さて、料理下手な比叡が厨房で何をしているかと言うと…
「はい、『簡単たらこスパゲティー』の完成。簡単だったでしょ比叡さん?」
「はい!とっても簡単でした。にしてもさすが提督ですね。まさか創作料理も得意だなんて感激しました!」
そうヴァンプ主導の料理教室に参加していたのであった!ちなみにこれが記念すべき第1回目である。と言うのも比叡が鎮守府に来て料理を始めようとした時、たまたまヴァンプがそれを見かけアドバイスをしたところ比叡が弟子入りしたいと言ったのがきっかけであった
「うううう、比叡お姉様の料理を食べても榛名は大丈夫です。゚(゚´Д`゚)゚。」
「こんな簡単で美味しい料理を生み出すとは…提督の家事スキルの高さは私の計算以上だわ」
比叡がちゃんとした料理をできる事に感動する榛名。ヴァンプの家事スキルの高さに驚く霧島であった
余談だがこのスパゲティーは間宮達がアレンジを加えて鎮守府の食事のメニューにラインナップされ、さらにヴァンプの料理教室の受講者も増えたらしい
〜おまけ〜夕立と時津風が簡単トマトトーストを食べたら
「ぽいぽい!美味しいっぽい!」(食べカスボロボロ)
「うん、これ美味しい美味しい!」(食べカスボロボロ)
「こらこら2人とも、食べカスボロボロこぼしてるよ(ニッコリ)」
横須賀にあるとある居酒屋、ここに4人の艦娘と4人の怪人がいたのであった
「ではカンパーイ!」
フロシャイムの怪人メダリオが乾杯の音頭を取るとそこにいた那智、高雄、天龍、明石とカーメンマン、ギョウ、アーマータイガーは一斉に乾杯をした。今日はここにいる艦娘達が休暇のため怪人達と飲んでいるのであった。アニマルソルジャーやここにいる面々を始め、フロシャイムの怪人達はヴァンプのいる横須賀鎮守府の面々と交流がありこうして飲み会であったり、駆逐艦が遊園地に行く時などの引率などを行なっていたのであった。酒が進んでいくと話は自然と互いの共通の上司であるヴァンプの話題となった。そんな中、天龍がこんなことを漏らした
「確かに提督って本当にいい人だよな。怒ると凄く怖いけど……」
それを聞いてその場にいた全員(特に怪人達が)驚いた。メダリオは思い切って質問した
「な、ヴァンプ様を怒らせたって、天龍オメー何やったんだよ?」
「あーいやな。俺が鎮守府に来たばかりの頃さ、ダメコンって言う…その万が一の保険?みたいのを準備するのを忘れてたんだよ。ウチの鎮守府じゃ出撃の際にそれを全員持っておくんだけどな、俺は『提督の奴心配性だな。俺様にはこんなのいらないぜ』って感じで慢心して用意せずに出撃したんだ。そしたら大破しちまってよ…帰って入渠…俺達艦娘でいう怪我の治療のことな…した後に説教くらっちまったよ。『命あっての勝利でしょ。貴方の命はそんなに軽い物なの?』って」
天龍はグラスに残った酒を飲んで一息ついて話を続けた
「妹の龍田も怒ると怖いんだけどよ。提督の場合はそれプラス『反省しなきゃいけない!』ってオーラがあって心が痛むっていうか…その…俺が鎮守府に帰って来た時の提督の顔がもう血の気が全然無くてな。あん時の顔を思い出すとな、『提督は俺達のことを本当に大切に思ってくれてるんだ』って思ってそれからはちゃんとダメコン持っててるさ」
天龍は話終わると酒を注ぎ足してまた口にした
「何というかアレっすね。ヴァンプ様らしいっすね!」
アーマータイガーがそう言うと怪人全員が首を縦に振り、艦娘達も納得の表情をしていた
「ま、ヴァンプ様は理不尽に怒ることあんまりないからな。俺とメダリオなんか防災訓練サボって怒られたし、残りのこいつらも年末の大掃除の当番忘れて怒られたしな。ちゃんとやる事やんなきゃダメだって事だよ」
「そうだな。我ら横須賀鎮守府も来週には避難訓練があるが真面目にやらんとな。この間演習に来ていた飛龍とかが言ってただろ『慢心。だめ、絶対』って、私達も気をつけようじゃないか」
カーメンマンがまとめると那智が続き、その後再び騒ぎ始めたのであった
ちなみに、その後ヴァンプが昔から保険に入ってると聞いて艦娘達は「悪の組織ってなんだっけ?」と改めて思った
そして翌週、ついに避難訓練当日となり、鎮守府内にヴァンプの放送が響いた
「みんな、今日は前々言ってた通り地震が起こった場合の避難訓練を行います。皆さんの中には軍艦だった頃に関東大震災を経験した人もいると思います。いくら艦娘でも、災害などの万が一の時は困るかと思います。なので今日はその万が一の事態に備えての訓練です。みんな頑張りましょう!」
ヴァンプが放送を終えると、艦娘達は事前に知らせてあった所定の位置に待機し訓練開始まで待機した。そして最初の放送から5分程経った後、大淀の放送が始まった
「訓練!訓練!ただ今横須賀に震度7の大きな地震が来ています。鎮守府内の職員は速やかに机の下に隠れるなどして身の安全を確保して下さい。訓練!訓練!ただ今…」
大淀の放送後、スピーカーから1分程地震の地震の音が流れ再び大淀が放送を始めた。
「揺れが収まりました。皆さん速やかに指定されて避難場所へと避難を開始して下さい」
大淀の放送が終わった後、鎮守府内の艦娘達は速やかに避難を開始したのであった。しかし、とある一室は違った
「もう一回言ってみなさいよ、この元戦艦!」
「何ですか?五航戦は逃げ足が早いと言っただけですが」
そこには犬猿の中である正規空母の加賀と同じく正規空母の瑞鶴が口喧嘩をしていたのであった。切っ掛けは瑞鶴が速やかに避難しようとした時に加賀が思わず
「五航戦は逃げるのが早くてこう言う時には優秀ですね」
と言ったことが瑞鶴の気に触ったことであった。犬猿の仲であった瑞鶴はすぐに怒り口喧嘩となった。そんな中、同じ正規空母で加賀と同じ一航戦の赤城と瑞鶴の姉の翔鶴が仲裁に入ってきた
「2人とも何やってるんですか?今は避難訓練中ですよ!」
「そうですよ、加賀さんもだけど瑞鶴、さっさと避難を…」
まず妹を宥めようとする翔鶴であったがそれが瑞鶴の怒りをエスカレートさせ、怒りの矛先を姉に向けた
「何よ翔鶴姉ったら、実の妹よりも一航戦を擁護するの?呆れた、この見せパン!スケベ女!」
「な!貴方を心配しているって言うのになんて口の聞き方よ、このペチャパイ女!」
「姉妹同士の喧嘩なんてなんて醜いことかしら…」
「「黙りなさいよ、この地味な一航戦様!」」
「な、誰が地味ですって?五航戦の癖に生意気ね。頭にきました、私が再教育してあげる」
姉妹喧嘩を醜いと言った加賀を罵倒する2人とそれでますますヒートアップした加賀。流石の赤城もこの様子に腹を立てた
「皆さん取り敢えず落ち着いて……「「「貴方は黙ってなさい、このデブ!」」」!で、デブって、人が真面目に訓練しようとしているのに貴方達って人は……いい加減にしなさい!」
とうとう赤城まで入って三つ巴ならぬ四つ巴の喧嘩となった。もはやこの4人の頭には避難訓練のことが抜け落ちていた
そんな中
「ねぇ貴方達何やってるの?」
1人の猛者が4人の中に入ってきた。4人は怒りのままにその人物へ矛先を向けた
「「「「今取り込み中よ!邪魔しないで……て、提督!」」」」
そこには明らかに不機嫌そうなヴァンプがいた。普段相手にしている深海棲艦以上の気迫を出すヴァンプに4人は口籠る中、赤城が勇気を出して質問した
「あの…提督、避難訓練の方は…」
「全員避難してるよ、貴方達以外はね。とにかく急いで私について来て」
ヴァンプは直ぐに部屋を出て行き4人は急いでついて行った
鎮守府のグランドではヴァンプが朝礼台に立って総評を述べていた
「…という訳で防災と言うのは日頃の心がけが大事なので皆さんも定期的に防災のチェックを心がけましょうね。それでは訓練はこれで終わり、みんなご苦労様。っとそうだった、赤城さん、加賀さん、翔鶴さん、瑞鶴さんは残ってて話があります」
ヴァンプが総評を述べた後、残るように言われた正規空母4名は顔を伏せ、他の艦娘は不機嫌そうなヴァンプに怖がっていた
「もーなんなの貴方達は?訓練とは言え避難中にやれ『一航戦があーだこーだ』やれ『五航戦があーだこーだ』と喧嘩して!そんなの死にたいの貴方達は⁉︎」
「「「「い、いえ!そんなことありません!」」」」
普段は温厚なヴァンプだが怒るととても怖く、歴戦の艦娘であってもその気迫に押されてしまった。特に今回は明らかに自分達の過失だと理解しているため彼女達は大人しく説教を受けていた
「ねぇ赤城さん、加賀さん。一航戦の誇りって何?五航戦である翔鶴さん瑞鶴さんや、鳳翔さん達軽空母のみんなをバカにすることなの?そんな下らない誇りなの?」
「「い、いえ違います!」」
「だよね。じゃあなんで2人を、特に瑞鶴さんをバカにしてるの加賀さん?華の一航戦がそんな小学生みたいなことをして恥ずかしくないの?」
ヴァンプの正論に恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして黙ってしまう加賀。
そんな中瑞鶴は「ざま〜見ろ」と言わんばかりの表情をしていたがそれを見逃すヴァンプではなかった
「瑞鶴さん、貴方も何かことある度に加賀さんに当たっているけど反抗期の中学生じゃあるまいし、自分がみっともないって感じないの?五航戦って加賀さん達一航戦を敵視するための空母なの?内輪揉めのために建造されたの?」
「そ、そんなことありません!」
瑞鶴も叱られて加賀とは逆に顔を真っ青になった
「原因は加賀さんと瑞鶴の口論だから、私や赤城さんが怒られる筋合い無いんじゃ…」
そもそもの原因は加賀と瑞鶴であるから自分と赤城は無関係と呟く翔鶴。しかしヴァンプにとってはそんなこと無関係であった
「翔鶴さん、貴方や赤城さんも一緒に喧嘩してたから同罪!そりゃみんな生きているから悪口言われたら怒ったり、気が合う合わないがあるのは仕方し、喧嘩するのは分かるよ。私がいた川崎支部でも
「も、申し訳ありません…」
ヴァンプの気迫を前に蚊がなくような小さな声になる翔鶴
「後これ赤城さんにも言えることだよ!
いつも『慢心はダメ』って言ってるけど、避難訓練は慢心してていいって訳⁉︎」
「いえ、訓練だからこそ慢心せず真面目に行うべきです…」
赤城も叱られて体が小さくなっているように見えた
「それが分かっているならなんで真面目にやれないの?貴方達はしばらくそこで立って反省しなさい!」
言いたいことを言い終えたのかヴァンプは少し落ち着いた様子のなった
「私だって本当は怒りたくないんだよ。でもね、貴方達にもしものことがあったら私やここの鎮守府のみんなが悲しむんだよ。それだけはしっかり覚えていてね」
悲しげにそう言ってヴァンプはグランドを去った。残された4人の心にはヴァンプの最後の言葉が深く突き刺さり全員顔を伏せていた
それから5分ぐらい経っただろうか瑞鶴がどこかに去ろうとしていた
「ず、瑞鶴どこ行く気なの?」
翔鶴が止めようとすると瑞鶴ははっきりと言った
「どこってさっきの待機場所。私1人でももう一回避難訓練やり直そうって…」
瑞鶴はそう言うと走って行き、残りの3人も後に続いて訓練をやり直し、ヴァンプは遠目でそれを優しく見守ってたのであった
〜おまけ〜他の艦娘の避難の様子
赤城達が口喧嘩をしている最中、他の艦娘達は
「間宮さん、こっちのガスの元栓閉め終わりました!」
「ありがとう伊良湖ちゃん。じゃあ私達も避難しようか」
間宮、伊良子は食堂の調理場でガス栓を閉めており、
「みんな〜早く避難するのは大切だけど走ったらダメよ〜『押さない』『走らない』『喋らない』の『おはし』をしっかりね〜」
龍田を始め軽巡達が駆逐艦を先導していたりしていた
今回、加賀さん達の扱いが悪くて申し訳ありません。ただどうしてもヴァンプ様が怒る話を書きたいと思ってこうしました。加賀さん、赤城さん、翔鶴さん、瑞鶴さんファンの皆さん誠に申し訳ありません