Fate/GrandOrder Mistake Gift   作:人類悪出入

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1話目

「簡易召喚をやってみたい、だって?」

「はい、お願いします」

 

僕はロマ二・アーキマン。人呼んでDr.ロマン。ここカルデアで医療関係のトップなんて柄でもないものを張っている、ただのドルオタだ。

 

そんな僕が仕事終わりにデスクでコーヒーを啜っていると、今目の前で頭を下げている彼ーーー天野空太君がやってきた。

 

天野空太。僕は彼の情報を頭の中で整理して思い出す。彼は数少ない一般人の中から選出されたマスター候補で、戦闘訓練の成績が平均より少し上な事以外は全て平均的。むしろ今まで魔術を触ったことのない一般人だ。魔術に関しては人よりも数歩遅れている状態にある。

 

見た目的にも性格的にも、特に特筆すべき点のない、本当にただの一般人、という感じだ。マスター適性がなければ、恐らくカルデアとは一切の関係もなかっただろう。

 

そんな彼だが、時々ものすごく思いつめた顔をする時がある。

 

天野君もまだまだ若い。人理修復なんて大任、彼にとっては重荷だろう…いや、大人でも大任なのだから、それ以上か。

 

そんな彼が、僕に向かってそんなことを言い出した。なんでも簡易召喚ーーーサーバントは決して召喚されず、出てくるのはサーヴァントゆかりの概念礼装だけーーーをしたいのだという。

 

「お願いします!」

「いや、ちょ、ちょっと待ってくれ」

 

僕は頭を下げてくる彼の肩に手を置いて、それを止めた。

 

「僕は医療トップだ。そういうこと(召喚)は所長かレフ教授の管轄だろうし、そもそも何故僕にそんなことを?」

「それは…」

 

彼は言葉を止めた。言いたくないことなのだろう。僕は黙りこくってしまった彼に目を向けて、そしてついに降参した。

 

「わかった。言いたくないことは言わなくて良いよ…えっと…だけど、なんで召喚を?簡易召喚はまだ開発段階で、概念礼装しか出てこないし、そもそも成功率だって…」

「いや、それでもいいです」

「うーん…」

 

僕は彼の真意をはかろうとする。だけど、彼の人畜無害そうな見た目からは一切真意が測れない。

 

天野君はまだ若い。あまり武器を持たせるような真似はしたくないんだけどなぁ…。

 

「…分かった。取り敢えず所長に相談してみるよ」

 

そう言ったその時、天野君の目が急変した。

 

「それはダメだ…いや、辞めてください、ドクター!」

「え、ちょ、な、なんでだい?」

「お願いします、ドクター…!」

 

う、うーん…怪しい。怪しい、けど。

 

良からぬことを考えているような顔には見えないしなぁ。

 

「はー…分かった、分かったよ。僕の権限で一回だけ簡易召喚をさせよう。だけどこれっきりにしてほしい…僕は所長に怒られたくないんだよ」

 

バレたらどうなるか、あまり考えたくもなかった。

 

それにしても、天野空太君。彼は一体何を考えているのだろうか。あまり疑いたくはないけれど、少し様子を見たほうが良さそうだ。

 

 

★★

 

 

ねんがんの 概念礼装を てにいれたぞ!

 

はい、というわけで俺だ。天野空太だ。

 

今日ちょうどDr.ロマンが休憩していたので、フレポガチャを一回回させてもらった。

 

俺は魔術がちょっと使えるだけでその他はただの一般人だ。早めのうちに自衛手段を手に入れたい事もあり、ドクターに無理言って召喚させてもらった訳である。

 

途中でドクターが所長やレフ教授に相談するだとかなんとか言い出した時は凄い焦った。レフ教授はあまり刺激したくないし、所長は絶対にレフに漏らす。だからこそドクターにお願いしたのだから。

 

お陰で一回分しか回させてくれなかったのだが、結果は上々だった。

 

俺が引いたのは星3礼装のアゾット剣。魔術儀礼用の杖のようなものらしい。確か師が弟子に送るプレゼントとして良く渡されるんだったか。あまり詳しいことはわからない。

 

儀式用でそもそもの使用用途が杖なので武器としての性能はそこまで高くないが、まあ刃が引いてあるのだからないよりはマシだろう。

 

それにドクターが言うには、アゾット剣は魔力を込めることができる為、それを解放した際かなりのダメージを与えることができるのだと言う。

 

しかも概念礼装なので、取り出したい時は念じるだけで手のひらに出てくる。収納も同じく。便利すぎてヤバイ。

 

召喚した際、ちょうどダヴィンチちゃんがそこに出くわして、何やら面白そうな顔でアゾット剣持ってって、そして数時間後に俺に渡してきたけど、変な細工してないよね…?

 

これからは毎日素振りの練習だな。明日からの訓練にも短剣の扱い方とか組み込んでもらおう。

 

俺は意気揚々とマイルームへと帰っていったのだった。

 

 

 

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