私は勧められるまま、白玉楼の客室の座布団の上に座った。向かいに座った幽々子さんは、お姉様同様威圧感があった。私の殺気や不気味なオーラよりも、もっと恐ろしい何かを感じさせるほどのものを持っていた。
「セフィちゃん。そろそろお届けものを受け取ってもいいかしら?」
「あっ、どうぞ。咲夜さんのケーキとワインです。」
「妖夢。後でしまっておいてちょうだい。」
「かしこまりました。幽々子様。」
白玉楼の庭師、魂魄妖夢。幽人の庭師や生命の二刀流などと呼ばれていて、私が戦ってみたいと思う人物の一人だ。
「さっきから妖夢を見ているけど、あの子が気になるのかしら?」
「いえ、見たところ妖夢さんは二刀流のようなので戦ったらどうなるかなって、考えていただけですよ。」
「それなら戦ってみたらどうかしら?妖夢の修行にもなるだろうし、吸血鬼のあなたの実力も見たいしね。」
「幽々子様。そんなことを言っていいんですか?」
「私は構いませんよ。それに、久しぶりに暴れられるなら大歓迎です。」
私の久しぶりの不気味な笑みに妖夢さんは一瞬怯えた表情になった。しかし、幽々子さんはそんな表情を一瞬たりとも見せることは無かった。
「妖夢さんは私と戦うのが怖いですか?」
「全然そんなことはありません。あなたは少し気を引き締めた方がいいですよ。私が切るかも知れませんから。」
妖夢さんは覚悟した表情になっていた。これなら本気を出しても良さそうだ。まぁ、私は最初から負ける気はしてないんだけどね。
「二人とも、戦うなら外でやってちょうだい。」
「かしこまりました。幽々子様。」
「早く外に出ましょう。」
私達二人は外に出た。幽々子さんは縁側からこちらを見ている。この空間に緊張感が漂っているのは私でも分かった。
「うふふ。私からいきますよ。」
赤符「ブラッディナイトメア」
私の先制攻撃を避けながら妖夢さんは近づいて来た。
「その程度なら私じゃなくても避けられますよ。」
「それなら次のもちゃんと避けてくださいよ。」
赤符「レッドムーンダスト」
血符「ブラドディザスター」
私の連続攻撃に妖夢さんは態勢を立て直すために一度退いた。けれども、それを私が許すはずがなかった。
「逃げるんですか?逃がしませんよ。」
「どうしよう。攻撃する隙も与えられず。避けることも厳しい。どうにかして攻撃を当てないと。」
「どうしたんですか?もしかして、近距離じゃないと攻撃できないんですか?それなら、私も近距離に切り替えますよ。」
私は遠距離も近距離も、どちらも得意だから相手に合わせるなんて普通にできる。それでも、妖夢さんが攻撃してこないなら速攻でケリをつける。
「セフィアさん。出来るなら近距離でお願いします。」
「それなら、スペルも近距離用に切り替えますね。」
血符「ブラドスピア」
私の赤い槍は妖夢さんの心臓を狙ったが、あっさり避けられ攻撃してきた。
「そろそろ私も攻撃しますよ。」
人符「現世斬」
妖夢さんはやっと鋭い攻撃をしてきた。
「まだまだ行きますよ。」
人鬼「未来永劫斬」
「次です。」
断迷剣「迷津慈航斬」
私は妖夢さんの攻撃を全て避けきり、トドメを刺すことに決めた。
「残念です。妖夢さん。次で終わりです。」
赤月「スカーレットスラッシャー」
私の最後の一撃により妖夢さんは倒れた。
「妖夢さん。あなたの敗因は修行不足です。」
私がそう言い終えると幽々子さんは立ち上がった。そして、ゆっくりと妖夢さんに歩み寄り、彼女の体を抱き上げ布団に寝かせてから、私のもとにやって来た。
「妖夢を倒すなんてお見事ね。その実力なら私に勝てるかしら?」
「あら、今度は幽々子さんの相手をすればいいんですか?」
「調子に乗らない方がいいわよ。亡霊の頂点は強いんだから。」
吸血鬼の私は亡霊の幽々子さんとの戦いを腕試しと思ってやることにした。