バディファイト! ~フューチャーヒーローズ~   作:雪咲

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 こんにちは、雪咲です。

 本日は番外編。かなり以前に皆さんに募集を掛けたカードが登場します。結構能力が変更されていたり、名前が若干変更されているカードもありますが、よろしければ楽しんで頂けると嬉しいです。あ、それとまだ神バディファイトではありませんが、新属性は登場していますが気にしないでください。

 あと、今回もあまり推敲できていないので、ファイトのミスがあれば指摘して頂ければ直ちに修正します。

 では、お楽しみください。


TEABREAK2「絆ヶ丘学園の七不思議?」

「「絆ヶ丘学園の七不思議?」」

 

「そう、七不思議。絆ヶ丘にもあるんだね」

 

 昼休みに百花ちゃんとリンちゃんの3人で話している時、私は満を持して二人に持ち掛けたのだ。

 

「まあ、あるでしょ。私の友達の間では聞いたことないけど。それにしても、結ちゃんが七不思議に興味あるのが意外だわ」

 

「そうだね~、気にしないと思ってたよ~?」

 

「だって、それは誰かが困っているって事でしょ? なら、解決しなくちゃ」

 

 誰かが被害を受けているというのなら、それは止めるべきことだ。悪い事は別にいいけど、誰かが悲しむのなら私は止めないと。

 

「そう来たか……。一般的な“噂”の存在意義とか分かっちゃいないわね、この子」

 

「あのね~、結ちゃん。噂って言うのは~、みんなで共有して楽しむ物なんだよ~。その“噂”の善悪に関わらずね~」

 

「でも、火の無い所に煙は立たないよ。その噂の元になった出来事はどこかにあるんじゃないかな? だから、百花ちゃん、リンちゃん。『教室の踊る文房具』解決の為に、私を手伝って!」

 

 私が二人にお願いすると、百花はため息を吐いて、リンちゃんはニコニコと笑顔のままで、それぞれ了承した。

 

「仕方ないわね。多分無駄骨だと思うけど、一緒に探してあげる」

 

「私も暇だからいいよぉ~」

 

「ありがとう! じゃあ、放課後宜しくね」

 

「……ポルターガイストだけど、幽霊とかの仕業では無いわね。そんな気配はしないし」

 

「そうね~、私もそんな気がするよ~?」

 

「さあ、解決するよ!」

 

 喜んでいる私は、二人の内緒話が聞こえていなかった。

 

 

 

 

 

 

「まあ、そう簡単に見つかるわけないよね」

 

 放課後、三人で小等部と中等部の校舎を回ってみた私達は、結局何も見つからずに私達の教室に戻ろうとしていた。

 

「正体が掴めないからこそ、七不思議として成り立ったのだもの。簡単に見つかったら噂にならないわ」

 

「それだけ“噂”に箔が付くからね~」

 

「とりあえず一度教室に戻って、それから帰ろうよ。荷物置いて来てるしね。……ん?」

 

 教室に近付くと、私は違和感を感じた。ぼんやりとしてうまくつかめないけれど、何か良くない様な感じ……?

 

「待って。……私達の教室にモンスターがいるわ。それも、イリーガルモンスターね」

 

 イリーガルモンスターとは、バディを持たずに単独でこちらの世界へとやって来たモンスター達の事。迷い込んでしまったものもいれば、自らの目的を果たそうとするもの、意味なく暴れるものなど様々だ。私のお母さんは何故かイリーガルモンスターに遭遇してしまう性質で、良く元の世界に叩き戻していた様な……?

 

「へ~。百花ちゃん、すごいね~」

 

「ねえ、二人とも。取り敢えず、教室に入ってみようと思うんだけど……どうかな?」

 

「危険だわ。……でも、七不思議の原因かもしれないし。バディポリスを呼ぶまで、家に帰れなくなるし、仕方ないんじゃない?」

 

「私達のバディが守ってくれるよ~」

 

「うっ、ハルはまだ孵化していないんだけど。……その時は任せた」

 

 私とバディの契約を取り交わした《MD オリハルコン》だけど、まだモンスターとしては孵化していないのか、ファイト以外で呼び出そうとすると卵の状態で召喚されちゃう。ファイト中は言葉を交わせるから、意識はあるんだけど、まだまだ二人が羨ましい。

 

「じゃあ、開けるね」

 

 恐る恐る扉を開けると、そこでは教室の文房具たちが空中を踊りまわっていた。しかし、私達の存在に気が付くと、一斉にこちらに向かって襲い掛かって来た!

 

「ユキちゃん、お願い!」

 

『ええ、百花。水よ、壁となれ!』

 

「蒲公英ちゃん、宜しく~」

 

『風よ、リンちゃん達を守って!』

 

 百花ちゃんがコールしたシラユキヒメとリンちゃんがコールした幻想蒲公英が、それぞれ水と風を使って私達を守る。う~、私もクリスタに変身出来ればみんなを守れるのに、あの時、私はどうやって現実で【変身】したんだっけ?

 

「驚かせてしまってごめんね? でも、私達はあなたと争うつもりは無いよ。だから、攻撃はやめよ?」

 

 私が教室に向かって語り掛けると、文房具たちは中央の一か所に集まり、そこからうっすらと少女が姿を現した。彼女が、『教室の踊る文房具』の正体らしい。

 

「ダークネスドラゴンWのモンスターだったのね」

 

「薄くてよく見えない~」

 

「ねえ、あなたの名前は何?」

 

『私は……、《いたずら幽霊 クイックシルバー》。シルバって呼んでね……、今は食器が無いから、文房具を浮かせてたの……』

 

 ふわふわと浮かぶ薄い少女は自らの名をクイックシルバーと名乗った。どうしてこんな所に居たのか気になる。

 

「ねえ、何でここに来ちゃったの?」

 

『いつの間にか……、此処に来ちゃったの……。帰り方、分かんない……』

 

「迷い込んだパターンのイリーガルモンスターね、バディポリスに任せましょう」

 

「私もそれがいいと思うよ~」

 

「そうだね、でも……。ねえ、シルバちゃん。バディポリスを呼べば、あなたを元の世界に返せるよ。でも、来るまでに時間が掛かるから……、私とファイトしよう!」

 

「え!?」

 

「結ちゃんらしいね~」

 

「寂しそうにしているのは見てられない! 一緒に遊ぼうよ!」

 

 私が笑顔でシルバちゃんに提案すると、彼女の表情も少し明るくなった様な気がした。

 

『うん……、でも手加減しない……』

 

「決まりね!」

 

 私はステッキ型のコアガジェットを取り出し、シルバは四角い箱型のコアガジェットを取り出した。

 

「私達の思いは空を越え、何処までも飛んでいける! ルミナイズ、『空翔るマホウショウジョ』!」

 

『さあ……、私達の遊びに付き合って……。ダークルミナイズ、『モンスターハウスパニック』!』

 

「『バディファイト! オープン・ザ・フラッグ!」』

 

「ヒーローワールド! バディは《MD オリハルコン》!」

 

『ダークネスドラゴンワールド。バディは《遊ぶ食器 クイックシルバー》』

 

 シルバちゃんの隣にバディモンスターは出現しない。彼女自身がバディモンスター扱いだからね。

 

「結ちゃん、バディポリスは呼んだわ。それまで、シルバを引き付けて」

 

「結ちゃん、がんばれ~」

 

「私のターン、チャージ&ドロー! ゲージ1を払ってレフトに《宝石魔女 サファイア》を、ライトに《宝石魔女 エメラルダ》をコール! そして装備、《紅空魔装“黎明(レイメイ)”》!」

 

 私の身体光輝き、次の瞬間にはルビーの物とそっくりな衣装が身に着けられていた。

 

「あれは~、ルビーと同じ服だね~」

 

「結ちゃん、あなたそんなカード持ってたかしら?」

 

「ふっふっふ、新カードだよ! キャスト、《輝石達の共鳴》! ゲージ+1、ライフ+1、1枚ドロー! エメラルダの能力でゲージ+1、サファイアの能力で1ドロー。そして、“黎明”にはルビーの力が宿っている。シルバちゃんにダメージ1!」

(手2→4 G2→4 L10→11)

 

『……』

(L10→8)

 

 一気にアドバンテージを引き離せた。これで、優勢を保っていければいいけど……。

 

「アタックフェイズ、エメラルダでシルバちゃんに攻撃!」

 

『うぅ……』

 

「ムーブエンドだよ」

 

 

 新代結

 手札4/ゲージ4/ライフ11

 

 クイックシルバー

 手札6/ゲージ2/ライフ8

 

 

『私のターン、ドロー……。チャージ、&、ドロー……。装備、《騒霊布 ガイストハンズ》。レフトとセンターに《力持ちの幽霊 ガイストロング》……。ライトに私、《いたずら幽霊 クイックシルバー》をバディコール……』

(L8→9)

 

 現れたのは黒髪で、周りにスプーンやフォーク、ナイフを浮かせている女の子だ。

 

「ふぇ!? 攻撃力8000で打撃力2と、攻撃力10000で打撃力が1のモンスター!?」

 

「結ちゃん、そのモンスター……」

 

「バトルの結果に関わらず、バトルが終わったら破壊されるね~」

 

「ああ、そういう……。でも、打撃力2のモンスターが複数並んだ上に、他のモンスターがいるのはやばいね。それに、攻撃力が高いのは、ヒーローW的には怖いなぁ」

 

 ヒーローは、アイテム化したモンスターの防御力だよりな所があるし。

 

『デッキの上から2枚を捨ててゲージ1、《浮遊霊の住処 ガイス・ハウス》を設置。アタックフェイズ、クイックシルバーでサファイアにアタック……』

(G3→2)

 

「キャスト、《マジカル・シールド》! 【変身】していないから、ライフ+1だけ! でも、エメラルダとサファイアでゲージ+1と1枚ドローはあるよ!」

(手3→4 G4→3→4 L11→12)

 

『私は攻撃したらドロップに行く……。次はガイストロングであなたに攻撃……』

 

「あのカードが怖いから、ガードするのはちょっと……」

(L12→10)

 

『ガイストロングは破壊……、そして私の“戻って来ちゃった”が使える……。ライフ1を払ってコール』

(L9→8)

 

「へ?」

 

 地面からゆっくりとモンスターのクイックシルバーが帰ってくる。(シルバちゃんもモンスターだけど、カードの方だし)

 

『私でもう一度、サファイアに攻撃……。また、ドロップに行く……』

 

「サファイア……! ガイストロングはもう1枚あるからもう一回蘇る……。これは、条件達成しちゃうか」

 

「あ、あのカードね。2回以上の破壊で条件が達成される……」

 

『ガイストロングでエメラルダに攻撃……』

 

「…………。……ごめんね、エメラルダ」

 

 私はエメラルダに視線を向けると、覚悟を決めた様にエメラルダは頷いて、ガイストロングに破壊された。

 

『ライフ1で私が復活……。キャスト《闇の真理》、ライフ+1して2枚ドロー。私であなたに攻撃……』

(手1→3 L8→7→8)

 

「これもライフだよ!」

(L10→9)

 

『破壊された[浮遊]の枚数、ガイストハンズの打撃力は上がる……。打撃力2で攻撃……』

 

「それもライフ!」

(L9→7)

 

『ムーブエンド……。ガイス・ハウスの能力でセンターにガイストロングが復活……』

 

 

 新代結

 手札4/ゲージ4/ライフ7

 

 クイックシルバー

 手札3/ゲージ2/ライフ8

 

 

「私のターン、ドロー。チャージ&ドロー!」

 

 来てくれたね、私のバディ! ……でも、ちょっと待っててね?

 

「これが、私の新しい力! ゲージ2を払って【搭乗】――」

(G5→3)

 

「【搭乗】~?」

 

「【変身】じゃない、という事は《宝石魔女 クリスタ》じゃない!?」

 

「今こそ、魔法少女は空へ! 《“空白零式・極光”ユイ・ニイシロ》! これが私の新しい力!」

 

 私に空色のアーマーが装着され、その力で宙を舞う。

 

「レフトにもう一度《宝石魔女 サファイア》をコール! キャスト《その輝きを重ねて》で2枚ドロー! サファイアの能力でもう1枚!」

(手2→4→5 G3→1)

 

「これだけ見ると、結ちゃんのいつもの戦い方ね。でも……」

 

「今の私のソウルは0枚。つまり、【ウェポンリンク】が発動するよ! さあ、ルビーとサファイア、私に力を貸して! 《蒼穹魔装“澄清(チョウセイ)”》と《紅空魔装“黎明(レイメイ)”》を私に換装! レイメイの能力で《マジカル・シールド》を手札に回収! そしてチョウセイの能力でガイストハンズの能力を無効化!」

(手3→4)

 

『…………っ』

 

「ガイストハンズは【対抗】でドロップの[浮遊]を復活させるから~、センターのモンスターがいる時に撃つのはナイスだね~」

 

「ゲージ1を払い、ライトに《宝石魔女 ルビー“デュアル・クリムゾン”》をコールし、センターに《MD オリハルコン》をバディコール! アタックフェイズ!」

(G1→0 L7→8)

 

『ここ……。キャスト、《デモリッション・バイト》……!』

(G2→1 L8→7)

 

「……!?」

 

「あれは、ダークネスドラゴンワールドの強力な魔法! その能力は……」

 

「敵味方問わず、全てのモンスターの破壊だね~」

 

 荒れ狂う邪竜が全てを飲み込んでいく。ルビーもサファイアもオリハルコンもガイストロングも……。そして、フィールドにはクイックシルバーだけが残った。

 

『私は、どの様な破壊でも蘇る……』

(L7→6)

 

『クリスタ~。役に立てなくてごめんね』

 

「ハル、ごめん。ハルの力を活かせなかったよ。でも、私が残っている。私でクイックシルバーに攻撃!」

 

 半べそのハルを慰めながら紅の魔装でモンスターのクイックシルバーを焼き払う。

 

『ありがとう、私の分身……』

 

 私のレイメイから放たれた炎がクイックシルバーを倒し、【2回攻撃】がシルバに向けられる。

 

『ライフ……』

(L6→4)

 

「ファイナルフェイズ、《“空白零式・極光”ユイ・ニイシロ》の能力で《紅空魔装“黎明(レイメイ)”》をドロップして、デッキから《マジカル・スフィア》を加えるね。【パージ】は……今回はいいかな。ムーブエンド」

(手2→3 ユイ・ニイシロ:ソウル2→1)

 

 

 新代結

 手札3/ゲージ0/ライフ8

 

 クイックシルバー

 手札2/ゲージ1/ライフ4

 

 

『私のターン、ドロー……。チャージ&ドロー……。ゆいちゃん、だっけ……?』

 

「何? シルバちゃん」

 

『とっても楽しいよ……。できるなら、もっと、やりたいな……』

 

「私もだよ。もっともっと楽しもうよ!」

 

『うん……。センターに《動くぬいぐるみ マウチュー》をコール。キャスト、《デス・アストレイ》……』

(手札0→4 L4→3)

 

「うわー、あれはきついわね。手札消費が激しいデッキの手札がいきなり四枚に増えたわ」

 

「でもあのデッキはライフも使うから、過信は禁物だよね~」

 

「二人とも、ライフ回復手段あるの分かってて言ってるよね!?」

 

『キャスト、《騒霊達の食卓》……。《動くぬいぐるみ マウチュー》を破壊して、1枚ドローとライフ+3。ドライフ1を払って、“戻って来ちゃった”』

(手札3→4 L3→6→5)

 

 何度見たか分からない、何度目かのクイックシルバーの復活。本当に無限湧きの如くフィールドに戻ってくる。

 

『ゲージ1を払い、《井戸端の幽霊 サバコ》をレフトにコール……。キャスト、《カオティック・ペイン》でゲージ+3……アタックフェイズ。私の分身で結ちゃんに攻撃……』

(G1→4 L5→4)

 

「幾ら私の防御力が7000でも、攻撃力が10000もあったら通っちゃう……」

(L8→7)

 

『サバコで攻撃……。能力でゲージ1を払って、ガイストロングを復活……』

(G4→3)

 

「でもその攻撃は私の防御力7000の前には通らない!」

 

『次はガイストロング……』

 

「それは通せない。キャスト、《マジカル・スフィア》で攻撃のダメージを0にしてゲージ+1。澄清の能力で1枚引くよ。そして、魔法を使ったので、手札にある2枚目の《蒼穹魔装“澄清”》を換装! これでガイストハンズの能力は無効だね」

(手2→3→2 ユイ・ニイシロ:ソウル1→2)

 

『ガイストハンズの【対抗】――ゲージ2を払ってガイストロングを復活……』

(G3→1)

 

「……ガイストロングもシルバちゃん並みに復活しているよね?」

 

「でもこれで、クイックシルバー1回分の復活とガイストハンズの攻撃の二つを防いだわ!」

 

「でもガイストロングも増えちゃったね~」

 

『もう一度ガイストロング……。攻撃後、クイックシルバー復活……』

(L4→3)

 

「キャスト、《マジカル・シールド》! 攻撃を無効にしてライフ+1! まだ起動していない澄清の能力で1枚ドロー!」

(手札1→2 L7→8)

 

『クイックシルバーでもう一度……!』

 

「クイックシルバーは打撃力1! 防御魔法で防いでもあまり意味が無い、だったら……私の【パージ】でゲージ+1!」

(ユイ・ニイシロ:ソウル2→1 G0→1 L8→7)

 

『サバコで【2回攻撃】……。能力でゲージ1を払って、ガイストロングを復活……』

(G1→0)

 

「その攻撃は受けない!」

 

『ガイストロング……! 復活はしない……!』

 

「それはライフ!」

(L7→5)

 

『ムーブエンド……! ガイス・ハウスの能力で【コールコスト】を払わないで《子供の友達 イマジナリフレンズ》をコールして、そのままドロップ……ゲージ+2』

 

 

 新代結

 手札2/ゲージ1/ライフ5

 

 クイックシルバー

 手札2/ゲージ2/ライフ3

 

 

 危なかった……! 結構余裕あるように見えるかもしれないけど、何か奥の手使って来たら危なかったよ!? 残りのゲージの枚数的に確実に倒す算段有ったよね……!? サダコとイマジナリフレンズでゲージが増えるんだけど!? 手札に防御魔法無かったし! ……一応、私の能力でサーチがきくから、場合によっては助かったけど。

 

「私のターン、ドロー! チャージ&ドロー! レフトに《宝石魔女 アイス》をコール。キャスト、《輝石達の共鳴》!」

 

『……! 何も、しないよ……』

 

 一瞬、シルバちゃんが狼狽えた様な表情を見せる。多分、手札に《デモリッション・バイト》が残っているんじゃないかな。だから、ゲージ+1をここで止めるかどうか考えている……。でもシルバちゃんは、私がまだ展開することを見越して、使わなかった。――なら!

 

「ゲージ+1、ライフ+1。そして、チョウセイの能力で1ドロー! ――来た! ライフ1を払ってキャスト、《夜を翔る少女》! このカードは使ったターン、[魔法少女]は相手の能力では破壊されず、打撃力は減らされず、攻撃のダメージは減らなくなる魔法! ――これならどう!?」

(手札1→2 G1→2 L5→6→5)

 

『――! ~~っ!』

 

 これでもう、シルバちゃんは《デモリッション・バイト》を使えなくなった。【対抗】で使えるかもしれないけど、その対価は私のアイス1枚だけ。サイズ0で打撃力1のモンスター1枚に使うのは余りに見合っていない。だけど、私の手札の残り1枚は――。

 

「ライトにもう一度お願い、ハル! アタックフェイズ! ハルでサダコを攻撃!」

 

『破壊、されるけど……。私は復活……!』

(L3→2)

 

「ハルはソウルに入るよ。今度は、アイスでクイックシルバーを攻撃!」

 

『ガイストハンズの能力……! ドロップから《子供の友達 イマジナリフレンズ》をコール……私は押し出し』

 

 センターに居たクイックシルバーが突然消えて、代わりにいないいないばぁをする様にイマジナリフレンズが現れた。そして、アイスも攻撃が終わると手札に戻る。

 

「また攻撃がそれちゃった……。今度は私で攻撃!」

 

『ゲージ1を払い、ドロップの《動くぬいぐるみ マウチュー》をデッキの1番下に戻して、身代わりに……』

 

「もう一度、私で攻撃!」

 

『破壊されて、私が復活……』

(L2→1)

 

「ソウルからハルをドロップして、デッキから《奇跡だって起こせるんだから!》を加えてそのままキャスト! デッキの上から2枚を確認――」

 

 見えたカードの1枚、《大魔法 ブリリアント・ブリンガー》は条件を満たしていないので使えない。でも、もう1枚は使えるカードだ!

 

「このカードを手札に加え、もう1枚はゲージに置くね。そしてファイナルフェイズに入るよ。まずは私の【パージ】で1枚をゲージに置く。そしてゲージ2を払って――必殺変身! 私を必殺モンスターに!」

(手0→1→0 G2→3→1)

 

 

『――っ!?』

 

「《クリスタ“クリスタライズ・ハリセン・アタック!”》はサイズ2・攻撃力6000・防御力5000・打撃力3で【貫通】能力を持つカード! そして、この攻撃は《夜を翔る少女》の能力で打撃力は減らず、ダメージは減らない! これで――フィニッシュ!」

 

『……私の、負け』

(L1→0)

 

 

 

 WIINER! 新代結!

 

 

 

「楽しかった! ねぇ、シルバちゃんは楽しかった?」

 

 勝利を噛みしめながらシルバちゃんにも訊ねてみると、シルバちゃんも心なしか楽しそうだった。

 

『私も……、楽しかった』

 

 シルバちゃんの様子を見て百花ちゃんが彼女に話しかけてきた。

 

「シルバちゃん、もうすぐバディポリスが来てあなたを元のワールドに返してあげることができるわ。でも、あなたはどうしたいかしら?」

 

「帆風家家訓その1~。帆風の人間は風の様に自由であるべし~、それを縛るのなら風すら掴む気概を見せるべし~。――シルバちゃんは何を望むのですか?」

 

 私達3人とも、何故シルバちゃんが絆ヶ丘学園に迷い込んでしまったのか何となく分かっていた。きっと、シルバちゃんは寂しくって、誰かと一緒に遊びたかったんだと思う。だから賑やかな場所に迷い込んでしまったのだ。此処に来たのは偶然かもしれないけど。

 

「私達にできる事なら、シルバちゃんを手伝ってみせるよ。一緒に遊んでくれたしね!」

 

『私……帰りたくない……。寂しいのは、嫌!』

 

 シルバちゃんの魂の叫びを聞いて、私達は頷く。

 

「バディポリスの方はお兄様に任せるとして、場所はどうする? 私の地元に連れていくって方法はあるわよ」

 

「私の家も、人がいっぱいいるね~。動物もいっぱいだよ~」

 

「百花ちゃんにリンちゃん。二人とも意見をありがとう。――ここは私に任せてもらってもいい?」

 

「そうね、ファイトしたのは結ちゃんだもの。任せるわ」

 

「異議なし~」

 

 二人に背中を押されて私はシルバちゃんに提案を持ちかけた。

 

「シルバちゃん、私と一緒に来ない? バディモンスターにはできないけど、一緒に居る事はできるよ!」

 

 シルバちゃんは俯いて、何やら考え込んでいるようだった。そして、意を決したように顔を上げて頷いた。

 

『……うん! これから……よろしくね』

 

「よろしくね! シルバちゃん!」

 

 私が差し出した手を、シルバちゃんが両手で握った。その時――。

 

「え――?」

 

『わわわ……?』

 

 シルバちゃんが光に包まれる。そして、光が消えるとシルバちゃんの姿は変わっていた。少しボサボサしていた髪は癖っ毛ではあるものの纏められて、洋服がフリルがあしらわれたより可愛らしい物に変わっていた。

 

「え、え? 何が起こったの?」

 

『私にも分からないです。えっと……カードになりますね?』

 

 そう言ったシルバちゃんがカードに戻って、私の手のひらに収まる。カードが、《いたずら幽霊 クイックシルバー》から全く別のものに変わっていた。

 

「ヒーローとダークネスドラゴンのデュアルカードね」

 

「クイックシルバーじゃなくて~、シルバニア~?」

 

『うん……! クイックシルバー改めて、シルバニアです。よろしくね……?』

 

「これからよろしく、シルバちゃん!」

 

 こうして私のデッキに新しい仲間、《宝石魔女 シルバニア》を迎えたのだった。




 いかがでしたでしょうか。シルバちゃんこと、《宝石魔女 シルバニア》ちゃん登場回でした。……以前の登場がかなり昔なのは気にしない方向で。

 因みに、最後のシルバちゃんの手札は《デモリッション・バイト》と《ドラゴンシールド 黒竜の盾》でした。

 ではいつもの様に、今回のオリカをいくつか紹介します。

《いたずら幽霊 クイックシルバー》
 モンスター
 サイズ1/攻撃力10000/打撃力1/防御力1000
 クラン:ダークネスドラゴンW 属性:死/浮幽
 このカードのバトル終了時と君のターン終了時、このカードをドロップゾーンに置く。
 “戻って来ちゃった”「浮幽霊 クイックシルバー」以外の君の場の[浮遊]のモンスターがドロップゾーンに置かれたとき、ライフ1を払ってよい。そうしたらドロップゾーンのこのカードを【コールコスト】を払ってコールする。
 『フォーク、……は危ないから、スプーンを投げるね。避けてみて?』

《井戸端の幽霊 サバコ》(辻 逆月さん提供)
 モンスター
 サイズ2/攻撃力2000/打撃力1/防御力1000
 クラン:ダークネスドラゴンW 属性:死/浮遊
 【コールコスト】ゲージ1を払う。
 このモンスターが攻撃した時、ゲージ1を払ってよい、払ったら、君のドロップゾーンのサイズ1以下の[浮幽]1枚を、【コールコスト】を払ってコールする。
 “潜影”このカードは相手のセンターにモンスターがいても、相手を攻撃できる!
 【2回攻撃】
 『引きずり込んでやろうかねぇ・・・。』

《力持ちの幽霊 ガイストロング》(ヤギリさん提供、能力微調整)
 モンスター
 サイズ1/攻撃力8000/打撃力2/防御力2000
 クラン:ダークネスドラゴンW 属性:浮遊
 君の<浮幽>のモンスターがカードの能力で場からドロップゾーンに置かれた時、ライフ1払ってもよい。払ったら、手札のこのカードをコールする。
 このカードのバトル終了時、このカードを破壊する。
 『僕は力持ちなんだ、念力で持ち上げるからね!』

《浮遊霊の住処 ガイス・ハウス》(ヤギリさん提供、能力及びカード名微調整)
 魔法
 クラン:ダークネスドラゴンW 属性:死/浮遊/召喚
 【設置】
 【使用コスト】ゲージ1払い、デッキの上から2枚をドロップゾーンに置く。
 君のターン終了時、サイズ1以下の[浮遊]のモンスター1枚までを選び、【コールコスト】を払わずコールする。
 『ここが僕達のお城だよ!ゆっくりしていってねー!』

《動くぬいぐるみ マウチュー》(俊介さん提供カードの別カード版)
 モンスター
 サイズ1/攻撃力2000/打撃力2/防御力3000
 クラン:ダークネスドラゴンW 属性:浮遊
 このカードのバトル終了時か君のターン終了時、このカードをドロップゾーンに置く。
 【対抗】【起動】相手のターンの攻撃中、君の場の[浮遊]が攻撃を受けたとき、君のドロップゾーンのこのカードを君のデッキの下に置き、ゲージ1を払ってよい。払ったら、その攻撃を無効化する。
 『僕は皆の友達だから。いつだって守って見せるよ』

《“空白零式・極光” ユイ・ニイシロ》
 モンスター
 サイズ3/攻撃力7000/打撃力2/防御力7000
 クラン:ヒーローW 属性:機空隊/魔法少女
 【コールコスト】ゲージ3を払う。
 このカードのソウルが1枚以下なら、このカードは【ウェポンリンク】を得る。
 【対抗】【起動】このカードのソウル1枚をドロップに置く。置いたら、君のデッキから[魔法少女]のモンスターではないカード1枚までを選んで手札に加え、デッキをシャッフルする。この能力は1ターンに1回だけ使える。
 【パージ】【2回攻撃】【ソウルガード】【搭乗】(ゲージ2を払う)
 『新型魔装及びその試験者――ユイ・ニイシロ、ただいま到着しました。指導の程、宜しくお願いします。おかあ――いいえ、新代隊長!』

 みなさん、遅れてしまってすみません。提供ありがとうございました。
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