本日2話目。
りんご10キロ。
なんの前触れもなく、そんなものを送りつけられて困惑しない男性はいない。
いやまあ、りんごに限らず果物は好きだ。
しかし、しかしだ。
これがみかんなら、10キロ程度消費するのは容易い。
こたつを装備している人間なら、みるみるうちに消費していくことだろう。
しかし、りんごか。
わりとでかくて、重いというのがネックだ。
同じ重さでも、みかんならするする入る。
しかしりんごだと、皮むいて、切って、しゃくしゃくと食べて、さあ、もう一個……と気軽に手を伸ばせる人間はそう多くないと思う。
食いしん坊の私でも、3個が限度か。
りんごを消費したい。
できれば、違う食べ方で。
知人に知恵を求めたところ、『じゃあ、アップルパイでいいんじゃない?』などと無体な事を言う。
オーブンなんか持ってねえよ、無茶言うな、とツッコんだのだが……『簡単、簡単』と知人は言うのだ。
『フライパンで作るから』
マジですか?
そう聞き返した時点で私の負けだ。
興味を持ってしまったのだから。
先生、アップルパイが食べたいです。
さて、適当クッキング始ま……え、適当ダメ?
お菓子作りなめんな?
少なくとも最初は、言うとおりに作れ?
アレンジっていうのは、一人前にできるようになって言うことですね、はい。
まず、りんごの皮をむいて、8分割。
それを5ミリ位の厚さで切っていく。
フライパンにバターを落とし、りんごを炒めていきます……弱火で、少し水が出てきたところで砂糖をふります。
弱火でじっくり、りんごの実が茶色く変化して水気がなくなるまで。
しかし、こうしてると、若気の至りでジャム作ったこと思い出すなあ……。
こんな作業を薪の火力でやるとか昔の人間は凄すぎだろとか、どんだけ薪が必要なんだよとか、実際にやってみるってのは大事だよなあと、つくづく思ったよなあ。
おっと、こんなもんかね。
バターと焼きリンゴの香りがたまらんよ。
シナモンふりたきゃどーぞって……やめとく。
最初はシンプルでいいんじゃね?
『さて、ここで餃子の皮を』
ちょっと待って。
餃子の皮と申したか?
『パイ皮の原料と餃子の皮の原料はそう変わらないよ?何か問題でも?』
ああ、いや……アップルパイ、アップルパイなんだよなあ、そっか、餃子の皮ねえ……。
まあ、いいけどさ。
それで、餃子の皮で、このりんごを包んでいけばいいのね?
餃子よりも気持ち念入りに、皮の縁はしっかり止めて、と。
そういや昔、円盤餃子とか作ったなあ……。
『じゃあ、フライパンで揚げ焼きにするよ』
揚げ焼き?
ああ、揚げるって聞くとあれだけど、水たまりぐらいでいいのね?
3~5ミリ位?
へいへい、あとはなんとなくわかりますよ、中火でひっくり返しながら両面を揚げていけば……って、余った餃子の皮で何してんの?
秘密って……しかし、これ。
香りはともかく、一見揚げ餃子ってのが、ものすごいジョークグッズというか、ドッキリ大成功な気配がプンプンするんだけど。
さて、クッキングペーパーで余分な油をしっかり切って……。
え、これも揚げろって?
まあ、揚げろと言うなら揚げるけど……同じように揚げていいの?
皮だけ揚げる感じね、はいはい。
できたぁ!
ああ、うん、アップルパイ?
アップルパイ……見た目は餃子。
りんごの香りと甘い匂いと、餃子の見た目が、私の精神を揺さぶってくるよ。
うわあ、パイ皮にちょっと疑問はあるけど、どうしよう、アップルパイだ。(笑)
やべえ、これ絶対友人知人を騙すための料理だろ。
え、これも食べろ?
中が黒いの透けて見えるんですけど……いただきます……チョコパイかよ!
あんた、板チョコを餃子の皮で包みやがったか!
いや、まだまだあるよって……ちょっと待って、これってミートパイとかもできるの?
ああ、事前に火を通さないとダメなのね……そりゃそうか。
魚のパイとか作ってみたかったんだが……。
ちなみに、りんご1個で餃子の皮6~8枚分ぐらい。
砂糖は適当に、大さじ2~3杯ぐらいか。
さあ、みんなも、友人知人を騙してやろうぜ!(笑)
たぶん、子供は喜ぶ。
餃子にしか見えないし。
そんな家族の団欒があってもいいと思うんだ。