食べ終わってからは、テントに荷物を入れたり遊んだりしていたのだけれども、夏とはいえやっぱり楽しんでるとすぐに時間というのは過ぎて行くものなんだなぁと思う。
暗くなる前に夕食を取り終わると、トロワや真野に榊たちはまた遊び始めたが、店長は校舎に入って行った。トイレなら表からじゃなくて裏から入った方がいいのにわざわざ表から入るなんて変だなぁって思っていたら、ちょんちょんと肩を押されたので誰だろうと振り返ると贇だった。
「昼食のやつなくなってるか確認に行こうよーどうせ荷物をテントに入れるついでだしさ」
いるわけがないのに、何で贇はそうやっているんだろう?もしかして石碑の事を知ってるのかな?贇が捕まってた場所って川を飛び越えないとほぼ確実にと言っていいレベルで広場の方向に行かないと帰れないし。それを見てお供え物として冷蔵庫に入れたのかも。まあいいや。気にすることでもないし本当についでな訳だしね。ボクはうんの二言で了承した。
みんなが遊んでいる間にボクたちは店長と同じように表から校舎に入り荷物を置いている保健室に入る。夏とはいえ暗くなれば寒くなる。しっかり戸締りをして冷蔵庫の前に行くと、贇が中身を確認していた。
「ほら見て〜中身がなくなってるよ〜」
「あれま。本当だ」
皿から食べ物を取り出して冷蔵庫に入れてるのかなぁ・・・ボクの位置からは見えないからどうかはわからないけど。
「やっぱりコミュ障なだけなんだねぇ〜君が会った子」
「はいはいソウデスネェ・・・」
僕の勝ちと言いたいのか、笑顔でピョンピョンと跳ねている。なーんかイライラするなぁ。ボクは簡単に賞賛すると荷物を背負って部屋を出ようとするけど、そこで贇に止められる。
「んで君があった子って本当にここの子?本当に1人なの?」
「何が言いたいのさ?ボクはここで会ったって言ったつもりだけど」
「嘘でしょ」
「嘘じゃないよ!」
贇は信用していないようでこちらを疑いの目で見る。ほかにも子供に会ったんじゃないのかな?と言って来そうだ。
もし会ったとしたらそれは夢だし、夢で会った人まで含めるのは話にならない。
「ほうほうほう・・・夢の中で会ったんだ。どんな子供たち?」
「なっ・・・!?」
心を読まれた!?何で?どうやって?
「だって口に出してるんだから、心も何も・・・・・・」
あっ・・・そういえば何故かボクは時々ボクの心の中の声を出してしまうんだった・・・・・・けどどういう原理なんだろう?
「他の人には言わないよ。だから教えてくれないかい?怖い思いしたんだろう?」
「——————ああ!分かりましたよっ!言いますよ言えばいいんでしょ!」
トロワたちに会おうとしたらいきなり夢の中に飛ばされて、白銀という隻眼の人に会ったと言ったら、一瞬眉が上に上がった。気になったのでそれに関して聞いてみる。
「いいや、知らないよ。ゲームで同じ名前の人がいたなぁって思っただけさ。他の人にも会ったの?」
「あとはロシンという人も見たよ。見ただけで話した訳じゃないけどね」
さらに詳しい事を話して行くと、贇はこの意味不明な夢を信じてくれたようで、内容を理解してくれた。
「———それで、その中で会話が出来たのは、目のない子だけだったと。それでその子はさっきの昼食を食べた子って事だよね?」
「実際に食べたところを見た訳じゃないから分かんないけどね」
目がないのにご飯を食べることなんて出来るんだろうか?慣れていたら出来るんだろうけどね。
また会う機会があれば紹介してねと言うと贇はささっと自分の荷物をまとめると他のみんなの荷物も持って部屋を出て行く。聞くことだけ聞いて、ボクがどうやって対処すればいいのかは一切教えてくれなかった。ボクのことなのだから自分で対処しろって事なのかなぁ〜。
———あいつ・・・・・・この食い物あいつらのか———
どうしたんだ?ボクに対して嘲笑するような感じを出していた君が贇に対しては憎悪を見せていた。
「君は贇に会ったのことがあるの?」
———会ったことがある?ふざけるな。あいつのおかげでどれだけの・・・どれだけの人が———
そこまで憎む理由が・・・?贇は昔何をしたんだろう?
「ねえ、思い出すのは辛いだろうけど教えてくれないかい?同じような目に遭わないようになるかもしれないから」
———無理だ。口から出そうでも出ない。でも1つだけは言える。信じていいのは、白銀さんと妹だ。それ以外は———
「おーい少年君、いつまでそこに突っ立っているんだい?さっさと荷物入れないと寝る場所の確保出来ないよ〜」
まるでこの目のない子の話を遮るかのように廊下から声をかけてくる贇。これが嘘でも本当でもボクはその時になってから決めよう。今からわちゃわちゃしてストレスを溜めていたら大変だ。今回は修也のためのものなんだ、問題はボクの心の中に閉まっておこう。