私の偉大な食卓。   作:高任斎

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やってみたら美味しかった。


28:冗談のような卵かけうどん。

 たまごかけご飯は日本人の魂と言っても差し支えないと思うが、卵を生で食することに外国の方は忌避感を示すことが多いので注意を。

 

 さて、カロリー食の話で少し述べたが、米というか白米、全部ひっくるめて穀物は炭水化物の塊である。

 一方、卵の栄養成分はどうなっているか?

 料理をしない人間には、『卵一個ってどのぐらいの重さなの?』という疑問があるだろうから、簡単に目安を記しておきます。

 いわゆるMサイズで、60グラム前後。(殻の重量含む)

 Lサイズで、70グラムにちょっと届かない程度。

 まあ、卵の殻を食べることはほぼないので、料理の目安としては可食部分で書かれることが多く、こんな感じで統一されてるっぽいです。

 Mサイズ:50グラム。

 Lサイズ:60グラム。

 

 卵の重さのうち、その約4分の3は水分です。

 そして、残りはタンパク質と脂質……ほぼ同じぐらいの割合だったはず。

 

 つまり、炭水化物の塊である米に、タンパク質と脂質の卵をかける。

 そして、ミネラルを含む醤油なり、めんつゆをかければ……。

 

 完全栄養食(笑)が完成する。

 

 いや、これが本当に馬鹿にしたものではないのだ。

 白米一合に、Lサイズの卵を加えると、およそだが、こうなる。

 炭水化物:115グラム。(460キロカロリー)

 タンパク質:17グラム。(68キロカロリー)

 脂質   :8グラム。(72キロカロリー)

 総カロリー:600キロカロリー。

 

 まあ、普通サイズのお茶碗一膳は、米一合に届かない。

 故に、炭水化物や総カロリーはもう少し減少するだろう。

 

 卵には、ビタミンB1などを除けば、ビタミンもそれなりに摂取できる。

 戦後、国が卵の生産を保護し、価格の長期安定を心がけてきた方針の根っこはここにある。

 日本人の主食がコメであるという前提のもとに、動物性タンパク質と脂質をバランスよく摂取できる卵はある意味理想だっただろう。

 私より上の世代の、『卵を一日1個食べる』という認識は、そこから生まれた。

 

 それはつまり、日本人の食卓の変化は、その前提を壊すものだったとも言える。

 それと同時に、食卓の変化をもたらしたのは、情報だったとも言えなくもない。

『コレステロール』の名目で卵を遠ざけようとした時期と、『コレステロールにも種類があるから卵は平気』などと、くるっと手のひらを返した時期と……日本の食生活のあり方を重ねてみるとなかなかに興味深かったりする。

 卵が日本人に与えてきた『動物性タンパク質と脂質』を供給する別の食物を後押しするための……情報操作とまでは言いすぎか。

 だが、いつだって一般人は、だれかの都合に振り回される存在だ。

 古い常識が新しい常識によって淘汰されやすい昨今ではあるが、情報の正誤ではなく、資本主義の都合によって捻じ曲げられるケースも少なくはないので注意が必要だろう。

 

 

 さて、たまごかけご飯が栄養バランス的に見て悪くないのは先に述べた。

 米に限らず、基本的に穀物は炭水化物の塊だ。

 つまり、小麦から作られる麺類もまたしかり。

 それはつまり……。

 

 乾麺であるうどんを100グラム茹でる。

 特に湯切りせず、熱々のままうどんを器にとって、卵を割り入れる。

 麺つゆを、たらりと垂らす。

 かかかかっと、手早くかき混ぜると、うどんの熱で卵がとろりと変化する。

 あ、これ、美味いわ、たぶん。

 

 上品さはいらない。

 冷めないうちに、かき込むように食べるべし。

 

 ちなみに、約450キロカロリーである。

 夜食にはちと重いかもしれない。

 

 

 




たまごかけご飯に、味噌汁、漬物、小魚。
言うまでもないが、ものすごくバランスが良い。
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