近づいてみると髪の毛が薄緑がかっている。染めたのだろうか?にしては滑らかに見えるけど。染色についてはよく分からないし気にしないでおこうか。
「おはよう修也。こんな時間までバイトって徹夜明けじゃないの?」
「うむ。やっぱ夜勤はキツイわ。人間日の光を浴びないとダメって本当だなぁ。そんで贇たち喧嘩してるけど止めないのか?」
「言ってもまたするだけだしねぇ、ボクらで出来ることをやってその後に終わってなかったら言えば良いよ。あとおやっさん、いつもありがとう」
「だからな俺はまだ20歳だと言ってるだろが・・・3日後に迎えに来るつもりだからそれより早く帰るかそれより長くなる時は連絡してくれ。いいな」
「後で贇たちに伝えとくよ」
「それじゃあな」
窓原さんと別れた後、修也に荷物を置く場所を教えていると、薪代わりの小枝を拾いに行っていた芹達が帰って来た。
芹は修也の彼女で、初めは一緒に行くつもりだったのだけれど、先述のバイトが原因で先に行くことになったという訳だ。2人の為のキャンプなのだからここは彼らの時間を作るのがボクらのする事だろう。
「んじゃ、校舎に元保健室があるからそこに置いておくよ。何か冷やさないといけない物とかある?それによって置く場所変わるからさ。
「食い物が入ってない訳じゃないけど、菓子だから問題ねぇでしょ。頼むよ荷物」
仲良いのはいい事だけれど、出来るだけ目の前でキスとかするのはやめて頂けますかねぇ・・・彼女なし歴イコール年齢のボクにとって結構な精神ダメージが来るんだけど・・・。
あまりイチャイチャしている所は見たくないのでその場を離れて修也の荷物を運び、部屋に置く。さっきの行動でイライラさせられたのでちと、いたずらをしようかな。
覗くと中は普通にキャンプに使うような物が入っていて、特に違和感になるものはなかった。彼女がいるのだからそういう物とかがあると思ったんだけど。荷物を閉じようとした時、今時珍しい焼いた写真が落ちてきた。
写真には何人かが写っていてその中にはボクは含まれていなかった。まあ入っていたとしたらボクもそういう写真を持っていないとおかしいよね。という事はボクらが友人になる前に撮った写真なのだろうか?
写真の中には修也とその彼女である芹。後は誰だろう?腰にまで伸びる黒髪の少女に———ん?この人は誰だろう。右腕が肘より先がない少年だけれども見たことがある。それに右眼の色が失明が原因なのか白くなっている青年もいた。
「いくらこちらが頼んだけどさ、プライバシー侵害は酷いんじゃないかな?」
ビクッと身体震えて後ろを振り返ると、修也が少しというよりかなり機嫌が悪そうに見える。
「いやいや、言い訳をさせてくだしい!」
写真を無理やり奪い荷物に入れる。ちょっと腹が立ち過ぎてる気がするけど・・・いやまあ自分の大事なものを勝手に見られたりしたらそりゃあ怒りもするか。こういう時に聞くのは辞めておこう。
修也は右手を伸ばしてボクの頭に手を置く。撫でるつもり———ギィイイイ!!!!!?
「先に言う言葉があんでしょうが!ざけんなよ!おいらにとってこの写真見られるのテレビゲームで言ったら全クリした後にデータを消されるレベルなんだぞ!」
あガガガぁぁああ!!!!!謝る気がない訳がない。というか頭が潰れる潰れる!謝るにもこれじゃ謝れない!声も痛いしか出せない!
「あうあう・・・ハナシテ」
声が出せない事が分かったのか掴んだ手を離してくれたが、少し浮いていたのもあって、思うように着地が出来ずに背中から落ちる。
「ほいよ。んで反省した?」
首を折れてもおかしくないぐらいに大きく縦に振る。完全に納得しているようには見えなかったけど、また許してくれたのならそれでいい。・・・・・・そこまで大事なものだったんだろうか。
「ちと、強く頭を握り過ぎたかな?ごめん。あまり見られたくないものだからさ」
「そ、そうなの・・・?」
「何の写真か聞かないのかい?」
「どんな内容だったか忘れちゃったからいいよ」
嘘ではなく本当に内容が思い出せない。写真を見たという事しか何故か思い出せない。
「そうか・・・それならいいや。店長たちの喧嘩終わったみたいだし、行こうゼ!」
さっきの機嫌の悪さが嘘のように消え修也はまた外に出て行った。ボクはどうしても気になるので、もう一度修也の荷物を開き先程の写真を携帯で撮り残してから、荷物を角に置き修也の後を追った。