私の偉大な食卓。   作:高任斎

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休日の昼だから。
本日2話目。


24:ドッキリのアップルパイ。

 りんご10キロ。

 なんの前触れもなく、そんなものを送りつけられて困惑しない男性はいない。

 いやまあ、りんごに限らず果物は好きだ。

 しかし、しかしだ。

 これがみかんなら、10キロ程度消費するのは容易い。

 こたつを装備している人間なら、みるみるうちに消費していくことだろう。

 しかし、りんごか。

 わりとでかくて、重いというのがネックだ。

 同じ重さでも、みかんならするする入る。

 しかしりんごだと、皮むいて、切って、しゃくしゃくと食べて、さあ、もう一個……と気軽に手を伸ばせる人間はそう多くないと思う。

 食いしん坊の私でも、3個が限度か。

 

 りんごを消費したい。

 できれば、違う食べ方で。

 

 知人に知恵を求めたところ、『じゃあ、アップルパイでいいんじゃない?』などと無体な事を言う。

 オーブンなんか持ってねえよ、無茶言うな、とツッコんだのだが……『簡単、簡単』と知人は言うのだ。

 

『フライパンで作るから』

 

 マジですか?

 そう聞き返した時点で私の負けだ。

 興味を持ってしまったのだから。

 

 先生、アップルパイが食べたいです。

 

 さて、適当クッキング始ま……え、適当ダメ?

 お菓子作りなめんな?

 少なくとも最初は、言うとおりに作れ?

 アレンジっていうのは、一人前にできるようになって言うことですね、はい。

 

 まず、りんごの皮をむいて、8分割。

 それを5ミリ位の厚さで切っていく。

 フライパンにバターを落とし、りんごを炒めていきます……弱火で、少し水が出てきたところで砂糖をふります。

 弱火でじっくり、りんごの実が茶色く変化して水気がなくなるまで。

 

 しかし、こうしてると、若気の至りでジャム作ったこと思い出すなあ……。

 こんな作業を薪の火力でやるとか昔の人間は凄すぎだろとか、どんだけ薪が必要なんだよとか、実際にやってみるってのは大事だよなあと、つくづく思ったよなあ。

 

 おっと、こんなもんかね。

 バターと焼きリンゴの香りがたまらんよ。

 シナモンふりたきゃどーぞって……やめとく。

 最初はシンプルでいいんじゃね?

 

『さて、ここで餃子の皮を』

 

 ちょっと待って。

 餃子の皮と申したか?

 

『パイ皮の原料と餃子の皮の原料はそう変わらないよ?何か問題でも?』

 

 ああ、いや……アップルパイ、アップルパイなんだよなあ、そっか、餃子の皮ねえ……。

 まあ、いいけどさ。

 それで、餃子の皮で、このりんごを包んでいけばいいのね?

 餃子よりも気持ち念入りに、皮の縁はしっかり止めて、と。

 そういや昔、円盤餃子とか作ったなあ……。

 

『じゃあ、フライパンで揚げ焼きにするよ』

 

 揚げ焼き?

 ああ、揚げるって聞くとあれだけど、水たまりぐらいでいいのね?

 3~5ミリ位?

 へいへい、あとはなんとなくわかりますよ、中火でひっくり返しながら両面を揚げていけば……って、余った餃子の皮で何してんの?

 秘密って……しかし、これ。

 香りはともかく、一見揚げ餃子ってのが、ものすごいジョークグッズというか、ドッキリ大成功な気配がプンプンするんだけど。

 さて、クッキングペーパーで余分な油をしっかり切って……。

 え、これも揚げろって?

 まあ、揚げろと言うなら揚げるけど……同じように揚げていいの?

 皮だけ揚げる感じね、はいはい。

 

 できたぁ!

 

 ああ、うん、アップルパイ?

 アップルパイ……見た目は餃子。

 りんごの香りと甘い匂いと、餃子の見た目が、私の精神を揺さぶってくるよ。

 

 うわあ、パイ皮にちょっと疑問はあるけど、どうしよう、アップルパイだ。(笑)

 やべえ、これ絶対友人知人を騙すための料理だろ。

 え、これも食べろ?

 中が黒いの透けて見えるんですけど……いただきます……チョコパイかよ!

 あんた、板チョコを餃子の皮で包みやがったか!

 いや、まだまだあるよって……ちょっと待って、これってミートパイとかもできるの?

 ああ、事前に火を通さないとダメなのね……そりゃそうか。

 魚のパイとか作ってみたかったんだが……。

 

 

 ちなみに、りんご1個で餃子の皮6~8枚分ぐらい。

 砂糖は適当に、大さじ2~3杯ぐらいか。

 さあ、みんなも、友人知人を騙してやろうぜ!(笑)

 

 

 




たぶん、子供は喜ぶ。
餃子にしか見えないし。
そんな家族の団欒があってもいいと思うんだ。
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