ソッ…(  ̄ー ̄)つ(投稿)
≡3≡3≡3 (投稿)
繁華街を移動して本日二度目の食堂。受付を通る時、さっき俺の注文を聞いてくれたおばちゃんが「またあんたかい」みたいな目で俺を見てきた。うん、ごめんなさいね。お詫びと言ってはあれだけど、売り上げに貢献しますんで許してつかぁさい。
「――と言う訳で俺はスイーツを注文するのであった。まる」
「誰に向かって言ってるんだ?」
気にするな。ただの独り言だ。
場所は食堂。昨日の決闘騒動もあって俺と如月、特に後者に注目が集まる事もあって外のテラス席で食事をとる如月兄妹とエミール。席は丸型のテーブルを囲むように如月兄、エミール、俺、如月妹さんと言う配置で座っている。さりげなく二人を原作主人公の両隣に座らせる俺有能。
そんなちょっとした有頂天になりかけている俺は注文したスイーツを突く。ちなみにそのスイーツとやらは雪〇大福と温かい緑茶である。何であるんだろうかと思いながら、気が付いたら注文を終えていたのはここだけの秘密。
「それにしても、四宮までついて来る必要なかったんじゃないか? すでに昼ご飯は済んでいたようだし」
「いいじゃん、別に。大人しくしてるからさ」
適当にごまかす俺の言葉を訝し気な表情で見やる如月の顔が面白い。
ぶっちゃけると、この後の展開を"知っている"ので俺はその顛末と、如月とエミールをからかって面白おかしく遊び倒したい一心で付いてきただけだ。下心丸出しである。
「アキラが言うと裏があるんじゃないかと妙に疑っちゃうんだよね・・・」
「ほう。俺のどこにそんな企てがあるというのかね?」
「その顔だよ。いかにも下衆を極めたようなあくどい顔。ワザとらしく浮かべないでよ」
エミールが言うもんだから、つい反射的に隣のエミールに向けて顔の左斜め下を向けながらドヤってみせる俺にそんな言葉が返される。
ここに故郷にいる友人達がいたら両サイドから顎左側面と後頭部右側面に向けてストレートパンチの
「それにしてもこの時間にそれはどうなの? アイスだよね、それ」
「いいじゃんか。食いたくなったんだから」
俺は気にせず雪〇大福を口に運ぶ。あー、それにしてもこの冷たい食感がたまんない。温かいお茶で口直ししながら何度もこの食感を楽しむのが好きなんだよなー。
「・・・・・・・・・・・・」(じぃ~っ)
「ん?」
ふと視線を感じ、目線を横に向けてみる――如月妹さんが半目で口を栗みたいな形にしながら、目の前に置いている雪〇大福を凝視していた。彼女の右手のフォークはエビフライを突き刺したまま、今まさに口に運ばんとしている状態で静止しており、目線だけを俺の手元の雪〇大福に向いていた。しかしあれだな。口を半開きにしているままだと、そのまま口からよだれを垂れ流しそうで傍から見たら行儀が良くない。ここは年上として注意するべきだな。
「妹さん。口を開けたままにするのは行儀が悪いよ」
「ハッ! ご、ごめんなさい・・・」
我に返った妹さんは謝りながらエビフライを齧る。シュンとしながら食事を再開した彼女から目を離し、俺は二口目を口にする。
ふと目線を横に映してみると、やはりというか妹さんがゆっくりモゴモゴと口の中でエビフライを咀嚼しながらも目線だけをアイスに向けていた。そんなに欲しいのかこれが。
「そんなに欲しいなら後でお兄さんに買ってもらえばいいんじゃないかな?」
「えっ!? い、いえ! 別にほしいなんてことは・・・・・・ことは・・・」
俺に指摘されて狼狽えた様子を見せる妹さん。否定しながらも目線が俺とアイスを交互に行ったり来たりしているので説得力が皆無だ。眺めていて面白いが、そろそろ人の妹で遊んでんじゃねぇオーラを曝け出している如月兄の睨みがアレなので程々にしようと思う。そういえばコイツシスコンの気があったんだよな。
「如月もそんな睨むなよ。別に妹さんにどうこうしようなんて事は考えてないんだから」
実際俺は如月達に付いてきただけで、偶々アイスを買った。それだけの事だ。
「い、いや・・・別に睨んでるわけじゃないけど、グッ! ゲホッ、ケホッ!」
そう言って俺から視線を外した如月は睨みを利かせていたのを誤魔化すように視線を右往左往させつつ、自身が注文したワンプレートランチ――ペンネアラビアータを口に運んでいく。
如月は無理矢理口に運んだ一口がそのまま器官に入ったのかむせ返る。唐辛子を使ったソースがそのまま喉に入ったみたいだな。あれはきつそうだ。
「ハヤト大丈夫!? ホラ、お水!」
「ムグッ・・・・・・ハァッ! わ、悪い。助かった」
咽る如月に目の前に置かれていた水の入ったコップを渡したエミールが、水を一息に飲み干した如月の安心させるように掛けた言葉でホッと安堵するように息を吐く。そんな兄の様子を心配そうに見つめていた如月妹もまた、同じように安堵した様子を見せる。
「すまんな、如月。俺が余計なこと言ったばかりに」
「い、いや。今のはよく噛まなかった俺が悪いから。気にするな」
俺の言葉にそう返す如月だけど、まだ若干咽ているご様子。こりゃ詫びとして代わりに水を注いであげなきゃいかんね。
飲み水は基本的に受付前のカウンターに併設されたテーブルの上に常時置かれているので、コップを持ってそちらに向かわなければいけない。まぁ当然の配置だよな。
「如月、コップ貸して。水を注いでくる」
「え、いや、そこまでしなくても・・・」
如月が何かを言おうとしていたが、有無を言わさずにコップを奪い取り、俺はさっさと水を汲みに行く。
テラス席を離れ、如月の飲み水を汲みにウォーターサーバーにグラスをセットして、ボタンを一つ押す。セットされたグラスの中身に水が注がれていく。
トポポポポと小気味良い音が流れ、三秒もすると縁下一cm辺りまでグラスに飲み水が注がれた。俺はそれを手に持って如月達の居座るテラス席に戻ろうとする、その時だった。
「――ん。アキラじゃないか」
「あら、奇遇ね。あなたもお昼なの?」
昨日の放課後、シャーロット博士の研究室にいた時と同じ格好、白衣姿の父さんと母さんが現れた。
「父さんに母さん。昨日ぶり。俺はもうとっくに済ませてるけど・・・二人とも、今から昼飯?」
「ああ。昨日から博士の研究の手伝いでな。睡眠時間も大分削った上、体が凝り固まってたから休憩がてら、博士の許可を貰って先に昼食を頂きに来たんだ」
「研究以外にも、昨日のあなた達の
母さんや、そこには触れないでほしいんですががが。
「確かに、昨日のお前の
「・・・まぁね」
「だが、お前のハンドレッドの戦闘データを取るにはいい機会だったとも言える。お前の力を高める為には、データは多ければ多い方がいいからな」
父さんのその言葉が遠回しな励ましをしてくれるのはいつもの事だ。昔から父さんは俺が落ち込んだ時は必ずと言っていい程、そうやって励ましてくれていた。
俺がまだ幼かった頃こそ仕事の関係で家を空ける事の多かった両親だけど、週に二~三回は必ず連絡を入れてきてくれて、落ち込んでいた時に連絡が来るといつもそうしてくれていた。
離れていても、二人は一人息子である俺の事を案じていて、その都度俺自身も二人から愛されている事を実感していた――だからこそ、俺は今度こそ、この世界で俺を生んでくれた両親に報いる為に、
「俺は平気だよ。寧ろ如月のおかげで、放校処分の対象だった二人の処分が無くなったんだから無問題ってやつさ」
「お前ならそう言うだろうと思っていた。しかしな、アキラ。お前もその状況の一部だったんだ。これから先もそうなる事は多くあるだろうから、関わった事は自分の出来る事を見つけ出して、それを必ず完遂させろ。それだけは決して忘れるな」
釘を刺してくる父さんの言葉に俺は頷く。すると、二つのトレイ(日替わりランチ定食かな?)を左右の片手で一つずつ持った母さんが、父さんに片方を手渡す。
「はい、タケヒトさんの分です」
「ん? あぁ、すまない。買ってきてくれたのか。後で返すよ」
母さんから手渡された昼飯を受け取りながらそういうと、「気にしないでください」と返しながら母さんはにこやかに笑う。母さんのマイペースっぷりは相変わらずのようで。
「さて。どこで済まそうか・・・・・・アキラ、昼食を摂る場所にめぼしいところはないか? どうせなら日当りの良い所で食事がしたい」
「そうだわ。暫くは
恐らくはテラス席を希望している父さんと、昼食の同伴に誘う母さんだけれど、生憎と俺は如月達と席を同じにしている身だ。席を離れるのなら、まずは如月の分の飲み水を届けてからでないと。
「それなら、ちょっと如月達に一言断りをいれてからにするよ。外のテラス席にいるんだけどさ」
「ほう、あの如月君もいるのか。ならば、わたし達も一言挨拶をしなければな」
「そうですね。昨日の
こりゃ付いてくる気満々だな。・・・仕方ないか。これを届けたら、別の場所で父さん達と卓を囲むか。
俺が先導して進むと、二人は後に追従してきた。
席が近づくにつれ、如月達のいた地点が何やら騒がしくなっている気がする。
「あれは・・・・・・エミールか? 何を騒いで・・・・・・って、生徒会長達がいる」
「何? クレア様もいるのか?」
「あら、本当。でも何かしら。揉めてるみたいだけれど・・・」
父さんと母さんが口々に言うも、俺は急ぎ足で騒動の中心点へ向かうのだった。
十ヶ月以上ぶりの投稿となりました。話も展開も全然進んでません。
家の都合でWi-Fi無くなるわパソコン逝去するわでてんてこ舞い。暫くは携帯かネカフェでの投稿になりそうかなぁ…。あと数話で一章終わるんだけどなぁ。(絶望)