ネタ提供、ありがとうございます。
あ、後半にイギリスのご飯について少しエッセイっぽい内容があります。
日本人にとってあまり愉快な内容ではないので、嫌な予感がしたら飛ばしてください。
忘れてた。(感想を読みながら)
だが、私の家の冷凍庫には、約2キロのグリーンピースが貯蔵されているのだ!
さて、日本人にはあまり馴染みのない料理、グリーンピースのマッシュ。
私は、最初に『マッシュピー(マッシュされた豆、ね)』と教えられたので、マッシュピーと呼んでます。
ちなみに、イギリスではお馴染みの料理。
ほら、代表的なところでは、フィシュアンドチップスに添えられた、緑色のペーストっぽいものとか見たことありませんか?
厳密に言うと、少し違うのですが、あれが、マッシュピーで、グリーンピースのマッシュです。
ちなみに、『マッシュ?』という人は、マッシュポテトを思い出そう。
あれは、ポテトのマッシュです。
あ、『イギリスの料理ってメシマズだよな?』って思った人、正座で。
あれは、悪意と誤解と真実のごった煮なので、鵜呑みにしないように。(真実が含まれてないとは言ってない)
さあ、料理だ。
マッシュピー、フランス人いわく『緑の悪魔』。(うなぎゼリーではない)
基本は、ゆでたグリーンピースを潰して、味付け。
なんだ、簡単じゃん……と思うが、意外と奥が深いです。
というか、この料理、『わりと失敗しやすい』料理です。
大事なことなのでもう一度。
マッシュピーは、イギリスではお馴染みの料理で、『失敗しやすい』料理です。
余談ですが、同じくお馴染みの『ベイクドビーンズ』も、味の振れ幅の大きい料理です。
というか、ホテルにもよるが、朝食では普通に『缶詰』のものが出されたりもする……甘いケチャップ味。
缶詰を温めて出すのは、料理じゃない、料理じゃないからセーフ。(目逸らし)
さて、マッシュピー。
料理の手順は、こんな感じ。
塩ゆで。
柔らかくなったところでザルにあげ、温かいうちに鍋やボールに入れて、ひたすら潰します。
ポテトサラダで、ごろっとした食感が残ったものが好きという人もいれば、しっかりと潰したものが好きという人もいるように、潰しかたはひとそれぞれです。
私に教えてくれた人は、『フォークでざっくり潰す。それが本場風』などと言ってましたが。
まあ、持ってる人は、フードプロセッサーを使うのも、手かと。
さて、この潰すときに、味付けというか、一緒に混ぜるのが、塩、胡椒、牛乳、バター。(あくまでも基本)
グリーンピース100グラムに、塩コショウは少々、牛乳は大さじ1~2杯、バター15グラムぐらい?
まあ、ペースト状にしたいなら、ゆで汁を加えるのも手かと。
コショウをその場でひくのが味の決め手と主張する人もいますし、私みたいに、むしろコショウは気持ち程度の方が口に合うという人もいます。
そこは、
でもここに注目、『牛乳』と『バター』。
グリーンピースですが、冷めると硬くなって潰しにくくなります。
ここに、無造作に冷蔵庫から取り出したバターと牛乳を加えたらどうなるでしょうか?
食感が悪くて、味付けが均等でない、緑の悪魔が完成します。
ついでに言うと、イギリスだと乾燥したグリーンピースを一晩水につけて戻し、茹でてから潰すって感じ。
これは、当然旬のグリーンピースを使って料理するのとでは、風味が全然違ってきますので、味付けも変化します。
ちなみに、私のレシピ。
塩コショウ(コショウは少なめ)をして適度に潰す。
フライパンにバターを溶かして、潰したマッシュピーを軽く炒める。
グリーンピースの皮が、カリっとして、少量を食べる分には、イケルと思う。
ちなみに知人は一口食べて……。
後日、しっかりとマッシュしたグリーンピースとひき肉を合わせ、コロッケを作っていた。
たぶん、好みが分かれる味なんでしょう。
あと、軽く塩茹でしたグリーンピースをかき揚げ風の天ぷらにもしていた。
ためらいなく、揚げ物に手を出せる……やつは勇者だ。
なんだが、グダグダになってきましたが、イギリスのメシマズ説についてちょっと擁護というか、私なりの解釈を。
まず、イギリス料理の定番ってさ、母親の料理の力量にものすごく左右されると思うんだ。(震え声)
日本でも、一人暮らしを始めてようやく、自分の母親の料理スキルを察する子供って少なくないと思うの。
イギリスメシマズ説の根拠の一つに、地政学的に植物生育の北限ってのがあって、それは食材の乏しさと、薪などの『燃料』の乏しさが挙げられます。
料理の発展というか、試行錯誤に必要なのは、『情熱』と『食材』と『燃料』の3つ。
少なくとも、イギリスが歴史的に料理の発展に不利だったのは間違いないかと。
ぶっちゃけると、イギリスで『生野菜のサラダ』が登場し始めたのは、1973年のEC加盟(今のEU)によって自由貿易圏ができてかららしい。
というか、ホントかウソか、あるいはネタなのか知りませんが『ドイツ(地域差有り)の女性は、ポテト料理のレシピを100種類覚えないと結婚できない』ってのがありまして、これも北部ヨーロッパの食材の乏しさを暗に示しているのではないかと。
でも、ヨーロッパでじゃがいもが食材として扱われだしたのは……。(白目)
ちなみに、EC加盟以前の、イギリスの野菜はこんな感じでしょうか。
じゃがいも、玉ねぎ、キャベツ、にんじん、グリーンピース。(じゃがいもは野菜扱い)
そして、いわゆる大航海時代に入ってきたものをのぞくと……。
キャベツ、玉ねぎ、グリーンピース……人参は、薬という扱いだったと聞いた覚えが。
キャベツの保存性を考えると、イギリスにおける野菜というか、『緑』は乾燥させたグリーンピースオンリーだったと思われます。(震え声)
ははは、どうしろっていうのさ。
イギリス料理は、イメージ的に茶色。
彩を重視する日本人にとって、大きなマイナスポイントと言えましょう。
ほかにも色々とメシマズ説の根拠については語られていますが、ここでは『メシマズ説の不自然さ』について触れておきます。
擁護というか、客観的な視点を取り戻す手助けになればいいのですが。
まず、イギリスのメシマズを悪口として流布しまくったのは、フランスが主犯。
イギリスとフランスは、歴史的に仲が悪い。
フランスは、わりと食に対するこだわりが強い地域。
あと、フランス料理って、レシピの豊富さや、盛り付け方、そして『彩』を重視します。
そして、『青物』が致命的に少ないイギリス。
……まあ、徹底的に、行き過ぎるぐらいにこき下ろす土壌はお分かりかと。
いわゆる、海外ネタ、ジョークとしての、『イギリスのメシがまずい』を定着させたのは、フランス人です。
まあ、このジョークの原型が顔を出し始めたのが18世紀ごろから。
ヨーロッパの旅行家の『イギリス人は肉ばかり食ってる(農業革命)』とか『ろくなスープもデザートもない』とか、そんな記述が残っているとか。
ただし、これは当時の旅行家なので、対象とされる食事は、旅行家と同じ上流階級のものです。
当時、イギリスで肉をふんだんに食べられるのは上流階級だけで、おそらく農家の人間は、粥(ポリッジ)とパン、スープというとこでしょう。
で、これを後押しというか、『イギリスメシマズ説』を強固にしたのが、このあとの産業革命中の、イギリス庶民の食事。
実際にひどかったらしいです。(目逸らし)
長時間労働、保存性重視の食材、肉体労働を支えるカロリー摂取の必要性……まあ、興味のある人は調べてください。(震え声)
そして、フィッシュアンドチップスが成立した歴史に涙せよ!
ちなみに、私はそれを調べる過程で、アメリカ英語とイギリス英語で、ポテトチップが別の言葉で表現されることを知りました。
イギリス英語で『chips』は、フライドポテトをさします。
ここでちょっと、話を変えて。
世界ではなく、この『日本において』、イギリスのメシマズ説が出回った時期はご存知でしょうか?
元々は、『イギリスの料理は……』という海外ジョークから始まってます。
ビジネスや政治がらみの社会地位のある人間がそのジョークに触れ、ある意味素朴な感想と、実感をイギリスで得て、日本に帰ってきて語ったのでしょう。
つまり、1970年代……しかし、これはまだ一般的ではありません。
戦後、日本人の海外渡航は制限を受けていました。
最初は、海外旅行といえば、ハワイ。
そういう時代が過ぎ、1980年代に突入して、ヨーロッパ旅行が日本人庶民の選択肢に入ってきます。
日本人の海外旅行は、良くも悪くも旅行会社によるパックツアーが主流でした。
そして、イギリス旅行というのは、ヨーロッパの中でも主流ではありません。
1980年代。
イギリスを旅行する日本人の多くは……パックツアーではなく、個人旅行の比重が高い。
おそらくは、学生旅行。
若者が、旅費をけちろうとすると、どうなるか……わかります?(ゲス顔)
美味しいもの食べたかったらカネを出せというのが、世界の基準。(高ければうまいとは言ってない)
ちょうど、私の世代に近いのですが……若者の世代の間で『イギリスの飯はひどい!』という噂が広まりました。
ネットとかなかった時代です。
バブルがはじけて、しばらくこの手の噂は聞かなかったんですがね。
ネットが普及し始めた、2000年以降……再び、『イギリスのメシマズ』説が広がります。
私の世代の人間から見ると、噂の広がりというか、認識の一般化の過程に疑問を覚えるのです。
ちゃんと、イギリス料理を食べて批評している人はどれぐらいいるの?って。
まあ、これ単独だと、『実際に不味いから、噂が出るんや!ネットを調べても、被害者だらけやんけ!』と反論されるのですが。
ちょっと視点を変えます。
日本食最高……ほら、日本食を絶賛する外国人もこんなに、と例を挙げる人がいます。
日本のマスコミで、『日本食が不味い』という外国人の意見が、報道されると思います?
精々、くさやや、納豆などをネタにするぐらい。
それも、『日本の食事大好きです……でも、納豆だけは……』みたいな使われ方。
くさやや納豆は、日本人でも好き嫌いが分かれますから、海外の人のそういう反応は『共感されやすい』と判断されるから用いられます。
ちなみに、発酵食品の『味噌』も、海外の、特に欧米系の人の拒絶感が強く出る食品ですが、あまりネタにならないのは日本人の共感を得られないからでしょう。
まず、日本食を美味しいと感じない人間は、世界中に普通に存在します。
日本では、それが情報として出回りにくいだけ。
考えてみれば当然で、同じ日本人でも味の好みは分かれます。
国が違えば、文化も違います。
背負ってきた、食文化も違います。
日本の料理は、日本人の口に合うように発展してきました。
そりゃそうでしょう。
わざわざ、自分の口に合わないように、料理を発展させるはずがありません。
それと同じように、ほかの国の料理は、ほかの国の口に合うように発展しています。
イギリスの料理が、日本人の口に合わない可能性。
日本の料理が、イギリス人の口に合わない可能性。
これは、それほど低くありません。
ここで、日本で言われるイギリスのメシマズは、一体誰に対してのメシマズなのか?
イギリス料理の〇ギスにギブアップした日本人は多いでしょう。(もちろん、好きという日本人もいます)
アンモニア臭は、日本人に馴染みがありませんが、子供の頃からそれに接してきた人にとっては、欠かせない風味の一つなのです。
なので、日本人向けにつくられた〇ギスは、、極力その部分をカットします。
アンモニア臭は食材の処理の仕方が悪いからだ……という意見もあります。
つまり、同じイギリスでも……地域差があり、個人差もあるのでしょう。
さて、納豆やくさや、味噌を食べる日本人は、はたしてそれにギブアップした外国人に、どう思われているんでしょう?
国際社会ですからね、さらりと『ああ、私の口に合わなかったよ』などと口にするぐらいかと。(内心はともかく)
そんな中、日本人が『イギリスはメシマズ』などと声高に叫んだ日には……。
まあ、他国の文化を尊重しない民族と言われても仕方ないかと。
おでんの具で戦争が起こったり、きのことたけのこで論争が始まったり……日本人なら、誰かの食にケチをつけることの危険と虚しさをよく知ってるはずです。
最近はそうでもないですが、上海のカニ料理。
上海名物といいつつ、『日本人観光客向けの、料理』だったりします。
客商売だから、主要な客の嗜好に合わせた味付け、料理になるのは当たり前ですね。
イギリスの観光業は、日本人観光客をメインとは思っていません。
なので、わざわざ、日本人向けの味付けにする店やホテルはありません……パックツアーなどで、業者と提携している店ならわかりませんけど。
とりあえず、ユーロトンネルの開通などで、イギリスは新鮮な食材を手に入れることができるようになって、料理が魔改造されている最中です。
いつまでも昔の評価を鵜呑みにしていると、恥をかくかもしれませんのでご注意を。
ただ、EUから離脱したことで、イギリスへの食材供給は……。(白目)
あと、こういうこと言うとたいてい返ってくるのが『イギリスの人間だって、イギリスの飯はまずいと言ってた』的な反論。
日本人にも、日本食が美味しくないと思ってる人はいます。
どうしても、合わないんだとか。
みんなが美味しそうに食べてるのを見ながら、美味しそうなふりをする食事。
大人になって、いろんな食事に触れて、それでようやく、『あ、俺って日本食が口に合わないだけなんだ』と……自分を許せるようになったとか。
『自分を許せるようになった』という言葉に、正直、私は言葉を失いました。
日本という国のあり方が、この一言に凝縮されている気がしたからです。
みんな同じ、横並び、一緒じゃない奴がおかしい……などなど。
彼を例に挙げて、『日本はメシマズだ』とは、私には言えません。
私と彼の好みは違いますから。
味覚は個人のものです。
全体として語るのには、私は抵抗を覚えます。
日本国内でも、味付けは違ったりします。(カップ麺の、東西のあれは有名ですね)
食品の流通が発達した日本においてもそうだから、イギリスの人が合わなかったイギリスの飯は、故郷の味ではないのかもしれません。
移住とか、文化の違いもあります。
日本人が思うよりも、日本という国は世界の中では特殊な環境にあります、ご注意を。
まあ、美味いものは人それぞれ。
そして、人の誇りの部分に不用意に手を触れるな、ということでこの場はしめましょう。
え?
個人的な、イギリス料理の評価はどうなのって?
いや、まあ……それほど種類を食べたわけでもないし、本当の意味でのイギリス料理とも言い難いからあれなんですが。
私の口には合わないものも、いくつかありましたねえ。(震え声)
あの調味料とか……たぶん、海外の人が『味噌』に感じる拒絶感も、あんな感じなのかなと。
自分のお口に合うように料理するって、大事。(台無し感)
というか、イギリス料理って作るの難しい。
こう、ちょっとした手順の違いで、ものすごく味が変わってしまうイメージが。
料理スキルが高くないと、厳しいかも。