バディファイト! ~フューチャーヒーローズ~   作:雪咲

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 こんばんは、雪咲です。

 初期の頃より、カードの作り方が掴めてきたので《百竜姫 シラユキヒメ》のスペックを調整しなおしました。

《百竜姫 シラユキヒメ》
 モンスター
 サイズ3/攻撃力8000/打撃力2/防御力5000
 クラン:カタナW 属性:ドラゴン/鬼姫/百鬼
 【コールコスト】君の場の[鬼姫]か[百鬼]のモンスター1枚の上に重ねて、ゲージ3を払う。
 君の場のサイズ2以下の[鬼姫]と百鬼全てののサイズを1減らす。
 【対抗】【起動】“百竜復活の舞”君の手札1枚をデッキの1番下に置く。置いたら、君のドロップゾーンにあるサイズ2以下の[鬼姫]か[百鬼]1枚までを【コールコスト】を払ってコールする。“百竜復活の舞”は1ターンに1回だけ使える。
 【2回攻撃】【ソウルガード】
 『たとえ百花がどの様な姿となっても、私は貴女の傍に居ましょう』
 『剣ヶ峰に住まう愛しい君。あの日、違えてしまった約束。……百花には私と同じ思いを抱いて欲しくはないのです』

 今回の勝負は千歳百花と千歳盾の兄妹対決です。楽しんで頂ければと。


第10話「海松色のドラゴンフォース」その1

 ~side百花~

 

「モモ、どうしたんだ? そんな所で。……ああ、ファイトしたんだな。不動と」

 

 ベンチで手拭いを顔にかけて休んでいた私に、お兄様が声を掛けてきた。

 

「……負けちゃった。あの時は勝てたのに、本当はあんなに強かったなんて」

 

 あの日、荒玉の残滓に取り憑かれた私を一人で止めようとしたプロファイター。強敵ファイターとして参加していた不動名人と再会した私は彼女にファイトを挑んだ。……そして、手も足も出なかった。

 

「不動は盤外戦術の達人だ、その様子だと洗礼を受けたみたいだな」

 

「ファイト中、呼吸するのも辛かった。私のターンなのに、何度も息が詰まって、意識が途切れそうになった。……にぃ、あれもプロなんだね」

 

 取り繕う体力も無い私の頭に、お兄様の手のひらが触れる。頭を撫でられている事に気づくのに時間がかかった。9歳も年上なのと男の人だからか、私の手よりも大きくて何だか安心できる。

 

「不動程勝利に執着している奴は中々居ないよ。だけど、プロを目指すなら彼女は必ず越えなければならない壁だ。……あの時のモモには理解できなくてもな」

 

 ああ、そういえば、あの時の私にはそのような小細工は通じなかった。彼女の泥臭いほどの執念を、私は踏みにじったんだ。

 

「まあ、あの時の事は不動も理解しているはずだ。だけど、不動を苛立たせたのは思ったよりもモモが弱かったからだろうな」

 

「にぃ。休んだら、また甘えてもいい? ……また、ファイトして」

 

「まずは調子が戻るまでしっかりと休め。……それに、今の俺は強敵ファイターだ。いつも以上に本気でファイトする。いいな?」

 

「……うん」

 

 そう小さく応えて、私はお兄様の肩を借りた。

 

 

 

 

 

 

「もう大丈夫みたいだな」

 

「ええ、お兄様。しっかりと休ませていただきましたわ」

 

「……無理にキャラ作らなくてもいいぞ」

 

「……取り繕う体力が無かったとはいえ、先程の事は恥ずかしいの。察して」

 

「お、おう」

 

「それでは早速ファイト――」

 

 デバイスを構えて、ファイトを始めようとする私達に誰かが近づいてくる。……って。

 

「結ちゃん!?」

 

「百花ちゃん! ……応援に来ちゃった。ガンバレ!」

 

 結ちゃんが私に手を振って応援してくれる。……大好きな人達を前に、無様な所は見せられないわね。

 

「彼女は、新代結ちゃんだね。モモもいい友達ができたんだね」

 

「ええ、だからお兄様にだって負けられない! チームの為に、お兄様に勝つわ!」

 

「ああ、楽しいファイトにしよう! モモ!」

 

 私の宣言に、お兄様が小さく笑う。こんな笑い方をしたお兄様を見たことが無い。きっと、今のがバディファイターとしてのお兄様……。

 

「綿々と続く、嘆きと悲しみ……思いの篝火! ルミナイズ、《鬼姫真蛇伝説》!」

 

「栄光をこの手に、我が征くは輝ける正道! ルミナイズ、《ナイツ・オブ・オース》」

 

 

 

「「オープン・ザ・フラッグ!」」

 

 

 

「カタナワールド! バディは《百竜姫 シラユキヒメ》よ」

 

「レジェンドワールド! バディは《聖王凱 ウィガール》!」

 

 私の隣に白装束を纏うユキが現れる。……今回もお願いするわね、ユキ。

 

「あれ? ジュンさんのバディは?」

 

 キョロキョロと、結ちゃんは辺りを見回すけれど、お兄様のバディは見当たらない。

 

「それは、問題ないわ。八剣君とファイトしたことある結ちゃんなら、お兄様のバディは分かるはず」

 

「……あ」

 

 私がヒントを出すと、結ちゃんは気が付いたみたいでポンと手を叩いた。……でも、お兄様のバディは、八剣君のバディよりも厄介だから……全力を出される前に勝つ。

 

「私の先行、チャージ&ドロー! ライトに《祀られる待ち人 ハシヒメ》を、ライトに《打ち鳴る響き キヌタヒメ》をコール。装備、《真蛇の面》」

 

 私の頭に真っ白な面が取り付けられる。

 

「《真蛇の面》。たしか攻撃力も打撃力も持たないアイテムだけど、相手が自分の場の[鬼姫]を破壊すると発生する“爆雷”を持つアイテム……だったよね」

 

「そうよ、そして《祀られる待ち人 ハシヒメ》は私が攻撃を受けた時に感知する“爆雷”を持つわ」

 

「モモの“爆雷”戦術……カタナワールドのデッキでも健在なんだよな」

 

「そして“打ち鳴る響き キヌタヒメ”の能力で、ハシヒメをレストして1枚ドロー。《忍び巻物》を設置ゲージ1を払い、手札1枚をソウルに入れて1枚ドロー。アタックフェイズ、キヌタヒメでお兄様を攻撃!」

(G3→2 手札2→3)

 

「それはライフだな」

(L10→9)

 

「ムーブエンドよ」

 

百花(カタナW)

手札3/ゲージ2/ライフ10

 

盾(レジェンドW)

手札6/ゲージ2/ライフ9

 

「俺のターン、ドロー。チャージ&ドロー! 《大魔術師 マーリン》をレフトにコール。その“夢魔の血”の力で手札の[英雄]と引き換えに、デッキの上から5枚より、[英雄]のアイテムか魔法を呼び起こす。俺が手札に加えるのは《聖王凱 ウィガール》と《王剣 セクエンス》だ。そして、今加えた《王剣 セクエンス》を装備、ゲージ2を払ってバディ装備、《聖王凱 ウィガール》!」

(G3→2→0 L9→10)

 

『イエス、マイマスター!』

 

 お兄様が身に着けたのはかの騎士王が身に着けていたと云われる輝ける純白の鎧と、騎士王が持つと云われる王剣の一振り。……エクスカリバーと比較されることもしばしばあるけど、あの王剣も相当の代物だわ。

 

「え? 今度はアイテムを2つ装備してる!」

 

「鎧を装備しているのに、武器を持てない道理は無いさ。《聖王凱 ウィガール》はこのカードとは別に「王剣」のアイテム一つを装備することができる。更に装備した《王剣 セクエンス》の能力、手札の《戦乙女 全知のアルヴィドル》を捨てて、モモの《祀られる待ち人 ハシヒメ》を破壊」

 

 戦乙女の力を糧に振るわれる王の剣はハシヒメを袈裟切にし、破壊する。

 

「でも、お兄様が私の[鬼姫]のモンスターを破壊した事で、私の《真蛇の面》の“爆雷”が起動、ダメージ1よ。さあ、私に構わなかった報いを受けなさい!」

 

 私の体から炎が噴出し、お兄様を絡めとる。……たったの1ダメージだけれど、《真蛇の面》で増幅されている私の力は現実にも影響を及ぼしてしまう。……かなり無理をすればセーブする事は可能なんだけど、諸事情からお兄様と戦う時だけは我慢しなくていいと言われているし、私はお兄様に甘えている(・・・・・)から。

 

 結ちゃんを目を向けると、多少眉が動いたくらいで異変に気が付いた様子はない。まったく、鈍感なんだから。

 

「っ! ……だけど、手札から捨てたアルヴィドルの能力でゲージ+1と1枚ドローだ。《難攻不落の剣壁》と《幻想の書 マビノギオン》を【設置】、剣壁でマーリンをドロップして1枚引く」

(手4→5→3→4 G0→1→0 L10→9)

 

「マビノギオンも手札補充能力を持っているから、中々手札が減らないわね」

 

「レフトに《円卓の騎士 ガレス》、ライトに《円卓の騎士 ガヘリス》をコール。アタックフェイズ! まずは俺のセクエンスでキヌタヒメに攻撃」

 

「それに【対抗】は無いわ。そして《真蛇の面》の“爆雷”!」

 

 再び炎がお兄様の元へ向かう。

 

「くっ! だが今度はガレスとガヘリス、そして俺のウィガールでモモに連携攻撃! ガヘリスの効果で[英雄]と連携攻撃したらゲージ+1、ライフ+1。更に、円卓の騎士と連携攻撃しているなら1枚ドロー! そしてマビノギオンの能力でもう1枚ドロー!」

(手2→4 G0→1 L9→8→9)

 

「ライフで受けるわ。っきゃぁああああ!」

(L10→6)

 

 ガレスとガヘリスの連携攻撃、そして後方からのウィガールの攻撃で4点ものダメージを受けてしまった。……でも、この痛みがあればこそ、あのカードが使えるのだから。

 

「これで俺はムーブエンドだ。さあモモ、お前の全力を見せてみろ!」

 

百花(カタナW)

手札4/ゲージ2/ライフ5

 

盾(レジェンドW)

手札4/ゲージ1/ライフ9

 

「私のターン、ドロー。チャージ&ドロー! ライトに《小さな埋火 キヨヒメ》を、センターに《打ち鳴る響き キヌタヒメ》をコール。キヌタヒメの能力でキヨヒメをレストして1枚ドロー。キヨヒメは能力でレストされた時、一度だけスタンドするわ。さあ真打の登場よ、喝采を以って迎えなさい! ゲージ3とキヌタヒメを贄にセンターにバディコール!」

(手5→3→4→3 G3→0 L5→6)

 

「来るか、ユキ!」

 

「おいでませ、幾多の竜に愛されし姫君。《百竜姫 シラユキヒメ》!」

 

『さあ、共に参りましょう。百花』

 

「《忍び巻物》のソウルからキャスト、《鏡花水月》でゲージ+3。……結ちゃん、お願いがあるの」

(G0→3)

 

「なあに?」

 

 私がふいに結ちゃんに話しかけると彼女は私に何事かと聞き返して来た。正直、このカード(・・・・・)をお兄様の前以外で使うのは、結ちゃんであっても抵抗がある。だけど……、私はかつての私を越えなきゃいけない!

 

「できれば……、この姿を見ても怖がらないで欲しいの。ゲージ2を払い開放! “乞い焦がれて幾星霜、この身に宿るは鬼と蛇。この想いは、竜へと転ずる、力なり” ……《ドラゴンフォース “恋慕の型”》!」

(G3→1)

 

 身に纏うのは海松色の竜の力。それは、大自然の意思であり、古来の日本より根付く竜脈を汲み取る、心の現出。薄桃色の羽衣を羽織ったその姿は鬼か天女か分からないけれど、隠してあった頭の小さな突起物が角として現れてしまうのは恐ろしい。

 

 ――角を持ち、炎を操る。先祖の血を色濃く受け継ぐ私は、ヒトよりも鬼……真蛇に近い存在なのだから。




《真蛇の面》
 アイテム
 攻撃力0/打撃力0
 クラン:カタナワールド 属性:鬼姫/百鬼/武器
 “爆雷”君の場の[鬼姫]のモンスターが破壊された時、相手にダメージ1!
 “化生変化”このカードが場からドロップゾーンに置かれた時、君が〈解放条件!〉を持つアイテムを装備しているならカード1枚を引く。
 『真実を隠す鬼女の面。その裏に隠された表情は……』

《祀られる待ち人 ハシヒメ》
 モンスター
 サイズ1/攻撃力2000/打撃力1/防御力1000
 クラン:カタナW 属性:鬼姫/百鬼
 “爆雷”君が攻撃を受けたバトル終了時、このカードが場にあるなら相手にダメージ1!
 『構ってくれないと、妬んでやるんだから』

《打ち鳴る響き キヌタヒメ》
 モンスター
 サイズ0/攻撃力2000/打撃力1/防御力1000
 クラン:カタナW 属性:鬼姫
 【起動】君の場のサイズ1以上の[鬼姫]1枚をレストする。レストしたら、カード1枚を引く。この能力は1ターンに1回だけ使える。
 『遠くに行ってしまったあの人を想いながら砧を振るう……。鬼姫とは誰かを想い、果たされなかった少女達の願いから生まれたのだ』

《聖王凱 ウィガール》
 アイテム
 攻撃力0/打撃力1/防御力5000
 クラン:レジェンドW 属性:英雄/鎧
 このカードはバディにすることができる!
 【装備コスト】ゲージ2を払う。
 場のこのカードは破壊されず、君はカード名に「王剣」を含むアイテム1枚を装備できる。
 【対抗】【起動】“至高の輝き”ゲージ1を払う。払ったら、相手モンスター1枚までを選び、攻撃力0にする。“至高の輝き”は1ターンに1回だけ使える。
 『伝説の騎士王が身に着けたと伝えられる光の鎧。その輝きは、敵の攻撃を阻むといわれる』

 プロットから外れたので次回まで少し時間がかかります。それにしても、一度プロットを作るとそちらにエネルギーを使わないので、話の展開に集中できていいですね。
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