Fate/zero Solitary assassin   作:三日月響

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第四次聖杯戦争
プロローグ


 アインツベルン城にて、二人の男女はとある作業を行っていた

 

 

 空いた空間に水銀で、魔方陣を書いてる。

 

 

 それは何も知らない者からすればただの奇行にしか見えないが、これは魔術師、更に言えば聖杯戦争に関わる者にとっては重要なファクターの一つ。つまり召喚陣である。

 何を召喚するといえば、聖杯戦争にて最も重要な要素のサーヴァント。過去にその名を大陸に轟かせた英雄の魂───その分体を召喚するための儀式。

 これが彼らが万物の願望気たる聖杯を手にする為の第一歩だった。

 

 

「─────こんな簡単な儀式で構わないの?」

 

 

 雪の様に白い髪と肌に、新鮮な血の様に赤い眼を持った女性、アインツベルンが作りしホムンクルス、アイリスフィール・フォン・アインツベルンは、『英霊の召喚』という偉業の実現としては余りのも簡素すぎる召喚陣に拍子抜けして、そんな声を出す。

 

 

 その声を聞いた隣に居る東洋系の男性───

彼女の夫である衛宮切継は微笑を浮かべながら説明した

 

 

「拍子抜けかもしれないかどね、英霊の召喚にはそれほど大きな降霊は必要ないんだ。実際にサーヴァントを招き寄せるのは術者じゃなくて聖杯。僕はマスターとして現れた英霊をこちら側の世界に繋ぎ止め、実体化できるだけの魔力を供給しさえすればいいんだよ、アイリ」

「へぇ~知らなかったわ」

「アハト翁は君に最低限の知識しか与えていなかったようだからね。無理もないさ」

 

 

 水銀の魔方陣を完成させると、

アハト爺が用意して触媒を、いまいましげに見据えた。

 

 

「大お爺様の贈り物が不満なの? 切継?」

「.....まさか。ご老体はよくやってくれた。この触媒を用いれば『セイバー』クラスとしては最高の英霊を召喚することが出来るだろう。.....マスターである僕との相性は度外視にしてね」

 

 

 礼拝堂に設置された触媒には。アーサー王の聖剣の鞘が置かれていた。

 これこそがアインツベルン家当主であるアハト爺が此度の聖杯戦争における勝利の為にコーンウォールで発掘させた聖遺物である。

 そしてその聖遺物を用いて、間違いなく召喚されるである英霊を想像すれば切継が抱く懸念もアイリスは理解出来るのであった。

 

 

「つまりあなたは『騎士王』との契約に不安があるのね」

「正面切っての決闘なんて僕の流儀じゃない。それがバトルロワイアルとなれば尚更だ。

狙うとしたら寝込みか背中。時間も場所も選ばずに、効率よく、確実に仕留められる敵を討つ。.....そんな戦法に、高潔なる騎士サマが付き合ってくれるとは思えないからね」

 

 

 正直なところ、キャスターかアサシンの方が僕の性に合っていると宣う切継を、アイリスフィールは苦笑いすることしかできなかった。

 

 

「策は考えてある最強の英霊を最強のままに使い切る策はね、今はひとまず英霊の召喚を成功させることに集中しなければ」

 

 

「素には銀と鉄。礎に石と契約の大公」

 

 

 切継は己の持つ魔術回路を起動させ、魔力を召喚陣へと送り込んでいく。

瞬間、起こるエーテルの奔流。

 それを間近で叩き付けられ、吹き飛びそうな体を抑えながら切継は詠唱を続けた。

 

「降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

 

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する」

 

 

────告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。」

 

 

「誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者

我は常世総ての悪を敷く者」

 

 

 

「汝三大の言霊を纏う七天。

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ───ッ!!」

 

 

 

 切継は前に描かれた魔法陣から発生する光と風を受けながら詠唱を唱え終えると光は

一層増し聖堂を包み込む。

 

 

聖杯を通し魔術師の魔力を糧に体を徐々にに姿を現していく。

 

 

「······サーヴァントセイバー、召喚に応じた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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