「ふぁ〜… おはよっ… あれ?小魅と梨美は?」
昨日確かに一緒に寝たはずなのにそこに居るはずの妹達が居なくなっていた。
「勘違いではないしなぁ… あっ…」
部屋の中をキョロキョロしていたら、『ある物』が目にはいってきた。
「今… 8時だと…」
…遅刻であった……。
……………………………
必死になり荷物をバックにねじ込み、急いで出発した。
呑気に朝ごはんを食べている暇もなかったので、パンを咥えたままの通学になっている。
このままいけば明らかに遅刻する、(これはまずい)と思い電車で行こうと決心する…。
そしてねじ込んだ荷物をかき分けて財布を探す。
……しかし、財布は何処にも無い……
「やふぇ、ふぁっほうふぃほふれふぅ」
パンを咥えたままなので上手く喋れないが、(遅れる!)と言うことは伝わっているだろう。
そんな状態になりながらも走り続けていた。
………………………………
「ハァーハァー… 何とか教室まで来れた…」
完全に息は上がっているし、汗もそこそこかいている。
こんな格好で教室に入るのは結構躊躇するが、背に腹は変えられない。
扉に手を掛けグッと横にすると、生徒はきちんと座り、先生もいた。
「あのですねぇ先生… これには深い訳が」
「訳など聞いていない、これはれっきとした…」
………………………………
結果的には『遅刻』であった。
電車に乗れなかった事もあり仕方がなかったと自分に言い聞かせていた。
「おっ! 遅刻したのか凜斗!」
「見ればわかるだろう」と言いたそうな顔を夏珠に向け、項垂れる様に机の上にバタッとなった。
「あははっ、いつものお前らしいな」
「いつもとはなんだいつもとは」
そして、ふたりとも笑を零しいつものように話し始めた。
「っと言いたい所だが、凜斗ちょっと聞いてくれ…」
さっきまでの夏珠とは変わり、少し落ち着きがなくなっている。
「ん? …どうした?」
いつもとは違う夏珠に戸惑いながらも、その言葉に耳を傾けた。
「昨日、転校生が来ると先生が言っていたのを覚えているか?」
「確かに来ると聞いていたが…」
「さっきのHRの時にな転校生が顔を出したんだよ… でその話だけどな…」
「あぁ、その子が夏珠の好みじゃなかったって事か?」
「全然違う… その逆だ」
と言って右側の席の方に視線を送った。
そこには、少人数だが人混みが出来ていて、その中心に『その転校生』が笑顔で皆からの質問に答えていた。
「なぁ… あれはチートだよなぁ…」
夏珠は転校生に視線をあてて、うへぇと顔をニマラせて見ている。
「おいっ、顔がやばいぞ…」
「おっと、これは危ねぇ… しかしだなぁ… 話はここで終わりじゃないんだよ」
などと言って俺の事をまじまじと見ているが、
「なんだろう…」ものすごく睨みつけられていると感じているのは俺だけだろうか?
第1話目爆誕です!
日常と恋愛を足した話展開にしていきたいと思います。