私の偉大な食卓。   作:高任斎

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そういや、もう10年以上作ってない気がする。


11:優しきプリン。

 プリンといえばバケツプリンで、当然私もやった。

 大学の仲間と、プリンの素を使って、冷蔵庫に入らないサイズのを氷を使ってバカ騒ぎした。

 しかし、今となっては定番すぎる。 

 未見だが、動画などでもよく見られるらしい。

 当然スルーだ。

 

 さて、私の世代なんかはプリンという食べ物に、2回のカルチャーショックを受けたと思う。

 1つは、いわゆるプッ〇ンプリン。

 給食で初めて見たという人もいるだろう。

 その後、家庭で作れるプリンのアレに感動した人もいるだろう。

 

 ここで取り上げるのは、2つ目のカルチャーショック。

 そう、な〇らかプリン。

 多分、商標登録されていると思うので伏字だ。

 1995年頃だったんじゃないかと記憶している。

 このあと、いろんなメーカーからあとを追うように、口当たりがまろやかだの、とろけるようなだの、乱発されたように、味ではなく食感に重点を置いたデザートとというか、食の世界に転換期を与えたといっても良い。

 

 もちろん、初めて食べたときは、美味いとか、そういうのを吹っ飛ばしての衝撃だった。

 

 口の中でふわりと、ほどけていく。

 雪のように。

 

 あのツンとすましたような小さな容器が、ことさらに高級感を醸し出す。

 

 

 

 残念だったな、私は食いしん坊なんだ。

 美味しいものはたくさん食べたい。

 

 ならば、自分で作るしかあるまい。

 なあに、所詮はプリン、なんとかなるさ。

 1970年代、80年代と違って、食に対する情報が溢れていた時代だ。

 昔の手探り感と違って、情報やヒントは、漫画の中にだって溢れている。

 

 幸い、お菓子作りが好きという友人が大学のゼミにいて、色々と話を聞いたことがある。

 

『ケーキや、クッキーにも言えることだけど、重要なのは材料の均一化……それが舌触りや、焼き加減の出来不出来に影響するの』

 

 よく覚えている。

 

『……まあ、その上を目指すなら、均一化を達成した上で、不均一にしなきゃいけないんだけど』

 

 いや、そこまでは目指してないです。

 10年以上経って、ようやく言葉の意味はわかりましたが。

 

 

 

 まあ、何はともあれ、適当クッキングだ。

 プリンの材料なんか、説明するまでもないな? 

 基本は、卵、牛乳か生クリームの乳製品、砂糖……。

 材料が変わらないのに、口当たりが変わってくるってことは、熱による卵の凝固作用を、従来より弱くしてるってことか。

 なら、牛乳より、生クリームで試してみるか。

 

 卵と生クリームと砂糖を、しっかり混ぜるんだが……それだと普通のプリンになっちまう。

 まず、砂糖。

 これをなんどもなんどもふるいにかけた。

 そして、卵。

 かき混ぜすぎないように溶き卵にしてから、これをしつこく、こしていく。

 これをやるかやらないかで、舌触りが全然違ってくる……はずだ。(笑)

 早い話、全ての材料を、細かく、細かく、均一化していくってことだ。

 さあ、合わせてかき混ぜよう。

 かき混ぜたあとに、またこしていく……もしかすると、清潔な布なんかでやると一番いいのかもしれない。

 

 容器に入れて、鍋で蒸す。

 弱火でゆっくりだ、蒸しすぎて泣きを見ても知らないよ。

 カラメル?

 そんなもんは完成してからだ。

 

 冷まして……お味は?

 

 うむ、方向性は間違ってなかった。

 舌触りが全然違う。

 方向性が間違ってなかっただけだ。(笑)

 砂糖が全然足りてないだろ、これ。

 意外と、砂糖使うんだな、プリンって。

 

 さあ、ここからが本番だ。

 

 自分が満足する出来になるまで、10回ぐらいやり直したが。(笑)

 味噌汁茶碗ぐらいの大きさで食べて満足しました。

 

 生クリームじゃなくても、牛乳でも量を加減すれば普通にいける。

 最近久しく作ってないからうろ覚えだが、卵2個に砂糖50グラムぐらい使ったのは覚えてる。

 卵は、卵黄だけ使った方が、味わいが深い感じだった。まあ、白身を混ぜてもなんとかなる。

 牛乳は、300~400ぐらいだったような。

 きっちりやろうとすると面倒になってくる、だから適当クッキングだ。

 適当と書いて、てきとーだ。

 緩く楽しめばいいんじゃないかと私は思う。

 

 身も蓋もないことを言うと、プリンの〇を使っても、それぞれの材料を丁寧にこして、均一化して、混ぜたあとにさらにこしてやれば、それなりのものができてしまう。(笑)

 

 

 自分で料理を作るような人間は、自分で工夫するのが楽しいに決まってる。

 自分探しじゃなく、自分ごのみの味探し。

 

 

 

 




今作ったら確実に失敗しそう。(笑)
というか、引越しの際にキッチン用品も結構処分したし。
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