Fate/GrandOrder Mistake Gift   作:人類悪出入

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連続でカキコ。

誤字脱文などのご指摘、お待ちしております。



9話目

「あ、天野さん!良かった、無事だったんですね…!」

「マシュ。そっちこそ、間に合ってよかった。怪我はないか?」

「はい!危ない所だったのですが、助けていただいて何とか。本当にありがとうございます。そちらのキャスターさんも…!」

「おう、お疲れさん。この程度貸しにもならねえ。それよりも本当に身体大丈夫なのか?アサシンの野郎にケツの当たりしつこく狙われてただろーーー」

「おっと、身体が滑った」

 

疲れからだろうか、運悪くキャスターとマシュの間を遮るようにこけてしまった。すまん。でもセクハラ、駄目絶対。

 

「ちぇっ、マスターめ、こんぐらい目え瞑っとけっつの」

「?」

 

マシュはニコニコと首を傾げている。危機は去った。

 

「しっかし、何のクラスだか全く分からねえが、その頑丈さはセイバーか?いや、剣は持ってねえけどよ」

 

三人で話をしていると、後ろでオルガマリーと主人公がひそひそと話をしているのが聞こえてくる。

 

「ねえ…立花、あれどう思う…?」

「恐ろしく早いセクハラ攻防戦、私じゃなきゃ見逃してたね。そしてあのキャスターはまごう事無きセクハラオヤジだ、うん」

『とりあえず、事情を聴いてみよう。っと、その前に…天野君、無事で何よりだよ』

「ドクター。ああ、まあ何とかな。目覚ますと一人でサバイバル開始とか、何の冗談とか思ったけど」

『本当に無事で良かったよ。多分疲れているだろうけれど、そちらのキャスターのサーヴァントの事もある、色々と聞かせてほしい』

「分かった。話すけど、いいよな、キャスター?」

「ああ、良いぜ」

 

その後各自で情報交換をした。どうやら向こうは史実通り事が進んでいたようだ。

 

 

 

「七騎のサーヴァントによるサバイバル…それがこの街で起きた聖杯戦争のルールだったわね」

「キャスターさんはその中で勝ち残った…いえ、生き残ったサーヴァントという訳ですね」

「ああ。そしてセイバーに倒されたサーヴァントは、さっきの二人よろしく真っ黒い泥に汚染された。連中はボウフラみてえに湧いてきた怪物どもと何かを探しているらしい…そして、その探し物の中にはどうやら俺も含まれている、ってこったな」

「聖杯戦争を終わらせるため、ってことね」

 

オルガマリーが一人頷く。

 

『では、逆に貴方がセイバーを倒せば、聖杯戦争は終わる、という事ですね?』

「おう、それで間違いはねえ。この状況が元に戻るかどうかまでは分からねえがな」

「なんだ、私達を助けてくれたけど、結局は自分の為だったのね」

「その通りだが、悪い話じゃねえだろ。何しろ、やつらは無尽蔵に湧いてきやがるんでな」

 

そういってキャスニキが指さす場所に目を向けると、がしゃがしゃと音を立ててこちらに向かって来ているスケルトンの集団がいた。

 

「ひぃっ!?」

「早い所移動した方がいいな。まあなんだ、お互い利害の一致はしてんだ」

「うん、そうだね。私もキャスターと、天野君…でいいのかな?が味方になってくれるなら、こちらからお願いしたいくらい」

 

そういって、主人公が嬉しそうにうなずいてくる。

 

「あ、ああ。そうか。ちなみに俺は天野空太だ。君は?」

「私は藤丸立花!同じマスター同士、仲良くしようね!あ、空太って呼んでいい?」

「まあいいけどさ」

「ふぉーう!」

 

随分と距離感近いのね立花さん。手握ってぶんぶんしないでもらえますか、肩が痛いのですが。

 

それとフォウもやっぱりついてきていたのね。相変わらず俺とは距離を取っているようだけど。

 

「先輩…!天野さんがどう見ても痛がっています…」

「え、あ、ごめん」

 

まあ、何はともあれ共闘関係はこれで成った。

 

「決まりだな。となれば後は目的の確認だ。マスターにはもう話したが、あんたらが捜しているのは間違いなく大聖杯だ」

『大聖杯…?聞いたことがないけど、それは?』

「この土地の本当の心臓だ。特異点とやらがあるとしたらそこ以外ありえない…だがまあ、大聖杯にはセイバーの野郎が居座っている。奴に汚染された残りのサーヴァントもな」

「残っているのはバーサーカーとアーチャーね。どうなの、その二体は。強いの?」

「アーチャーの野郎は、まあ俺がいれば何とかなるだろ。問題はバーサーカーだな。あれはセイバーでも手を焼く化け物だ。近寄らなけりゃ襲ってこねえから無視するのも手だな」

 

大聖杯を支配するセイバーをもってしても手を焼くバーサーカー。無茶苦茶だ。

 

『…状況は分かりました。我々はMr.キャスターと共に大聖杯を目指します』

「ミスターはいらねえよ。道筋は教える。何時突入するかはマスター達次第だ。よろしくな、坊主、お嬢ちゃん」

『助かります。では探索を再開しましょうか。よろしく頼むよ、空太君、立花ちゃん』

「はいっ」

「分かりました」

 

俺と藤丸立花が返事をする端で、マシュが少し落ち込んだ様子で目を伏せているのが見えた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「はあ?宝具が使えない?」

 

マシュが悩みを打ち明けたのは、あれから数時間経ち、ビルに避難して休息をとっていた時の事だった。

 

「はい…自分から申告するのは情けないのですが…私は自分で宝具を使う事が出来ない、欠陥サーヴァントのようなのです…」

 

落ち込んだ様子のマシュに、立花が何とか慰めようと頭を撫でる。そんな様子を見てキャスターがため息を吐き出した。

 

「よしっ、お嬢ちゃん。それならやることは一つだけだ。外に出て特訓しようや」

「へっ?特訓…?」

「ああ、そもそもサーヴァントと英霊は同一のもの。サーヴァントとして戦えてるんなら、同時に宝具も使えてないと可笑しいんだ。要はお嬢ちゃんは詰まってんのさ。なんつーの、やる気?弾け具合?大きな声上げる練習してねえだけなのさ」

「そうなのですか!?そーなーんーでーすーかー!?」

「うるさいわよ、マシュ!」

「違う、そうじゃない」

 

立花がマシュの肩に手を置いて落ち着かせた。

 

「今のは物の例えだ。とにかく一旦特訓だ。何、すぐ終わる。それとマスター、お前さんも準備しな」

「ふぇ?俺?」

 

半日ぶりの食事にレーションを頬張っていた俺が名指しで呼ばれる。首を傾げてキャスターを見ると、キャスターはにやりと笑みを作った。

 

「ついでにお前も特訓してやるって話だ。坊主はマスターとして若干突貫しすぎだからな。サーヴァントと同じ土俵に立つその気概は結構俺も嫌いじゃねえが、そんな事してるといつか死ぬぜ。お前は少しはサーヴァントを扱えるようになっとけ。立花の方がその辺きちんとできてるぜ?」

「え”」

 

突貫しすぎ…?マスターなら普通なんじゃなかったのか…!?実際に正義の味方志してる赤髪の少年とか、最終的に英雄王と一騎打ちしてた気がするんだが。

 

「んじゃ行くか。殺す気で行くから、きちんと受けきれよ、お嬢ちゃん?」

 

キャスターのスパルタ特訓教室が、今始まる。

 

 

 

結果から言うと、マシュはちゃんと宝具を出せるようになった。キャスターの宝具を真っ向から打ち消したのだ。嬉しそうに俺と立花に報告して笑顔を咲かせていた。キャスターもその姿を見て手をワキワキさせていた。絶対に阻止しなければ。

 

それで、俺はというとだ。

 

「あー…マスター、さっきはああいったが、マスターにサーヴァントを扱わせる方向は諦めるわ。自分を強化してサーヴァントと一緒に突貫した方があってるっぽいしな。もう少し時間あるし、戦いのイロハくらいは叩き込んでやるよ」

 

と補講を受けさせられた。そんなに頼りなかったのだろうか、俺の指揮は。

 

若干しょんぼりしながら、俺は槍の様に杖を構えたキャスターの攻撃を避け続けたのだった。

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