私の偉大な食卓。   作:高任斎

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暦の上では春になりますね。


36:節分の豆を使っておつまみ。

 鬼は外。

 福は内。

 

 なお、一部で逆の声掛けを行う地域がある模様。(どこかは忘れました)

 殻つきのまま落花生を投げる地域とかありますが、掃除とか楽そうだ……。

 

 私が子供の頃は、『年の数だけ食べなさい』などと言われたこの豆、一部地域を除いて炒り豆を使います。

 本当かどうか、ただのこじ付けじゃねえのとも思いますが、魔目を射るでしたっけ?

 

 節分は、季節を分けるというか、暦の上では春……立春の区切り。

 昔の感覚で言えば、春の訪れとともに疫病が流行りだす……なので、魔を封じる儀式に対して熱心だったんですかね。

 

 というわけで節分です。

 

 少年漫画のネタになる時は、ほぼバトル形式の豆まきの話がほとんどですが……少女漫画というか、恋愛系の漫画で節分ってネタになるんでしょうか……?

 とりあえず私は知りません……が、食べ物を扱うわけだから、料理のネタにはなるでしょう。

 

 スーパーで、コンビニで、これでもかとばかりに節分の豆が視界に飛び込んできて……つい買ってしまって、ボリボリと豆を食べるだけの世帯も増えてるのではないかと。

 

 さて、この豆。

 基本は大豆をそのまま炒ったものです。

 油や塩とか使ってないので、普通に使えるはず……そう、思ったんだけどなあ。(笑)

 

 黒豆やら小豆を煮る時も思ったんですが、大豆を使った料理って……個人的には馴染みがなかったんですよ。

 なので、こんなことを考えました。

 

『ご飯と一緒に炊き込んで、豆ご飯にすればいいじゃん』

 

 ……ここでオチがわかる人は、わりと料理をする人だと思います。(笑)

 ちなみに、私の思考はこんな感じ。

 

『炒ってあるってことは、熱は通ってる』

『じゃあ、そのまま材料と一緒に炊飯器で炊けばいい』

 

 炊き上がり、豆の香りを楽しみながら頂きます。

 

 もしゃ、ボリ、もぐ、ゴリ、むしゃ、ガリ……。

 

 うん、この食感の変化が斬新な炊き込みご飯ときたら……。(これはこれで『炒り豆ご飯』のレシピとして存在するらしいのですが……)

 

 仕方ないというか当然というか、『豆は、戻す必要があります』。

 そもそも、戻した豆を炒って作ってるのに、また戻さなきゃいけないのか……などと思ってしまうのも確かですが。

 

 ポットに豆と熱湯で一晩。

 

 その上で、ご飯と一緒に炊き込めば、『普通の』豆ご飯に。

 まあ、根菜類や、こんにゃくなども混ぜ込んで、炊き込みご飯にしてもいいでしょう。

 

 

 ちなみに、私の知人が教えてくれたのですが、『唐辛子とお酢で戻す』と、ちょっとした酢の物の具になるそうな。

 何度が試してみたのですが、個人的にはそのまま食べるのは酸っぱすぎるなあと。

 ただ、微妙な歯ごたえも残って面白い食材になるので、なにかの付け合せとか、そういうものに使うのがいいかもしれません。

 

 

 しかし、それでは負けた気がする。

 あくまでも、『節分の豆』で料理を作りたい。

 

 クッキーに混ぜ込むとか、細かく砕いて唐揚げの衣に使うとか、いろいろ話は聞きますが……それって結局、『節分の豆をうまく処理しよう』という趣旨であって、『節分の豆』の料理じゃないと思うんです。

 

 ……というか、この節分の豆って、普通に味付けしたらどうなるの?

 

 おつまみのバターピーナッツを作る要領で……。

 

 フライパンを熱して、バターを投入。

 すぐさま節分の豆を投入。

 

 さて、バターピーナッツなら、豆がしんなりしてきたところで塩を入れるのだけど、炒り豆でしんなりするって、どういう状態だ?

 

 今だ、今こそ適当(てきとー)クッキングだ。

 

 てきとーなタイミングで塩をふって、フライパンの中央に寄せるように混ぜて、広げたクッキングペーパーの上にあげて、余分な油を切ります。

 ここで、もう一度塩を少し。

 

 さて、お味は……。

 

 あ、うん、う……ん?

 なんだろ、この『これじゃない』感は。

 

 お酒が足りない?(笑)

 

 文字通り酒のおつまみにしてみたところ、『バターピーナッツの出来損ない』って表現がぴったり。

 でも、ここまではまだ良かったんです。

 

 この、バター節分豆、完全に冷めてしまうと……ものすごく不味い。(笑)

 バターピーナッツも冷めるとあれなので、豆類の油分と冷えたバターの相性がそもそも良くないのかもしれませんが。

 

 とすると、シンプルに塩味方向を目指すしか……。

 まてよ、おつまみで、歯ごたえがあって、塩味方向。

 

 ……何やら、嫌な記憶がよみがえったのですが、やるしかありません。

 

 

 以前のお話の白滝炒めと要領で、糸こんにゃくを、カリカリに炒める途中で、節分の豆を投入。

 ちなみに、同時に入れると、こんにゃくの水分が鬱陶しいです……ある程度水分が飛んでからの方が良いでしょう。

 味付けは、ダシ醤油なり、焼きそばソースなり、チャレンジブルに。

 

 できたぁ!

 

 

 

 ああ、うん、おつまみ。

 圧倒的おつまみ。

 

 歯ごたえがあって、塩気があって……あんまり日本酒には合わないかも。

 

 

 いや、しかし……節分の夜に、こんにゃくと豆の炒めものをつまみに酒を飲む。

 

 幸せに、なれるかなあ、これ。(笑)

 

 

 




ちりめんじゃこを混ぜるといいかもしれない。

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