つまり、おふくろの味は給食も含まれる?
季節は冬から春へ。
棚卸しだろうか、行きつけのスーパーでシチューのルーが安売りされていた。
カレーは1年を通して売れるが、シチューは冬の売れ行きがよい商品で、気温が上がると売れ行きが鈍る。
季節によって販売動向が大きく変動する商品は、こういうセールが起こりうる。
その時その時のセールではなく、1年を通しての商品の底値を知ることが、買い物上手になるための第一歩だ。
……花粉症の症状が出てからティッシュを買いに行くと、高いんやで。
と、いうわけで。
シチューに対して季節のこだわりがない私は、賞味期限と値段だけチェックして3つほどかごに放り込んだ。
そして、家に帰り……。
シチューのルーが2つと、クラムチャウダーのルーを発見することになった。
たぶん、全部スギ花粉のせい。(震え声)
さて、クラムチャウダーである。
私は、このクラムチャウダーという食べ物を、小学校の給食で知った。
見た目でシチューかと思ったのだが、味わいがまるで違う。
クラムでチャウダーだったのだ。(名前の意味はもちろん、チャウダーすら知りません)
ただ、子供ながらに貝の風味であることはわかり、実際アサリが使われていたので……そうか、クラムとはアサリのことか、と。
クラムチャウダーとは、アサリのチャウダーのことなんだ。(笑)
この勘違いは、大学生まで続きました。
なお、それを気づかせてくれた知人もまた……。
『え?クラムって、ハマグリのことだろ?』
どうやらクラムチャウダーは、実家の食生活と懐具合を映す鏡であるようだ。
ちなみに、クラムとは貝のことで、正確には二枚貝だったか……二枚貝を使ったチャウダーを、クラムチャウダーと呼ぶそうな。
要するに、ハマグリだろうがアサリだろうが、シジミだろうが……クラムチャウダー。
ただしサザエ、てめーはダメだ、と。
でも、サザエでチャウダーを作ったら、変わった風味になるような気がします。
そして、貝ではなく魚を使えば、フィッシュチャウダー。
まあ、地域と言うか、地元の食材を使う家庭料理なんでしょうね。
ただ、貝はいいダシが取れるというか独特の風味になりますので、そのあたりが一人歩きするのかと。
やがて、季節は春。
潮干狩りの季節。
あさりハンターの季節。
いいじゃないか。
しかし、クラムチャウダーを作ったことがない私。
というか、チャウダーもなぁ。
細かいことを言うと、確かチャウダーの分類はスープで、シチューは煮込みだったような。
レストランなんかではこのあたりが顕著で、チャウダーはスープ扱い、シチューはメイン扱いになることが多いです。
ただ、給食でそれを知った私にとって、クラムチャウダーは、アサリを使ったホワイトシチューに近いイメージです。
まあ、初めてだからレシピどおりにやりますか、と商品の箱に書かれている説明を確認。
ベーコン。
アサリ。(このあたり、やはり日本の商品っぽいですね)
たまねぎ。
じゃがいも。
そしてキャベツ……キャベツ!?
いきなり、スープの気配が濃厚に。
ほう、そしてバターか、うん。
キャベツ、キャベツかぁ。
いやぁ、たぶん思い出の給食の味とは別のものになりそうな気がする。
こういうときは、アレだ。
れっつ、てきとークッキング。
スーパーで売れ残り、半額になったアサリを購入。
さて、砂抜きだ……の前に、アサリの殻をゴリゴリ洗う。
塩分濃度?
詳しくは知らないけど、海水の塩分濃度と同じぐらいでええんやろ?
確か、3%ぐらいのはず。
知人が言ってた『40度ぐらいのぬるま湯につければ、短時間で砂を吐くぞ』というやり方を試してみたい気もするが、それはまたの機会に。
新しいことを、いきなり複数試すのはよくありません。
被害者……じゃなくて、食べるのは自分ですし。
アサリは明るいと活動が悪くなるので、明かりを落とし、水が飛び散らないようにカバーをかけ、放置。
最初は1時間ぐらいで水を替え、寝る前にまた水を替え、一晩放置。
ベーコン、たまねぎ、じゃがいもを切り、さて材料をバターで炒めようとしたところで……首をひねる。
確か、貝というか、アサリってあんまり火を通したら良くなかったのでは?
と、いうか……炒めてから水で煮込むから、アサリを早めに投入すると風味が抜けた上に硬くなる気がする。
箱の説明を確認……ふむ。
炒めて、水で煮込んで、ちょっと牛乳を入れてから、ルーを投入。
そうして最後に、アサリを投入。
……あぁ、この感じだとキャベツは彩りの役目が大きいのか。
どこかのグリーンピースみたいに。
ことことこと、と。
アサリに火が通ったところで、ひとまず味見。
美味しいのだが、イメージとは別のもの。
思い出補正なんだろう。
まあ、鍋一杯分作ったので、ことことことと、食事のたびに加熱を繰り返し、風味が抜けてくたくたになったアサリを口にする。
……給食の、クラムチャウダーだ。(目逸らし)
たぶん、アサリを多めに投入して風味を移せば……思い出と知識を納得させる一品になる気がします。
今度、シチューにアサリを投入して違いを比べてみようと思います。