鬼は外。
福は内。
なお、一部で逆の声掛けを行う地域がある模様。(どこかは忘れました)
殻つきのまま落花生を投げる地域とかありますが、掃除とか楽そうだ……。
私が子供の頃は、『年の数だけ食べなさい』などと言われたこの豆、一部地域を除いて炒り豆を使います。
本当かどうか、ただのこじ付けじゃねえのとも思いますが、魔目を射るでしたっけ?
節分は、季節を分けるというか、暦の上では春……立春の区切り。
昔の感覚で言えば、春の訪れとともに疫病が流行りだす……なので、魔を封じる儀式に対して熱心だったんですかね。
というわけで節分です。
少年漫画のネタになる時は、ほぼバトル形式の豆まきの話がほとんどですが……少女漫画というか、恋愛系の漫画で節分ってネタになるんでしょうか……?
とりあえず私は知りません……が、食べ物を扱うわけだから、料理のネタにはなるでしょう。
スーパーで、コンビニで、これでもかとばかりに節分の豆が視界に飛び込んできて……つい買ってしまって、ボリボリと豆を食べるだけの世帯も増えてるのではないかと。
さて、この豆。
基本は大豆をそのまま炒ったものです。
油や塩とか使ってないので、普通に使えるはず……そう、思ったんだけどなあ。(笑)
黒豆やら小豆を煮る時も思ったんですが、大豆を使った料理って……個人的には馴染みがなかったんですよ。
なので、こんなことを考えました。
『ご飯と一緒に炊き込んで、豆ご飯にすればいいじゃん』
……ここでオチがわかる人は、わりと料理をする人だと思います。(笑)
ちなみに、私の思考はこんな感じ。
『炒ってあるってことは、熱は通ってる』
『じゃあ、そのまま材料と一緒に炊飯器で炊けばいい』
炊き上がり、豆の香りを楽しみながら頂きます。
もしゃ、ボリ、もぐ、ゴリ、むしゃ、ガリ……。
うん、この食感の変化が斬新な炊き込みご飯ときたら……。(これはこれで『炒り豆ご飯』のレシピとして存在するらしいのですが……)
仕方ないというか当然というか、『豆は、戻す必要があります』。
そもそも、戻した豆を炒って作ってるのに、また戻さなきゃいけないのか……などと思ってしまうのも確かですが。
ポットに豆と熱湯で一晩。
その上で、ご飯と一緒に炊き込めば、『普通の』豆ご飯に。
まあ、根菜類や、こんにゃくなども混ぜ込んで、炊き込みご飯にしてもいいでしょう。
ちなみに、私の知人が教えてくれたのですが、『唐辛子とお酢で戻す』と、ちょっとした酢の物の具になるそうな。
何度が試してみたのですが、個人的にはそのまま食べるのは酸っぱすぎるなあと。
ただ、微妙な歯ごたえも残って面白い食材になるので、なにかの付け合せとか、そういうものに使うのがいいかもしれません。
しかし、それでは負けた気がする。
あくまでも、『節分の豆』で料理を作りたい。
クッキーに混ぜ込むとか、細かく砕いて唐揚げの衣に使うとか、いろいろ話は聞きますが……それって結局、『節分の豆をうまく処理しよう』という趣旨であって、『節分の豆』の料理じゃないと思うんです。
……というか、この節分の豆って、普通に味付けしたらどうなるの?
おつまみのバターピーナッツを作る要領で……。
フライパンを熱して、バターを投入。
すぐさま節分の豆を投入。
さて、バターピーナッツなら、豆がしんなりしてきたところで塩を入れるのだけど、炒り豆でしんなりするって、どういう状態だ?
今だ、今こそ
てきとーなタイミングで塩をふって、フライパンの中央に寄せるように混ぜて、広げたクッキングペーパーの上にあげて、余分な油を切ります。
ここで、もう一度塩を少し。
さて、お味は……。
あ、うん、う……ん?
なんだろ、この『これじゃない』感は。
お酒が足りない?(笑)
文字通り酒のおつまみにしてみたところ、『バターピーナッツの出来損ない』って表現がぴったり。
でも、ここまではまだ良かったんです。
この、バター節分豆、完全に冷めてしまうと……ものすごく不味い。(笑)
バターピーナッツも冷めるとあれなので、豆類の油分と冷えたバターの相性がそもそも良くないのかもしれませんが。
とすると、シンプルに塩味方向を目指すしか……。
まてよ、おつまみで、歯ごたえがあって、塩味方向。
……何やら、嫌な記憶がよみがえったのですが、やるしかありません。
以前のお話の白滝炒めと要領で、糸こんにゃくを、カリカリに炒める途中で、節分の豆を投入。
ちなみに、同時に入れると、こんにゃくの水分が鬱陶しいです……ある程度水分が飛んでからの方が良いでしょう。
味付けは、ダシ醤油なり、焼きそばソースなり、チャレンジブルに。
できたぁ!
ああ、うん、おつまみ。
圧倒的おつまみ。
歯ごたえがあって、塩気があって……あんまり日本酒には合わないかも。
いや、しかし……節分の夜に、こんにゃくと豆の炒めものをつまみに酒を飲む。
幸せに、なれるかなあ、これ。(笑)
ちりめんじゃこを混ぜるといいかもしれない。