仮面ライダーゴーストプロデューサー   作:ゴーストプロデューサー

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第2話 武蔵、開眼!内定、ゲッド!

剣を手に走り出す。

 

刀眼魔と槍眼魔もそれぞれの獲物を手に走り出す。

 

槍眼魔が槍を突き出してくる。

 

それを剣で弾き、すり抜け様に斬り付ける。

 

そして、そのまま刀眼魔に剣を振り下ろすが、刀眼魔は剣を受け止め、逆に俺の剣を封じようと、詰め寄ってくる。

 

「せやっ!」

 

そこをついて、槍眼魔が槍を俺の背中に放ってくる。

 

「うぉっ!?」

 

慌てて俺は、ジャンプで躱そうとするが、ジャンプした瞬間、体がふわっと浮かび、そのまま宙を浮いた。

 

「何っ!?」

 

「なるほど。これがゴーストの力が……便利だな!」

 

「あまり調子に乗るなよ。調子に乗ると」

 

「くらえ!」

 

ゴーストの力に驚いて、興奮していると、刀眼魔が跳躍し、俺を斬りつける。

 

「ぐあっ!?」

 

吹き飛ばされた俺は、壁に叩き付けられ、地面に落ちる。

 

「死んでるのに……滅茶苦茶痛い……!」

 

「死んでるから死にはしないぞ。その代り、死ぬ程痛いぞ~」

 

「それを先に言えよ!」

 

ユルセンに怒りをぶつけ、立ち上がる。

 

すると、槍眼魔が槍を振り回して、俺に攻撃を放つ。

 

槍で薙ぎ、振り下ろし、突きを放つ。

 

突きを躱すことができず、俺は突きを胸に食らう。

 

「うわっ!?」

 

「これで終わりだ!」

 

槍眼魔は槍を構え、突進してくる。

 

「トリガーをもう一度引け!オメガドライブだ!」

 

ユルセンの言葉に従い、トリガーを引く。

 

なぜか頭の中に、印が浮かび、俺は自然とその印を結ぶ。

 

「命……燃やすぜ!」

 

《ダイカイガン!オレ!オメガドライブ!》

 

右脚が熱くなるのを感じた。

 

そして、槍眼魔と衝突する瞬間、右脚での蹴りをカウンターで当てる。

 

蹴りを当てた瞬間、槍眼魔から何かが飛び出し、それが爆発する。

 

そして、槍眼魔の体も爆発した。

 

爆発した後、眼魔の中から、槍の穂先と眼魂が飛び出し、眼魂は破裂した。

 

「やった!」

 

「気を抜くなよ。敵はもう一体いるぞ」

 

ユルセンの言葉で思い出し、剣を拾い上げ、刀眼魔と対峙する。

 

「あとはお前だけだ!」

 

「ふん!確かに強いようだな。だが!いくら強くても、数には敵うまい!」

 

刀眼魔はそう言い、眼魂をいくつか取り出し、放り投げる。

 

するとそこから、のっぺらぽうの様な頭部をした、黒いパーカーを身にまとった眼魔が現れた。

 

「な、なんだ!?」

 

「眼魔コマンド。戦闘力と知能は低いが、数だけはある。さぁ、数の暴力苦しめ!」

 

剣を手に、眼魔コマンドを倒す。

 

確かに、そこまで強くないが、数が多すぎる。

 

倒したすきに他の眼魔コマンドの攻撃を食らってしまった。

 

一回攻撃を食らうと、そこから一斉に追い打ちをかけ始めて、攻撃ができず、防戦一方になってしまった。

 

「くそっ!厄介すぎる………!」

 

「た、タケル殿!」

 

珠美ちゃんを庇いつつ戦うのにも限界がある。

 

せめて、珠美ちゃんだけでも………!

 

「タケル殿」

 

そんなことを考えていると、珠美ちゃんが俺の腕に触れて来た。

 

「珠美は、タケル殿のことを信じます。ですから、必ず勝ってください……」

 

腕が振るえている。

 

本当は怖くてしょうがないはずだ。

 

なのに、この子はその恐怖を押し殺して、俺を信じてくれている。

 

「……そうだったね。すぐに終わらせるって言ったんだ。男なら、守らないとな」

 

剣に力を込め、眼魔コマンドたちを見据える。

 

その時だった。

 

突然、珠美ちゃんから光が溢れ出した。

 

「こ、これは?」

 

「た、タケル殿!?珠美の体が急に光りだしました!?」

 

「き、キタキタキタ━━━━━━━!!」

 

今度はユルセンが大声を上げる。

 

「ユルセン、どうしたんだよ!?」

 

「英雄アイ魂の反応だ!?この嬢ちゃんと、どっかの英雄の魂が共鳴してるんだよ!」

 

「え!?」

 

「あとは嬢ちゃんが想いを形にするだけだ!」

 

「か、形ですか!?ど、どうやって……!」

 

「想えばいいんだよ!そうすりゃ、英雄も答えてくれる!」

 

「想い……想い………た、タケル殿!頑張って下され!」

 

珠美ちゃんがそう言うと、光が集まり出し、その光は眼魂になった。

 

その赤い眼魂は珠美ちゃんの手の中にあった。

 

「アイ魂!?そいつをよこせ!」

 

刀眼魔が眼魔コマンドに命じて、眼魔コマンドが襲い掛かってくる。

 

俺はとっさに、剣を横薙ぎ降り、眼魔コマンドを斬り飛ばす。

 

「そいつだ!そいつを使え!」

 

ユルセンが叫ぶ。

 

だが、俺は珠美ちゃんだけを見ていた。

 

「珠美ちゃん……珠美ちゃんの想い、俺に預けてくれないか?」

 

「はい!もちろんです!」

 

珠美ちゃんから英雄アイ魂を受け取り、俺は構える。

 

「なんで一々確認とったんだよ?」

 

「これは珠美ちゃんの想いだ。他人の想いを勝手に使えるかよ」

 

「そうかい。ま、英雄アイ魂がありゃ、あんな奴ら造作もないさ」

 

「ああ、任せろ」

 

ゴーストドライバーから眼魂を取り出し、英雄アイ魂を入れる。

 

《アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!》

 

お馴染みの音声が流れ、ベルトから赤いパーカーが現れ、パーカーの肩から刀の刃が紐でぶら下がっており、現れたパーカーは襲い掛かってくる眼魔コマンドを切り裂いた。

 

「力を貸してくれ!」

 

そう叫び、トリガーを引く。

 

《カイガン!ムサシ!決闘!ズバッと!超剣豪!》

 

珠美ちゃんを共鳴した英雄の魂は、二刀流の使い手、剣豪の宮本武蔵だった。

 

「凄い……まるで、俺自身が武蔵になった様な気分だ……」

 

溢れ出てくる力に驚き、少し興奮する。

 

「くっ!武蔵のアイ魂………!そいつをよこせ!」

 

刀眼魔が声を上げる。

 

俺は剣を分離させ、二刀流になる。

 

「悪いが、俺はもう負けないぞ。俺には武蔵の力と、珠美ちゃんの想いがあるんだ!」

 

「アイ魂を奪え!」

 

眼魔コマンドが一斉に襲い掛かってくる。

 

俺はそれを二刀流で迎え撃つ。

 

攻撃を受け止め、もう一本の剣で切り裂く。

 

横から襲い掛かってくるコマンドも、二刀で対応し、切り裂く。

 

背後からの攻撃は、肩からぶら下がってる刀、ゴーストブレイドで対応する。

 

そして、大量にいた眼魔コマンドは、一分の掛からない内に殲滅した。

 

「残りは、お前だ!」

 

「ふん、やってやる!」

 

互いに間合いを図り、そして、同時に飛び出す。

 

刀同士で切り結び、鍔競り合う。

 

鍔競り合ったとき、一瞬、刀眼魔の力が緩み、それと同時に、刀を跳ね上げる。

 

そして、胴を斬り付ける。

 

「ぐあっ!?」

 

そのまま振り向きざまに、背中を斬り付け、膝をつかせる。

 

刀眼魔は、膝をつきながらも刀を振ってくる。

 

それを躱し、体勢を立て直される前に連撃を叩き込む。

 

「ぐああああああっ!!?」

 

刀眼魔は再び膝をつき、動くことすらできない状態だった。

 

「今だ!剣をベルトに翳して、アイコンタクト!」

 

「アイコンタクト?」

 

ユルセンの言葉が分からなかったが、剣を見ると、鍔の部分に眼の様なマークがあった。

 

「こうか!」

 

マークの部分をベルトに翳す。

 

《ダイカイガン!ガンガンミナー!ガンガンミナー!》

 

一気に走り、刀眼魔にとどめを刺す。

 

「や、やめてくれー!」

 

刀眼魔は命乞いをするが、俺は止まらない。

 

「これで、終わりだ!」

 

刀のトリガーを引き、必殺技を決める。

 

《オメガスラッシュ!》

 

「はあああああああああああ!!」

 

赤いオーラを纏った一撃は、刀眼魔を両断する。

 

「ぐおおおおおおおおおおおっ!!?」

 

刀眼魔は絶叫し、爆発した。

 

槍眼魔と同様に、爆発のあと、刀と眼魂が落ち、眼魂は破裂した。

 

「お、終わった………!」

 

《オヤスミー》

 

ベルトからアイ魂を取ると、変身が解け、スーツ姿に戻る。

 

「タケル殿!」

 

一息ついてると、珠美ちゃんが駆け寄ってくる。

 

「珠美ちゃん、大丈夫だった?」

 

「はい!タケル殿のお陰で 珠美は平気です!」

 

珠美ちゃんは笑顔で言う。

 

この子が笑顔でいられたなら、十分な気がする。

 

「しかし、珠美から武蔵のアイ魂?ができるとは、なんだか嬉しいですね」

 

自分から武蔵のアイ魂ができたことが、嬉しいらしく、珠美ちゃんはへにゃっとした笑顔をする。

 

うん、さっきの笑顔もいいけど、こっちもなんだが、味があっていい。

 

「(あれ?そもそも、アイ魂ってアイドルからできるんだよね。それってつまり………)あのさ、珠美ちゃんって、もしかしてアイドル?」

 

「え?あ、はい。一応ですが………」

 

「へ~、こんなに小さいのにアイドルとか立派だな~」

 

「ち、小さいとはなんですか!?これでも、珠美は立派な16歳ですよ!」

 

「え!?」

 

高校生だったとは………てっきり、小学生かと…………

 

「ご、ごめん。見た目で判断しちゃった。本当にごめん!」

 

手を合わせ、必死に謝る。

 

「まぁ、いいです。珠美は大人ですし、許してあげます」

 

どうにか許してもらえた。

 

しかし、こんな時間じゃもう面接には間に合わないか。

 

スマホの時刻は、面接開始の五分前となっていた。

 

「そう言えば、タケル殿はスーツを着ていますが、どこかへお勤めなのですか?」

 

「あ、いや、違うよ。就職活動中でね。今日は面接の日なんだよ。でも、これじゃあ、もう間に合わないけど」

 

「も、もしや珠美の所為で!?」

 

「いや、珠美ちゃんの所為じゃないよ。元々は道に迷った俺の所為だし」

 

「あの、ちなみに、どういう企業ですか?」

 

「えっと、ここだよ」

 

地図のコピーを、珠美ちゃんに見せる。

 

「あ、ここって………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この度は、我が社のアイドルを助けていただきありがとうございます。脇山さんから話は聞いています。上の方からも許可を頂いてるので、面接を始めます」

 

「あ、はい!ありがとうございます!」

 

「では、お掛け下さい」

 

驚く事に、俺が面接を受けようとしたところは、アイドルプロダクション、所謂芸能事務所だった。

 

それもかなり大きい。

 

そして、珠美ちゃんはこの、346プロダクション所属のアイドルだった。

 

珠美ちゃんがせめてのお礼にと、面接官に口を利いてくれて、特別に面接を受けさえてもらうことになった。

 

一通りの受け答えをすると、面接官が何かを考え出す。

 

「あの、深大寺さん。もしよろしければ、うちでバイトをしませんか?」

 

「………え?」

 

「あ、すみません。言葉が足りませんでしたね。今回の面接での採用はすべて私に一任されてまして、結論から言うと、深大寺さんを採用したいと考えています」

 

まさか、面接だけで採用されるとは思っておらず、開いた口がふさがらなかった。

 

「それで、もし深大寺さんがこの話を受けるなら、バイトという形で研修をしてもらいつつ、入社までのスキルアップに努めてもらいたいと思っています。……どうでしょう?」

 

願ってもないことだが、俺は死んでる身だし…………待てよ。

 

アイ魂を15個集めれば、願いが叶う。

 

アイ魂はアイドルから出来る。

 

なら、この話を受けた方がいいんじゃ………

 

「あの……ありがとうございます!その話、喜んで引き受けさせて頂きます」

 

「では、よろしくお願いします、深大寺さん。あ、申し遅れました」

 

面接官は懐に手を入れ、名刺を取り出す。

 

「私、今回の面接を担当し、現在シンデレラプロジェクトの担当をしていますプロデューサーの武内と申します」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

「では、詳しいことは後日連絡をします。今日のところは、お帰りになられて結構です」

 

「はい、失礼します」

 

武内さんに頭を下げ、部屋を出る。

 

「あ、タケル殿!」

 

部屋を出ると、珠美ちゃんが近寄ってくる。

 

「珠美ちゃん、もしかして待ってたの?」

 

「はい!面接の結果が気になりまして」

 

「ああ、なんか採用になったよ」

 

「そうですか!それは、おめでとうございます!」

 

「うん、ありがとう。これも、珠美ちゃんのお陰だよ」

 

なんか話が合い、そのまま玄関まで一緒に歩く。

 

「でも、本当によかったの?武蔵のアイ魂、もらっちゃって」

 

「はい!珠美が持ってても、意味はないですし、それに、タケル殿にはアイ魂が必要なのはわかってます!これは、タケル殿が持つべきものです!」

 

「そっか。ありがとう」

 

もう一度、珠美ちゃんにお礼を言い、ムサシ魂をポッケにしまう。

 

「いきなり、アイ魂ゲットとはやるな」

 

また背後から聞き覚えのある声が聞こえ、振り向く。

 

そこにはおっちゃんがいた。

 

「おっちゃん!」

 

「え!?ま、まさか、またお化けですか!?」

 

俺が何もいないところに、声を変えたので、珠美ちゃんは驚き、俺の後ろに隠れる。

 

「ちょっと待ってね」

 

クモランタンを出し、おっちゃんを照らす。

 

これで、珠美ちゃんにも見えるはずだ。

 

「タケル、お前に一つ言い忘れたことがある」

 

「言い忘れたこと?」

 

「ああ。99日以内に、アイ魂を15個集めないと、本当に死ぬからな」

 

「「………え!?」」

 

おっちゃんの言葉に、衝撃を受け、俺も珠美ちゃんも驚く。

 

「ど、どういうことだよ!?」

 

「ゴーストでいられるのにも限界がある。それが99日だ」

 

「あと、99日で……アイ魂を14個も………」

 

長い様で短い日数と、少ない様で多い数に唖然とし、俺は項垂れる。

 

「た、タケル殿!珠美も、お手伝いします!」

 

珠美ちゃんが、俺を励まそうとそう言ってくる。

 

「いや、今日はもう終わりだから、残り98日か」

 

「「そ、そんなああああああああああああ!!?」」




少し、変更しました。

卒業まで残り半年→卒業まで残り1年

「英雄眼魂は、アイドルと偉人の魂の波長が重なり合い、高まった時、アイドルの想いを形として生み出される」→「英雄眼魂は、アイドルと偉人の魂共鳴した時、アイドルの想いを形として生み出される」


この部分の変更としました

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