眩しい・・・・・・放課後の筈なのに、なぜ眩しいんだ?オレの教室は東側だぞ?
光がオレの大事な睡眠時間を奪う。こうなったらなかなか寝付けないのでしょうがないと身体を起こす。
「また修也掃除サボってんじゃん!みんな怒ってるよ!」
今日は担当じゃなかったはずだが・・・誰かの代わりとかあったか?
「先生に頼まれたじゃんか!深夜まで外にいたからって理由でさ」
全く記憶にないがまあ芹が言うのならそうなのだろう。
荷物を背負い職員室に行くと、屋上のタンクの状態確認を芹がしたからもう帰って良いとのことだった。
それならば芹がなぜ言わなかったのだろうか?聞いてみるか。一緒に来た訳ではないのでどこにいるか分からないが家に帰って待っていれば来るだろう。あいつ飯もまともに作れないしな。
全部の荷物を持って来たと思ったが、水筒を忘れてしまっていた。教室に戻って水筒を取ってから帰路につく。
太陽が沈んで、力尽きそうな街灯の下を歩きながら家へと向かっていると、通学路途中にある公園から物音が聞こえた。
公園には街灯は無く、その上この暗さだ。公園から音がすれば目立つのも当然だ。
携帯を取り出してその明かりでフェンス越しから公園を見渡すが暗すぎるのもあって全くと言っていいほど見えない。だが気になってしょうがないのでフェンスを乗り越えて公園内に入る。
音はまだ続いており近づくのは容易だ。だが逆に言えばその音を立てている何かに気づかれる可能性も上がる。深夜ではないのでヤが付く人たちではないだろう。
すぐそばを殺気が走る。そちらを振り向く前に押し倒される。
「くっ・・・」
何すんだと文句を言う前に黙れと微かに聞こえる程度の声を耳元で聞く。声の高さからして女か。
「今は黙って。あとで説明するから」
言われた通り黙っていると、いくつかの足音が草越しを通る。草のおかげで俺たちの身体が見えることもなく、足音は去っていった。
少女は俺の拘束を解くと手を伸ばして倒れた俺を立ち上がらせる。
「なんなんだよ。あれ。姿が見えたわけじゃないがあんたは何に追われてるんだよ?」
「あれは赤鬼。実験体として生産された生命体よ。あと私はあんたじゃなくて刹那って言うのだけれど」
するすると自分の名前を言ったな・・・。名前を名乗って貰った以上俺も言う必要がある。
「俺は修也。———修也だ」
「修也くん。とりあえずここから離れましょう。赤鬼が戻ってくるかもしれないから」
出入り口は危険だからということで先程のようにフェンスを乗り越えて外に出る。
「それで刹那さんは逃げる場所の確保はしてるのか?」
「いいえ。ただ家に帰ろうと思っただけなのだけれど」
「赤鬼って名前を付けるぐらいあんたはあれと関わってるんだろ?家の場所なんて特定されてるだろ。その上俺は興味本位なところもあったが、巻き込まれたわけだし赤鬼についての情報をくれてもいいんじゃないのか?」
まあ聞けば逃げれないだろうな。こういうのって聞いただけでダメなやつだろうし。ただ歩いていただけで覚悟を決めろと言われても出来るわけがない。
「いいわよ」
「ふぁ!?」
流石に軽すぎる・・・いや、人が歩いてる時間に問題が起きているのだから、情報漏えいは問題外って事なのか?
「・・・じゃあ頼む———刹那さん。あれって赤鬼か?」
左のほうから呻き声が聞こえるのでそれを刹那さんに伝える。俺に聞こえるぐらいなので名前を付けるぐらい付き合いがあるだろう彼女は気づいているとは思うが。
「とりあえず今は俺の家に来てくれ。今日会ったばかりの人間を仲間とは向こうも思わないだろ」
こちらに気づいたのか何体かの赤鬼が雄叫びを上げた。追いつかれる前に身を隠したいので、刹那さんの腕を掴み素早く自宅へと戻った。