バディファイト! ~フューチャーヒーローズ~   作:雪咲

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 お久しぶりです。ファイトをあまりに丁寧に書きすぎたのと、調子が良くなったりよくなくなったりしたので、時間がかかってしまいました。今回からしばらくアンダーズ偏+修行偏になります。やっと本編で新ルールが使えるようになりますが、今回のファイトは旧ルールです。ややこしい……。

 お借りしたキャラがちゃんと動けているか、ファイトに不備がないか心配ではありますが、温かい目で見ていただけたらと思います。


第14話「アンダーズへ行こう。その1」

「二人とも、本戦用の調整をしない?」

 

 予選1日目の翌日の放課後、私は百花ちゃんとリンちゃんに話を持ち掛けた。ちなみに次の予選は月曜日で、間の日は調整と勉学に充てられる事となっている。伊達に進学校と呼ばれているわけではない。

 

「ああ、そういえば。本戦は新ルールが適応されるのよね?」

 

「そう。先行ドローとか、バトル中の【対抗】の使用回数の制限とか。色々変わるんだけど、先に練習したほうがいいかなって」

 

「そうだね~。予選の間は旧ルールのままだから~、練習したほうがいいかも~?」

 

 百花ちゃんとリンちゃんは頷く。二人ならそういうと思ってたので、私はカバンの中から1枚の紙を取り出した。

 

「これは池袋の公認大会の予定表?」

 

「うん、アンダーズってお店なんだけどね? 先行して新ルール環境での大会をやるそうなの。折角だし、行ってみない?」

 

「そうね、私は構わないわ。プロになるには強い人と戦ったほうがいいって、最近言われたもの」

 

「私も異議なし~」

 

 そんなわけで、休日に私たちはアンダーズに行くことになった。

 

 

 

 

 

 

「結ちゃん~、百花ちゃん~。待った~?」

 

「車だ……」「車で来たわね……」

 

 私たちの目の前ではアニメとかでしか見たことのない高級車(たぶんリムジン)が止まっていた。忘れがちだけど、私以外の二人は結構お金持ちなのだ。

 

「帰ることになったら連絡しますね~」

 

「畏まりました。輪お嬢様」

 

 車に執事の方が乗り込んで、走り去っていった。到着した順番は百花ちゃん→5分前に私→時間ぴったりにリンちゃんの順番だ。

 

「さて、今日の予定を確認するね。とりあえず午前中のアンダーズの大会二つに参加するよ。1つ目は小学生以下で2つ目は年齢制限無し。この辺りは強いファイターがたくさんいるし、私達の上の学年の人も来てることがあるから油断しているとあっさり負けるよ」

 

「結ちゃんは何回か来ているのよね?」

 

「うん。バディファイト好きだもん」

 

 でも、池袋での戦績は全体的に芳しくなかったりする。みんな強いんだよね、池袋のファイターって。

 

 

 

 

 池袋駅から約5分の所に“ネット&カード アンダーズ”というお店がある。ネットカフェとカードショップが融合しているこのお店は、近辺のカードショップの中でも強豪揃いとして有名だ。店長自ら客としてやってきた子を鍛えているというのもあるんだけど……。

 

「こんにちは!」

 

「久しぶりだな、新城さん。今日の大会に参加するのか?」

 

「はい、新ルールで大会すると聞いたので。それに、友達も連れてきたよ」

 

「初めまして、千歳百花です。本日はよろしくお願いします」

 

「帆風リンだよ~、よろしくね~?」

 

「にゃ?」

 

「待て、“リン”違いだ」

 

 アンダーズに入ってきて私が最初に話しかけたのが山井プラグさん。で、リンちゃんの自己紹介に反応したのが凛さん。二人ともアンダーズの店員さんだ。プラグさんが凛さんを仕事に帰した後、私は彼女がいるのか聞いてみた。

 

「あ、ライナちゃんは?」

 

「お嬢は裏でカードの検索中。かなり珍しいカードを探しているらしくってさ」

 

「そっかー、大会参加しながら待ってるよ」

 

「ああ、お嬢をよろしくな」

 

「ね、ねえ。結ちゃん、ライナちゃんって……」

 

 百花ちゃんが私の袖を引っ張るので振り向くと、彼女は少し驚いた表情を浮かべていた。

 

「うん、下田ライナちゃん。私達の学校の下級生だよ。最近友達になったの」

 

「どこで~?」

 

「ネット対戦で」

 

 暇なときにネット対戦をしたりするけど、そこで何度かファイトしたことがある。あまりファイトに積極的ではないけれど、ネットの使い方を教えてもらったこともある。

 

「意外な交友関係だね~」

 

「下田さんとも友達なのは驚きだわ」

 

 リンちゃんは楽しそうに、百花ちゃんは半ば呆れて……顔に“強いファイターとは大体友達のノリよね”と書いてある。

 

「ライナちゃんの事はまた後で。それよりも、大会に参加するよ。3人とも」

 

「本来は200円取るんだが、中学生以下は無料だからサインだけしてくれ」

 

「は~い」

 

 それぞれ参加者一覧に名前を書いていく。今回の参加者は24人までで、ダブルエリミネーション……2回負けたら敗退になるルールで行われる。

 

「ありがとさん。開始時間まで、まだいくらか時間あるから適当にファイトスペースに居てくれ」

 

「分かった、行こう。百花ちゃん、リンちゃん」

 

「……相変わらず、コミュ力高いわね」

 

 私がアンダーズの店内を紹介しながらファイトスペースに入ると、奥のほうからガタっと、椅子が動く音が聞こえた後、少女が一人こちらに近づいてきた。

 

「結ーーーー!!」

 

「あー、結ちゃん。あの人ってもしかして……」

 

「天王先輩~?」

 

 やってきたのは絆が丘学園の有名人(良くも悪くも)、天王銃奈ちゃんだ。

 

「そう、あたしこそが超主人公! 天王銃奈ちゃんだ!」

 

 いつもよりフラストレーションが溜まっているっぽい銃奈ちゃんを見て、思い当たる節を挙げてみた。

 

「えっと、間違いだったらごめんね。――またお母さんに負けた?」

 

 訊ねてみると、銃奈ちゃんは目を逸らした。どうやら図星だったみたい。

 

「天王先輩って、こんなキャラだったかしら?」「もっと破天荒って聞いたけど~?」

 

「うちのお母さん、銃奈ちゃんが最も苦手とするタイプだから……」

 

「「あ~~」」

 

 銃奈ちゃんの噂を知っている二人が妙に得心した表情になっていた。

 

「あーーーー!! 何なの。あのリア充主人公、あったま来るわ!」

 

「私が言うのもなんだけど、本当にごめんね?」

 

 悪気があるわけじゃないけれど、お母さんは他人を振り回す台風の様な人だから。ちょっとだけ申し訳ない気持ちになる。

 

「まあ、それはそれとして。結! あたしと主人公の座を賭けてファイトだー!」

 

 銃奈ちゃんは切り替えが早い。ムシャクシャしてても、直ぐに自分のペースに戻れるのはとてもすごい事だと思う。

 

「主人公云々は分からないけど、ファイトなら受けて立つよ!」

 

「よーし、デスタール! ……デスタール?」

 

 私と銃奈ちゃんの視線がテレビの方へ向く。そこには、『13騎士(サーディーンナイト)』というアニメのブルーレイに夢中になっているデスタールがいた。バディである銃奈ちゃんの声も聞こえていないみたい。

 

「あー、卓上でやる?」

 

「うむ。ファイト出来れば何でも良し」

 

 私達はシステムを使わずにファイトスペースの机の上でファイトをすることにした。

 

「私達もファイトしない? 私、リンちゃんと1度ファイトして見たかったんだけど」

 

「私も~。卓上でやろ~? 蒲公英ちゃん、ライフ計算よろしく~」

 

『リンちゃん、わかりました!』

 

 蒲公英の花を持つSD化した幻想蒲公英が、点数表の様なライフカウンターを持ち出して、百花ちゃんとリンちゃんもファイトを始めたのだった。

 

 

 

 

「空を自由に飛び回る。いつだって、私達は自由なのだから! ルミナイズ、『エンジェル・フリーフォール』!」

 

「超主人公・銃奈ちゃんの独壇場! 主役の座はあたしの物だ! ルミナイズ、『銃奈ちゃん、超主人公になる(即ち、他の主人公は絶対に許さぬ)』!」

 

「「バディファイト! オープン・ザ・フラッグ!」」

 

「楽園天国! バディは《勇気の守護竜 オリハルコン・ドラゴン》!」

 

「灼熱地獄! バディは《深紅のデスタール“地獄の教育者(サー・ディーン)”》!」

 

 

・新代結

 手札6/ゲージ1/ライフ12(Dr:0)

 

・天王銃奈

 手札6/ゲージ4/ライフ8(Dr:0)

 

(Dr:ドロップ)

 

 

「結ちゃんの《楽園天国》は初めて見るわね。――百鬼夜行、バディは《“蹂鏖梦塵”シラユキヒメ》」

 

「天王先輩は《灼熱地獄》みたいだね~。――ダンジョンW~、バディは《帆風家筆頭メイド 幻想蒲公英》だよ~」

 

「あるぇ~? 結のデッキってヒーローWじゃ?」

 

「色々と可能性を試してみたいんだ。私のターン、チャージ&ドロー! キャスト、《ヘブンズ・ギフト》で《清浄の門-サンクチュアリ-》を手札に加えて、そのまま【設置】するよ。《月夜の御使い ゲッコーマスク》をレフトにコール。その能力でゲージ+2! おいで、ドロップゾーンの《ヘブンズ・ギフト》をソウルに入れてゲージ1を払い、ライトにバディコール! 《勇気の守護竜 オリハルコン・ドラゴン》!」

(手5→6→4 G2→4→3 L12→13 Dr:1)

 

 今回は卓上ファイトなので、ハルは目の前には出てこないけど、気分はいつもと同じようにやってる。

 

「げ、新しい門。それに……結のバディかぁ」

 

「うん。[天国]の属性を得た私のバディ、ハルだよ。その力を見せてあげる! サンクチュアリの能力でドロップゾーンの[天国]を3枚まで戻して、ドロップゾーンが3枚以下なら2枚ドロー! 更に、ドロップゾーンのカードがデッキに戻ったからハルの能力が誘発して、ゲージ+1、ライフ+1!」

(手4→6 G3→4 L13→14)

 

 今回のハルの能力は2つ。ドロップゾーンのカードがデッキに戻るとゲージとライフが+1されるのと、ハル自身が手札に戻ると1ドローできる。変則的な《竜王伝》を行い、戦線を支えることができるモンスターなのだ。

 

「【変身】! 私の新しい姿、《厳正の宝石魔女 オーロラクリスタ》! その能力でドロップゾーンの魔法――今落ちている2枚の内、片方はモンスターだから1枚だけ――をデッキの1番下に戻して、デッキから[魔法少女]か[天国]か[地獄]の魔法、今回は《極楽竜土》を手札に加えてそのまま【設置】!」

(手6→5→6→5 G4→2)

 

「《楽園天国》でも《灼熱地獄》でも使える[魔法少女]だとーー!? っていうか、結。あんた、[魔法少女]を何だと思ってるん?」

 

「……? 別に私はダークヒーローな魔法少女もいいと思うし、何でもかんでも綺麗事だけで済ませられるとか思ってないよ?」

 

 ……? 銃奈ちゃん、何を言ってるんだろう?

 

「あたしは時々、結が分かんないや」

 

「私も良く銃奈ちゃんの事が分からなくなるもん。……ファイトを続けよう? アタックフェイズに入って、私で銃奈ちゃんを攻撃!」

 

「ライフじゃー!」

(L8→6)

 

 私が1度攻撃しただけで、銃奈ちゃんのライフが私の半分以下になった。これが《灼熱地獄》、ゲージが増える代わりにライフが通常フラッグよりも2点少ない短期決戦向けのフラッグ。……新しいカードのおかげで結構長期戦もできるようになったらしいけど。

 

「ムーブエンド。銃奈ちゃんの番だよー」

 

 

・新代結

 手札5/ゲージ2/ライフ14(Dr:1)

 

・天王銃奈

 手札6/ゲージ4/ライフ6(Dr:0)

 

 

「解説の百花ちゃん~。先行の結ちゃんの場、どう見る~?」

 

「オリハルコンとクリスタのいつものカードに加えて、今回は[天国]だから《清浄の門-サンクチュアリ-》と《極楽竜土》があるわね。結は、防御力のあるアイテムを守りながらドローで優位を得る戦い方を好んでいるわ。対して[地獄]は一撃が重いのが特徴ね。天王先輩が、このターン中にどれだけライフや手札を削ることができるかが、勝負を分けるのではないかしら?」

 

「お~、解説ありがとね~。所でこのカードは通るかな~?」

 

「む、《鬼道 桜吹雪》よ」

 

「持ってたのか~」

 

 あっちの二人は和気あいあいと対戦しながら、時折こちらのファイトを考察しているみたい?

 

「あたしのターンじゃー! ドロー、チャージ&ドロー! 【設置】、《裁きの門 -ジャッジメント-》! デッキの上から2枚をドロップゾーンに置いて、ゲージ+1! 更に《ダミアンズ・ディシジョン》でデッキから2枚をドロップゾーンに置いて、ゲージ+1と1ドロー! ……お、さっそく落ちたじゃん」

(手7→6→5→6 G5→6→7 Dr0→2→5)

 

「むむ、[地獄]のいつもの動き。銃奈ちゃん、ちゃんと引いて来てる……」

 

「キャスト、《鬼道 地獄絵図》。ドロップゾーンからモンスターを復活させるし。んじゃ、ぶちかませ! ドロップのカード2枚とゲージ3払って、センターにバディコール! 《深紅のデスタール“地獄の教育者(サー・ディーン)”》!」

(手6→5 G7→4 L6→7 Dr:5→6)

 

 ここで出てきたのは銃奈ちゃんのバディのデスタール。“地獄の教育者(サー・ディーン)”はサイズが3に増えた代わりに、能力が強力になっている。

 

「モンスターが蘇ったからゲージ1を払って、《破滅の門-グリード-》【設置】! 今日の私のスタイルはこれ! 装備、《ジューナ・ザ・ツインスター》と《ジューナ・ザ・ブレード》!」

(手5→3 G4→3 Dr:6→5→6)

 

 銃奈ちゃんは二つの銃口がついた銃と、短剣の2本装備を装備した。ツインスターはドロップゾーンにある時しか効果を発動しないからあまり警戒しなくていいけど、強いのはブレードの方。デッキの上から1枚をドロップゾーンに置いて、それが[地獄]ならゲージとライフ+1することができる【対抗】の能力を持ってる。

 

 それに、新しく登場した門。自分の[地獄]全ての攻撃力と打撃力を上げて、条件しだいでダメージを1まで減らしてしまうとても強力なカード。あれのせいで、《灼熱地獄》は多少の継戦能力も持つようになってしまった。

 

「アタックフェイズ。そんじゃ、まずはデスタールで結を攻撃! グリードの能力で打撃力は1増えて、4!」

 

「それは受けたくないよ。キャスト、《ヘブンズシールド 聖域の盾》で攻撃を無効化してライフ+1!」

(手4→3 L14→15 Dr:1→2)

 

「今度はあたしの武器二つ!」

 

「どっちもライフだよ!」

(L15→11)

 

「《深紅のデスタール“地獄の教育者(サー・ディーン)”》の“血と涙の教育”っ……働けー! ドロップゾーンから《疾風の獄卒 ヘル・クーガー》をレフトにコールして攻撃!」

(G3→2 Dr:6→5→6)

 

「止められないよ、ライフ!」

(L11→9)

 

「クーガーがダメージを与えれば、あたしはライフ回復とドローができる。ついでに【2回攻撃】も食らえー!」

(手3→4 L7→8)

 

「それもライフ! ……もう攻撃はない?」

(L9→7)

 

「クーガーの能力をもういっちょあがり! ……そうじゃの。あたしのこのターンの攻撃はここで打ち止めじゃ」

(手4→5 L8→9)

 

「なら、《極楽竜土》を私を対象に使うよ。ドロップゾーンのカードをデッキに戻す。……それに反応して、ハルでゲージとライフ+1するね」

(G2→3 L7→8 Dr:2→1)

 

「8点もダメージを与えられて、あたしは満足。なのに、まだ半分しか削れてないとか、《楽園天国》って防御力高過ぎじゃね? 最後に《ジューナ・ザ・ブレード》の能力で、デッキの上から1枚をドロップゾーンに置いて、それが[地獄]ならゲージとライフ+1。ムーブエンド」

(G2→3 L9→10 Dr:6→7)

 

 

・新代結

 手札3/ゲージ3/ライフ8(Dr:1)

 

・天王銃奈

 手札5/ゲージ3/ライフ10(Dr:7)

 

 

 今回攻撃してきたカードはデスタールを除くと全員の元々の打撃力は1だけど、《破滅の門-グリード-》の所為で全員打撃力が+1されて8点も削られてしまった。リソースの問題で5回しか攻撃していなかったけど、次のターンはさらに厳しくなると思う。

 

「見た所は天王先輩が押しているようだけど、結ちゃんは手札を温存して最低限の防御と《楽園天国》のアドバンテージである大量のライフで乗り切ったわね」

 

「でも、普通のデッキならもう勝負がついてたかもね~。天王先輩強いね~。それに~、さっきまで6だったライフがもう10~」

 

「天王先輩の場には無限にドロップから[地獄]のモンスターが湧きだす、デスタール“地獄の教育者(サー・ディーン)”に、ドロップが増えればダメージの軽減もできるグリード。その気になれば、毎ターン盾を回収できるジャッジメントも強力だわ。結ちゃんはどうするのかしら?」

 

「私も負けないよ! まずは、ターン開始時に《極楽竜土》の能力が発動して、私のライフ+1して、ゲッコーマスクとハルを手札に戻すよ。ハルが手札に戻ったから、1枚ドロー! そして、通常のドローと、チャージ&ドロー!」

(手3→6→7 L8→9 Dr:1→2)

 

 《極楽竜土》の問題点は手札に戻す前に、ハルの1つ目の能力が使えるタイミングが存在しないこと。そのせいでちょっとだけ勿体ない。でも、《竜天回帰》よりも継戦能力が高いのが竜土の良い所でもあるから、難しい。

 

「《御使いの宝石魔女 エンジェライト》をレフトに、《守護騎竜 グリトネア》をセンターに、もう一度ハルをライトにコール! グリトネアの能力で、ドロップゾーンのカード1枚をデッキの1番下に戻して相手の場のカード全てを弱体化させるよ。そして、ハルの能力でゲージとライフ+1!」

(手7→4 G4→1→2 L9→10 Dr:2→5→4)

 

「グリトネア出されたら、グリードの意味ほとんどないじゃん!」

 

「だって、グリトネアを前面に押し出した方が今の[天国]は強いんだもん。あ、私の能力でドロップゾーンの《ヘブンズ・ギフト》をデッキに戻して、2枚目の《極楽竜土》をそのまま【設置】するね。[天国]か[魔法少女]の魔法を使ったから、エンジェライトの能力で次に私が受けるダメージは2減るよ」

(Dr:4→3)

 

「うひゃあ、結のターンでダメージを与えるのもダメかー」

 

「サンクチュアリで2ドロー! 最後に装備、《御使いの光輪 エンジェルハイロウ》!」

(手4→6→5 G2→1 L10→9 Dr:3→0→1)

 

 ファイトシステムを使ってないから出てこないけど、本来なら私の頭の上に天使の輪っかが付くアイテムだ。このカードは銃奈ちゃんのアイテムの能力【二刀流】みたいに、[天国]1枚を追加装備できて、なおかつ私の場のカード全ての攻撃力と防御力を+2000できる優れものだ。

 

「いっくよー、アタックフェイズ!」

 

「んー、ブレードの能力で1枚落としてゲージとライフ+1しとくわ」

(G3→4 L10→11 Dr:7→8)

 

「じゃあ、グリトネアでデスタールを攻撃!」

 

「【ソウルガード】(2→1)!」

(Dr;8→9)

 

「【2回攻撃】!」

 

「もっかい【ソウルガード】(1→0)!」

(Dr:9→10)

 

「ハルも行って!」

 

「“血と涙の教育”でデスタールを押し出して、《剣山の獄卒 鬼山荒》をセンターに引っ張り出す! ……んで、あたしは【ライフリンク2】を受ける。ぐぇ……」

(L11→9)

 

「えーっと、鬼山荒も防御力は2000下がって4000。対して、エンジェライトの攻撃力は2000上がって4000だから……行けるね。エンジェライトで攻撃!」

 

「鬼山荒の能力でゲージ1とデッキの上3枚をドロップして、その攻撃は無効!」

(G4→3 L8→12 Dr:10→14)

 

「今度はエンジェルハイロウだよ!」

 

 エンジェルハイロウの攻撃で鬼山荒を破壊した。……けれど、これプレイングミスかも。鬼山荒は攻撃性能に寄与できないから、最初からクーガー狙いで攻撃するのが正解だったかな?

 

「私でクーガーに攻撃!」

 

「キャスト、《ヘルズシールド 奈落の盾》で攻撃を無効にしてゲージ+2! ついでにダメージ1!」

(手5→4 G2→4 Dr:15→17)

 

 私へのダメージは、エンジェライトの能力が守ってくれるからダメージを受けずに済んだ。

 

「【ライフリンク】分しか減らせなかった……。ムーブエンド」

 

 

・新代結

 手札5/ゲージ1/ライフ9(Dr:1) 

 

・天王銃奈

 手札4/ゲージ4/ライフ10(Dr:17)

 

 

「……あ。そこ、シラユキヒメの〈逆天殺〉でお互いの場のカードを全てレスト。で、《百鬼呪法 積み木崩し》で全破壊ね」

 

「わわ、私の場のカードが~!? そ、【ソウルガード】~!」

 

 あちらの方も大詰めみたいだ。この様子だと、今回は百花ちゃんが勝つのかな?

 

 でも、まずは目の前の銃奈ちゃんに勝つことが大事!

 

「今度はこっちの番よ! ドロー、チャージ&ドロー! ジャッジメントの能力! デッキを2枚ドロップゾーンに置いてゲージ+1!」

(G5→6 Dr:17→19)

 

 たまったゲージは6枚。ということはもう一回来るかな?

 

「《破滅の門-グリード-》を追加で【設置】。もう一度《深紅のデスタール“地獄の教育者(サー・ディーン)”》をセンターにコール! 《超勇者 銃奈ちゃん》をライトにコール! 銃奈ちゃんはドロップゾーンが10枚以上なら、サイズが1少なくなる!」

(G6→3 Dr:19→20)

 

「ほぇ、銃奈ちゃん本人のカード? ……あ、ダンジョンWとダークネスドラゴンWのカードなんだね」

 

「忘れるとこだった。ジャッジメントでヘルズシールドを手札に加えて1枚引く。――アタックフェイズ!」

(G3→0 Dr:20→22)

 

 このままだと打撃力の高さに押しつぶされる!?

 

「先に動くよ! グリトネアの能力で相手のカードの攻撃力と防御力-2000、打撃力-1! 更に、ドロップゾーンからカードがデッキに戻ったから、ハルの能力でゲージとライフ+1!」

(G1→2 L9→10 Dr:1→0)

 

「ふっふっふ、結の思惑なんてお見通しぞよ。クーガーでグリトネアに攻撃じゃー!」

 

「うぐぅ……」

 

 やっぱり銃奈ちゃんには読まれてたなぁ……。

 

「そっか、エンジェライトの能力は強制だものね。下手に防御魔法を使うと、続くモンスターの銃奈ちゃんの能力で無理やり潰されるわ」

 

「銃奈ちゃんは~、攻撃で相手モンスターを破壊するかダメージを与えると~、1点ダメージだっけ~? ダメージを2減らす効果なのに1点しか減らせなくなっちゃうね~」

 

「でも、ここでクーガーにカードを引かれるのはちょっと不味い! キャスト、《竜天回帰》! クーガーを手札に戻す。ついでに私のドロップにカードが無いからライフ+1!」

(手5→4 L9→10 Dr:0→1)

 

 それに、[天国]の魔法を使ったから次に私が受けるダメージは2少なくなる……んだけど、それは相手も承知している。

 

「今度は銃奈ちゃんで、エンジェライトに攻撃だー!」

 

 モンスターの銃奈ちゃんの攻撃でレフトのエンジェライトは破壊される。

 

「モンスターを破壊したからデッキの上から1枚をドロップゾーンにおいて、それが[Dエネミー]か[地獄]ならダメージ1!」

(Dr:22→23)

 

「エンジェライトの能力でダメージは0だよ!」

 

「しかーし! 我が銃奈ちゃんには【2回攻撃】がある! 今度はグリトネアに攻撃!」

 

「【対抗】で《極楽竜土》の能力。ドロップゾーンのエンジェライトを戻して、グリトネアを場に残すよ!」

(Dr:2→1)

 

「破壊したから、効果でもう1点!」

(Dr:23→24)

 

「まだまだ!」

(L10→9)

 

「それじゃあ、真打。デスタールでグリトネアを攻撃!」

 

「【対抗】は……無いよ」

 

「おお? なら、デスタールの【貫通】ダメージ4!」

 

「【ソウルガード】(1→0)!」

(L9→5 Dr:1→2)

 

 これで残る攻撃は銃奈ちゃんが装備している武器二つ。私の場には《極楽竜土》がもう1枚あるから、場にあるカードの攻撃は全て防げた。……勿論、忘れていないよ?

 

「《ジューナ・ザ・ブレード》でグリトネアを攻撃!」

 

「【対抗】でもう1枚の《極楽竜土》を使って、場に残す! ……ごめんね、グリトネア。もう少しの辛抱だから」

(Dr:2→1)

 

「今度は《ジューナ・ザ・ツインスター》をぶっ放ーす!」

 

「ありがとう、グリトネア。少し休んでて」

(Dr:1→2)

 

 武器による攻撃でグリトネアは破壊された。流石に4回も攻撃を受け持ってもらったからこそ、労いの言葉をかける。卓上だから、モンスター自身には届くことはないけれど。それと感謝は別だから。

 

「結、忘れてないよね? “血と涙の教育”……! 止めを刺すのは勿論このあたし! 《超勇者 銃奈ちゃん》だー! ついでに、ドロップゾーンが13枚以上だから、打撃力+1!」

(Dr:24→23)

 

「えーっと、元々の打撃力が1で、“血と涙の教育”で+1、2枚のグリードの能力で合計+2、私のグリトネアの能力で-1と……打撃力3?」

 

「そのとーり! モンスターの銃奈ちゃんで結を攻撃!」

 

「くうぅ……、残り2点」

(L5→2)

 

「能力でデッキの上から1枚ドロップゾーンで、ダメージ1!」

(Dr:23→24)

 

「う……。でも、まだ負けてない!」

(L2→1)

 

「銃奈ちゃんには【2回攻撃】があるわさ。これで止めだー!」

 

「結!」

 

「結ちゃん!」

 

 

 

「……キャスト! 《ヘブンズシールド 聖域の盾》! 攻撃を無効にしてライフ+1だよ!」

(手4→3 L1→2 Dr:2→3)

 

 

 

「あちゃー、盾持ってたかー。ブレードの能力でゲージとライフ+1。ムーブエンド」

(G0→1 L10→11 Dr:24→25)

 

 

・新代結

 手札3/ゲージ2/ライフ2(Dr:3) 

 

・天王銃奈

 手札5(内訳:クーガー、盾、ルール、クルセイダー、アイテム)/ゲージ1/ライフ11(Dr:25)

 

 

「私のターン開始時、2枚の《極楽竜土》の効果が発動するね。ライフ+2して、私の場のハルを戻すよ」

 

「待てーい! キャスト、《インフェルノルール》! 《厳正の宝石魔女 オーロラクリスタ》を破壊だー! おまけにブレードの能力でゲージとライフも増やす!」

(手5→4 G1→0→1 L11→12 Dr:25→28)

 

「…………!?」

 

「あちゃー、これは……」

 

「【対抗】は1回しか使えないから~、《極楽竜土》を使えないね~。そもそも~、《極楽竜土》の誘発効果のタイミングのほうが先だけど~」

 

「クリスタは……、破壊されるよ。でも、私が破壊されたからって負けたわけじゃないもん! まずは、待機しているハルの能力で1枚ドロー! そして、通常のドロー、チャージ&ドロー!」

(手3→5→6 L2→4 Dr:4→5)

 

 ……うん、これならいけるかも!

 

「ライトにゲッコーマスクをコールしてゲージ+2。《星海の御使い K22:ヴォネガット》をレフトに、ゲージ1とドロップゾーンの《天装機 ゼーナ》をソウルに入れて、センターにコール。もう一度お願いね、ハル!」

(手6→3 G3→5→4)

 

「これで、結ちゃんの攻撃回数は5回……!」

 

「でも、グリードが有効だから全然ダメージを与えられないね~」

 

「サンクチュアリの能力で2枚ドロー! ハルの能力でゲージとライフが+1! これが、私の奥の手! キャスト、《ヘブンズ・サンシャイン》! ライフ1を払って、デスタールを破壊!」

(手3→5→4 G4→5 L4→5→4 Dr:5→2)

 

「ソウルガーーーード!(2→1) ……でも、確か《ヘブンズ・サンシャイン》って破壊したモンスターと同じサイズのモンスターをコールするんじゃよね? 一体何を…………あ」

(Dr:28→29)

 

「うん、スペリオル必殺コール! ゲージ3とゲッコーマスクをデッキの1番下に戻し、《アヴァロン“ベネディクト・レイ”》をライトに! アヴァロンは攻撃する時、ドロップゾーンのカード3枚を戻すことで、相手の場のカード全てを手札に戻して、戻した枚数分のダメージを与えるのだ! さあ、銃奈ちゃんの場のカードの枚数を数えて!」

(Dr:2→6)

 

「えっと……、デスタールは【ソウルガード】で場に残るから除いて、ジャッジメント、ブレード、ツインスター、銃奈ちゃんが2枚、グリードが2枚、……7枚じゃね?」

 

「つまり、7点のダメージだよ!」

 

「ふざけんなー! そんなダメージ食らったら負けるじゃろがー! キャスト、《シャドウ・クルセイダー》でデッキの上から3枚をドロップゾーンに置いてダメージを3減らす! さあ来い!」

(手4→3 Dr:29→31→35)

 

「アタックフェイズ! 必殺アヴァロンで攻撃! ドロップゾーンの[天国]3枚をデッキの1番下に戻して、相手の場のカード全てを手札に戻す。そして、戻した枚数分、相手にダメージ!」

(Dr:6→3)

 

「キャスト、《ヘルズシールド 奈落の盾》で攻撃を無効にして、2ゲージ増やす。ついでに、相手にダメージ1! デスタールは【ソウルガード】(1→0)!」

(手3→2 G1→0→2 Dr:35→37)

 

「うっ。でも、戻した枚数7点のダメージだよ!」

(L4→3)

 

「《シャドウ・クルセイダー》でダメージが3減って、4ダメージじゃー!」

(手2→9 L12→8)

 

「今度はヴォネガットと私のエンジェルハイロウで連携! ドロップゾーンが3枚以下だから、どちらも攻撃力が+2000されて、合計10000!」

 

「“血と涙の教育”でドロップゾーンからダミアンをコール! デスタールを押し出したから【ライフリンク2】を受けるわ」

(G2→0 L8→6)

 

「それに【対抗】! ヴォネガットの能力で必殺アヴァロンをスタンドしてライフ+1! その後、ライフで受ける。……これで、ゲージは全部使ったね! 再び必殺アヴァロンで攻撃! 能力でダミアンを手札に!」

(L3→4→3 Dr:3→0)

 

「うへぇ、ダミアンは【ソウルガード】するけど……」

(Dr:37→39)

 

「うん。アヴァロンの攻撃も残ってるから破壊するね。これでやっとセンターが空いたよ、ハルで銃奈ちゃんを攻撃!」

 

「うぎゃー! ……ふぅ、耐えた耐えた。《↑アゲアゲ↑ビッグウェーブ☆》も受けないし、今度こそあたしが主人こ――う? 何かデジャブを感じるんですけど?」

(L6→4)

 

 もう、銃奈ちゃんの手札は私が知っているカードだけ。だから、このカードが通ることも分かっているよ!

 

 

 

「ファイナルフェイズ! ゲージ2を払い、アヴァロンの上に重ねて必殺コール! ハルを必殺モンスターに!

(手4→3 G2→0 Dr:0→2)

 

 

 

 

「《守護竜 オリハルコン“クリスタル・ブレイカー”は攻撃力10000/防御力6000/打撃力1のモンスターとなり、登場時に効果を発動! ドロップゾーンの魔法か[天国]を3枚まで戻し、戻した枚数分、打撃力を+1し、3枚戻したら、攻撃は無効化されない! 2枚戻したから、打撃力は3! 行って、ハル! クリスタル・ブレイカー!」

 

「ぎゃー! ま、まだライフ1残ってるし。次のターンであたしの反げ――」

(L4→1)

 

「ううん、これで終わらせるよ。キャスト、《↑アゲアゲ↑ビッグウェーブ☆》! ダメージ3!」

(手3→2 L3→1 Dr:0→1)

 

「マジ!? デジャブ当たってんじゃん! ぐへぇ……」

(L1→0)

 

「勝ったー! 私が一番っ!」

 

 

 WINNER! 新代結!

 

 

「あとちょっとだったしー!」

 

「ぎりぎり勝てたよ……。必殺ハルと《ヘブンズ・サンシャイン》を引けてなかったら危なかった……」

 

「結、どうやら勝ったみたいね。私もリンに勝てたわ」

 

「負けちゃった~。ユキちゃんと積み木崩しのコンボが無ければ勝てたんだけど~」

 

 どうやら百花ちゃんとリンちゃんのファイトは百花ちゃんの勝利に終わったみたい。実力としてはリンちゃんの方が上だったはずだけど、今回は百花ちゃんの方が上手だったらしい。

 

 机の上で突っ伏したままの銃奈ちゃんが感想戦を始める。

 

「《インフェルノルール》の発動タイミング、間違えたかー?」

 

「うーん。でも、あのタイミングとハルの時以外だと、サンクチュアリに耐性を付けた上でクリスタの能力を使われた訳だから、私もあれがベストだと思うよ。私は必殺アヴァロンを引けなくてちょっと焦ったけど、結果的に必殺アヴァロンと必殺ハルの両方が使えたから結果オーライ」

 

「必殺モンスター2枚も使うとか、ズルくね?」

 

『必殺コールと、効果での必殺モンスターのコールは別枠扱いだからな。ルールに抵触しない以上、問題は無かろう』

 

「あ、デスタールさん」

 

 どうやらアニメを見終わったらしいデスタールさんが戻ってきた。

 

「デスタール! あんたがアニメに夢中だったせいで、カードデバイスが使えなかったじゃん!」

 

『吾輩がアニメを見ている間にファイトを始めたお前たちにも問題があるだろう!』

 

 銃奈ちゃんとデスタールさんが言い争いを始めてしまった。喧嘩するほど仲が良いっていうけどあの二人にも同じことが言えるよね。私のバディはまだ生まれていないから、ファイト中にしか話すことができないから、ちょっと羨ましい。

 

 それはともかく、デスタールさんに改めて言われた事が少し引っかかる。

 

「『必殺コールと、効果での必殺モンスターのコールは別枠扱い』か……。……む?」

 

「結、どうしたの?」

 

 ちょっとだけ、私のデッキの方向性が見えた気がする。

 

「百花ちゃん。もしかしたら、私だけの戦い方、見つけたかもしれない。二人とも、今度調整を手伝ってくれない?」

 

「勿論よ」

 

「私も~」

 

「あ~、三人共。盛り上がっている所悪いが、もう大会始まるぞ?」

 

「「「はっ!?」」」

 

 時計を見てみれば、大会開始時間の10時半になろうとしていた。ファイトスペースにあまり人がいないと思ったら、私と銃奈ちゃんのファイトを見ている人が多かったらしい。

 

「んじゃ、あたしとデスタールは次の中学生以下の大会に参加すっから、また後で」

 

『結。銃奈の我儘に付き合ってくれたこと、感謝する』

 

「あんたはあたしの保護者かー!」

 

「あはは。銃奈ちゃんとのファイトは、私にもいい経験になったよ。また後でね!」

 

 銃奈ちゃんと別れて、プラグさんに指定された席に座る。今の私のデッキでどれだけ行けるか。腕試しだ!




 というわけで結ちゃんと銃奈ちゃんのファイトでした。

 [地獄]だけでも大変と聞いていたのに、なぜ《楽園天国》VS《灼熱地獄》の対決にしようと思ったのか……。ゲージとライフとドロップ管理が大変だったり、《楽園天国》の初期ゲージ枚数を間違えたり、《シャドウ・クルセイダー》のダメージ軽減の数値を間違えたり……etc、とはいえ何とか書き上げることができました。

 というわけで今回のオリカ紹介です。

《深紅のデスタール“地獄の教育者(サー・ディーン)”》
 モンスター
 サイズ3/攻撃力7000/打撃力3/防御力7000
 クラン:ダークネスドラゴンW/ダンジョンW 属性:深淵/魔王/地獄
 【コールコスト】ドロップのカード2枚をソウルに入れて、ゲージ3を払う。
 【対抗】【起動】“血と涙の再教育”君のドロップの[Dエネミー]か[地獄]のモンスター1枚を【コールコスト】を払ってコールする。そのカードは場から離れるまで、サイズが0になる。君のドロップゾーンのカードの枚数が13枚以上なら、このターン中、そのモンスターの打撃力+1! “血と涙の再教育”は1ターンに1回だけ使える。
 【貫通】【ソウルガード】【ライフリンク2】

 二つ名がかなりハマったカードだったり。サイズ3でダンジョンWの[魔王]も追加されたデスタールさんです。【対抗】でドロップゾーンの[Dエネミー]か[地獄]をサイズ0で復活させられるので、状況によって必要なモンスターを蘇生させられるところが魅力です。さらに地獄なら追加効果の打撃力+1もうまく決まりやすいという。
 ちなみにカード名のディーンとは学部長という意味。トリプルミーニングの言葉遊びです。

《厳正の宝石魔女 オーロラクリスタ》
 モンスター
 サイズ2/攻撃力5000/打撃力2/防御力5000
 クラン:ヒーローW 属性:ヒロイン/魔法少女/天国/地獄
 【コールコスト】ゲージ2を払う。
 【起動】君のドロップゾーンの魔法3枚までをデッキの1番下に好きな順番で戻す。1枚以上戻し、君のドロップゾーンが3枚以下か、君のドロップゾーンの魔法が5枚以上なら、君のデッキから[魔法少女]か[天国]か[地獄]の魔法1枚までを手札に加え、デッキをシャッフルする。この能力は1ターンに1回だけ使える。
 【ソウルガード】【変身】〔ゲージ2を払う〕
 『正しい? 正しくない? そんなの人の勝手でじゃない? 君は、君なんだよ』

 [天国]でも[地獄]でもあるクリスタ。こんな所から結ちゃんの性格が垣間見えてきます。魔法をデッキに戻すことでデッキから[魔法少女]か[天国]か[地獄]の魔法をサーチします。正直[天国]だと、かなり【変身】コストがきついことが分かりました。とはいえ、これ以上コストを軽くすると強すぎるカードになってしまいますし……調整って難しいですね。

《勇気の守護竜 オリハルコン・ドラゴン》
 モンスター
 サイズ2/攻撃力5000/打撃力2/防御力3000
 クラン:ドラゴンW 属性:武装騎竜/青竜/天国
 【コールコスト】君のドロップから1枚までをソウルに入れて、ゲージ1を払う。
 君のドロップのカードがデッキに戻った時、君のデッキの上から1枚をゲージに置き、君のライフ+1! この能力は1ターンに1回だけ発動する。
 君の場のこのカードが手札に戻った時、カード1枚を引く。
 【移動】【ソウルガード】
 『今度はボクが、クリスタを守るよ』

 結ちゃんの[天国]デッキのバディにして縁の下の力持ち。《極楽竜土》との相性が半端なく良いです。能力はドロップゾーンのカードがデッキに戻った時、ゲージとライフを増やす効果と手札に戻った時カードを引く効果。実質の《竜王伝》として使える上に、ドラゴンWでも戦線の維持に使えそうな強力なカードになりました。

 ほかにも紹介したいカードはいくつかあるのですがちょっと時間が足りないのでここまで。次はアンダーズの大会に参加する三人が、どこまでいけるかという話になりそうです。

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