気をつけたまえよ。
「最近、味付けもやしにハマっててな」
知人が楽しそうに話す。
愚痴や悲しい話はともかく、楽しそうに話す誰かを見るのが好きだ。
話の内容が自分の趣味と合致していたり、食べ物の話なら尚更好きだ。
人は私を食いしん坊と呼ぶ。
ほう、その味付けもやしを、どんな料理に使ってるんだ?
まあ、話せや。
そら、話せや。
「いや、そのままだよ。美味いんだ。酒のつまみにしたり、漬物がわりにしたり。1袋じゃ足りないから、まとめて買ってそれを……」
はい、テンションがやや下がりました。
恥ずかしながら、この時まで私は味付けもやしの存在を知ってはいましたが、食べたことがありませんでした。
まあ、食わず嫌いというか、食べずにあれこれ想像するより、食べてから想像する方が楽しい。
なので、スーパーで見かけたものを、無作為にヒョイっと購入。
ふーん、調味液も合わせて100グラムチョイで、100円ちょいねえ。
実食。
ほう。
うん、確かに、美味いね。
私は辛いものが苦手なんですが、このピリ辛がご飯のお供って感じで。
ああ、これだけしっかり味がついてるなら、ナムルなんかにそのまま使えるっぽいなあ。
というか、むしろそういう目的なんじゃね?
ふん、ふん、まあ、知人の言う、ハマるって言葉もわかる。
お手軽に、ご飯に一品加えますって感じだし、酒のつまみにもいいだろう。
まあ、そのこと自体は問題ないし、何も言わない。
自分で作ろうぜ。
袋の成分表見れば、だいたい想像はつくし。
それに、だ。
自分で作れば、同じ金額で倍は食べられる。
いいか、世の中には2種類の人間がいる。
食品の半額セールを見て、『半額ですんだね』と思う人間と『同じ金額で2倍食べられるね』と思う人間の2種類だ。
さあ、作ろう。
美味いというなら、もっと食べたいだろう?
その過程で、自分好みの味付けを模索しようじゃないか。
この手の加工食品の、『アミノ酸』云々は、基本的にうま味調味料というか、ぶっちゃけだし汁だ。
なので、ダシ醤油でほぼ代用が利く。
ピリ辛は、まあ、唐辛子か。
旨みを加えるという意味で、ラー油がおすすめだ。
そして、香り付けに多用されるのが、ごま油。
じゃあ、シンプルに……もやしのひげ根とか処理するのが面倒だし、試作だからそのままどーん。
久しぶりの、適当クッキング!
洗って、茹でて……まあ、最初だから試しに塩も入れずにやりますか。
茹でたもやしをタッパに入れて、ダシ醤油、ラー油、ごま油……ふむ、ゆで汁も混ぜてみるか。
あの感じだと、ラー油が多めなんだろう。
ダシ醤油だと、醤油の風味が勝つから、ダシと塩が最適解かも……ダシ醤油少なめで。
粗熱をとってから、冷蔵庫で冷やす。
この過程で、だいたい味がなじむ。
まあ、早くて2~3時間、夜に仕込んで次の朝ってのが一番いいんじゃねえの。
で、次の日にそのまま食べきる感じで。
さて、試作はどんな感じかなと。
ほぼそのまんまだよ、チクショウ!
予想通りで、意外性も苦労もないわ!
私なりの改良レシピ。
モヤシは、ダシ粉末を薄めに溶かしたダシ汁で茹でます。
茹でる前にもやしの下処理をするかどうかは、手間と好みを天秤にかけてください。
茹でたもやしをタッパに詰めて……以降の手間は同じ。
ダシ醤油とゆで汁(ダシ)、ラー油、ごま油の配分はお好みで。
量にもよりますが、もやし200グラムにラー油は2、3滴、ごま油は小さじ1杯未満から試したほうが良いかと。
あと、漬け込む時に、鰹節や干し椎茸を入れたりすると風味が変わりますし、ハムや春雨を一緒に漬け込むと、そのままサラダにもなります。
色々と、自分の好みを追求する楽しみは、みなさん自身のものです。
モヤシの値段にもよりますが、同じ金額で2倍は食べられます。
ちなみに私は、良いもやしを使って楽しみますが。
どのぐらい保つかは不明ですが、2日ぐらいでやめといたほうが無難でしょう。
基本は食べ切りで。
なお、漬け込んだダシ汁の再利用はできません。
私は、即日にそれを使って炊き込みご飯に利用したりしますが。
今日はひとまず、これでお別れだ。
みなさんの偉大な食卓に!