Fate/GrandOrder Mistake Gift   作:人類悪出入

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やっと8話目行った…これちゃんと続けれるだろうか…。


8話目

「よし、んじゃとっとと移動するか」

「はい」

 

俺とクーフーリン…だとランサーとかオルタとかで混同しそうだから、キャスニキと呼ぶことにしようーーは敵を倒し終わると、すぐにその場から離れた。

 

廃ビルの中に入って、とりあえず俺たちはそこに隠れることにした。

 

「ふー、ここまで来れば大丈夫…っ…きついなぁ…」

「そりゃ当たり前だぜ。あんだけ見境なく暴れてりゃ普通の人間だったら死んでてもおかしくねえ。むしろ俺が手えだすまでよく生き残ったぜ」

「見てたんですね。何時から?」

「お前がスケルトン一体と接敵した時から」

「ほぼ最初からじゃないですか…」

 

俺は魔術礼装でなけなしの魔力を使って自分の身体を回復しながら、キャスニキを微妙な目で見た。もう少し早く助けてくれてもよかったんじゃないですかね。

 

「まあなんだ。助かったんだからいいじゃねえか。それとさっきも言ったが、そういう他人行儀なのは嫌いなんだ。もう少し砕けてくれや」

「はあ。…分かったよ。キャスター…でいいんだよな?」

「ああ。そういうあんたは漂流者か。一体どこから来たかは知らねえが、こんな場所に一人で坊主のような初心者がうろちょろしてるたぁ、随分と大胆じゃねえか。自殺願望でもあんのか?」

「ねえよ。むしろ死にたくなくて死に物狂いで戦ってたわ」

 

折角カルデアまできて人類滅亡から逃れたというのに、旅が始まった瞬間に死ぬとかあまりにも惨めすぎるだろう。

 

「それに…今はまずもう一人のマスターと合流しなきゃだしな…」

 

マスター…名前は知らない。それとマシュだ。オルガマリーももう合流している筈。俺とクーフーリンが出会っているのだから、もう従来の歴史とはかけ離れているに違いない。心配だ。早く合流する必要がある。

 

という理由もあるが、味方は多い方がいい。俺も死にたくないわけだし。

 

「ほお。マスターは二人いんのか。そりゃいい。味方は大いに越したことはねえ…なあ、ところでそろそろ互いに自己紹介と行こうや。あんたが一体どこから来たのか、どういう目的なのか、とかな」

 

キャスニキのセリフに俺は一つ頷いて、まずはカルデアの目的から説明し始めたのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「なるほどね。じゃあそちらさんの目的と俺の目的は見事合致するってこった」

「キャスターの目的はこの聖杯戦争の幕引き…そのためには、特異点の中心である大聖杯…それを守っているセイバーを倒す必要がある、と」

 

ああ、とキャスニキは一つうなずいて、にかっとさっぱりした笑顔を浮かべた。

 

「そうと決まれば共闘と行こうや。とりあえずあんたをマスターとして仮契約させてもらうぜ。サーヴァントはマスターがいねえと十全な性能は出せねえからよ」

「利害の一致ってやつだろ?ああ、俺も賛成だ。って言っても、俺なんかがマスターで良いのかって話はあるんだけどな…」

「何、少なくとも以前のマスターよりは十分マシだろ。それにはじめに言ったが、俺は骨のあるガキは嫌いじゃねえ。ま、何だ。とりあえず今はそのもう一人のマスターとやらを探しに移動しようぜ」

「そうだな。なあ、所で仮契約ってどうするんだ?」

「ああ?あー…こう、魔力を交わしてだな…」

 

キャスニキの言うとおりにすると、俺の右手の甲に熱い感覚が。見てみると令呪が無事に刻まれており、何かと繋がったような感覚がする。無事に仮契約はできたようだ。

 

「よし、いつまでもいたら匂いで近寄ってきやがるからな。行くか」

「ああ…魔力も十分に回復できたし。どっちの方向に行こうか…」

「向こうの方角だな。さっきから戦闘の音が聞こえる」

「えっ、まじ?」

 

俺は耳を澄ます。だが何も聞こえない。聞こえるのは轟轟と燃える街の崩れる音か、かすかに聞こえてくる骸骨が動く音だけだ。

 

「聞こえねえ…」

「何バカやってんだ。ほら行くぞ」

「ってぇ、尻叩くなよ…」

 

俺は慌ててキャスニキの後ろについていった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

敵に当たらないように動くが、それでも無尽蔵に湧いてくるゴキブリのようなスケルトンだ。何度か戦闘を交わしながらキャスニキの言った方角へと進んでいく。

 

すると、俺の耳にもやっと戦闘音が聞こえる距離までやってきた。固いもので固いものを全力でぶっ叩いているような、そんな音だ。

 

「ちっ、この音はアサシンと…後ランサーか。もう片方は大分押されてやがるな。急ぐぞ、マスター!」

「ああ、分かってる…よっ!」

 

俺はスケルトンの首を跳ね飛ばしながら、音の発生源まで進む。

 

「…いた!」

 

ビルを曲がると、そこでデミサーヴァント化したマシュが、二体の黒化したサーヴァント相手に苦戦している姿が見えた。

 

「キャスター!」

「おう!行くぜマスター!」

 

俺は瞬間強化をかけて全力で駆け出す。

 

「アンサズ!」

『何っ!?』

 

今まさに切りかかろうとしていたランサーをキャスターが燃やして弾き飛ばす。俺は油断して隙がありすぎなアサシンにそのままの速度で切りかかった。

 

「天野さん!?」

 

マシュの驚いた声が聞こえるーーーと同時に、俺の刃を身体ごと翻って避けたアサシンが、カウンター気味に斬撃を飛ばしてくる。それを俺は紙一重で躱して、マシュと黒化サーヴァントの間に身体を滑り込ませた。

 

「突貫しすぎだマスター!サーヴァント相手に切りかかるとか死ぬ気か!?」

「ご、ごめん」

 

キャスターも同じく降り立って、そして俺に叱責を飛ばす。骨と一緒で行けると思ったんだが…あの一合だけで俺は完全に理解した。あいつら絶対に相手にならない。逆に今の一撃を良く避けれたと俺は俺自身を褒めてやりたいレベルだ。

 

「マスター、天野空太!ただいま合流しました」

「天野…貴方、生きて…!」

 

後ろからオルガマリーの声が聞こえる。

 

間に合ってよかった。流石のマシュも初戦闘でサーヴァント二体を相手にしては数分も持つまい。ぎりぎりだった。

 

「クッ…何者ダ貴様…!?」

「何者って、見りゃわかんだろご同輩。なんだ、泥に汚されて目ん玉まで腐ったか?」

「キャスター…何故漂流者ノ肩ヲ持ツ!?」

「はっ、テメエらよりマシだからに決まってんだろ。それとまああれだ、可愛い嬢ちゃん放っとけるほど男廃っちゃいないんでね。そら構えな、そこのお嬢ちゃん。腕前じゃああんたは奴に負けてねえ。気張れば番狂わせもあるかもだ」

「は、はい!頑張ります…!」

 

マシュが返事をするのを、「良い返事だ」とにかっと笑ったキャスニキは、杖を構える。

 

「んじゃ行くとするかマスター。そっちがお嬢ちゃんのマスターかい?いきなり共闘ってなぁ難しいかもしれねえが、ウチのマスターは向こう見ずな嫌いがあってね。何とか手綱握ってくれると助かる」

「おいキャスター」

「わ、分かった!」

 

軽口をたたきつつ、俺もアゾット剣を一応構える。

 

今、サーヴァント同士の戦いが幕を開けた。

 

 

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