コソコソ2人について行くが、右へ左へ進み殆ど直進で進むことがない。今見えているものが本当に偽物で、実際は屋内なら考えられることではない訳ではないが・・・・・・。
キノが中々の太さの木の幹に触れると、計算機を触る時のように幹を触ると金属製の扉の開く音がした。こちらでは確認できないが、実際には扉があるんだろう。それがキノには見えている。後ろのリオンには見えていないようで、木の幹を触っている時にキノの手を外そうと塞がれていない方の手で指を触っていたが、びくともしていなかった。あの嫌がり様は同情出来てしまう程だった。
「こんなに無理矢理するキノの方がおかしいよ!」
「リオン・・・・・・?」
「キノはそんなことしないよ!どうしてこんなことするのさ!ねえ!僕は嫌だよ!戻ってよ!」
キノの身体ごと引っ張ることで手を外したリオンはそのまま距離を取る。
「あっ・・・・・・」
「ご、ごめん。でも僕は——————」
「リオン!」
リオンを左の草木の方へと押し飛ばすと当時にキノにあの時の化け物が襲い掛かる。あいつ見境がないのか?
キノは押し倒され化け物に服を無理矢理破かれていた。まるでその姿は強姦をする時の犯罪者の様だった。
そんな事にキノがなっているのに、リオンは何をしているのか。ただ恐怖で動けない様だった。それは当然といえばそうなるが。通常人が人を食べる所など見たら恐怖で動けなくなるのは当然だ。
誰かがなら代わりにやれと言ったように感じた。元からそのつもりだ。止めることは出来なくても、引き剥がすことぐらいなら出来る筈だ。テントや水に触れることが出来たし、化け物に襲われたこともある。つまりは干渉出来るって事だ。なら手を出したって何の問題もない筈だ。
感覚のない右足もしっかりと使い、キノ達の所に行き化け物を引き剥がす。まだ噛みついてはいないようで、服は一部が破けていたが直接的な傷は無いようだ。ならばこのまま・・・・・・。
「同族同士襲いあうのか・・・悲しいな。まあそれもこれで終わりだ」
誰——————びしゅ!という音と衝撃が胸の方か聞こえるのに少し遅れて身体が異常に重くなりそのまま床に受け身も取れずに倒れこむ。
「木下!怪我はないか?俺が疑うような状況を作ったのが原因だ。すまん」
「がふっ!
白銀はここまで来ていたのか?あれからそれほど時間の差があったようには感じなかったが・・・・・・む?右腕がない?見間違いか?
歪んでしまった視界に中で白銀をもう一度見ると、やはり右腕がなかった。その上肩からがない。普通じゃない。何があったんだ?
「はぁ・・・はぁはぁ・・・ぐっ・・・なんとしてでもお前らだけは・・・」
こちらに手を出してきた以上、白銀が言ったお前らの中に入るのは、キノとリオンだろう。こちらは入らない。多分ここで隣に転がっている化け物と共に殺されてしまうんだろう。
だが、誰だって死にたくない。なんとか状況を打破しようと身体を動かす。その時に動かした腕がリオンに当たり、そこでリオンの顔を初めて見ることになった。
「—————————なっ——————!?」
「お前まだっ!」
さらに胸に衝撃が走る。それと共に
その答えが出る前に、ボクの意識はまたもや刈り取られてしまった。