え、本編? 申し訳ないです、もう少し待ってください。
あ、あと本編未登場キャラが結構出ますが、気にしないで下さいませ。
あと、時間軸はどこでもありません。敢えて例えるならば、これは夢物語なのです。
絆ヶ丘学園は私立の学校であり、だからこそ学校は生徒の課外活動を推奨していたりする。今回は、生徒会が主催するクリスマスパーティだ。
「では諸君。細やかながら食事とイベントを用意した、存分に楽しんでくれ給え」
「……
「「「乾杯!」」」
音村副会長の音頭に従って、私は百花ちゃんやリンちゃん、シェンちゃんと乾杯をした。
「ちょっと待ってて。すぐ戻ってくるから」
「ええ、待ってるわ」
「行ってらっしゃい~」
「行ってらっしゃいデスヨ!」
二人と分かれて、私は一人のクラスメイトの元へと向かう。やっぱり、彼は自分のチームである『バトルジャンキーズ』のメンバーと談笑していた。私は三人の話に割り込んで乾杯をする。
「皆、乾杯だよ!」
「おう、結じゃないか。乾杯!」
「乾杯」
「こんばんは、新代さん。乾杯」
上から、私、日下部君、巌島君、八剣君だ。三人のジュースが入ったグラスに私のグラスを当てた後に日下部君にに話しかけた。
「日下部君、後でファイトしよう! 今度は負けないんだから!」
「それはこっちの台詞だ。前よりも強くなった俺のデッキでまた返り討ちにしてやるよ!」
「うん、楽しみにしてる。巌島君、八剣君。邪魔してごめんね? また後で」
「ああ」
「大とのファイト、楽しみにしてる」
とすぐに三人の元を離れ、まだ乾杯をしていない人と乾杯を交わしていく。そうして何人かとした後、今度は常磐君がシェンちゃんと何か話している。
「あれ? シェンちゃん、それにルイ君。何を話しているの? あ、乾杯」
「あ、うん。乾杯」
「え、えっと。こちらの話ですヨ。じゃあ、ルイ。私は一足先に戻るネ?」
「うん。……ごめんね」
「その話は別にいいのですヨ」
とそそくさとシェンちゃんは百花ちゃん達の所へ帰っていってしまった。私と常磐君が残される。
「私、ルイ君がシェンちゃんにした事、まだ許していないよ」
「分かってるさ、それくらい。……今は主が別の方法で、より良い世界を作る為に頑張っている。僕もその信念を曲げるつもりは無いよ。転校してもね」
「そっか。許すつもりは無いけど、別に私はルイ君の事が嫌いな訳じゃないの。だから、またファイトしよう? 今度は、皆で楽しくね?」
「…………っ! そうだね、また機会があったら」
そう言ってルイ君は立食コーナーへ行ってしまった。もう互いに話す事も無いけれど、ぶつかり合ったもの同士、きっと相手の気持ちは伝わっていると思う。……それにしてもルイ君、男の子だからって本当によく食べるね。
これで、大体同じ学年の人達とは乾杯したし立食からいくつか摘まんで百花ちゃんの所に戻ろう。……と思ったけど、あちらから二つほど足音が聞こえてくる。あ、中等部の人達だ。
「新代ちゃん! 是非、手芸部にいらっしゃい! 新代ちゃんなら、きっといいモフモフを作れるはず――!」
「結君、ボディビルディング部のマネージャーの件もう一度考えてはくれないか? 君には素晴らしい筋肉を開花させる力が――!」
「――――結構ですぅ!!」
私は先輩二人から脱兎の如く逃げ出した。
*
「ふぅ……、何とか逃げ切れたよ。全く、宇佐美先輩も力石先輩も本当にしつこいんだから」
二人の先輩から隠れながら、ベランダでジュースを口に含む。百花ちゃんのところに戻るにはもう少し時間がかかりそうだ。
「あのっ……、新代先輩! ふぁ、ファイトをお願いしてもいいですかっ?」
やって来たのは多分私より年下の女の子だった。突然申し込まれたファイトだけど、私にとっては日常茶飯事だから。もちろん了承する。
「いいよ、やろう! 一応、君の名前を訊いてもいい?」
「日向……日向るちると言います。よろしくお願いします」
“彼女”の言った名前に、思わず息を飲んだ。
「……っ、……そっか。君は、日向ちゃんって名字なのね。じゃ、早速始めましょ! おいで、ハル!」
私が叫ぶと別会場にいたオリハルコンが飛んできて、私の腕に停まる。
『呼んだ? クリス……ユイ』
「うん。いきなりだけどファイトだよ。楽しくやろうね!」
『分かった!』
オリハルコンが元気よく応えた。私が再びるちるちゃんに向き直ると、彼女は既に距離を取っていた。ここのベランダは結構広いから、ファイトするには十分使える。
「待った?」
「大丈夫です」
「なら、ファイトね! 願いは輝きと共に、永久に確かに世界に届く! ルミナイズ、『夢の輝き』!」
「全力で行きます! 私は諦めない。気持ちはきっと届く筈だから――ルミナイズ、『ハッピーエンド・ジュエルズ』!」
「「バディファイト! オープン・ザ・フラッグ!」」
「「ヒーローワールド!」」
というわけでクリスマス回です。次回は2日後位になりそうですね。
この祝福は、きっと――。