救われた男と堕ちた天使   作:チムチムブッチャー

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16話 最近のハロウィーンのイベントを楽しめるのはほんの一握りだけの気がする

「くっそー!?お前強すぎるだろ」

「いや、ガヴも相当強いと思うけど」

 

僕とガヴリールは僕の部屋で対戦ゲームで遊んでいる、そしてこのままだらだらしながら夜まで遊んで食事をしたら帰っていく。だいたい休みの日はこんな感じだ。

 

 

ピンポーン

 

 

そんないつもの休日を過ごしていると扉のチャイムがなった。

 

「誰か来たから、ちょっと見てくるね」

「良い所だったのに・・・」

 

少しガヴリールが押し始めていたので勢いに乗ろうとした所でちゅうだんさせらたので、ふて腐れている。

だがガブリールに構っているとあいてに失礼なので僕は気にせず玄関に向かいとドアを開けた。

 

「はーい」

 

 

 

 

―――――開けた先には、よく顔を知っている吸血鬼、魔法使い、カボチャを持った少女が立っていた。

 

「トリックオワトリート!お菓子をくれなきゃイタズラするぞ!!」

 

その三人は息を合わせてハロウィーンのお決まりのセリフを唱える。そういえば本当の発音はハロウィンではなく正しくはハロウィーンらしい、朝陽に教えてもらったちょっとした豆知識。

そんなことより唱えた三人は期待するような瞳で僕を見ている。えっとお菓子をあげればいいんだっけ?

 

「・・・ふ菓子でいい?」

「「「渋いっ!」」」

 

いや、朝陽が送ってくれたふ菓子しかなかったから・・・おいしいよ?ふ菓子

 

「はやく続きやろう・・・あっヴィーネ、ラフィエルそれにサターニャも」

 

僕がふ菓子を取りに行こうと思っていたら様子を見に来たガヴリールが顔をだした。

 

「あんたまた夕陽君の部屋にいたのね・・・」

 

魔法使いではなく悪魔のヴィーネさんが頭に手をやりやれやれといったようにため息を吐いた。

 

「あら、ガヴちゃんこんにちは」

「ガヴリールじゃない!夕陽の後に行こうと思ってたから手間が省けたわ。さぁお菓子を出しなさい!」

「いや、夕陽の家だしないよそんなもの」

「いやどこかにあるはずよ!」

 

サターニャさんはそういうと僕の体をすり抜け勝手に僕の部屋に上り込んだ。サターニャさんが入ってお菓子さがしをしまったのでどうせならと僕の部屋にヴィーネさんとラフィエルさんを部屋へと招いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなわけで今日はハロウィーンです!お菓子を貰い放題な一日の始まりです!」

 

僕の部屋から探し出したお菓子を手の中いっぱいにしながら話すサターニャさんは嬉しそうにしている。

 

「いや、ゲームしたいんだけど・・・」

「何もくれない薄情者には拒否権なんてないのよ!!」

「ハロウィーンってそんなに厳しいんだ・・・」

 

ガヴリールに言うサターニャさんの目は本気の目だった。これは本当に怒ってらっしゃる。

だが睨まれている本人であるガヴリールは気にぜず三人の衣装に目線が移っていた。

 

「なんなのその変な格好」

「変じゃないわよ!この日のために頑張って作ったんだから!」

「ラフィエルさんのやサターニャさんのも?」

「う、うん。そうね」

 

すごい、しかもどこがすごいって自分だけじゃなくてラフィエルさんやサターニャさんの服も作っているってことだ。どのくらいの期間かかって作ったんだろう。

 

「ヴィーネさん手先が器用なんですね」

「裁縫はずっとやってたからね」

 

しかもその服はしっかりと作られており、丈夫に出来ている。それに売り物として出してもおかしくないほどに上手だ。今度僕も裁縫をヴィーネさんから習ってみようかな。

 

「お前イベントごとホント好きだな」

「えっ?だってせっかくのイベントだし楽しんだ方がいいじゃない!?」

「ヴィネットの言うとおりよ!人の家に押しかけ欲望のままにお菓子を奪い、お菓子がなければ怒りのまま悪戯をしかける・・・こんな楽しいイベント他にないでしょ!」

「それしたらただの危ない奴じゃねぇか」

 

そういえばたしかハロウィーンって元々悪霊や悪魔を追い払うためにあったような・・・それだったらこの中で一番に楽しんでいる悪魔の二人って・・・

 

「きっとまだここにお菓子があるはずだわ!手分けして探すわよラフィエル!」

「はい!」

 

そういって再び僕のキッチンを探し始めた。いやもう出し尽くしてるよこれ以上は食料しか出ないよ。

僕がため息をついているとヴィーネさんは二つ分の紙袋を取り出し僕たちに指しだした。

 

「そうそうっ!ガヴ達の衣装も作ったから着てもらおうと思って持ってきたんだけど」

「僕は別にいいけど・・・」

「いい、嫌、着たくない」

「えーなんでよーせっかく作ったのに」

「いや大体着る意味が分からん」

 

僕は着てもいいんだけど、確かにまぁ何で仮装するのかまではあんまり分からない。なので少しガヴリールの意見にも納得できる。

 

「・・・ずっと気になったんだけどハロウィーンって悪魔を追い払う行事なのに悪魔の二人が楽しんでて怒られない?」

「・・・」

 

僕の質問にヴィーネさんは一瞬言葉に詰まった。やっぱりどこか思うとこがあるのかな。

 

「いやもうハロウィーンに宗教的な意味はほぼないし、そこは悪魔も公正に対応していかなくちゃいけないと思うのよね。」

「う、うん・・・」

「だから今後もイベントに関してもそこまで神経質にならなくてもいいと思います。」

「丁寧な説明ありがとう・・・」

「誰への配慮だよ」

 

開き直ったヴィーネさんはガヴリールに片方の紙袋を押し付ける。

 

「ねぇガヴも仮装しましょう!」

「・・・そういえば私も仮装衣装一つ持ってたわ」

 

意外だ、ガヴも仮装とか持ってるなんだちょっと気になるな。それはヴィーネさんも同じらしく見せて見せてと子供みたいにガヴリールにせがんでいる。何かイベントの時のいつもの違うヴィーネさんはちょっと可愛い。

ガヴリールもそんなヴィーネさんに押されたのか腰を重そうに立ち上がると眩しい光を放ち一瞬にして着替えを完了させた。

 

「天使の仮装」

「仮装って言うか本業だろそれ!」

「自分で仮装って言っちゃダメだよ・・・」

「あんた本当にギリギリで天使やってるんだから気をつけなさいよね」

 

悪魔にお説教されている天使という絵図らがとてもシュールだ。もう二人は天使と悪魔交換した方がお互いの幸せのためなのではないだろうか。

 

「よし、じゃあついでにこの衣装にも着替えちゃいましょうか」

「なんのついでだよ」

 

なんかヴィーネさん強引になって来たな。ガヴリールはそんなヴィーネさんを気にしず頑なに断り続ける。

 

「着替えるの面倒だし嫌」

「いいじゃない絶対に可愛いから、ねっ?」

「イヤ!結構です」

 

喰い気味に答えたガヴリールの言葉がヴィーネさんの何かにスイッチが入った。急にガヴリールの上に乗りガヴリールを抑え込む。

 

「はなせ~」

「ラフィーガヴにこの衣装着せたいんだけど手伝ってくれない?」

 

一番助けを求めてはいけない天使に助けを求めるヴィーネさん、どうやら最終手段を取るつもりらしい。ガヴリールもそれが分かったのか助けろという目を僕に向ける。

 

「ヴィーネさん、ガヴも嫌がってるしそろそ・・・」

「夕陽君、ガヴが着替えるから一旦外に出ててもらえるかしら?」

「はい」

「裏切り者っ〜!」

 

ガヴの声を背に僕は扉を開け外に出る。ごめんねガヴ、今のヴィーネさんには逆らっちゃいけないって本能が言ってたんだ。

外に出て待っていると先ほどまでガヴリールの着替えの手伝いをしていたラフィさんが僕にガヴの衣装が入っていた袋と同じ物を手渡してくる。

 

「夕陽さんはこちらを着てくださいね」

「い、いいけど。どこで着替えればいい?」

「もちろんガヴちゃんの部屋です」

 

えぇ・・・ガヴの部屋足の踏み場あるかな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「きゃーー!!」」

 

着替えて戻ってきてみれば二人の黄色い歓声が聞こえる。その歓声を受けているガヴリールは不満顔を浮かべている。

 

「いやっなんだよこの衣装」

「なにって化け猫だけど」

「絶対違うだろ」

「僕としてはこのハロウィーンと全く関係ない格好のほうが気になるんだけど」

 

そうまだ化け猫ならまだハロウィーンの感じは出ている、でも僕は違う全体的に真っ白で所々に黒い縁がある。そして長く垂れた耳に短い尻尾。

完全に101匹わんちゃんのそれであった。

 

「あの何で犬?」

「がヴちゃんが猫ちゃんなのでバランスをとってわんちゃんです」

「まぁお前、ヴィーネとかに逆らえないこと多いからな」

「だって天使を怒らせたくないでしょ?」

「私悪魔なんだけど・・・」

 

そうだった。ついにヴィーネさんが悪魔ということを忘れてしまうようになった。たぶん今の衣装ならヴィーネさんにお手って言われたらしちゃいそうな気がする。

ヴィーネさんたちはガヴリールと僕に仮装をさせたかっただけらしく僕たちが着替えるとその後を考えておらずハロウィーンのイベントですることを無くしてしまった。

 

「これからどうしましょうか・・・」

「やっぱりハロウィーンなら誰かの家でお菓子を貰うとかだよね」

「それなら私行きたい家があるんだけど!!」

てそう言い手を上げたのは僕の冷蔵庫の中から取り出した魚肉ソーセージを何本も抱え頬張っている。お菓子がなかったからって僕の食料たべないでよ・・・

 

「知らない人の家はダメよ?」

「大丈夫!みんな知ってる人の家だから!」

「僕はこのメンバー以外に友達がいないから分からないんだけど」

「夕陽お前しれっと悲しい事言うなよ」

 

いやだって本当の事なんだよね・・・この間朝陽に電話で『お兄ちゃんは男の友達も作らないから心配』と言われ頑張って同じクラスの男の子に話かけたら

 

『お前ヴィーネさん達と話せて羨ましすぎる!』

 

とかいって逃げられちゃったし。確かにヴィーネさん達悪魔に話しかけられるなんて、マンガみたいでカッコいいから憧れるんだろうけど話してみれば普通だし、何も契約とか結んでこないのに。

あれ?でもみんなヴィーネさん達が悪魔ってこと知らないのか。だったら何でなんだろう・・・

 

あ、でも一応話せる人が増えたんだ、僕の様子を見て話しかけてくれた委員長のまち子さんとか

 

僕達はこれからすることもないのでサターニャさんについて行くことにした。そしてついた場所は誰もが一度は住んでみたいと憧れるほどの大きくて綺麗な一軒家だった。

 

「本当にここ?」

「そうよ!」

「誰の家だよ」

「まぁそんなものはすぐに分かるわよ」

 

そういって何の躊躇いもなくインターホンを押す、そしてしばらくして出てきたのは

 

 

ーーーー頭が丸く眩しく光りサングラスをかけた僕たちの担任の先生だった。

 

「先生っ!トリックオアトリートッ!」

「あ、あの先生これは手違いというかなんというか・・・」

「落ち着きなさいよヴィネット!ハロウィーンだから大丈夫よ!」

 

でもさすがに先生にお菓子をねだるのは違う気がするんだけど

 

「くく・・・これぞ私の作戦!あえてお菓子をくれなさそうな家に行き正当な理由でイタズラできる!怒られずに正当な元で先生に仕返しができる。なんて完璧の作戦なの!」

「まぁサターニャさんが声に出してわざわざ説明してくれなきゃ完璧だと思うよ」

「・・・アホだろこいつ」

 

僕たちは終わったと思ったが先生は何も言わず家の中へと戻っていった。

 

「いい判断ね、私に慄いて逃げたのね」

 

そんなサターニャさんの予想は外れすぐに先生は戻ってきて人数分の紙袋を持ってきてみんなに手渡した

 

「「「いやあるのかよ!」」」

 

僕とガヴそしてヴィーネさんのツッコミが青空のもと響き渡った。




番外編を書いていますがもう少しお待ちくださいorz
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