吸血鬼の弱点の日差しは今日も照らす。気持ちのいい朝にお姉様から呼び出しがきた。
「お姉様。何かご用ですか?」
「用もないのにセフィを呼ぶわけがないでしょう。」
「ですよね。それなら、私に頼み事ですか?」
「あら、察しがいいわね。その通りよ。」
あの異変以来、私は人里によく行くようになった。紅魔館に帰る途中で妖精たちと遊ぶことも自然と増えた。だけど、私でも行ったことのない場所もあるから、お姉様ならそこに行かせると簡単に予想がついた。
「それで、頼み事って何ですか?」
「咲夜の作ったケーキとワインを冥界の主に届けて欲しいのよ。」
「分かりましたけど、パチュリーさんの作った薬の中に日差しを無効化できるものってありますか?」
「あるから寄っていくといいわ。」
それから私はパチュリーさんに薬をもらってから冥界に向かった。
「お姉様から聞いてたけど、冥界の入り口が空にあるなんて。それに、それを妖怪の賢者が修復せずにほかったらかしなんて、幻想郷はおかしなことがやっぱり多いわね。」
そんなことを言っていると亡霊達が集まってきた。
「私の行く手を阻むと言うのなら容赦しないわよ。」
赤符「ブラッディナイトメア」
亡霊達は一瞬で一掃された。すると、入り口の目の前にある階段から、暗闇の中を少女がおりてきた。
「すみません。亡霊達にはむやみに手を出すなと言ってあったんですけど。」
「えっと、あなたは誰ですか?」
「申し遅れました。冥界の主、西行寺幽々子様のもとで庭師をしています。魂魄妖夢です。」
「初めまして、紅魔館の主、レミリア・スカーレットの妹のセフィア・スカーレットです。今日は幽々子さんにお届けものがあり。冥界にやって来ました。」
「そうですか。では、ご案内します。ここは暗いのでしっかりついて来てください。」
「あっ、はい。分かりました。」
妖夢さんは刀を二本所持していて、見ず知らずの私に警戒せずに案内してくれている。幽々子さんはこの間の宴会で見かけたけど、妖夢さんは仕事が残っているからと来なかったらしい。
しばらく歩くと木々が見えてきた。どうやら冥界にも四季はあるようだ。さらに歩くとお姉様が言っていた西行妖という永遠に咲くことのない桜の木が見えてきた。西行妖の側に幽々子さんの住む白玉楼があるらしい。
「幽々子様。客人をお連れしました。」
「あら、妖夢。ご苦労様。」
千年以上存在し続けている亡霊。幽冥楼閣の亡霊少女、西行寺幽々子。私と同じ異変の元主犯で「春雪異変」という幻想郷の春を奪う異変を起こしたらしい。この西行妖を咲かしとある者の封印を解くのが目的だと言われている。
「セフィちゃん。いらっしゃい。今日はお届けものに来てくれたのね。お茶でも出すから上がってちょうだい。」
「はい。では、お言葉に甘えさせていただきます。」
私は少し彼女が怖かった。なぜなら幽々子さんは「死を操る程度の能力」を持っていて、私より強くて長生きだからだ。