私の偉大な食卓。   作:高任斎

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学校の給食で初めて食べたものは結構あります。
つまり、おふくろの味は給食も含まれる?


51クラムチャウダー……クラムって何?

 季節は冬から春へ。

 棚卸しだろうか、行きつけのスーパーでシチューのルーが安売りされていた。

 カレーは1年を通して売れるが、シチューは冬の売れ行きがよい商品で、気温が上がると売れ行きが鈍る。

 

 季節によって販売動向が大きく変動する商品は、こういうセールが起こりうる。

 その時その時のセールではなく、1年を通しての商品の底値を知ることが、買い物上手になるための第一歩だ。

 

 ……花粉症の症状が出てからティッシュを買いに行くと、高いんやで。

 

 と、いうわけで。

 シチューに対して季節のこだわりがない私は、賞味期限と値段だけチェックして3つほどかごに放り込んだ。

 そして、家に帰り……。

 

 シチューのルーが2つと、クラムチャウダーのルーを発見することになった。

 たぶん、全部スギ花粉のせい。(震え声)

 

 

 さて、クラムチャウダーである。

 私は、このクラムチャウダーという食べ物を、小学校の給食で知った。

 見た目でシチューかと思ったのだが、味わいがまるで違う。

 クラムでチャウダーだったのだ。(名前の意味はもちろん、チャウダーすら知りません)

 

 ただ、子供ながらに貝の風味であることはわかり、実際アサリが使われていたので……そうか、クラムとはアサリのことか、と。

 クラムチャウダーとは、アサリのチャウダーのことなんだ。(笑)

 

 この勘違いは、大学生まで続きました。

 なお、それを気づかせてくれた知人もまた……。

 

『え?クラムって、ハマグリのことだろ?』

 

 どうやらクラムチャウダーは、実家の食生活と懐具合を映す鏡であるようだ。

 

 ちなみに、クラムとは貝のことで、正確には二枚貝だったか……二枚貝を使ったチャウダーを、クラムチャウダーと呼ぶそうな。

 要するに、ハマグリだろうがアサリだろうが、シジミだろうが……クラムチャウダー。

 ただしサザエ、てめーはダメだ、と。

 

 でも、サザエでチャウダーを作ったら、変わった風味になるような気がします。

 そして、貝ではなく魚を使えば、フィッシュチャウダー。

 

 まあ、地域と言うか、地元の食材を使う家庭料理なんでしょうね。

 ただ、貝はいいダシが取れるというか独特の風味になりますので、そのあたりが一人歩きするのかと。

 

 

 やがて、季節は春。

 潮干狩りの季節。

 あさりハンターの季節。

 

 いいじゃないか。

 

 しかし、クラムチャウダーを作ったことがない私。

 というか、チャウダーもなぁ。

 細かいことを言うと、確かチャウダーの分類はスープで、シチューは煮込みだったような。

 レストランなんかではこのあたりが顕著で、チャウダーはスープ扱い、シチューはメイン扱いになることが多いです。

 

 ただ、給食でそれを知った私にとって、クラムチャウダーは、アサリを使ったホワイトシチューに近いイメージです。

 まあ、初めてだからレシピどおりにやりますか、と商品の箱に書かれている説明を確認。

 

 ベーコン。

 アサリ。(このあたり、やはり日本の商品っぽいですね)

 たまねぎ。

 じゃがいも。

 

 そしてキャベツ……キャベツ!?

 

 いきなり、スープの気配が濃厚に。

 ほう、そしてバターか、うん。

 

 キャベツ、キャベツかぁ。

 いやぁ、たぶん思い出の給食の味とは別のものになりそうな気がする。

 

 こういうときは、アレだ。

 れっつ、てきとークッキング。

 

 スーパーで売れ残り、半額になったアサリを購入。

 

 さて、砂抜きだ……の前に、アサリの殻をゴリゴリ洗う。

 塩分濃度?

 詳しくは知らないけど、海水の塩分濃度と同じぐらいでええんやろ?

 確か、3%ぐらいのはず。

 知人が言ってた『40度ぐらいのぬるま湯につければ、短時間で砂を吐くぞ』というやり方を試してみたい気もするが、それはまたの機会に。

 新しいことを、いきなり複数試すのはよくありません。

 

 被害者……じゃなくて、食べるのは自分ですし。

 

 アサリは明るいと活動が悪くなるので、明かりを落とし、水が飛び散らないようにカバーをかけ、放置。

 最初は1時間ぐらいで水を替え、寝る前にまた水を替え、一晩放置。

 

 

 ベーコン、たまねぎ、じゃがいもを切り、さて材料をバターで炒めようとしたところで……首をひねる。

 確か、貝というか、アサリってあんまり火を通したら良くなかったのでは?

 と、いうか……炒めてから水で煮込むから、アサリを早めに投入すると風味が抜けた上に硬くなる気がする。

 

 箱の説明を確認……ふむ。

 

 炒めて、水で煮込んで、ちょっと牛乳を入れてから、ルーを投入。

 そうして最後に、アサリを投入。

 

 ……あぁ、この感じだとキャベツは彩りの役目が大きいのか。

 どこかのグリーンピースみたいに。

 

 ことことこと、と。

 アサリに火が通ったところで、ひとまず味見。

 美味しいのだが、イメージとは別のもの。

 思い出補正なんだろう。

 

 

 まあ、鍋一杯分作ったので、ことことことと、食事のたびに加熱を繰り返し、風味が抜けてくたくたになったアサリを口にする。

 

 ……給食の、クラムチャウダーだ。(目逸らし)

 

 たぶん、アサリを多めに投入して風味を移せば……思い出と知識を納得させる一品になる気がします。  




今度、シチューにアサリを投入して違いを比べてみようと思います。
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