私の偉大な食卓。   作:高任斎

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料理物でも、読み物である以上、楽しく読ませる工夫が必要ですよね。(前フリ)


41:グリーンピースで祭りだ、わっしょい。

 ……このお話は、フィクションです。(護身完成)

 

 

 

「ごめん、助けて」

 

 知人からのSOS。

 ただ事ではない。

 

 知人の家に寄って見たところ、他にも人が。

 

「家庭菜園で、グリーンピースが山ほど……」

 

 なぜ、よりによって家庭菜園でそんなものをピンポイントで作付けした、言え!

 

 家庭菜園になれない人間が陥る罠でもあるが、『そもそも収穫量をよくわかってない』、『育てるのが目的で、消費のことを考えていない』パターンだ。

 

 しかも、グリーンピースって。

 グリーンピースって、おい。(笑)

 

 ナスやピーマンほどじゃないにせよ、子供たちの『嫌いな食材』としての人気も高い……ええい、日本語がややこしい。

 

 聞けば、いわゆるレンタル畑というか、区画を借りて家庭菜園を楽しむあれで、季節の関係もあって借りた区画に全部同じ作物を作付けしちゃったらしいの。(震え声)

 うん、夏と違って、冬から春にかけての作物は……確かに選択肢が少ない。

 そして、お金出して借りた畑に、何も植えずにいるのはもったいないって、思っちゃったんだね、わかるよ、その気持ち。

 

 似たケースでは、イチゴ地獄などがある。

 あまり美味しくないイチゴが、延々と収穫され続け、消費を余儀なくされるのだ。

 ジャム作りも、超めんどい。

 

 ちなみに、グリーンピースは絹さやえんどうと違って、熟した実(完熟ではないです)を収穫するものです。(絹さやは熟してないものを収穫する)

 収穫せずに放置すると『鳥が集まってきて』食べ散らかします。

 じゃあ、それでいいんじゃと思うかもしれませんが、『鳥が集まると、周囲の畑に迷惑がかかります』(笑)

 

 なので、収穫する。

 収穫してしまうと、食べ物だから捨てることに躊躇する。

 グリンピース祭りになって、家族がギブアップ。

 知人に、豆まきの要領でばらまく。(今ここ)

 

 家庭菜園ではなく、農家の畑だと……まあ、冬まきで今の時期に収穫。(地域差あり)

 で、マメ科ですからね……実を収穫したあとの葉っぱとか茎とか、畑にすき込んで肥料にできるんです。

 土の生育のサイクルの一環として、よく利用されます。(ただし、連作は厳禁。5年ぐらいは間隔をあける)

 

 なので、農家が珍しくない田舎の子供は、たいていグリーンピース祭りを経験してます。(白目)

 田舎出身で、グリーンピースが嫌いな人間は、たいていこれが原因だ。(強弁)

 

 

 いや、まあ……収穫したものを捨てろとは言えないし、もらうというか、助けるけどさあ。

 

「豆ご飯の要領で、グリーンピースご飯にしたら、子供たちが激おこ状態に」

 

 

 ……気持ちはわかる。(敢えてどっちの、とは言わない)

 

 とりあえず、どこの家の母親も、似たような事を考える。

 コメよりもグリーンピースの方が多い(そう見える)、緑色をしたものを、茶碗に大盛りで渡された時の気持ちときたら、マジでトラウマです。

 炒め物にも容赦なくグリンピースをブチ込むわ、味噌汁にも入れようとするわ……。

 やめろ!

 グリーンピースの卵とじ(緑色)を、俺は料理とは認めない!(トラウマ発動中)

 

 

 

 

 し、塩ゆでにして、冷凍するのはどうだろう?

 

「ウチは一般家庭です……というか、結局全部食べなきゃダメじゃないですか、ヤダー!」

 

 

 

 

 大地の恵みを、おすそ分け。

 これが、ご近所付き合いです。(笑顔)

 

 

 と、いうわけで、バケツ一杯分のグリーンピースをいただきました。(震え声)

 

 すぐに思いつく料理というと、じゃがいもと一緒のスープ。

 コンソメで煮たものは、前菜としてなかなか美味しい。

 

 うん、量を食べる料理じゃない。

 

 某アメリカの小説家の作品で登場した、キャンプでは定番の、豆とベーコンの炒め物や、スープ。

 うむ、なかなか美味い。

 

 さて、お酒のおつまみを作ろう。

 フライパンに油を張って、グリーンピースの素揚げである。

 熱々のピースに塩を振って……。

 

 かー、この快適な気候の時期に、飲むお酒は美味い。

 酒を飲むと、塩気が欲しくなる。

 塩気を味わうと、また酒が欲しくなる。

 

 

 

 

 さて、現実逃避はそこまでだ。(バケツに残ったグリーンピースを眺めながら)

 

 グリーンピースのポタージュ。

 これは、それなりに量を消費できる。

 茹でたピースを裏ごしして、玉ねぎと一緒に、バターと牛乳、あれば生クリームなどで味を整えて……。

 うむ、ベースをコンソメにするか、チキンにするかで、また味わいが違うね。

 

 

 全然なくならない。

 

 とりあえず、2キロほどは塩ゆでにして、冷凍しとくか。

 

 ちなみに、サヤがついてないグリーンピースの保存は、いいとこ3~4日ぐらい。

 全国各地で、祭りが起きる所以である。

 ちなみに、冷凍ものも、2ヶ月ぐらいで急激に味が落ちた気がします。

 

 

 

 ……手ごわいな。(バケツを見ながら)

 

 こういう時の、量を消費する定番は、デザートなんだが。

 ずんだ餅って、そらまめだっけ?

 

 豆の仲間で、緑色か。

 あぁ、確かグリーンピースの甘露煮とかあった気がする。

 甘納豆みたいにできないかな?

 

 こんなことを考え始める時点で、末期である。

 

 

 でもまあ、せっかくの機会だし、ずんだ餡(ただしグリーンピース)でも作ってみるか。

 

 作ったことないし。

 まあ、別に調べなくても、このぐらいは見当はつく。

 

 グリーンピースを、水で茹でます。

 ざるにあげて、ボールの中で潰します。

 最初に塩……混ぜて混ぜて、砂糖を投入して、好みの甘さに調節。

 

 鮮やかなライトグリーンの、ずんだ餡(笑)の完成。

 

 ……あれ?

 一味足りないというか、風味が足りない。

 なんか、作り方を間違うようなもんだっけ?

 

 あ、煮汁か。

 

 餡を混ぜるときに、グリーンピースを茹でた煮汁を少し混ぜてやると、風味が付きます。

 

 グリーンピースの風味、強すぎ。

 ちょうどいい、風味を探してください。

 

 

 そして、私は真実にたどり着く。

 

 母ちゃん。

 母ちゃんも、作りたくてあの『グリーンピースの卵とじ(緑色)』を作ってたわけじゃないのか。

 

 まず、お湯を沸かして、塩を投入。

 そして、グリーンピースを投入して茹でます。

 

 ある程度茹でたところで、ザルにあげます。

 

 そして、ダシの素、醤油、砂糖などを混ぜた煮汁を作り、グリーンピースを投入。

 

 おい、二度手間じゃないのかと思うでしょうが、一旦煮汁を捨てないと、グリーンピースの風味が強く出過ぎることと、一旦茹でてから煮ると、ピースに味が染み込みやすい気がするの。

 これは、卵とじに限らず、グリーンピースの煮物系の料理全般に言えます。

 

 あ、当然卵とじなので、煮汁は少なめに。

 そして、溶き卵を投入。

 

 

 ああ、うん。

 ものすっごい量のグリーンピースを消費できます。(笑)

 自分で作って、初めて知る、母の苦労。

 

 消費するための料理、それがグリーンピースの卵とじだ。(強弁)

 

 

 

 

 

 ちなみに今、ちょっとネットで調べてみました。

 

 ああ、うん。

 やっぱり、緑色はしてないよね。(震え声)

 

 量の加減って、超大事。

 




苦しい戦いだった。
いや、フィクションだけど。
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