私の偉大な食卓。   作:高任斎

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気分転換に書いてます。


12:温かなあんかけうどん。

 冬に向けて、季節が走り始める。

 温かいものが恋しくなる時期だ。

 

 レンジで、チン!

 

 違う、そうじゃない。

 理想を言えば、自分ごのみのご飯を誰かが作ってくれるのが一番楽だ。

 創作活動だって、自分が読みたいモノを誰かが書いてくれるのが一番楽だ。

 

 でも、自分で書いてしまうのが業だ。

 自分で作らなきゃいけないのがカルマだ。

 

 

 子供の頃、天津飯と天津麺が好きだった。

 あの表面の甘酸っぱいのはなんだろな……と思っていたのですが。

 大学になって、初めて名前を知りました。

 中華料理で言うところの、あんかけというか、あん。

 情報がないというのはこういうことだよなあと、今になってしみじみ思います。

 

 いや、今はスーパーのお弁当や惣菜で普通に見かけますけどね?

 私の世代の、田舎の人間なんて、おにぎりとかサンドイッチが、遠足や運動会なんかじゃないと食べないメニューって認識ですからね?

 コンビニの発展による、おにぎりやサンドイッチの陳腐化とかもそうですが、スーパーで普通にお弁当とかおにぎりが売り出されたのも最近のことです。

 時の流れは早い。

 そういや、日本のコンビニって40年ぐらいしか経ってないのでは?

 

 

 つまり。

 さあ、自分で作ろう。

 適当クッキング!

 と、言う流れになるのです、私の世代なんかは。

 欲しいものは自分で作る、知りたいことは自分で調べる……ああ、自分、年取っちゃったなあと思います。

 

 まあ、大学の一時期、そういうわけで片栗粉を買い込む誰かがいました。(笑)

 例によって手探り状態でしたが、このあんかけ、実に奥が深い。

 甘酸っぱいもの、単純にとろみを加えるもの、味にアクセントを加えるもの……。

 同じ料理なのに、あんかけの種類で、ころっ、ころっと、料理の顔が変わってく。

 貧乏大学生にとっては、これは素晴らしいことです。

 飽きないというか、メニューの種類は変わらないのに、レパートリーが増えている様な錯覚が得られる。(笑)

 これをぶち壊してくれたのが、友人の一言。

 

 

 ご飯のフリカケみたいなもんじゃね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんか、気持ちというか、熱が冷めちゃったの。

 ははは、あんかけは、料理を冷めないようにする働きもあるのに、変だなあ。

 料理じゃなく、心にもあんかけが必要だったんだ。

 

 

 あんかけが思い出に変わり、その記憶が風化しつつあった頃、私は関東の、某競馬場にいました。

 多分、分かる人には一発でわかる。

 念のため実名は出さない方がいいのかな。

 

 競馬場という、ある種鉄火場で出会った『あんかけ焼〇そば』。

 昔の熱意が蘇ったわけではありませんが、胸の奥の記憶をそっと温めてくれた、素敵なB級グルメ……350円。(当時)

 

 こういう使い方もありか。

 競馬場では、スタンドで観戦することも多いから、風対策もあるんでしょうけど、冷めないようにとか……なるほどなあ、よく考えられてるなあ。

 やっぱり、人間、視野が狭くなるとダメだなあ。

 

 

 ちょうど季節が冬だったのです。

 家に帰り、冷蔵庫を開け……ちょうどいいや、うどんを作ろう。

 クッキングというほどのもんでもない。

 

 うどんと、ネギと、粉末ダシで簡単に……。

 あ、あんかけ作ろう。

 うお、片栗粉がないから……要するに澱粉だ。

 じゃあ、じゃがいも蒸して、潰して、ダシ汁とからめて、簡易あんかけ。

 あ、でもうどんだからちょっと強めにいきますか。

 軽く煮立てて、えーい、卵も奮発してやる。

 

 卵あんかけうどん、出来上がり。

 

 うどんと、あんが絡まって、私の喉を優しく焼いていく感覚。

 自分が食べたものが、喉から胃へと落ちていくのがリアルに感じる。

 

 あったけぇ。

 

 

 

 

 

 でも、財布が寒いの。

 あんかけをしても意味ないの。

 

 

 




あんかけ財布……中身は増えません。(笑)
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