私の偉大な食卓。   作:高任斎

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絶望した、自分の思い浮かべる食卓に絶望した!
繰り返す、これはコメディです。


0:偉大な食卓。

 人には、決して忘れることのできない偉大な10の夜があるという。

 その偉大な夜のことを、グレート10(テン)と呼ぶそうな。

 

 まだ人生半ばではあるが、私の偉大な夜(グレートテン)はどうだろうか。

 

 試合で初めてホームランを打った日の夜。

 クラスの女子に告白された日の夜。

 親友の恋が実った日の夜。

 友人が死んだと聞かされた日の夜。

 ……。

 ……。

 彼女に浮気がバレたと、友に相談された夜。

 

 

 

 最後に妙なのがランクインしたけど、それは無しで。(震え声)

 

 な、ならば、人には忘れることのできない偉大な食事もあるはずだ。

 そう、グレートディナー(偉大な食卓)とでも呼ぶ事にしようか。

 

 私の中の、忘れることのできない偉大な食卓(グレートディナー)の記憶は……。

 

 

 

 ……あれ?

 

 何故だか、失敗した料理ばかり浮かんでくるよ?

 え、こんななの?

 これが俺のグレートディナーなの?

 偉大な食卓なの?

 

 待って。

 俺、ちゃんと美味しいものも食べたじゃん。

 旅先で名物料理を食べたこともあったよね?

 

 ほら、こうして目を閉じれば……。

 

 

 

 母上様。

 自分のダイエットに付き合わせて、こんにゃくステーキとか食卓に並べるのはやめてください。

 私、高校球児なので、ダイエットさせられても困るんです。

 

『アンタらだけ普通のもの食べるのってずるいやん』

 

 ……ずるいやんじゃねえよ!

 

 自分のデブは、自分でどうにかしてください。

 ゆで卵ダイエットやら、野菜スティックやら、烏龍茶やら、毎度毎度、家族を自分のダイエットに付き合わせないでください。

 私は高校球児で、育ち盛りで、成長期なのです。

 

『母ちゃんの作るご飯に文句があるんだったら、自分で作りな!』

 

 

 ……なんだか目から汗が出てきたよ。

 

 でも……あれが、自分で料理を作るようになったきっかけだったか。

 俺はあの時から、はるかに続いていく男の料理坂を登り始めたんだ。

 

 そしてその過程で、自分の母親がそれほど料理が上手ではないことにも気づいてしまった。(目逸らし)

 

 いや、別に下手って言ってるわけじゃない。

 上手ではない。

 ただそれだけ。

 

 いろんな料理を、いろんな方法でまんべんなく作れるという意味では、私は母親に遠く及ばない。

 いいね、決して私の母親に告げ口したりしないように。

 

 まあ、私自身も決して、料理上手などと胸を張れるものでもない。

 ごくごく、普通。

 普通の失敗と、普通の成功と、まぐれの成功を、コツコツと積み重ねてきた、どこにでもいる、主婦未満の普通の腕前の男だ。

 

 そんな私が紹介する、グレートディナー。

 基本的には失敗料理の紹介となるだろう。

 

 これは飯テロではない、コメディだ。

 誰かを貶めたりする意図は全くない。

 

 なので母親の描写についてはフィクションです。

 これから登場するであろう人物の描写も、物語のためのフィクションです。

 深く追求する必要は全くない、いいね。

 

 




さあ、我が貧しき思い出の料理を披露しよう。
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