ある日、真火炉ちゃんが不思議な話をしたことがある。それは、バディファイトのモンスターが実体化するカフェという何とも不思議なお話だった。
「あてな、あてな。この前に話したカフェなんだけど、一緒に行ってみない?」
「真火炉ちゃんがそんなに気にいった場所なら、私も行ってみたいな」
「じゃあ、今度の休みの日に行こう!」
ととんとん話で行ってみる事になったのはいいけれど……。
「迷っちゃった。……洞窟みたいな所に入っちゃったみたいだし」
現在、私は絶賛迷子中……。
「なにここ。……アニメで見た事あるよね? この場所。闇結界じゃん!」
そこはアニメ『バディファイト100』で何度も見た“闇結界”という場所だった。迷った結果、オカルトじみた場所に出てしまうというウルトラC的な何かである。
「うわぁ~、再現度高い! でもここまで再現度が高いと、もしかしてファイトしないと出られなかったりする? それ困るんだけど」
そんなアニメみたいな展開は無いでしょ。と思っていても、真火炉ちゃんが以前話したことに若干の信ぴょう性が出てきた今、それを否定する術を私は持たない。問題は、対戦相手がいない事だけど……。
その瞬間、頭上の方から何かが落ちて来た音がした。私が目線を上げると、私居る場所から上の方にあるスペースに半分位はみ出る形で、見た所十歳くらいの幼い少女が倒れていた。
「ちょっと! 落ちるよ、危ないよ!」
「ふぇ? ……わわわ、危なかった。ありがとうお姉さん。……ここは?」
どうやら目の前の少女は何故ここにいるのか分かっていない様子だった。……ちょっとからかってみよう。
「ここは“闇結界”。ここを出るには私とバディファイトするしかないよ」
「バディファイト!? お姉さんもバディファイトできるの!?」
「え、あー、うん。まあ、できるよ。何せ、私はこの闇結界の主だからね」
「いいよ、やろう。おいで、ハル!」
あれ……? 目の前の少女はファイトする気満々だ。しかも『ハル』と名前を呼ぶと、何処からともなくドッジボールサイズの卵の様な何かが出現した。
「ねえ、ちょっと。君、それは何?」
「ああ、まだ生まれていないから分かりづらいよね。この子は《MD オリハルコン》、私のバディだよ。そして、私は新代結。お姉さんの名前は?」
「私は心川あてな……。じゃない! え、バディ!? 本物!?」
彼女……結ちゃんは両手で抱えている卵の事を“バディ”と呼んだ。あり得ない、そんな話アニメや漫画の中だけで……。そっか、ここは、夢なのかな。夢だったら、私のバディともお話しできるかもしれない。
鞄の中に入っているデッキケースを取り出す。私の人生で初めての非日常、誰も持っていないのにデータには登録されていたカード達で組まれたデッキ。私だけが使えるデッキだ。
「《貴心竜 ギアバッツⅡ》……。ううん、セカンド!」
『呼んだか、マイバディ』
私のバディの名前を呼ぶと、デッキケースが光輝いた。元々の意匠を残しながらもコアデッキケースみたいになったそれから一筋の光が放たれ、そこから巨大な機械竜が姿を現したのだ。
「凄い! それがあなたのバディなの!?」
『是。マイバディこそ、我らが共に戦い続けてきたバディだ』
私が答える前に、目の前の機械竜……セカンドが言葉を発した。私が一度だけ聞いた声と全く同じ、もしかしてあの時語り掛けてきたのは、あなただったの?
『否定。しかし、我らとバディが出会ったのは必然である』
「そっか、今はそれだけで十分。さあ、結ちゃん。最強の座をかけて私とファイトだ!」
「分かった! 楽しいファイトにしよっ!」
昔、真火炉ちゃんと自分のデッキのルミナイズ口上について話したことがある。誰かの前で言うのは柄じゃないけど、夢の中だし、こんな日にはいいかな?
結ちゃんは魔法少女のステッキみたいなものを取り出した。正直信じられないけれど、結ちゃんにとってあれがデッキケースみたい。要するに、アニメのコアデッキケースと同じ物なのね。
「煌めく光は、皆の希望! ルミナイズ、『輝石魔法少女団』!」
「願え、届け! 心気高き竜の双眸! ルミナイズ、《高貴なる貴心竜》!」
「「バディファイト! オープン・ザ・フラッグ!」」
「ヒーローワールド! バディは《MD オリハルコン》!」
「ドラゴンワールド! バディは《貴心竜 ギアバッツⅡ》!」
『さあ、ユイ。ボクは今日も頑張るよ!』
『応。この姿でマイバディとファイトが出来て光栄である』
結ちゃんが抱えていた卵から、彼女のバディらしいドラゴンが現れ、私の隣にはバディであるギアバッツⅡが佇んでいる。真火炉ちゃん達と机の上でのファイトしかしたことが無かったけど、中々に臨場感があって面白いと思う。
「私のターン、チャージ――」
「待った。先行はドローあるよね?」
「あれ、そうなの?
結ちゃんは慣れた手つきで目の前の光になったカードを操る。夢ってすごいなー。
「ゲージ1を払いレフトに《宝石魔女 サファイア》を、ライトに《宝石魔女 エメラルダ》を、そして……【変身】! これが私の本当の姿! 《宝石魔女 クリスタ》!」
(手4 G3→0)
「え、姿が変わった!? 凄い!」
結ちゃんの姿が一瞬光の中に消え、薄い青を基調とした魔法少女らしい姿へと変化した。それに……[魔法少女]なんて属性、初めて見た。どんな属性なんだろう……ワクワクする。
「クリスタに【変身】したから、デッキから[魔法少女]の魔法か必殺技……《クリスタ“プリズム・ディフェンダー!”》を手札に! 行くよ、あてなちゃん! アタックフェイズを飛ばしてファイナルフェイズ!」
(手4→5)
「飛んだ!?」
結ちゃんがステージを飛び降りる。落下しながらも彼女は手札のカード2枚を手に取り、カードの使用を宣言する。
「必殺コール! 手札の魔法1枚をソウルに入れ――私を必殺モンスターに!」
(手4→2)
結ちゃん――クリスタの背に結晶の翼と4つのプリズムの盾が展開される。そして、翼の推力でふわりと浮かび上がった。
「防御陣形展開! 《クリスタ“プリズム・ディフェンダー!”》はサイズ3・攻撃力5000・防御力6000・打撃力2、【ソウルガード】【必殺変身】を持つカード! このカードには2つの能力があって、[魔法少女]の魔法を使うとゲージとライフ+1し、防御力+2000する能力と、もう一つ。私は【対抗】で《宝石魔女 サファイア》と《宝石魔女 エメラルダ》をレストして効果を発動! 1枚引いて、このカードをスタンドする! ……と言っても先行だからあまり意味は無いんだけどね?」
(手2→3)
「それでも毎ターン手札が増えるのと、攻撃回数が1回増える……」
「その通り! 私であてなちゃんに攻撃! クリスタル・シェル・ブラスター!」
4つの盾から光の束が私へと向かう。……え、ちょっとちょっと、怖い!
「きゃぁああああ! ……痛く、ない? これが、結ちゃんがやっているバディファイトなの?」
(L10→8)
ビームが4つも当たったにも拘わらず、痛みは何も無い。変わったのは私の頭上にある数字が2つ減った事くらいだ。多分これ、ライフよね?
「そうだよ。最後にキャスト、《マジカル・ヒール》でライフ+2! [魔法少女]の魔法を使った事で、私、サファイア、エメラルダの能力が誘発するね。1枚ドローとゲージ+2、ライフ+1! これでムーブエンド」
(手2→3 G0→2 L10→13)
新代結
手札3/ゲージ2/ライフ13
心川あてな
手札6/ゲージ2/ライフ8
先行1ターン目でかなり強靭な防御陣形を築いている。[魔法少女]――その名前の通りに、魔法と必殺技を駆使して戦うデッキなんだろう。――私だって、負けられない。
「私のターン、ドロー。チャージ&ドロー。ゲージ1を払って、《機神軍の戦い》。デッキから[機神軍]の魔法1枚までを手札に加えて、早速使うよ。キャスト、《大魔法 ドラゴン・オブ・リージュ》。次のターンの終わりまで、[機神軍]のモンスターのサイズが2つ少なくなる」
(手7→6 G3→2 ライフ8→6)
「[機神軍]!? それは、彼女の――ううん、フラッグは
「そう。まずはライフ1で《機神剣 C・ドラグロイヤー》を装備。そして、ライトに《心機 ギアペンタ》をコール。ドラグロイヤーの能力で1枚ドロー」
(手4→5 L6→5)
「[心竜]……?」
「センターに《心機 ギアデルタ》をコール。《心機 ギアデルタ》の〈逆天殺〉、ゲージ+2。そして、ギアペンタの能力で〈逆天殺〉を使ったから1ドロー」
(手4→5 G2→4)
逆
天
殺
「〈逆天殺〉……? 何か控えめだねぇ、嫌な予感がする」
あ、いいカード引いた。
「キャスト、《ドラゴニック・カオス》でドロップから《補給機 C・ペンタ》をレフトにコール。“補給機の任務”でゲージ+1、ライフ+1、1ドロー。そして、ゲージ2でレフトにコール、《機神竜 C・バッツ》。C・ペンタは押し出し」
(手4→5 ゲージ4→5→3 ライフ5→6)
「アタッカーのC・バッツまで来ちゃった。ということはそろそろ攻撃が来るかな?」
「アタックフェイズに入るよ。まずは私でサファイアを攻撃! そのモンスターの防御力、確か1000しかないよね」
ステージから身を乗り出して、とてとてとサファイアの所へ向かおうとした所。気を聞かせてくれたのか、C・バッツがサファイアがいるレフトまで運んでくれた。
「勿体無いけどキャスト、《マジカル・シールド》! 攻撃を無効にしてライフ+1、私が【変身】しているなら、1枚ドロー! そして、私達の能力が発動して、ゲージ+2、ライフ+1、1ドローに加えて、私の防御力+2000だよ!」
(手2→4 G1→3 L13→15)
「これで、手札に盾は殆どないはず。ギアペンタで今度こそサファイアを攻撃!」
「う……守ってあげられなくてごめんね? サファイア」
ギアペンタが目からビームを放ち、サファイアが爆発四散する(イメージです)。
「ギアデルタとC・バッツで連携攻撃!」
「ライフで受けるよ! まだ私のライフはいっぱいあるよ!」
(L15→11)
「C・バッツの“機神軍招集”でゲージ2を払いライトにバディコール! 来て、私の最強バディ。《貴心竜 ギアバッツⅡ》! ギアペンタは押し出し」
(G3→1 L6→5→6)
旗を突き刺して私の隣にセカンドが現れる。私の場には新旧2人のバッツがいる。それは……とても素晴らしい光景だった。
「こんな景色を見られるなんて……、真火炉ちゃんについてきて正解だったかな? 行くよ、セカンド。ギアバッツⅡで結ちゃんに攻撃。攻撃力10000の打撃力2、魔法1枚じゃ防御力は足りないよ。そしてライフ1を払い、セカンドの能力を発動」
『是、マイバディ。スペシャルコード・リブート。ギアデルタの逆天殺を強制発動する!』
「な!? ファイト中1度しか使えない〈逆天殺〉を無理やり使う能力!?」
「そう、この能力によって私のゲージ+2する。攻撃はどうする?」
(G1→3 L6→5)
「それもライフで受けるしかないかなー」
(L11→9)
「C・バッツとギアバッツⅡは【2回攻撃】でスタンドしてる。2体で連携攻撃。もう一度セカンドの能力を使うよ」
(G3→5 L5→4)
『再び、ギアデルタの逆天殺を強制発動。+2ゲージ』
目の前でC・バッツとギアバッツが同時に動き出し、その巨体の握る槍が同時に振るわれる。夢だとしても、これを後で見られるなんて……。
「それもライフだよ。……これであてなちゃんの攻撃は終了だけど、《神槍 C・×天バスター!》持ってないんだよね? 持っているなら、ギアペンタも私に攻撃するはずだもん」
(L9→5)
「正解。ファイナルフェイズ、……そのままムーブエンド」
新代結
手札4/ゲージ3/ライフ5
心川あてな
手札5/ゲージ5/ライフ4
「ライフは一気に減ったけど、手札もゲージも全然減ってない。これが、[機神軍]のデッキ……。でも、私は負けない! 私のターン、チャージ&ドロー! キャスト、《その輝きを重ねて》! 2ドロー、2ゲージ、1ライフ!」
(手4→6 G4→3→5 L5→6)
「引いたカードが2枚ドローのカード……。結ちゃんは、ここ一番でカードを引くんだね」
「うん。おいで! 私の仲間達! レフトに《宝石魔女 サファイア“Queen”》、ゲージ2を払いライトに《大宝石魔女 ルビー》をコール! エメラルダは押し出し、ありがとうね」
(G5→3)
『後は任せました。お二人とも』
エメラルダがいなくなり、出てきたモンスターは先程より美しい衣装を纏ったサファイアと豪華な衣装を纏った紅の髪の少女だ。
『おっきなモンスターが、いっぱい……。あわわわ、どうしよう、ルビーお姉ちゃん』
『サファイア、寧ろ滾るじゃない! こんな素敵な場所に私達を連れて来てくれるなんて!』
『ルビーお姉ちゃんが臨戦態勢だよぅ。クリスタお姉ちゃん……』
「あー、ルビーはいつもどうりだから諦めて。大宝石魔女となったルビーは、登場時に私の[宝石魔女]の種類分デッキの上からカードを見て、その中から[魔法少女]1枚を手札に加える。で、加えたこのカードをキャスト。《煌めきの共鳴》で合計ゲージ+2、ライフ+2、1ドロー。そして、ルビーお願い」
(手4→5 G3→5 L6→8)
『クリスタが[魔法少女]の魔法を使ったら、私はパワーアップし、相手にダメージ1! ファイア!』
「痛た……。でも、そのデッキ。ダメージを出すの難しいんでしょ?」
(L6→5)
「ばれちゃった……。でも、やる事は変わらない! センターにバディコール、《MD オリハルコン》! 来て、ハル!」
『ボクの出番だ!』
「アタックフェイズ! ハルとサファイアでギアデルタを攻撃!」
「ギアデルタ!」
『マスター。後は頼んだ』
ギアデルタが破壊されてしまった。……あなたの犠牲は無駄にはしない。
「ハルの能力、ハルを私のソウルに入れて、1枚ドロー!」
(手4→5)
「私もC・バッツの“機神軍招集”。《補給機 C・ペンタ》をコール。“補給機の任務”でゲージとライフ+1、1ドロー。C・ドラグロイヤーの能力も起動して1ドロー」
(手4→6 G4→5 L5→4→5)
「今度は私でC・ペンタを攻撃!」
クリスタのビームでC・ペンタも破壊される。
「キャスト、《マシニング・サクリファイス》。C・バッツの力を借りて、《祈祷機 C・ベル》をコール。登場時能力でライフ+2」
(L5→7)
「なら、ルビーでC・ベルを攻撃!」
ルビーの持つ大砲によって、C・ベルが撃ち抜かれて破壊されてしまった。
「センターは空いた! 私とルビーでそれぞれ攻撃!」
『もう一発、今度はあなたが喰らいなさい!』
「きゃぁああああああ!」
(L7→3)
「ファイナルフェイズ! 必殺コール! 私を必殺モンスターに!」
(G5→2)
「《クリスタ“ブリリアント・ブラスター!!”》はサイズ3・攻撃力1000・防御力5000・打撃力2、【2回攻撃】【ソウルガード】【必殺変身】を持つカード! 更に私の能力発動! 手札の《大魔法 ブリリアント・ブリンガー!》をソウルに入れて、攻撃力+10万、打撃力+2、【3回攻撃】を得る! 更にサファイアの能力で必殺技を使ったからゲージ+1、1ドロー! 私で1回目の攻撃!」
(手4→3→4 G2→3)
「キャスト、《ドラゴンシールド 貴竜の盾》で攻撃を無効にして、ライフ+2」
(L3→5)
「私で【2回攻撃】!」
「くっ……、きゃぁああああ!」
(L5→1)
「【3回攻撃】! これで、終わり!」
3連続の砲撃が私に襲い掛かる。もう、私のライフは残り1……。
こんな所で、終わってたまるもんか!
「ううん、《ドラゴニック・ヒール“プラス”》でライフ+5! これでライフは残るよ!」
(L1→6→4)
「ムーブエンド。……良かった、ほっとしたよ」
「いきなりどうしたの? 結ちゃん」
自分のターンの終了を宣言した後、表情を綻ばせた結ちゃんに意味がよく分からなくて首を傾げる。
「淡々とファイトしているあてなちゃんを見て、ちょっと心配になったの。
ああ、そっか。ここはアニメの様な場所だ。いつもの大会の様に淡々とやっているようじゃ、心配されても仕方が無いのかな。
「分かった! なら、私の全力でやってやろうじゃない!」
「うん、あてなちゃんの全力、絶対に止めて見せる!」
新代結
手札4/ゲージ3/ライフ8
心川あてな
手札3/ゲージ5/ライフ2
「私のターン! ドロー、チャージ&ドロー!! レフトに《心機 ギアペンタ》をコール! 《機神剣 C・ドラグロイヤー》の能力で1ドロー! ゲージ1で装備、《貴なる心 ギアーズ・ハート》!」
(手3 G6→5)
「新しいアイテムを装備しなおした!?」
機械の心、でもそれは冷たい鋼のそれではない。軋む音は熱を発し、私に確かな温かさを伝えてくる!
「ギアーズ・ハートの能力。ライフ1を払い、手札の《心機 ギアデルタ》をコール! この能力でコールしたモンスターのサイズは0になる。これこそが、私の“貴心フォーメーション”! 《魔導障壁展開装置》を設置してアタックフェイズ!」
『……っ。これじゃ、私の銃が障壁に弾かれてしまうじゃない!』
「そう、ルビーの効果はもう届かない。私で結ちゃんを攻撃!」
「でも、その攻撃力はたったの2000。私には届かない!」
私の攻撃はあっさりと結ちゃんに防御されてしまった。
「だったら。ギアペンタ、私に続いて!」
『攻撃の要請を確認。攻撃に移行する』
「ライフで受けるよ」
(L8→6)
「行って、ギアデルタ」
『攻撃形態へ移行する。我の攻撃を受けるが良い!』
「私の能力。ソウル2枚を捨てて、その攻撃は無効! ライフ5以下にはさせない!」
(クリスタのソウル:5→3)
「だったら! キャスト、《ガル・ゼーゲン》! ライフ+2と2枚ドロー! さあ、出番だよ。セカンドで結ちゃんを攻撃!」
(手1→3 L1→3→2)
『是、マイバディ。スペシャルコード・リブート。ギアペンタの逆天殺、強制発動!』
「効果でノーコストで1枚ドロー。更に〈逆天殺〉を使ったから1ドロー!」
(手3→5)
「《マジカル・プロテクト》! 攻撃を無効化して、このカードを私の場の[魔法少女]――私のソウルに!」
(クリスタのソウル:3→4)
「セカンドの【2回攻撃】! ギアペンタの〈逆天殺〉は1ターンに1回しか使えないから、ギアデルタの能力を強制発動してゲージ+2、1ドロー!」
(手5→6 G5→7 L2→1)
「その攻撃も、私の能力で無効! これで、あてなちゃんの攻撃は、全て防いだよ」
(クリスタのソウル:4→2)
「まだ、私のセカンドのフルスペックは発揮していない! 貴心竜――」
「その構え、もしかして……!」
逆
「――ギアバッツ――」
天
「――セカンド――」
殺
「――〈逆天殺Reboot〉!」
逆
天
殺
Reboot
「〈逆天殺……Reboot?」
「〈逆天殺Reboot〉は〈逆天殺〉を上回る強力な能力。私は手札1枚を捨てる事で、デッキからカード名の異なるサイズ3の[機神軍]2枚を【コールコスト】を払ってコールできる。そして、コールしたモンスターは場から離れるまでサイズが0になる! C・バッツは枚数の問題でもうデッキにいないから、レフトに《心機 ギアパンダ》と……私のセカンドを究極進化! Ⅰを越えて、Ⅱを越えて、∞へと至れ! 《
(手6→5)
『是。我はバディとの絆により、真理へと至ったギアバッツ。マイバディよ、今こそ決着をつけよう』
「ギアバッツがサイズ3のモンスターに……」
「心機 ギアパンダの“抜刀でずぜ!”とギアバッツ∞の能力が発動。まずはギアバッツ∞の能力で手札1枚を捨て、このファイト中にお互いが使った〈逆転殺〉の回数分私のライフを回復し、追加の能力を得る。そして、手札1枚を捨て、デッキから《機神剣 C・ドラグロイヤー》を再び装備! スタンドしているカードが私の場には3枚もある、私とギアパンダで連携攻撃!」
(手5→4→3 L2→7→6)
「最後の私の能力で無効!」
(クリスタのソウル:2→0)
「ギアバッツ∞で攻撃! 能力でゲージ1を払い、ドロップゾーンの[機神軍]をサイズ0・スタンド不可で復活。C・ペンタをレフトにコール。攻撃力は∞だよ!」
(手4→6 G7→6→7 L6→7)
「それも、止める! キャスト、《マジカル・シールド》! 攻撃を無効にしてライフ+1、1ドロー!」
(手2→3 G3→2 L6→7)
「C・ペンタで攻撃!」
「2枚目の《マジカル・シールド》!」
(手2→3 G2→1 L7→8)
「【2回攻撃】! ドロップゾーンからレフトに《機神竜 C・バッツ》をコール!」
(G7→6→4)
「キャスト、《マジカル・スフィア》!」
(G1→2)
「C・バッツで攻撃!」
「もう、守るカードが無い……」
(L8→6)
「C・バッツの“機神軍招集”。やっぱり最後は私のバディで決めなきゃね。私の最強バディ、《貴心竜 ギアバッツⅡ》!」
(G4→2 L7→6)
「……これは、厳しいかな。全力で来い!」
「ええ、セカンド。攻撃! セカンドの能力は1回で十分」
(G2→4 L6→5)
「ううう……、持っているんでしょ?」
(L6→4→2)
「ファイナルフェイズ! セカンド、力を貸して! キャスト!」
『是。これより、必殺シークエンスへ移行する。我の力をバディへアシスト!』
私の姿が、竜人の姿へと変わっていく。アニメでよく見たけど、実際にはこんな感じになっていたんだね。空中に出現した巨大な槍を、蹴り込む事で結ちゃんの方角へと打ち出す! これが……!
「必殺! 《神槍 C・×天バスター》!」
(G4→1)
「負けたけど……。ありがとうございました、いいファイトでした」
(L2→0)
WIINER! 心川あてな!
*
「あ……、“闇結界”が消えていく。という事は、私達はここから追い出されるのか。……結ちゃん?」
結ちゃんは自分のデッキを見ながら感想戦を始めていた。
「うーん。もう慣れたけど、やっぱり戦績が悪い気がする。根本的な所からデッキを見なおそうかな……?」
「最後はヒール“プラス”が引けてなかったら負けてたよ。結ちゃんのデッキはすごく強いけど……防御力が高い相手だと、盤面の決定力がちょっと低いよね? ルビーの火力だよりになってるのは改善するべきだと思う」
「だよね? でも、サファイアもエメラルダもルビーも無いと勝てないしなぁ……。盤面全体を強化するカードを入れればいいのかな?」
「最近は攻撃回数と突破力が無いと、なかなか勝てないよね。防御力20000超えるモンスターも増えてきたし」
「え!? 今のバディファイトってそんなカードがいっぱいあるの!?」
ゼルベリオスとか、デッドリー・アイズとか、シンクとか。防御力が簡単に15000を超えるから、突破がこんなになるんだよね。私のデッキには攻撃力∞のギアバッツ∞がいるからなんとかやっていけるけど……。
「連続攻撃と打撃力ね……。私なりに、ちょっと考えてみる。ありがとう、ファイトしてくれて。とても楽しかったよ、あてなちゃん」
「うん、私も。とっても楽しかった。後で私の友達にも自慢する」
「それは、嬉しいなぁ。私も頑張らなきゃ、目指すは学園(中等部以下)最強!」
「結ちゃんなら、きっとできるよ。だって、カードゲームだもん。しっかりした理論と、カードの組み合わせがあれば誰だって強くなれる」
「あてなちゃん。結構そういう所、シビアだよね? ファイトをやってた時にも時折思ったけど」
「そう? でも、私はセカンド達が好きだから、もっと強いカードがあっても彼らを使うよ」
「そっか。じゃあね、あてなちゃん。私とあてなちゃんが元々いた場所は多分だけど、かなり違うはずだから次に会えるのはいつか分からないけど、きっとまた会える気がする」
「私も、意外と早くまたファイトできる気がするよ。じゃあ、次会えたら――」
「「一緒にバディファイト、しよう!」」
結ちゃんの姿が消えていく。彼女の目にも私が消えていくように見えているのだろう。……そうして、私と結ちゃんの不思議な出会いは終わった。
*
「あてなー! 何処行ってたの!? 一本道間違えるとか! 私がいなかったら迷ったら帰れなくなるじゃん!」
「ごめん……。でも、そのおかげでちょっと面白い子とファイトできたよ」
「えー、ずるい。私も見たかったし。でもいいや、これからいっぱいファイトするから」
真火炉ちゃんの談笑しながら歩いていくと、目的地であるカフェ“ゴールデンフリース”にたどり着いた。カフェの敷地内の様々な場所で卓上バディファイトが行われていた。
「おー、やってるやってる。私も飛び入りしたいけど、まずはマスターに話を通さないとね。マスター! アマリリスちゃん!」
真火炉ちゃんが扉を開いたので、一緒に中に入る。中にも結構人がいて、マスターらしき男性と従業員らしき少女がせわしなく働いていた。真火炉ちゃんがある二人を見定めて声を掛けに行く。
「あー! また負けたー! やはり主人公力ではトーコが上かっ!」
「ふっふっふー、伊達に主人公の母親やってません。デッキいじって出直してきなさい!」
「新代師匠! 天王ちゃん、私とファイトしましょー!」
声をかけた内の一人、女性の方に結ちゃんの面影が見えた。
「……新代?」
どうやら、私と結ちゃんの縁はまだ消えていないのかもしれない。
なんで主人公こんなに負けるの。(相手の新規を紹介するために全力で動かしたら、結ちゃんの防御力が足りなかったりするせい。今回はどちらが勝つか決めていませんでしたが、結ちゃんは結構追い詰めた方ではあると思う)
スペシャル回なので、シナリオの展開はあまり難しく考えちゃダメ。
今回のゲストは私の没作品の主人公あてなちゃん。……相変わらず、名前の付け方で好きな作品がばれる仕様。
《貴心竜 ギアバッツⅡ》
モンスター
サイズ2/攻撃力10000/打撃力2/防御力4000
クラン:ドラゴンW 属性:心竜/機神軍
【コールコスト】ゲージ2を払う。
君のターン中、場のこのカードは破壊されない。
このカードが攻撃したとき、ライフ1を払っても良い。払ったら、君の場の[心竜]1枚の〈逆天殺〉をファイト中の回数を無視して使える。(〈逆天殺〉のコストを払わないと使えないぞ!)
〈逆天殺ReBOOT〉(このファイト中に君が〈逆天殺〉を使っているなら、君のターン中、手札1枚を捨てる)君のデッキからカード名の異なるサイズ3の[機神軍]2枚までを、【コールコスト】を払わずにコールし、デッキをシャッフルする。そのカードは場から離れるまでサイズが0になる。
【2回攻撃】
『バディとの別れ……そして出会いが、我らに心を与えたのだ』
『いくよ、真火炉ちゃん! 私の――私達の力、見せてあげる!』『イエス・マイバディ。心に響くファイトを遂行する!』
《貴神皇帝竜 ギアバッツ∞》
モンスター
サイズ3/攻撃力∞/打撃力2/防御力6000
クラン:ドラゴンW 属性:心竜/機神軍
このカードは1ターンに1回だけコールできる。
【コールコスト】君の場の元々のサイズが2のカード名に「ギアバッツ」を含むモンスター1枚をドロップに置く。
君のターン中、場のこのカードは破壊されず、相手のカードの効果でレストされない。
このカードが登場した時、手札1枚を捨ててもよい。捨てたら、このファイト中に使われた〈逆天殺〉の回数分、君のライフ+1し、このターン中、次の能力を得る。
・このカードが攻撃した時、ゲージ1を払ってもよい。払ったら、君のドロップにある「貴神皇帝竜 ギアバッツ∞」以外のサイズ3の[機神軍]1枚を【コールコスト】を払ってコールする。そのモンスターは場を離れるまで、サイズが0になり、あーどの能力でスタンドできない。
【2回攻撃】
『幾度もの改修を終え、心持つ機械竜は遂に頂へと至ったのだ』
《心機 ギアパンダ》
モンスター
サイズ3/攻撃力4000/打撃力2/防御力4000
クラン:ドラゴンW 属性:心竜/機神軍
このファイト中、君が〈逆天殺〉を使っているなら、このカードのサイズを2減らす。
“抜刀ですぜ!”このカードが手札から登場したとき、手札1枚を捨ててもよい。捨てたら、君のデッキから[機神軍]のアイテムを1枚まで選び、【コールコスト】を払って装備する。“抜刀ですぜ!”は1ターンに1回だけ使える。
【移動】
『これでも昔はやんちゃしてたんですぜ』
《心機 ギアデルタ》
モンスター
サイズ3/攻撃力9000/打撃力2/防御力1000
クラン:ドラゴンW 属性:心竜/機神軍
このファイト中、君が〈逆天殺〉を使っているなら、このカードのサイズを2減らす。
〈逆天殺〉(君のターン中に使える)君のデッキの上から2枚をゲージに置く。
《心機 ギアペンタ》
モンスター
サイズ3/攻撃力5000/打撃力2/防御力3000
クラン:ドラゴンW 属性:心竜/機神軍
【コールコスト】ゲージ1を払う。
このファイト中、君が〈逆天殺〉を使っているなら、このカードのサイズを2減らす。
君が〈逆天殺〉を使った時、カード1枚を引く。
〈逆天殺〉(君のターン中に使える)カード1枚を引く。
《貴なる心 ギアーズハート》
アイテム
攻撃力2000/打撃力1
クラン:ドラゴンW 属性:機神軍/武器
【装備コスト】君の場に[機神軍]のモンスターがいるなら、ゲージ1を払う。
このカードは君のセンターにモンスターがいても攻撃できる。
【起動】ライフ1を払う。払ったら、手札の[機神軍]のモンスター1枚を【コールコスト】を払ってコールする。そのカードは場から離れるまでサイズが0になる。この能力は1ターンに1回だけ使える。
『これが私達の貴心フォーメーション!』
《大魔法 ドラゴン・オブ・リージュ》
魔法
クラン:ドラゴンW 属性:心竜/機神軍
【コールコスト】ライフ2を払う。
次のターンの終了時まで、君の場の[機神軍]のサイズを2減らす。「大魔法 ドラゴン・オブ・リージュ」は1ターンに1回だけ使える。
『心竜よ、気高くあれ』
《ドラゴンシールド 貴竜の盾》
魔法
クラン:ドラゴンW 属性:機神軍/防御
相手のターンの攻撃中、君の場に[機神軍]があるなら使える。
【対抗】その攻撃を無効化し、君のライフ+2!
『貴方達は強い。堂々としていればいいの』
《祈祷機 C・ベル》
モンスター
サイズ3/攻撃力6000/打撃力2/防御力6000
クラン:ドラゴンW 属性:機神軍/ドラゴン/カオス
このカードが登場した時、君の場の他の[機神軍]の枚数分、君のライフ+1!
『祈祷を開始します。機神軍召集の為の生命力を充填……』
という訳で、あてなちゃんが使っている[心竜]・[機神軍]混成デッキです。ドラゴンWで[機神軍]を強引に使用するために《大魔法 ドラゴン・オブ・リージュ》や、《貴なる心 ギアーズ・ハート》でサイズを誤魔化しながら展開し、〈逆天殺〉を使用します。〈逆天殺〉を使った後は多くのモンスターがサイズ1になるので、横に並べつつ戦い、ギアバッツⅡの〈逆天殺Reboot〉で後続を呼び出して殴ります。
究極進化形態のギアバッツ∞は遂になるバールバッツ・ドラグロイヤーと違って、【2回攻撃】しかできませんが、ギアバッツ∞→ギアパンダ&C・バッツに繋ぐことで、7→8回の攻撃が可能になる強力なモンスターです。高度な安定性と連続攻撃性を持つ強力なデッキになりました。
《クリスタ“プリズム・ディフェンダー!”》
必殺モンスター
サイズ3/攻撃力5000/打撃力2/防御力6000
クラン:ヒーローW 属性:ヒロイン/魔法少女/??
【コールコスト】手札の魔法1枚をこのカードのソウルに入れ、ゲージ2を払う。
君が[魔法少女]の魔法を使った時、君のデッキの上から1枚をゲージの上に置き、君のライフ+1し、このターン中、このカードの防御力+2000!
【対抗】【起動】君の[魔法少女]のモンスター2枚をレストする。レストしたら、カード1枚を引き、このカードをスタンドする。この能力は1ターンに1回だけ使える。
【ソウルガード】【必殺変身】〔手札の魔法1枚をこのカードのソウルに入れ、君の場の[魔法少女]のアイテム1枚の上に重ねる〕
『全力防御形態! どこからでもかかってこい!』
《クリスタ“ブリリアント・ブラスター!!”》
必殺モンスター
サイズ3/攻撃力10000/打撃力2/防御力5000
クラン:ヒーローW 属性:ヒロイン/魔法少女/??
このカードはコールできない。
君が攻撃を受けている攻撃中、このカードのソウル2枚を捨ててもよい。捨てたら、その攻撃を無効化する。
【対抗】【起動】君の手札のカード名に「ブリリアント・ブリンガー」を含むカード1枚をソウルに入れる。入れたら、このターン中、このカードの攻撃力+100000、打撃力+2、【3回攻撃】を得る。
【2回攻撃】【ソウルガード】【必殺変身】〔君の場の[魔法少女]のアイテム1枚の上に重ね、ゲージ3を払う〕
クリスタの必殺モンスター2種、どちらも攻防共に優れており、前者は防御面に、後者は攻撃面に優れた能力を発揮します。“プリズム・ディフェンダー!”は[魔法少女]の魔法を使うたびにゲージとライフ+1することで、後続の必殺モンスターや必殺技を使いやすくします。また[魔法少女]のモンスター2枚をレストすることで、1枚引く能力とスタンドする能力が使えます。2つ目の能力は万全の状態で使うことは難しいですが、押し出しが多くなりがちな[魔法少女]では助かる能力です。
“ブリリアント・ブラスター!!”は《大魔法 ブリリアント・ブリンガー!》をソウルに入れることで攻撃力11万、打撃力4の【3回攻撃】という強力な攻撃を行えるフィニッシュ力の大きいカードです。特定のカードを必要とするカードではありますが、[魔法少女]にとって、その条件は比較的達成しやすいところも魅力ですね。所謂“モード・パニッシャー”互換。
ちょっと昔に作ったカードの能力を覚えていないせいで、不備が多いと思います。クリスマス二日前に作り始めるものではないですね。それでは次回こそは本編を書ければなぁと思いつつ、番外編にもなりそう。
次回もよろしくお願いします。