大学生活。
一人暮らし。
お酒は二十歳になってから。
未成年者の飲酒やアルハラなど、近年になってようやくそういう空気が醸成されつつある。
というわけで飲み会だ。
今の時代なら、大学生はおろか会社の飲み会でも『あ、興味ないので』で断れるのは、ある意味素晴らしいと思う……昭和の人間としては一抹の寂しさもあるが。
私の世代の大学生活においては、飲み会を断れるキーワードは基本二つしかなかった。
バイトがある。
金がない。
なにやら、話が別方向に転がってく。(笑)
まあ、楽しい飲み会というのは、心置きなく飲める仲間とのそれだったり、盛り上げ方がうまい人がいるそれだったり……まあ、ひたすらうまい酒を飲むだけの飲み会だったり。
さて、料理だ。
自炊をしない大学生は、ここぞとばかりにサラダを食べたりしてた記憶がある。
私は私で、『へえ、これどうやって作ってるんだ?』とか、『こんな料理でこんな値段かよ』などと、身も蓋もないことを考えていた。
個人的に許せなかったのが、えのきのベーコン巻きだ。
私の友人も好きだったし、おそらく当時は人気メニューだったと思う。
文字通り、えのきをベーコンで巻いて焼いたもの。
それが4個、角皿に並べてある。
それなりに人数がいるから、あちこちで注文が飛ぶ。
某居酒屋のメニューとしては安価な方だが、それでも瞬く間に札が消えていくことになる。
おいおい、マジかよ。
いや、飲み会でそういうこと言うのは論外だし、そういうこと考えるのもどうかと思うが。
そういう視点で捉えるなら、自分で作れるメニューはわりと多い。
もちろん、ちょっとした味付けなんかに、ヒントをもらうことも多々ある。
いかん、酔いが足りない。
飲めば良い。
酔えば良い。
余計なことを考えない。
そして飲み会が終わる。
当時は、スーパーが夜の8時に閉まるのが普通だったから、あらためて買い物をしようとすると、コンビニに寄るしかない。
おつまみを買って、誰かの下宿で二次会だ。
次の日。
なんとなくスーパーで買い物をする。
昨日の飲み会の料理を思い出しながら、手軽に作ることが出来る材料を買っていく。
ははは、えのきのベーコン巻きとかなめとんか。
えのきを切って、軽くゆがいてから、ベーコンで巻く。
ははは、8個も巻けたぜ。
フライパンで火を通して、料理酒と醤油を混ぜたもので、蒸し焼きにする。
さて、余ったえのきとベーコンは、どうしよう。
ベーコンと玉ねぎのスライスをちょいと炒めてから、もやしと一緒にホイル焼きにしてみる。
ああ、これ鮭と一緒にやって、最後にバター落としたら美味そうだわ。
さてさて、ご飯も炊けたし、いただきます。
うん、美味いよ。
美味いんだけどね。
やはり、みんなと飲みながら……あの雰囲気の中で輝く料理だと思うの。
自分で作ると、腹立つぐらいに安いけどな。
まあ、当時の田舎には、コンビニがないのも普通だったわけですが。(笑)