皆で勉強会を開くこととなった。

少しガヴの様子がおかしくみえたけど気のせいかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜

食事も終わり片づけをしていると突然チャイムがなった。

玄関のドアをあけるとそこにはガヴが立っていた。

 

「珍しいね、ガヴがチャイム鳴らすなんて最近なんて勝手にドアを開けてくるのに」

「ゲームしに来た」

「連絡すればオンラインでしたのに」

 

僕の言葉を無視して結局勝手に靴を脱ぎ上り込んでくる、そしてテレビゲームを起動すると片方のコントローラーを無言でさしだした。一応僕の物なんだけどね・・・

僕たちは無言で格闘ゲームをする。

 

「・・・」

「・・・」

 

な、なんだろうすごく気まずい、今までこんな事なかったのに。大体僕の家でゲームするときはガヴリールに何度も勝つのでその度悔しがって罵倒してくるのに、今日はそれもなく黙々とゲームをしている。

ほ、本当にどうしたんだろう・・・

するとやっとガヴリールは口を開いた。

 

「夕陽、おまえサターニャの事どう思ってるの?」

「大切な友達・・・かな?」

「そ、そうなんだ・・・」

「別にサターニャさんだけじゃないよ?月乃瀬さんもラフィエルさんもそしてガヴも僕は大切な友達だと思っているけど・・・」

 

僕がそういうとガヴリールは何も答えず再戦するという項目で○ボタンを押した。だけど今までとは違い「クソッ」「コンボが決まらない」など反応するようになった。

僕が楽しそうにゲームをしているガヴリールを見ると、少し頬が紅くなっているような気がしたけどきっとゲームに熱が入ってるからだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後僕たちはそのまま深夜までゲームをして二人で寝落ちしてしまった。朝、月乃瀬さんたちにこの状況を見られ物凄く怒られてしまったのは怖くて思い出したくないので話すのはやめておくことにする。

 

 

 




少し感情に変化のあったガヴリールでした。
次の話はいよいよ夏休みに入ります。
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